1回
2024/09 訪問
天婦羅に限らない油づかいの技術と燻製による変化球が特徴的
食前酒として
このお水のグラス 結露しなくていいです
南京の汲み出し
飯蒸し 鮎風干しの天麩羅
八代青海苔が主役かと思うほど素晴らしい香り
新銀杏も使われています
八寸
重陽の節句 被せ棉を頂いた菊
赤貝ぬた
イカの鱧子塩辛和えに柚子胡椒 絶品のアテ
バイ貝
蛸の湯引き ちり酢 食感良し
焼き穴子 きゅうり
これ我が家も買ったばかり
この錫のお猪口もいい
一口 揚げたて 車海老
白ナス天麩羅
この酒器もいい
叩いた枝豆が香り良し、食感良し
松茸香る秋の一品
飛竜頭の中にスッポン、銀杏、キクラゲ
北川さん 役者
この下にかき揚げが
白髪ネギ素揚げたっぷりとともに
かき揚げ
鰹タタキを自家製マヨネーズで 花山椒とシブレットたっぷりも目新しい
藁焼きを見せる演出
鰹準備中
低温で油通しした帆立 葉山椒も香ります
帆立準備中
北川さん 役者
飛び牛ヒレ 玉鋼焼き 燻製の生胡椒添え 写真では分かりませんが、ほんの一口
朴葉味噌準備中
甘鯛松笠揚げ 甘鯛の骨でとったお出汁に浸して
天バラ
朴葉味噌
北川さん 役者
松茸ご飯
天玉丼
鰹節を目の前で
かわいい豆鉢・小鉢たち
少し待てるスペースあります
これが今月のもの
間違えて配られていた先月のもの
2024/10/02 更新
「澤田」さんにも「赤坂島袋」さんにも伺ったのに、「きた川」さんには伺ったことなかった、と思い立ちお電話で予約して訪問。時々、北川さんにはしのはらでお会いするものの、我々がしのはらに通い始めた直後に独立されているので、他のお二方とちょっと距離感が違っていたので。
到着すると享太郎くんがお出迎え。ここに居たんだ。他にもしのはらさんで見覚えのあるお弟子さんばかり。なんか初訪問ではないようにくつろげました。
姉妹店とのことですので、基本、色々なカルチャーをしのはらから継承しつつ、北川さんはじめ若手の方々のバックグラウンドを活かした独自スタイルが繰り広げられます。静岡の成生さんでの修行に基づく北川さんの揚げの技術と、様々な食材・調味料への燻製多用が特徴的・印象的でした。油を使うものが多いものの、どれも変化に富んでいて、決して食べ飽きない。どれも美味しかったです。特にお気に入りは、八寸の中のイカの鱧子塩辛和え、枝豆香る冷やし鉢(甘エビ、コンソメジュレ、芋湯葉すり流し)、自家製マヨネーズで頂く鰹のタタキかなあ。
お店の雰囲気は和やかで、これぞしのはらファミリーという感じ。居心地満点。
プリントされた献立が置かれていたことに感動。一生懸命写真見ながら、ほんのちょっとのメモと睨めっこして思い出す作業が軽減されます。ただ、その日の仕入れによるので、ちょっと食材が違うものも。それでも記載されたものがあるのは嬉しいです。
アクシデントは、最初置かれていた献立が8月のものだったこと。直近の口コミで予習してきたのとなんか違うな、と思っていたら、すぐに今月のものと交換となりました。ご愛嬌です。
以下が本日のお献立でした。お酒はお任せ。後述します。
○ 南京の汲み出し
南京とサツマイモ。温かいもので食事の準備を。温石代わりということですね。
【飯蒸し】
○ 鮎風干し天婦羅 たで葉塩 川海苔 新銀杏 (中皿に蓮の葉)
川海苔は熊本の八代青海苔。これがたっぷり載せられていて、香りがすごい。鮎の味わいが負けるわけではありませんが、海苔が主役?と思えるほど。美味しいです。
【前菜(八寸)】
重陽の節句にちなみ、被せ綿を施した菊で飾られています。スタイルとご説明は、しのはら流を継承。お盆も同じもの。
○ 赤貝ぬた和え (黄瀬戸の豆鉢)
○ 鱧子塩辛 イカ 柚子胡椒 すだち (赤絵の豆鉢)
○ バイ貝 (琵琶型の小鉢)
○ 蛸ちり酢 (九谷の豆鉢)
○ 枝豆招興酒
○ 焼穴子 梅肉 胡瓜 茗荷 土佐酢 (白菊の蓋物)
献立には帆立と書いてありますが、赤貝です。燻製されているので香りが立ちます。
イカが鱧子の塩辛で和えてあるもの、酒のアテに最高!
蛸は湯引きされています。いい食感です。
枝豆は紹興酒よりも醤油味が勝っていたのが、ちょっと残念。
【天麩羅】
○ 車海老天麩羅
○ 白茄子天麩羅
車海老は一口でパクリといけるように松葉串に刺して供されます。揚げたてで美味しい。
白茄子はたっぷりの鬼おろしに天つゆ。熱々、ほろほろ、美味しい!
【冷やし鉢】
○ 甘エビ コンソメジュレ 枝豆 芋湯葉すり流し
献立にはシマエビと書かれていますが、本日は甘エビ。
混ぜてお召し上がりくださいとこのこと。枝豆と書かれていて、ずんだ餡のようなものを思い浮かべたのですが、丁寧に叩かれていて食感良し。穂紫蘇も添えられほんのり香ります。渾然一体と素晴らしいお味、食感です。
これは美味しい!
