9回
2025/08 訪問
樋口さんで迎える晩夏
長い酷暑も夕刻には少しだけ涼風を感じる候となってきました。
樋口さんの玄関脇の緑が水を打たれ、生き生きとしています。
この日は食べ友さまと個室で。
個室故、撮影することができました。
3ヶ月ぶりです。何がいただけるのかわくわくしながらお料理が運ばれるのを待ちます。
まずはエビスビールで乾杯。
◇すっぽんの玉子豆腐
玉子豆腐に爽やかな旨みのすっぽんのジュレがかかっています。生姜が効いています。
◇ヤイトハタの唐揚げ、発酵きゅうり
マスカットといちじく、ほうじ茶白和え
沖縄ではミーバイと呼ばれる高級魚、白身が上品です。それを香ばしく唐揚げに。
白和えからはほうじ茶が香ります。
◇鮑ご飯
お凌ぎです。むっちりとした大きな蒸し鮑をご飯に載せて。塩昆布がアクセント。
◇鱧、花びら茸、玉ねぎ、九条ネギ
鱧椀には玉ねぎと九条ネギをこんもりと。鱧がほろほろと解けます。
◇お造り1 鯛と琵琶ます
鯛の弾力あること。琵琶ますは品の良い脂が乗ります。
◇お造り2 生鱧と赤雲丹
生鱧、珍しいですよね。こちらもふんわり。赤雲丹は甘みが濃い。
◇新銀杏、茶豆、浅利だしの春巻
揚げたて熱々の春巻には大好物が詰まっています。塩と酢橘で。
◇ゼンマイ、小芋、冬瓜の冷たい抱き合わせ
柔らかく煮たゼンマイ。小芋にはお味がよく染み込んで。
◇鰻(宍道湖)丸焼き
ご一緒さまと「今日はあるのかな」とドキドキしていた鰻に出会えました!周りがサクサクと香ばしく、中はふんわりと。実山椒を砕いたものが爽やかです。
◇冷やし茄子と牛テール煮込み
テールは柔らかくほろほろに煮込んから表面をパリパリに焼き付けています。初めての食感。どうしてこんなことを思いつくのでしょうか。
◇お食事
・鮎飯
・鱧山椒煮のお茶漬け
・牛時雨煮、香の物、赤出汁
・手打ち蕎麦、茄子煮
ご飯が2種。鮎を炊き込んだ鮎飯には大葉を混ぜ込み、独活の梅酢漬けを刻んで。
鱧の山椒煮は初めはそのまま、次にお茶漬けに。
ご飯をそれぞれいただきお蕎麦は一枚。大盛りでお蕎麦のお代わりをされるご一緒が羨ましくてなりません。お蕎麦には茄子を甘く炊いたものが。夏の名物ですね。
◇水菓子
桃(山梨)
水分が豊かで甘美。
◇甘味 小豆最中アイス
最近はいつもこれです^ ^
◇水出し煎茶
晩夏の樋口さんのお料理を堪能させていただきました。この日もこちらの予想を遥かに超えたお料理の数々。
ご一緒はお店の瓶ビールを全て飲み尽くし、最後には生ビールを召し上がっていました^^;
鮑ご飯
ヤイトハタと白和え
鱧椀
玉子豆腐
琵琶ますと鯛
入り口
お茶花は山葡萄
乾杯!
