2回
2025/11 訪問
住宅街の絶品隠れ家イタリアン
2025/12/05 更新
2024/10 訪問
食材に拘る住宅街の隠れ家イタリアンレストラン
埼玉県越谷市にあるイタリアンレストランです。
最寄駅は東武スカイツリーライン北越谷駅で、駅から3分くらいの距離ですが、駅近なので少し飲食店はあるものの静かな住宅街にあるお店です。
何度か店の前を通った事があり気になっていたので行ってみたところ、北越谷にこれほどレベルが高いレストランがあるのかと驚きました。
お店は小さな一軒家で、打ちっぱなしのコンクリートとステンドグラスが印象的なお洒落な内装です。
店内に飾られた生活や小物もセンスが良いと思いました。
店主お一人で営業されているため、客席は2〜4人掛けのテーブルが3卓のみです。
ランチ、ディナー共に完全予約制で、ディナーは9,000円、14,000円、20,000円のコースが用意されていましたが、初めてなので予約時に9,000円のコースをお願いしました。
飲み物はワインが中心で、ボトル、グラス、ペアリングのセット等が用意されていました。
また、お茶も色々拘って揃えているようでした。
ワインのペアリングは、3〜5杯で杯数が選べ、その日の料理に合わせていただく事ができました。
折角なので、全ての料理とペアリングが楽しめるよう5杯のセットをお願いしました。
その日の料理によって変わるのでしょうが、この日のペアリングは5杯セットで7,000円程度でした。
この日のメニューは以下の通りでした。
・小前菜 オマール海老&ズワイガニ チーズケーキ
・前菜 ガスパチョ オスミックトマト 白子
・前菜 ロロン南瓜 ブレザオラ 燻製バター
・パスタ 薩摩牛ラグーソース
・魚料理 気仙沼一本釣り熟成鰹 胡瓜
・肉料理 鹿児島県産 薩摩牛 甘撃長ナス
・ドルチェ イタリア産ピスタチオケーキ
・カフェ/焼き菓子
ワインペアリングセット(5杯)
・ジ ロレンス(スパークリング)(フランス)
・マイティマレイ(白)(オーストラリア)
・エスプリ ド パプィ(赤)(フランス)
・レガード ムニョス(白)(スペイン)
・ロス イントカブレ(赤)(アルゼンチン)
一品目の小前菜は、オマール海老とズワイガニのすり身をたっぷり練り込んだチーズケーキでした。
見た目は小さな三角形のチーズケーキですが、バターナイフが添えられ、パテやリエットのようにクラッカーに塗っていただきます。
クリーミーなチーズケーキにオマール海老とズワイガニの旨味が加わり素晴らしい前菜でした。
2品目のガスパチョは、冷製のトマトスープに糖度11〜12度の甘いオスミックトマトと白子のフリットが浮かべてありました。
甘いトマトと,外はカリッと中はトロトロクリーミーな白子の組み合わせが素晴らしかったです。
小前菜と前菜に合わせたのは、ロワールのスパークリングワイン、ジ・ロレンスでした。
シャンパーニュの生産者が、シャンパーニュと同じ製法で作ったスパークリングワインとの事で、スタートの1杯に最適でした。
特に小前菜のチーズケーキによく合いました。
前菜の2皿目は、甘いロロン南瓜のニョッキに牛肉の生ハム、プレザオラを合わせて、燻製した溶かしバターのソースをかけた一品でした。
甘い南瓜のニョッキと塩気のあるブレザオラの組み合わせが美味しく、燻製バターが味を引き立てていました。
ワインはオーストラリアのマイティマレイの白を合わせていただきました。
シャルドネ主体との事ですが、樽香はあまりなくすっきり飲みやすいワインで、少し独特の風味(お店の方の説明ではケッパーのような風味との事)か燻製バターの風味とよく合いました。