【お椀】
○ すっぽん飛竜頭 松茸 松葉柚子
飛竜頭の具材にスッポン!目新しい。定番のキクラゲや銀杏も入っています。細切りの松茸が季節感を演出。お出汁は少々生姜も香ります。
【油物】
○ かき揚げ 唐辛子炒め (中皿に栗の葉)
まずはかき揚げがたっぷりの提灯唐辛子に隠されてプレゼンされます。天麩羅をさらに炒めるって、おもしろい。でも、大量の唐辛子を炒めた空気が部屋中に蔓延。喘息の私にはちょっときつかった。お隣のアメリカ人カップルも長らく咳き込んでいました。
銘々にはたっぷりの白髪ネギ素揚げを乗せて、山椒塩で味付けされています。空気に流れ出したカプサイシンとは違い、料理そのもには、ほんのりと唐辛子が香る程度。絶妙です。
【向付】
○ 鰹のたたき 自家製マヨネーズ 花山椒 シブレット
○ 帆立油通し アスパラ天麩羅
カウンター前方、調理場の後ろの扉が開き、大きな炎をあげて藁焼きを見せる演出。色々考えてお店を作ったのだ、と感心してしまいます。
本日の鰹は高知のもの。大きいです。4分の1のサクから想像するに、3kg近くある感じ。お弟子さんに聞いてみると、やはりそれくらいあったそう。
鰹タタキは、花山椒たっぷりとシブレットも合わせて自家製マヨネーズで頂きます。目から鱗、考えたこともない食べ方で、とても美味しかった。鰹そのものがもちろん脂のりよく完璧な火入れですし。
帆立は北海道のもの。ゆっくりと低温で油通ししたそうです。醤油に山椒の葉を散らして。本当に色々な形で上手に油を使うお料理が展開されます。刺身より甘味が引き出されている感じです。
【強肴】
○ 飛騨牛ヒレ肉 燻製生胡椒
献立には合鴨も書かれていますが、牛だけです。
飛び牛と呼ばれるA5ランクのヒレを玉鋼で焼いて。生胡椒を燻製!これも目新しい。様々な燻製による香り付けに感動です。お肉とよく合います。しのはらでは追加として提供される飛び牛。夫と私は追加を頼むとお腹がいっぱいになりすぎるので頼みませんが、コースに組み込まれているこの一口なら、なんとかいける。我々には嬉しい量。
【進肴】
○ 甘鯛松笠揚げ 黄ニラ
甘鯛の骨でとったお出汁に浸して。これもいい!
【食事】
○ 天バラ
○ 松茸ご飯
○ 玉天丼
香の物(下田なす、赤蕪、大根)、赤だし、朴葉味噌がともに供されます。
これが北川さんがシグネチャーディッシュと語っておられた天バラですね。食感がおもしろい。
松茸ご飯はしのはらと同じスタイル。これに後で卵(赤の極み)の天ぷらと目の前で削った鰹節をたっぷり載せての天玉丼。
どれもおいしいけど、全て少なめにしたけど、やはり我々にはちょっときつい。若い方、よく召し上がる方にはとても嬉しいサービスに違いありません。
目の前で亨太郎くんが削っていた鰹節。かなり面を広くして削っています。実は我が家でも削るのですが、鰹節についてくる削り方のインストラクションとは違うので、これいいな、とひとつ情報ゲットです。
【水菓子】
○ 瀬戸内レモンのシャーベット マスカット
○ 芋天麩羅
マスカットはシャインマスカット。お芋はシルクスイート。低温で1時間かけて揚げているそうです。おいしいけど私にはきつい。夫に半分食べてもらいました。
【菓子】
◯ 能登大納言の水羊羹
〇 お抹茶
<頂いたお酒>
① 産土2023穂増 四農醸 熊本県菊池川流域産米100% アルコール分13度 花の香酒造(熊本県
② 森嶋 美山錦 純米吟醸 美山錦100% 55%磨き アルコール分15度 森島酒造(茨城県)
③ メガネ専用 国産米 アルコール分15度 萩野酒造(宮城県)
④ 羽根屋 純米吟醸愛山 愛山100% 60%磨き アルコール分16度 富美菊酒造(富山県)
⑤ 松の司 純米大吟醸 AZOLLA50 生酛造り 滋賀県竜王町産山田錦100% 50%磨き アルコール分16度 松瀬酒造(滋賀県)
⑥ YAMAHAI 山廃無濾過生原酒 北陸産五百万石75%使用 65%磨き アルコール分19度
農口尚彦研究所(石川県)
こちらでも、お腹の膨れるビールは飲まずに日本酒のみ、料理にあわせてお任せでという作戦です。
①はほぼ食前酒。微発砲で前回のしのはらでも同じ種類のものでスタートしました。五農醸でしたが。私には違いはそれほどわかりません。爽やかで食前酒向き。
②は「一石を投じる一杯を。」との記述。大好きな美山錦。飯蒸しから八寸にかけて。
③は「全員メガネの蔵人で造りました」というラベル。実はこれ、伺うタクシーの中で、夫が面白いから買った、と言っていたばかり。流行り始めているようです。八寸後半と天婦羅に。
④は希少な酒米「愛山」を贅沢に使ったもの。冷やし鉢に。
⑤はスッポンにあわせて滋賀のお酒。お椀とかき揚げに。
⑥はアルコール分19度。テンポよく飲み続けるので、よしこれでもか、と出されたのかも。これも大好きな五百万石。残りのお料理に。
また伺います。