梅酒のソーダ割り
赤雲丹と生鱧
春巻
だだちゃ豆と新銀杏
冷たい炊き合わせ
烏龍茶
鰻丸焼き
茄子と牛テール
鮎ご飯
鮎ご飯、アップ
2膳目は鱧の山椒煮をお茶漬けに
手打ち蕎麦、茄子と
桃
水出し煎茶
小豆最中アイス
2025/08/21 更新
2025/05 訪問
風薫る五月の樋口さん
4連休前夜の激しい五月雨のなか訪問しました。
雨足は強いですが、何がいただけるかわくわく。
この日は食べ友様と赤坂の日本料理店の大将と3人でカウンターにて。カウンターは一年振りでしょうか。写真は撮影できません。
まずは生ビールで乾杯。梅酒のソーダ割もいただきました。
ご主人の腕によりをかけたお料理の数々。
◇穴子の焼き霜、花山葵、煎り酒
「鱧がまだ小さいので」と微笑むご主人。上品な脂の乗った穴子を煎り酒で。
◇蕗の薹の天ぷら、河豚の白子クリーム
蕗の薹の鮮烈な香りと濃厚な白子クリーム。
◇鮑粥、浅利の出汁で炊いたお粥
鮑は酒蒸しの後揚げたそうな!えもいわれぬコクが加わった鮑の素晴らしさ。
◇鮎魚女のお椀
お出汁がふんわり香り、ほろりと崩れる鮎魚女。
◇鯛と唐津の赤雲丹、醤油と塩酢橘で
雲丹のお味の濃いこと。鯛が負けていまん。別々にいただいた後は鯛で雲丹を巻いて。至福。
◇伊佐木の藁炙り、八丈島のレモンの皮、針茗荷
藁の香りを纏った伊佐木は芳しいです。
◇蛍烏賊、石焼き
名残の蛍烏賊を自分で焼きながら。浜焼きの香りで店内がいっぱいに(笑)
◇琵琶湖の鮎、編笠柚子
琵琶湖の鮎は年々漁獲高が減り、今年は昨年の十分の一だそう。頭からパクリ、なんて柔らか。骨を全く感じない。内臓のほろ苦味がいい。
柚子の皮を甘く煮込んだ編笠柚子にはきな粉を振りかけて。
◇物集女の筍と蕨の炊き合わせ
シンプルな筍の甘さをわずかに残るえぐみを一緒に。お出汁も飲み干します。
◇奈良の花山椒のと山形牛のしゃぶしゃぶ
目の前でお鍋がグツグツ。もしや?名残の花山椒のしゃぶしゃぶ!濃いめの出汁に山盛りの花山椒を投じ、見事な山形牛をしゃぶしゃぶ。火の通し加減を変えてお代わりもありました。
◇筍ご飯、牛時雨煮、生唐墨、香の物、赤出汁
筍ご飯はカウンター全員がお代わり!
◇お蕎麦
この日はいつもの盛り蕎麦と、しゃぶしゃぶのお出汁でいただく熱盛りの2種。お蕎麦ももちろんお代わり。
◇愛媛のタロッコオレンジ
◇ラム酒ところ柿の最中アイス
いつものアイスに加え、特別なアイスが。山梨のころ柿という干し柿の上等なもののアイス。濃厚です。
やはりカウンターでご主人とお話しながらいただくお料理は個室にまして楽しく美味しい。
この4月から新人のお弟子さんがお二人入られました。お二人へのご主人のまなざしが厳しくも温かさで満ちていました。頑張っていただきたいです。
2025/05/04 更新
2025/01 訪問
樋口さんの唯一無二の世界
寒い睦月月末の夕刻です。
神宮前樋口さんに訪問しました。この時期は昨年に続いて2回目です。
玄関で打ち水をされる奥様にご挨拶、個室にはご一緒様がお待ちです。
お香が焚かれ、玄関には華やかな餅花が飾られています。
今宵のお料理に思いを馳せわくわくします。
お供はビールと梅酒のソーダ割り。なおカウンターは通常お写真NGです。個室は可。
次のお料理をいただきました。
◇白味噌椀 大根餅・海老出汁・蕗の薹揚げ
濃い海老のお出汁に風味豊かな大根餅。蕗の薹がアクセント。
◇海老芋・山牛蒡の叩き・唐墨餅
海老芋が熱々ホクホク。唐墨餅があんぽ柿のよう!
◇香箱蟹のお粥・糸昆布
お粥全体がまるで全て蟹のようにお出汁が効いています。
◇お椀 甘鯛、タラの芽・木の芽・白髪ネギ
清澄なお出汁にふっくらとした甘鯛。タラの芽に春の到来を感じます。
◇シラカワ・山葵菜・煎り酒
煎り酒をかけて山葵を溶いて軽く和えて。初めての風味。素晴らしい。
◇お造り メジマグロ・平目
メジマグロは糸満醤油で。平目は酢橘を絞って、塩で。こちらでいただくメジは特急品。上品な脂を存分に湛えています。平目もブリンブリンで味わい深く。
◇河豚の石焼き 白子ポン酢
河豚は酒盗をかけてあります。それを熱した石の上でじゅっと焼いて。裏漉しした白子のクリーミーなこと。
◇松葉蟹
先ほどまで玄関先で生きていたそうです。個室でしたので捌く現場は見られず。香住港より。まだ仄かに温かく。濃い甘みが広がります。味噌がまた旨い。
◇芽芋・絹さや・生姜
芽芋とは初めて。芋茎になる前だそうです。葛で炊いて生姜で。これにも春の足音が。
◇尾長鴨 ロース・ささみ・腕・脚
腕と脚は塩焼きにしてあります。身は島ラッキョウの塩漬けと一緒に。初めての組み合わせ!