パスタは薩摩牛のラグーソースで、この日の料理で一番気に入りました。
薩摩牛は契約の畜産業者から一頭買いして部位毎に分けて熟成させ、色々な料理に使い分けているとの事です。
薩摩牛を玉葱、人参、セロリ等の香味野菜と一緒にじっくり煮込んでほぐしてあり、肉は柔らかく、濃厚な旨味のソースでした。
断面が楕円形の平たいパスタ(リングイネ?)にソースがよく絡み大変美味しかったです。
ワインはボルドーの赤、エスプリ ド パブィでした。
メルロー主体という事で、そこまで重くなく程よい渋みがラグーソースによく合いました。
魚料理は、気仙沼の一本釣りの戻り鰹を熟成させてたたきにしたもので、微塵切りの胡瓜に朧昆布、生姜を加えた山形のダシのようなソースをかけ、付け合わせは揚げ浸しのようなナスでした。
隣町の松伏にある絶品寿司屋で「鰹は大きく切らないと美味くない」と聞いた事があるのですが、こちらの鰹も大降りなカットでした。
よくある鰹の血生臭さは一切なく、それでいて赤身魚の独特の旨味はしっかりあって美味しかったです。
程よく脂が乗っていて、爽やかな胡瓜のソースとの組み合わせも良かったです。
ワインはスペインの白、レガード ムニョスでした
シャルドネ主体との事でしたが、同じシャルドネでも2杯目のマイティマレイとはまるで違いキリッとシャープな口あたりでした。
鰹なので軽めの赤がでてくるかなと思っていたのですが、しっかり目の白が胡瓜のソースとの相乗効果で鰹を引き立てていました。
肉料理は、パスタに続いて薩摩牛(ヒレ?)のグリルで、45日間熟成させた肉をじっくり焼いて提供されました。
熟成肉は旨味が増加して柔らかく非常に美味しかったです。
イタリア産の塩が添えてあり、まろやかな塩味が肉の旨味を一層引き立てていました。
付け合わせは、「甘激(かんげき)」というブランド野菜の長ナスを大きくカットして焼いたものでした。
ナスの身は熱々トロトロで美味しかったです。
ワインはアルゼンチンの赤、ロス イントカブレのマルベックでした。
アルゼンチンらしく力強く分かりやすい味で、しっかりとした渋みとプラムのような甘さや凝縮感が肉によく合いました。
デザートはピスタチオのケーキで、この日の小菓子は、近くのさいたま市岩槻のシャインマスカットでした。
飲み物は、コーヒー、紅茶、エスプレッソ、ハーブティー等から選べ、私はエスプレッソをお願いしました。
飲み物、デザート、小菓子が一緒に提供され、ケーキの味が濃厚なのでシャインマスカットからどうぞとの事でした。
ピスタチオのケーキは、前菜のオマール海老とズワイガニのチーズケーキと同じ形状で、こちらはイタリア産のピスタチオを採算度外視でたっぷり摂取使用しているとの事でした。
確かにピスタチオの風味が濃厚で口溶けも良く、美味しいケーキでした。
こちらのお店は、ケーキ類の持ち帰りや通販にも力を入れているらしく、看板商品がフレーバーテリーヌで、その廉価版がフレーバーケーキとの事でした。
フレーバーテリーヌは、抹茶、ほうじ茶、蜂蜜、カカオ等、一本6,500〜7,500円でした。
フレーバーケーキ、プレーン(チーズケーキ)、抹茶、ほうじ茶等が2,700〜4,000円程度であり、季節限定品で本日のコースでも提供されたオマール海老とズワイガニや、ピスタチオのケーキがありました。
コースの中でいただいたケーキがいずれも美味しかったので、試しにプレーンのチーズケーキ2,700円を購入してみました。
(フレーバーテリーヌの方が美味しそうだったのですが、ちょっと思い切れず…)
購入時は冷凍されていたので、案内通り一晩冷蔵庫で解凍していただいたところ、癖の少ない穏やかなチーズを使用しているのか、程よいチーズの風味と適度な甘さでクリーミーな口溶けの大変美味しいケーキでした。
