ILEACHさんが投稿した草喰 なかひがし(京都/出町柳)の口コミ詳細

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呑んだくれ日記

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ILEACH (50代前半・男性・埼玉県) 認証済

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草喰 なかひがし元田中、茶山・京都芸術大学、出町柳/日本料理

1

  • 夜の点数:4.5

    • ¥30,000~¥39,999 / 1人
      • 料理・味 4.5
      • |サービス 4.0
      • |雰囲気 4.0
      • |CP 3.0
      • |酒・ドリンク 3.5
1回目

2024/05 訪問

  • 夜の点数:4.5

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気4.0
    • | CP3.0
    • | 酒・ドリンク3.5
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

お竈さんで炊いたご飯と唯一無二の山野草料理

京都の銀閣寺近くにある日本料理店です。

京都で25年以上に渡り評判の名店です。
私がこの店を最初に知ったのは20年近く前、柏井壽さんの京料理の本でした。
それからずっと行きたいと思っていたのですが、最近、こちらのご主人の本を読んて益々行きたくなってついに行ってきました。

お店の場所は京都市の銀閣寺の近く、京都駅や市内中心部からはバスで銀閣寺道停留所からすぐです。
木造の一軒家で、入口には「お竈はんの御飯に炭火の肴と山野草を添えて」との言葉が掲げられています。

お店は2階建てで、1階はL字型のカウンター席が12席あり、カウンターの内側には炭火の焼き場とご飯を炊くお竈さんが鎮座しています。
2階にも席があり、最大で10名くらい入れそうな部屋を通常は二間に分けて2〜4人席として使っているようでした。
我々は2人でしたが、予約の時に2階の部屋しか空いていないとの事で個室でゆっくり食事をいただきました。

料理は予約時に特に何も聞かれなかったので、お任せコースのみのようです。
但し、後述の通り、品数は一部調整可能です。

HPによると、夜のお任せコースは20,000円〜との事ですが、我々は2品追加して25,300円でした。
食事の中でいただいた卵かけご飯だけは別料金のようで、1人前1,650円でした。
飲み物はこのクラスのお店の標準的な価格のようでした。

この日のコースは以下の通りでした。
・深蒸し茶
・八寸(虎杖(いたどり)、虎杖の灰汁の寒天、鰹生節のショートケーキ、鱒寿司のちまき、たんぽぽと猪のベーコンの花束ライスペーパー巻き、もろこ、ぜんまい他山菜多数)
・前菜(こごみ、うるい、猪肉削り節)
・白味噌碗(新玉葱、三つ葉、和芥子)
・焼物(岩魚、蛇腹胡瓜、野蒜)
・向付(真鯛、蕨の海苔巻、虎杖、うど他山菜多数)
・煮物椀(鯉、胡麻豆腐、アスパラ、山菜)
・煮えばなのご飯を一口
・箸休(鯖熟鮨、そら豆、スナップエンドウ、土筆)
・ナイアガラ(甘口ワイン)
・鉢肴(稚鮎、筍、蕨、スナップエンドウの抱き合わせ)
・(追加)強肴(隠岐島産岩牡蠣のソテー、若布、トマト、パプリカ)
・(追加)強肴(北海道産牛肉(ジビーフ)のグリル、ホワイトアスパラ、クレソン、蓬のソース)
・お菜(ぜんまい、うど、ぎぼうしの和え物)
・メインディッシュ(ご飯、鰯の丸干し)
・お供(ハヤの煮付け、煮物)
・香の物(白菜、菜の花、蕪、昆布佃煮)
・お焦げ(目刺しオイル、岩塩)
・ニューヨーク(大根おろし、梅肉、紫蘇、香り菜っぱ、茶漬け)
・卵かけご飯(山芋、唐墨粉、三つ葉)
・水菓子(胡麻豆腐のジェラート、苺、八朔のシャーベット)
・ほうじ茶
・水出しコーヒー
・小菓子(蘇、金平糖)

こちらの料理の最大の特徴は、草喰の名が示すとおり店主が自ら山に入って摘んできたという山野草がこれでもかとばかりふんだんに出てくる事です。
焼物、向付、強肴等には肉や魚も使われていますが、それらは引き立て役であくまで主役は野草との事です。

もう一つ大きな特徴は、お竈さんで炊いたご飯です。
途中で出てくる煮えばなの一口も含め、ご飯だけでも5種類の食べ方で提供されました。

店に着くと、まずは大文字を描いた京焼の湯呑みで宇治の深蒸し茶が出されます。

お茶を飲んで一息つきながら飲み物を注文して、暫くすると八寸の器が出てきました。
皿の上はとにかく山野草が沢山です。
また、子供の日のイメージしてショートケーキに見立てた鰹の生節や、山野草で作った剣、母の日の花束をイメージした料理等季節感の演出も見事でした。

二品目は、耳杯(じはい)と言う人の顔のシルエットの珍しい形の器に盛られた温かい前菜でした。
出汁で煮たこごみとうるいをいただいた後、両耳にあたる部分を手に持って出汁もお飲みくださいとの事でした。