金柑のなれ寿司がふくよかな香り。
◇お食事
芹ご飯・香の物・牛時雨煮・唐墨・赤出汁
芹ご飯はお代わりもいただきました。
時雨煮を「丼でかき込みたい!」とご一緒様。深く同感。
◇手打ち蕎麦
気持ちはお代わりしたくとも、甘味の隙間を取っておかねば、と我慢。
◇紅マドンナ
まるでゼリーの如く果汁が滴ります。
◇アイス最中(小豆)
もう一個いただきたかった。
◇水出し玉露
えも言われぬ美味しいお茶。
ご主人の引き出しの多さに本当に毎回感嘆するばかり。先行レビューに「天才」と仰る方がいらっしゃいましたが、なるほど、と思いました。
この日はカウンター席に偶然、こちらをご紹介くださったマイレビ様がいらっしゃっていました。
久しぶりにお目にかかれて本当に嬉しかったです。
次回は風薫る5月。今から楽しみでなりません。
2025/02/02 更新
2024/10 訪問
樋口さんの秋たけなわのお料理に酔いしれる
日暮れがずいぶんと早くなりました。秋のお料理をいただきに樋口さんにやって参りました。
今宵も個室なのでお写真の撮影が可能でした。
感想を少々付してあります。
まずはエビスビールで乾杯。
◇栗蒸し、白甘鯛
◇天然こうたけ、まいたけの天ぷら
◇藻屑ガニの飯蒸し、唐墨
◇お造り
・鰆、燻し、玉ねぎ醤油で
・鯛(淡路)濃い塩水、酢橘、醤油
◇松茸(岩手)フライ、松茸ソース
◇牛みすじ、メークイン(2年熟成)
茗荷のもろみみそ和えを添えて
◇穴子と蕪の炊き合わせ
◇鰻の筒焼き、実山椒、
◇お食事
・松茸ご飯
・味噌汁
・香の物
・生唐墨
・牛時雨煮
◇十割蕎麦(茄子の煮浸しと共に)
◇黒無花果、渋皮栗、泡盛
◇最中アイス(小倉)
今回も素晴らしいお料理をいただきました。
感心してしまったのが、煮穴子を炊いた蕪に載せた一品。少しほろ苦い蕪に甘い煮穴子の相性が絶妙です。どこからこんな発想か?
初めて伺った時にいただいた鰻の筒焼きも登場。パリパリの皮に包まれたふっくらとした身。実山椒を砕いたソースがかかります。嬉しい。
お花から食器から調度品にいたるまで一切の妥協を許さないご主人の姿勢は、もちろんお料理にも現れています。いったいどれだけ手が込んでいるのでしょう!
奥様の日本酒のセレクトも素晴らしい。メニューに載らない秘蔵のお酒を美味しそうな説明とともに出してくださいます。日本酒を頂かない私まで思わず垂涎もの。
5時間少しかかった時間が2時間位にしか感じられない楽しく美味しい会でした。
日がとっぷりと暮れて
奥様の生けられた可憐な秋のお花
裏漉しした繊細な栗の下には甘鯛が。葛餡でまとめて。栗の甘さががほろほろと。甘鯛の塩気と相まって。
舞茸と香茸の天ぷら。ほうれん草と大根おろしを敷いてあります。香り高い。
藻屑ガニの身を丁寧にほぐして餅米と飯蒸しに。唐墨パウダーがたっぷりと。手が混んでいます。思わずため息!