最後にサービス面ですが、こちらのお店はシェフがお一人で料理から給仕まで全てこなしているようでした。
その為、一度に2組くらいが限界だとは思いますが、料理も飲み物も待たせる事はなく適切なタイミングで提供され、料理やワインの説明も分かりやすくしていただきました。
ややそっけなく感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、こちらが聞いた事には丁寧に答えていただき、私は気持ち良い接客だと思いました。
ディナーは1番安いコースでも飲み物を注文すると1万円以上になり、北越谷では中々の価格ではありますが、同じものを都内でいただけば金額は倍になると思うので、コストパフォーマンスは高いと思いました。
食材に拘った料理が美味しく、雰囲気も良く落ち着ける隠れ家レストランで大満足でした。
また何かの機会に行きたいと思います。
2025/12/05 更新
約1年振りの訪問です。
今回も9,000円のコースで内容は以下の通りでした。
・小前菜:オマール海老&ズワイガニ チーズケーキ
・前菜:ラフランス 馬肉ブレザオラ 秋トリュフ
・前菜:蓮根 黒豚 バターナッツ 鳴門金時
・パスタ:薩摩牛ラグーソース
・魚料理:寒鰆 ヒマラヤヒラタケ
・肉料理:鹿児島県産薩摩牛 マコモダケ
・ドルチェ:黒胡麻バスク
・カフェ/焼菓子
ワインはグラスのペアリングセットが、3〜5杯で選べたので5杯でお願いしたところ、以下の通りでした。
前回は割と世界各地のワインでしたが、今回は全てイタリアワインでした。
・カサノヴァ(スプマンテ)イタリア
・カリートロ(ロゼ)イタリア
・セコンドマルコ ヴァルポリチェッラ クラシコ(赤)イタリア
・イル コロンバイオ ディ サンタキアーラ(白)イタリア
・ルー デリンキオストロ(赤)イタリア
最初の小前菜はこの店の定番のおつまみチーズケーキです。
私はお取り寄せもするくらい好きなんですが、お店でスプマンテに合わせていただくと一層美味しく感じました。
前菜一皿目は馬肉のプレザオラ(生ハム)に洋梨のコンポートを合わせてトリュフのスライスをふりかけた一品でした。
馬肉の旨味が凝縮されて程よい塩味のプレザオラに、洋梨の甘さとトリュフの風味が合わさって美味しかったです。
スプマンテにもよく合いました。
前菜二皿目は、蓮根と黒豚にバターナッツ南瓜と鳴門金時のムースを合わせてあり、バターナッツ南瓜の濃厚な甘さが特徴的でした。
ワインはロゼを合わせいただきました。
パスタは前回もいただいて非常美味しいと思った薩摩牛のラグーソースでした。
チーズを加えず薩摩牛の旨味をストレートに引き出したラグーソースは非常に美味しかったです。
ワインはイタリアのヴァルポリチェッラで程よい渋味がラグーソースを引き立てました。
魚料理は寒鰆のフライにヒマラヤヒラタケのソテーが合わせてありました。
カリッとした衣と瑞々しい鰆の身が美味しかったです。
肉料理はこれも前回と似ていましたが、一頭買いの薩摩牛のグリルでした。
部位は分かりませんが、柔らかい赤身で非常にジューシーで美味しかったです。
イタリアの赤ワインとの相性も抜群でした。
デザートは、定番チーズケーキシリーズの黒胡麻で、初めていただきましたが、黒胡麻の風味が濃厚でこれに負けないくらいのチーズ感もあり美味しかったです。
コーヒー、茶菓子と一緒にいただき、今回も非常に満足して食事を終えました。
今回も全ての料理、ワインが大変美味しかったのですが、前回と同じ時期、同じコースだったため料理は結構被っていましたので、次回は違う時期に行ってみようと思います。