kamuraさんが投稿した蕎麦食堂 仁べえ(群馬/上州富岡)の口コミ詳細

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閉店蕎麦食堂 仁べえ上州富岡、西富岡/そば

1

  • 昼の点数:4.2

    • ¥3,000~¥3,999 / 1人
      • 料理・味 4.4
      • |サービス 4.3
      • |雰囲気 3.7
      • |CP 3.8
      • |酒・ドリンク 3.5
1回目

2016/06 訪問

  • 昼の点数:4.2

    • [ 料理・味4.4
    • | サービス4.3
    • | 雰囲気3.7
    • | CP3.8
    • | 酒・ドリンク3.5
    ¥3,000~¥3,999
    / 1人

この日この時この町で

日本橋にあった「仁行」さんの新しいお店「仁べえ」さん。
富岡の駅からも歩いて数分、富岡製糸工場からもすぐのところにあります。

SNSである日行きたい、とつぶやいたら一緒に行ってくださるという飲み友がふたりあって、なんとひとりは車をだしてくださるという。
そちら方面に行ってみたい、と書いてくださったマイレビュアさんもお誘いし、四人での珍道中となりました。

ドライバーをかって出てくださった飲み友さんにノンアルドリンクを手渡し、
他三人で車中から缶の黒ラベルで乾杯!
(ほんっとすみません)

道路は渋滞もなくスムーズに流れ、11時の開店と同時に「仁べえ」さんに着きました。

厨房の前はカウンター、二人掛けのお席が三つほど、四人掛けがひとつ。
四人掛けに席をいただき、三千盛冷や、ドライバーをかってでてくださった方は麦茶で乾杯。

メニューからそば味噌、おから、おやきを。
蕎麦味噌はかわらぬ味。
おからはしっとりとやさしく、葱が香ります。

三千盛をおかわり。

サービスで生のこんにゃくと生とうもろこしのサラダ、こんにゃく煮をいただきました。
日本橋時代、昼も夜も何度もお伺いしたこと、この日遠くから伺ったことをねぎらってくださったのでしょう。
ありがたく嬉しくいただきます。

目から鱗の生こんにゃく。
箸でつまむとゆらゆらふるふる。
ふだんいただくものと全くちがう、まるで生きているかのようなこんにゃく。
これはほんと、美味しい。

いっぽうこんにゃく煮は山椒が香りお酒にもぴたりと添う味わい。
これも素敵。

おやき。
皮の中にはしっとりと夢のような具がつまっています。
お酒にもビールにも。
このあったかな味と食感。
なんだろう、今まで私の知らない店主の味でした。

とうもろこしのサラダ、とうもろこしの甘味がやさしく、葉野菜がフレッシュ。
箸のとまらぬ爽やかさ。

いろんな食材とお料理から、全く新しい一面をみたようで感激でした。

もちろん、思い返さなくても、ミシュラン☆の「古拙」「仁行」の端麗なお料理も素敵だった。
緊張しながら、そしてゆるゆるしながら、ひとつひとつのお料理を味わったことを思い出します。

けれども、この町で新しいお料理で果敢にしかし柔軟に挑戦される店主の姿勢・・・

さて、三千盛をまたおかわりしながら、そろそろお蕎麦を頂きましょう。

皆さんでシェアしましょうと、ひやがけ、トマト蕎麦、つけカレー蕎麦、かきあげ天せいろ、仁べえ蕎麦をおねがいします。

ひやがけは海藻がトッピングされた新しいスタイル。

でも、出汁の味とこのお蕎麦は石井さんのものです。
素晴らしい。
シェアなどしないで、独り占めしたいくらいです。
夢にまでみたひやがけ。
石井さんのひやがけは私の中で、今までいただいたどのお店の冷やがけの中でも一番です。
細打ちの蕎麦にお汁はそのまま添うので薬味などいらないのです。

出汁と蕎麦だけ。
本当に美味しい。

つけカレーのカレー汁の美味なこと。
トマト蕎麦は半熟たまごと出汁とトマトという、旨みたっぷりの蕎麦。
仁べえ蕎麦はゴマ汁と椎茸のよいとこどりの汁です。

これらを少しづつ、細打ちのお蕎麦でいただく幸せ。

ああ、なんて幸せなんでしょう。
こんな遠くまで一緒してくれるお友達があって、今、この日、このとき、一緒にこのお蕎麦を味わえるんだって思ったら、
おおげさなんですけれども、人はひとりで生きてるんではないってことをあらためて感じるのです。

最後の青梅の甘露煮の懐かしい味。

人は立ち止まってはいけない
澱んではいけない
と、お料理から教わっている気がしました。

私はその日、富岡の地で店主の姿勢を今改めて素敵だと思ったのです。

この町で、この時、新しい仁べえさん。

帰り道、また来たいと、私はひなびた商店街を歩きながら何度も思いました。


2016/06/13 更新

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