鱧と松茸のお椀。蓋を開けるや否や松茸がふんわり香ります。蓋裏は菊花。
燻した鰆。燻し加減が絶妙な。薫香が素晴らしい。
日本酒の梅酒。メニューに載らない秘密のお酒。
淡路の鯛。きめ細かな身。弾力があります。
松茸がフライで!ソースにまで松茸が入ります。
牛のミスジ肉。シルキーで瑞々しいお肉。茗荷のもろ味噌和えを包んでいただきます。茗荷がまた素晴らしい。
煮穴子の下に炊いた蕪が隠れています。驚きの発想!食べ終えるのが惜しかった。
鰻の筒焼き。こちらの鰻、大好きです。実山椒がまたいい。
松茸ご飯。2杯目は特盛で。
前回も大感激した茄子。シーズンも終わるそう。お代わりしたかったですがもうお腹いっぱい。
栗の渋皮煮と黒無花果。泡盛をかけて。泡盛ってこのメニューに為に存在する?というほどぴったり。
小豆アイスが美味しいパリパリ最中。男性陣が甘味を2種ずつ召し上がっていました!
2024/10/18 更新
2024/07 訪問
樋口さんの清涼感溢れる静謐なお料理
今回の樋口さんは食べ友様4名の方々と、初めて個室にて。
ご主人とお話出来ないのは残念ですが、情緒あるとても素敵なお部屋でした。
一年前の同じ時期に初めて伺いましたが、同じお料理が全く無いことに驚きます。
いただいたお料理は次の通り。
◇雲丹・茄子
◇鱧寿司
◇鮑のひろうす
◇お造り
・鯛
・琵琶鱒
・鱧の焼き霜
◇九絵の唐揚げ・紀州南高梅の甘露煮
◇茄子・蛸・蕗の冷たい炊き合わせ
◇鮎の塩焼き(高津川)
◇味女泥鰌(和良川)・黄韮・豆腐
◇夏鹿(長野)・無花果胡麻ソース
◇メロン・ブルーベリー・マンゴーソース
◇小倉アイス、
◇水出し煎茶
気づくと4時間経っていましたが、不思議と時間の経過を感じない、楽しい、美味しい時間を過ごすことが出来ました。
今回も素晴らしかった!
下には茄子が隠れています。鱧の骨のお出汁のジュレをかけて。
鱧寿司。間に木の芽を挟んで。お味が何ともいい塩梅。添えられた生姜がピリリと。
鯛がぷりぷり新鮮。琵琶鱒は程よい脂が乗り。お醤油と煎り酒と。
夏鹿のうちももの柔らかいこと!生胡椒で。お好みで糸島醤油、行者ニンニク醤油漬け、山葵、塩で。
上品な個室。
茶花のような。奥様が市場で選ばれるという。
まずは生ビールを。
ひろうすの中には鮑のスライスがたくさん。蓮根と酢橘と。清らかな吸地。
鱧の焼き霜。皮目を焦がし中はレアでふんわりと。
貴重な限定梅酒をソーダ割りで。
九絵の揚げ物。衣の香ばしさが堪りません。
九絵と一緒に出された梅の甘露煮。ふっくらと炊かれています。周囲の空気が涼しくなりました。
蛸は限りなく柔らかく。蕗のシャキシャキ感と油を通した茄子。汁まで飲み干しました。
鮎は塩加減がちょうど良く。蓼酢はお粥で溶いてあるので、身によく絡みます。茄子の皮の黒胡麻和えも慈味。
味女泥鰌は2年に一度だけ獲ることを許される希少な固有種。初めていただきました。これで大人です。黄韮とお豆腐と。お出汁がいい。
ご飯のお供に牛時雨煮、香の物、生唐墨。水茄子が瑞々しい。
玉蜀黍ご飯!ご飯に炊き込んだ上に醤油で香ばしく焼いたものを後載せして。よく見るとピュアホワイトと黄色種の2種を。お代わり必至。
トロ茄子をスライスして炊いたもの。お蕎麦と一緒にいただくと・・・、
まるで上品な冷やしきつね蕎麦!男性陣全員お代わりされました。蕎麦湯用に用意してくださった蕎麦湯がまた美味。
メロンが甘い!しばらくメロン談義に花が咲きます。
今回は初の最中アイスを。程よい甘さ、最中の皮は炙り立てでパリパリ。
水出しの新茶。
2024/07/11 更新
