1回
2023/06 訪問
全てが心地よい。客側に楽しみ方の余白も残す素晴らしいお料理でした。
一目で増田大将とわかるかわいい人形
色々蒸されていました
夏らしいラベル
淡路甘鯛
左から、このわた、マスカルポーネポン酢、藻塩、醤油
このわたはイカなどにつけても美味しい
後ほど頂く鱧 立派!
飯蒸しは茗荷の香りに鰻
安曇川の鮎 生姜醤油焼き
車海老の頭
茅の輪を模して
翌日の我々の鮎釣りの大漁を祈ってくれました
大徳寺麩のチーズ挟み
蛸とともに炊かれた大根も美味しい
大将の新婚旅行の思い出 スワロフスキー
マグロのてんぱ
上のちりちりはナスのへたを揚げたもの
賀茂茄子に近江牛
近江牛トロトロ
追加の鮎塩焼き
エビ豆
鍋
鱧と生湯葉 たっぷり
水菜追加
三輪そうめん追加
最初はこのまま
5時間炊いた鯛でんぶと釜揚げしらす
雑炊で
カルボナーラご飯
カルボナーラご飯
水無月
水羊羹
2023/07/09 更新
恒例の年1回、琵琶湖に注ぐ犬上川での鮎釣りの前泊で京都です。1ヶ月少し前に予約しました。予約を思い立ったのは、銀座しのはらの篠原大将が、修行先で最も影響を受けた、という点でした。確かに随所にしのはらの原点を感じることができましたが、全く別物として、全て心地よく過ごさせて頂きました。
18時の予約で、時間少し前に到着。何しろこのロケーション。祇園の細い露路へ入った瞬間から気分は高揚します。新幹線駅から直行したので、少し大きめの荷物は預かって頂き、坪庭側のカウンター右端に通して頂きました。坪庭がまた素敵。
お任せコースのみですが、一斉スタートではなく、とてもくつろげます。各組の到着ごとに、それぞれの進み具合に合わせて、絶妙なタイミングでお料理が供され説明を受けます。この過ごし方がやはり本当に心地良い。一斉スタートを否定するわけではありませんが。
お料理は最小限のひねりで、奇をてらわず、客側に楽しみ方を委ねる余白を残す心遣いが随所に感じられました。美味しい!と同時に本当に心地よい、と思う素晴らしい時間を過ごさせて頂きました。
しかも、とてもリーズナブルなお値段に、主人ともども大大、大満足でした。やっぱり京都は素敵。
座るとすぐに、まずは冷たいミントティーが供されます。鴨川上流に生えているものらしい。へえ。
ビールは極小グラスという、嬉しいサイズがあったのでお酒の前に頂きました。
お料理は以下。お酒はお任せで。
<先付>
・ほうれん草とずいきのお浸し 鮑の酒煎りと雲丹添え 海苔も少し
すだち(だったと思います)が絞られ、さっぱりと夏らしい。鮑がとても柔らかくさっぱりと仕上がっていました。
〇準備されていた銀色の盃にお酒が1杯、サービスとして振る舞われました。
〇お酒 蒼空 純米酒 美山錦100% 60%磨き(夏らしいラベル)
<お椀>
・淡路の甘鯛 梅肉餡 小さな焼餅 ミニ青梗菜 白髪ねぎ
甘鯛は到着時から目の前のせいろでじっくり蒸されていました。お出汁に新生姜の風味を加えて、季節感たっぷり。本当に小さな焼き餅の焦げ目、生姜の香り、食欲が刺激されました。
<お造り>
・茹で車エビ 鯛 シマアジの棒造り 蛸 剣先イカ 近江牛のミスジ エシャロット 人参 大根 花わさび
・醤油、マスカルポーネポン酢、塩、このわた、が準備されました。
車エビは調理前に見せてくださいましたが、大きい!