次は京都の和食店らしい白味噌碗でしたが、他の店なら碗種は魚等になりそうなところ、新玉葱と言うのがこちらのお店らしかったです。
ほっこり優しい味の新玉葱が白味噌によく合っていました。

焼物は岩魚の炭火焼きでした。
ホクホクの身にカリカリに焼いた中骨の取り合わせが面白く、また、付け合わせの野蒜と蛇腹胡瓜も魚を引き立てました。

向付には鯛のお造りも載っていましたが、やはり主役は山野草のようで、蕨の海苔巻きを初め、数々の山菜を味わいました。
煮物碗はカリッと揚げた鯉とねっとりした胡麻豆腐の組み合わせが絶妙で、アスパラ等の野菜も歯応え良く美味しかったです。

ここでご飯が炊き上がったようで、煮えばなのアルデンテを一口いただきました。
この後蒸らす事でふっくらつやつやのご飯が完成するようです。

ここまでが前半戦で、口直しは鯖の熟鮓と甘口ワインです。
空豆やスナップエンドウ等の豆類と熟鮓の相性がよく驚きました。
熟鮓の発酵した旨味と甘口ワインもよく合いました。

鉢肴の稚鮎と山野草の炊き合わせをいただいた後は、ご飯に進むか、追加の強肴をいただくか選べます。
強肴は隠岐島産の岩牡蠣と北海道産牛肉(ジビーフ)が用意されており、一つずつ取って取り分けも可能との事でしたので、折角なのでどちらもいただきたくお言葉に甘える事にしました。

岩牡蠣は中々見ないくらいの大振りなもので、外側はカリッと中は濃厚クリーミーで、半分でも充分満足できました。
ジビーフは、北海道の広々とした牧場で育てられているとの事で、非常に柔らかい赤身が特徴的でした。
クレソン等の野菜と蓬のソースも美味しかったです。

ここまでで結構お腹いっぱいになりましたが、いよいよメインディッシュのご飯と炭火で焼いた丸干しが出てきました。
お竈門さんで炊いたご飯はふっくらつやつやで、流石メインディッシュと言うだけあって美味しかったです。

鰯の丸干しは旨味が凝縮されて程よい苦味と脂もあってご飯が進む味でした。
ご飯は土鍋でたっぷり持ってきてくれるので、結構お腹いっぱいでしたが、美味しくてついお代わりをしてしまいました。

白ご飯の後は、お焦げ、ニューヨーク(お茶漬け)、卵かけご飯とバリエーションが続きます。
どれも少量ずつですが全ていただきました。

お焦げは、丸干しの風味を付けたオイルと岩塩でいただきます。
カリッとした食感で香ばしいお焦げに丸干しの風味が加わって非常に美味しく、ご飯の中では1番気に入りました。
ニューヨークは、大根おろし、梅肉、香草を添えたお茶漬けでさっぱりといただき、卵かけご飯は、黄身と白身を分けて白身だけ火を通し、山芋と唐墨の粉を添えた贅沢な一品でした。

飲み物は、日中歩いて喉が渇いていたので最初に私は瓶ビールの小瓶、妻はお勧めで梅酒のソーダ割をいただきました。
ビールは生は無く瓶のみで、中瓶は各メーカー、小瓶はサッポロでした。
梅酒のソーダ割はシャンパングラスで喉を潤す程度の量でした。

2杯目からは日本酒で通したのですが、お勧めでお願いすると、最初に伏見の銘酒、英勲(A君)、その後は料理に合わせてB君(京都伏見の神聖)、B’君(長野県の茜さす)、ご飯に合うというC君(京都の神蔵)と続きました。
駄洒落に気を取られて味の印象が薄れましたが、英勲以外は初めて飲んだのですが、どれも料理によく合って美味しかったです。

ご飯をお腹いっぱい食べて寛いでいると、「1階のカウンターが空いたので、水菓子はカウンターでどうですか?」と勧められてカウンターに移動して水菓子をいただきました。
水菓子とほうじ茶の後、ほんの一口分の水出しコーヒーに牛乳を煮詰めた蘇と金平糖が添えられて出てきました。
このコーヒーも中々美味しく素晴らしい食事の良い締めくくりになりました。

最後にサービス面ですが、ご主人は駄洒落好きなのでしょうか、料理名や料理の説明、酒のネーミングに独特の駄洒落が紛れ混んできます。
ご主人がカウンター越しに言うとウケるのでしょうが、我々は個室だったため、従業員の方が真面目な顔をして料理の説明をしながら駄洒落をぶっ込んでくるので、中々シュールで笑えました。
勿論、駄洒落だけでなく、ご主人も女将さんも従業員の方も良い意味で京都らしく感じが良く、気持ちよく食事を楽しむ事ができました。

お竈さんのご飯とここでしかいただけない山野草の料理に駄洒落も加わって楽しいひとときでした。
京都には行きたいお店が多くて悩みますが、こちらのお店もまたいつか行きたいお店の一つです。

2025/07/05 更新

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