2024/04 訪問
樋口さんの初夏が感じられる素敵なお料理
およそ3ヶ月ぶりの樋口さん。アプローチの植木も若葉光る候となりました。今宵は仲良し食べ友様をお誘いしての訪問です。
今回も素晴らしかったです。お料理からは既に初夏を感じます。目の前で繰り広げられる独創的な数々。
今回は特に骨を抜いた鰻を丸ごと筒焼きにして間にお味噌と白髪葱を挟むという、ご主人が北京ダックから着想を得られたという一皿。サクサク香ばしく焼き上げられた鰻と甘いお味噌。まさに北京ダック!筍ご飯にも間に合いました。
今宵も幸福に包まれました。
いただいたお料理は次の通りです。
◇車海老と碓氷豆、蛤のお出汁、柚子の花
お出汁が優しいく、碓氷豆の緑と海老の赤が美しい。
◇鯛の子の炊いたもの、タラの芽天ぷら、春子鯛の玉露煮に茶葉をのせて
◇炊き立てごはんに氷魚の酒蒸しと掬い豆腐のせ 魚醤と氷魚のお出汁をかけて、芽ねぎを散らします。これは「丼で食べたい!」との声ごえがあがります。
◇鮎魚女のお椀、山独活、木の芽
鮎魚女の身のほろりとしたグラデーションが美しい。山独活も香り高く。蓋裏は散る桜の花びらです。
◇お造り
・明石の鯛
・福岡の紫雲丹
・鯛の白子、鯛の皮、ぽん酢、芽ねぎ
鯛の弾力と雲丹の甘さのものすごいこと!
◇初鰹(千葉)の叩き、茗荷
玉ねぎ醤油で。鰹は引縄。身質か柔らかでシルキーです。なんと爽やかな。
◇鰻に味噌と白髪ネギを挟んで
味噌は桜味噌と八丁味噌。金柑の甘露煮と一緒に。
◇蛍烏賊の石焼
熱した石の上で下味を付けた蛍烏賊を焼きながら。烏賊焼きの香ばしい香りがさらに食欲増進。これは楽しい。
◇蕨と筍、木の芽
筍の炊き加減が絶妙です。
◇毛蟹の酢の物、岩もずく、長芋
たっぷりの毛蟹。濃厚な蟹味噌をのせて。
◇牛肉の花山椒鍋
牛肉が美味。花山椒が鮮烈に香ります。
お代わりがありました。
◇筍ご飯
・牛時雨煮に花山椒の炊いたもの
・香の物
・生唐墨
・生湯葉味噌汁
筍ご飯はお代わりを。ご飯にはらりと散らした木の芽がこれまでのものと違います。野生味あってミントのような!
◇お蕎麦
お代わりしたいですが、お腹に余裕がありません^^;
◇甘味
・タロッコオレンジとデコポン、マンゴーソース
・葛切り
こちらで初めて葛切りをいただきました。幅が広い葛切りがゆらゆらと氷水のなかで。黒蜜が実にいい塩梅。
ご主人と二番手さんと春から新卒で入られた3人でのオペレーション。朝6時半から仕込みをされているそう。頭が下がります。
次回は七月。早くも次回が楽しみです。
2024/04/18 更新
2024/01 訪問
今宵も幸福感に包まれる
新年初訪問。6ヶ月ぶりです。
ご主人と新年のご挨拶を交わし、カウンターに。
お顔を拝見し、えも言われぬ嬉しさが込み上げてきます。気持ちが落ち着き、今宵も美味しいものに巡り会える予感が静かに湧いてきます。
まずはご一緒さまとビールで乾杯。
いただいたものは次の通りです。
◇白味噌雑煮
この時期白味噌雑煮はよくいただきますが、お餅が何と大根餅!車海老の赤との紅白がおめでたい。
伺うと宮崎の大根農家さんとの出会いがきっかけとのこと。切り干し大根の爽やかな香り。戻し汁もお餅に加えていらっしゃるそうです。
◇生寿司
エボダイを塩締め酢締めして。エボダイとは珍しい。卯の花の煎煮と山葵を添えて。このしっとりとした卯の花を巻いても良し。
◇海老芋
富田林の海老芋の唐揚げ。これだけでも好物なのに
合わせたのは猪のバラ肉味噌漬け!嬉しくて泣きそうになります。海老芋と一緒に、あるいはそのままでも。2枚あるから両方で。