どれも厳選された素材を、一番おいしいと感じる大きさや準備で、という心遣いが強く感じられます。
新鮮な驚きはマスカルポーネポン酢。クリーミーで、つけ添えの野菜たちともよく合います。おそるおそる魚類にもつけてみましたが、不思議に全てによく合う。癖になる味です。
さらに心憎いのはこのわた。これだけでお酒のアテになるし、イカなどに足しても美味しい。
たったこれだけのシンプルな一品で、客側が無限大に自由に楽しめる工夫がされています。
〇お酒 松の司 純米大吟醸 竜王町産山田錦 50%磨き
〇一博 純米生酒(令和3年) 滋賀県産吟吹雪100% 60%磨き
<飯蒸し>
・茗荷ご飯に鰻
茗荷はそれほど主張しません。素晴らしい蒸し加減。鰻のお味は薄めでふっくら。
<焼物>
・鮎(安曇川とおっしゃったかと)の生姜醤油焼き
2尾まるでお泳いでいるような躍動感の焼き上がり。生姜醤油焼きは初めて。鮎の独特のにおいもよいけど、ほどよく臭みの消されたこの焼き方に感動。翌日、我々の釣った鮎にも早速試しました。無論できはまるで違うけれど、このアイデアみんさんの賛同を得て、来年以降も定番となりそうです。
<一品>
・車エビの頭の唐揚げ(先ほどのお造りの車エビ)
<八寸>
季節柄、茅の輪くぐりをイメージした飾りつけで以下3品。
・小鉢に もずく、ジュンサイ、新生姜
・蓋物に 湯葉、山芋、岩ノリ、わさび
・切子のショットグラスに 小松菜と揚げの煮びたし
〇お酒 渓 純米 55%磨き 仕込み水:通称「黄金の井戸」
山魚を釣る 風景を釣る というラベル。大将がが明日釣りに行く我々の大漁を願ってくれました。嬉しい心遣い。
別皿に、
・とうもろこしかきあげ
・蛸の柔らか煮と大根の炊いたもの
・大徳寺麩のチーズはさみ
・枝豆
〇お酒 七本槍 純米吟醸 滋賀県産吟吹雪100% 55%磨き
ここで、増田さんが、新婚旅行でご購入されたという、スワロフスキーの小ぶりのショットグラスをお猪口として出してくれました。大事なものを、ありがとうございます。
八寸は、全体的に心地良い、ほど良い量で、一品一品丁寧に作られた安定感のあるお味で、おいしくお酒が進みました。茶懐石の習い通りです。
<握り>
・鮪のてんぱの握り
恥ずかしながら、てんぱという言葉を知りませんでした。大トロの近くにある赤身だそうです。我々が好きな部位はそう呼ばれるんだ、とひとつお利口になりました。鮪の極みです。
<強肴>
・加茂茄子の炊いたものに近江牛を挟んで ゴマソース レタス フルーツトマト ナスのヘタの細切り揚げ
レタスはとても細く切られてお料理の下に敷かれています。これにはポン酢のアクセント。ゴマソースとポン酢を自由に組み合わせながら色々な味を楽しんで、とのこと。お造りに続き、食べ手に選択肢をゆだねるスタイル。近江牛、トロトロでした。
・追加の鮎塩焼き 夫だけ。一口もらいました。私としては、本日は生姜醤油焼きの勝ち。
・えび豆 滋賀ご出身らしい追加の一品。さらにお酒が進みます。
<お鍋>
・はも 生湯葉 水菜
・最後に三輪素麺
鱧の骨で出汁をとった、とおっしゃったと思います。本当においしい。1人ずつの小鍋でたっぷり堪能致しました。
<食事>
・日野町のお米を土鍋で 赤だし 漬物 5時間炊いた鯛でんぶ 釜上げしらす
日野町は増田さんの生まれ故郷だそうです。まずは、ごはんだけを一口。素晴らしい。次に鯛でんぶと釜上げしらすを半々に、たっぷり載せて。でんぶ、甘みが抑えてあり、ごはんのお供にピッタリです。鯛でんぶを美味しいと思ったのは初めて。
・雑炊
鍋の出汁で雑炊。お好みで、とでんぶも追加して。
・カルボナーラごはん
残ったご飯で、カルボナーラご飯も頂いてしまいました。ご飯に卵黄に釜上げシラスに海苔、をよく混ぜて。美味しくないわけがありません。至福です。
こんなにご飯のバリエーションがあるとは思いませんでした。是非にと進められているわけではなく、よろしければ、と言われているのですが、どれもお聞きすると魅惑的過ぎて、結局全て頂きました。腹11分目まできてます。
<甘味、お薄>
・胡麻プリン ゼリーがけの果物
・水無月
・水羊羹
まさかデザートも3品とは。腹12分目。それでもおいしいので、全て頂きました。お薄も頂き、大変ご馳走様でした。
夫と、やっぱり京都には一度住んでみるか、という話になりました。