◇虎河豚の白子
膨らんだお餅のような。炙り、酢橘で。
熱々を頬張ります。皮がぷちんと弾けます。
◇お椀
白甘鯛のお腹と鹿児島の筍!筍は初物です。その甘やかな存在感たるや、白甘鯛を凌駕するほど。
◇焼き白甘鯛
京都の菜の花、東京のほうれん草の炭火焼きを敷いて。振り柚子。
ふくよかな白甘鯛の炭火焼き。身がふんわりと。
冬野菜の甘みと炭火焼きのほろ苦さが白甘鯛を引き立てます。
◇お粥
蕪を鬼おろしにお粥と炊いて。香箱蟹と外子を炊いた物、塩昆布、小葱を添えて。
解禁以来シーズンには複数回いただきますが、こういう仕立ては初めて。驚きです。甘いお粥に時折蕪が顔を出します。
◇お造り
・メジマグロのたたき
・真鯛
水塩、醤油、山葵で。
その色味から鰤かな、と話しておりましたらまさかのメジマグロ。上品な脂の乗り具合。特筆すべきはその皮。塩を強く当ててこんがり。私的には本日の一等賞!鯛も負けてはいません。皮も一緒に。
◇本もろこ
先ほどからお弟子さんが串を打って焼いていらっしゃいます。きらきらと光る小魚はもしや琵琶湖からの使者?やはり、ほんもろこでした!
生臭みを消すために少し焦がし気味によく焼いて。
ひとり5尾。おかか入り三杯酢で。骨まで柔らか、野趣を楽しみました。
◇聖護院蕪
真鯛の骨のお出汁で炊いて、刻み柚子で。
シンプルこの上ないのですが、洗練されています。
◇尾長鴨、鹿児島
炭火焼きで。ロースはレアな火入れで。笹身、腕には完熟酢橘を。山葵で。
紅白の蕪を乳酸発酵させてお肉に合わせて。
紅玉りんごの甘煮にきな粉をかけて。
蕪の酸味もりんごの甘さも鴨にぴったり!
◇芹ご飯・牛時雨煮・香の物・生唐墨・赤出汁
生の芹に太白胡麻油と白胡麻を合わせてご飯に。根っこまで入ります。これはびっくりポン(借用)!
芹が鮮烈に香ります。お代わりを。
甘く優しいお味の時雨煮が素敵^ ^
赤出汁には汲み上げ湯葉と零余子がころころ。
◇お蕎麦
九条葱と山葵で。茨城坂東市の蕎麦粉だそうです。ご主人が丁寧に氷水で洗っていらっしゃるのが印象的。コシの強い透明感ある細めのお蕎麦。きりりとしたつゆがまた良い。お代わりしたいですが、もう苦しい。ご飯とお蕎麦を3杯ずつ召し上がるご一緒さまが羨ましくて仕方ない。
◇弥生姫
大粒で立派、甘い。
◇杏仁豆腐
黒蜜ときな粉で。
◇お煎茶
都内の名だたる人気和食店の大将の皆さんから「兄貴」と慕われるお人柄とお料理の素晴らしさ。
こちらにご縁をいただいたことの感謝を噛み締めて帰途につくのでした。
因みに日本酒も少しいただくようになりました。
ご一緒さまとシェアして3種を。
2024/04/17 更新
2023/07 訪問
ひたひたと押し寄せる感動と余韻
素晴らしいお店に出会えてしまいました。
伺ってみたいと思っていたこちら。その評判は其処彼処より耳にしておりました。
マイレビ様にご紹介いただき、ついに訪問が叶いました。
和食にお詳しい食べ友さまをお誘いし、胸を高まらせて訪問。
神宮前駅から10分ほど歩きました。
カウンター6席のうち、大将の目の前にご案内いただきます。
ご挨拶を交わし、まずはビールで乾杯。
ふと見上げると、濃い紫色の鉄扇の花が生けられています。
いただいたのは次の通り。
◇先付「馬糞雲丹・茶豆・お出汁のジュレ」
七月らしく梶の葉の蓋を取ると。美しい雲丹が。そしてその下には裏ごしした茶豆が忍ばせてありました。裏ごししたことで茶豆の香りが引き立ちます。
◇「鱧(由良)の湯引き」
お薬味は完熟梅・青梅・本山葵。この梅2種のソースのなんとふくよかでフルーティなこと!
鱧は敢えてほのかに温かく。ふんわりとした食感。
◇「無花果の胡麻餡かけ、あん肝」
香ばしい胡麻餡をかけた無花果には削りアーモンドを振りかけて。食べ終えるのが惜しくなります。
添えられたあん肝の蒸し煮もふわふわ。表面には山椒をまぶして。
◇飯蒸し「ご飯・稚鮎(琵琶湖)・茶碗蒸し」
炊き立てご飯は奈良の都祁米。棚田で作る粒の大きなお米です。
その上に魚醤でお味付けした茶碗蒸しをそっと載せて。さらに稚鮎が載ります。
茶碗蒸しを載せた飯蒸しとは初めていただきます。優しい塩加減の茶碗蒸しがいい。
◇お椀「鮎魚女の葛打ち・加茂茄子・青柚子」
ふっくらと美しいグラデーション状に層をなす鮎魚女。控え目な吸い地。
素晴らしいお椀です。
◇お造り
・真鯛(明石)、長芋の拍子切り
・縞鯵(高知)
脂ののった旨味の強い鯛です。強い弾力があります。水塩と酢橘で。
縞鯵は皮目を藁で燻して。この薫香が堪りません。伺うと、塩を当てたあと、調味料を加えたお酢で20分間酢締めされたとか。そこはかとない柔らかさを湛えています。醤油と山葵で。
◇鮎(和良川、友釣り)、茄子の皮胡麻油炒め
濃い味わいの鮎。特に内臓の苦みが濃いです。鮎にこんなにお味の違いがあるとは。驚きと納得。
◇冷たい焚き合わせ「焼いた茄子と冬瓜、生姜」
油を吸わせた茄子に冬瓜の翡翠のような美しさ。お出汁も飲み干します。
◇牛、いちぼのローストビーフ
きな粉をまぶした新生姜、赤エンドウの芽の粒マスタード和えを添えて。山葵と醤油でいただきます。炭火で焼かれた塊を切り分けてくださいます。柔らか!
◇芝海老のひろうす、芝海老だしと白味噌、木の芽、
白味噌仕立てのひろうすは初めて。粗く刻んだ芝海老にはお豆腐がところどころ存在感あります。
◇天然鰻(静岡)、身返し焼き。
500グラムという大きなものを頭から吊るし、骨と身を包丁で剥がして骨と内臓だけ抜き取る、という昔からある技法で筒状に戻してあります。地焼きでこれをやはり筒状のままカットして提供されます。刻んだ和歌山の実山椒をたっぷりと添えて。
熱々のところをいただきます。ふわふわ。
◇手打ち蕎麦
山葵以外に薄くスライスした茄子の揚げびたしが添えられ。
透明感ある見事なお蕎麦。勧められるままお代わりを。都度、茹でてくださいます。
◇ご飯・香の物(水茄子、きゅうり、昆布、青柴漬け)・じゅん菜の赤だし
ご飯は白米・新生姜ご飯・夏鴨の炊き込みご飯から選べました。
我々はいただいたことのない鴨ご飯を。合鴨使用。鰹出汁と醤油で炊いたご飯の炊き上がりに刻んだ鴨を投入されるそうです。
鴨の脂で都祁米の一粒一粒がコーティングされています。満腹でも思わずお代わり。余ったご飯はおにぎりにして持たせてくださいました。
◇甘味
・デコポン、メロン、マンゴーのソース。ソースはアングレーズソース風。
・黒大豆の杏仁豆腐、黒蜜掛け
・無花果ラムレーズンの最中アイス
なんと図々しくもデザートまでお代わりさせていただいた私たち。最中の皮は直前に焙ってくださるので香ばしく音が鳴ります!
お絞りやお茶を何度も変えてくださいます。
あまりに美味しくて、途中無言になったり、興奮してお互いの肩を叩きあったり、と騒々しくて申し訳ありませんでした(^^;
大将はとてもフレンドリーな方で、初訪問の緊張感も何処かへ吹き飛び、すっかり寛いでしまいました。
客層も派手さや騒々しさとは無縁のご常連方。真に美味しいものを楽しみにいらしている、といった風情。
次回は秋。早くも楽しみです。
2023/07/14 更新
土曜日の夕刻です。小雨降るなか、楽しみに伺いました。
今宵はマイレビさまおふたりとご一緒に久しぶりのカウンターにて。カウンターですと写真は撮れませんが、ご主人のお料理する様子を具に拝見出来ますし、合間にお話しをすることも出来ます。やはりこの臨場感はワクワクします。
この日のお料理は次の通りでした。
◇ぐじの栗蒸し
山葵をちょんと載せた餡の下にはなんてきめ細かく濾した栗。中にはぐじが。鰹出汁な効いた餡と軽く和えていただきます。
◇琵琶湖の子持ち鮎の炭焼き
ご一緒さまとそのサイズから「モロコかしら」なんて囁いていましたら、子持ち鮎!美しく整然と串刺しにし、合わせ醤油をひとはけ。お醤油の焦げた香りが堪りません。お腹にぱんぱん子を湛えています。翡翠色の揚げ銀杏を添えて。
◇万願寺唐辛子の飯蒸し
お凌ぎは万願寺唐辛子を焼き浸しに生唐墨を和えたものを炊き立ての餅米に載せて。餅米の甘さと粘り、生唐墨の塩気の妙。
◇お椀
白甘鯛、松茸、柚子皮です。松茸は1本分。四つ割りにして!ほっくりとした白甘鯛の身、松茸の香り高く。深くその香りを吸い込み、豊穣の秋に感謝。
先週訪問されたマイレビさまのレビューにあったように、漆黒の蓋を開けると、松の実と松葉が一面に金で施された見事な蓋裏。
◇お造り
・鯛、明石
・縞鯵(三重)2キロ、当たり葱と。
醤油・ちり酢・塩で。身の引き締まった鯛はなんだかいつも以上に美味しく感じられました。
豊かに脂の乗った縞鯵も素晴らしい。
・鰆(答志島)
藁で軽く炙った鰆、濃厚な香りが広がります。長芋スティックを添え。
◇藻屑は蟹のひろうす
見た目はコロッケです。きめ細かい蟹の身に枝豆がたっぷり。蟹出汁と白味噌のスープに浮かびます。
◇かますの幽庵焼き、栗
串にくるりとかますの身を輪っかにして炭焼きに。
栗の渋皮煮も柔らかくほっこり。
◇松茸フライ
昨年もいただいた松茸フライの登場!
塩、酢橘、自家製松茸ソースで。松茸の香りに咽せそうになります。
◇生鰊、青ぜんまい、小芋の焚き合わせ
大好きな鰊の炊き合わせ。生の鰊、身欠鰊とこれほど異なるとは!しっとりとしていて豊かな味わい。
ぜんまいや小芋によく絡みます。伺うと、生鰊の調理法、大変手間がかかっています。何気なく出されていますが、2日がかり。
◇熊のミンチ、香茸・舞茸・白無花果の天ぷら
フライパンで焼かれた熊ハンバーグ!ジビエでいちばん好き。完熟実山椒の砕いたもので。茸の天ぷらはマッシュルームのソースで。深い味わい。白無花果は野生味溢れます。
◇松茸ごはん・牛時雨煮・香の物・味噌汁
炊き上がりにたっぷりの松茸を投入して蒸らします。振り柚子。お代わりしました^ ^
もずくのお味噌汁、底には零余子が潜んでいました。ご主人「零余子ご飯にしようかと思ったんですが、松茸の季節、叱られそうで」と茶目っ気たっぷりの笑顔。
◇お蕎麦、茄子煮
満腹でお代わり出来ないのが無念です!お隣のご一緒さまの胃袋が羨ましい。
◇シャインマスカット・梨(甘太)
◇最中アイス(小豆)
◇水出し玉露
ビールと梅酒のソーダ割りがお供。
奥様がこまめにおしぼりをかえてくださいます。
秋満載のお料理をいただきました。
この日ご主人の以外なご趣味が発覚。そのやりとりも素敵なご夫婦です。