カバー写真に「芸者遊び」と書いたら、質問戴きましたので、日記としてお答えすることに致しました。
金沢市の人気観光エリア東茶屋街の老舗料亭「志摩」は文政3(1820)年の創建。国の重要伝統建造物群保存地区の中でも、一際豪華で、趣のあるものの一つです。
http://www.ochaya-shima.com/一階の茶室「寒村庵」では生菓子とお抹茶を戴く事も出来ます。
「志摩」の建築は、純粋にお茶屋として作られたため、二階はすべて遊興スペースとして作られている本格的なものです。
さて、芸者遊びについて、不慣れな方に、ご説明いたしましょう。
芸者遊びは、良く聴く言葉「一軒さんお断り」ですので、紹介者を通じて、お茶屋に申し入れます。基本は、常連さんのみ相手の商売であり、客人の趣味を把握した上でサービスを変える為、初めての場合、やり取りは簡単じゃないでしょう。
金沢のお茶屋は、先ず一階の待合で仕出しを戴くのが習わしです。茶屋では料理は出さず、お酒・お茶などを供するのみで、お料理は外の仕出し屋からの取り寄せになります。芸子が来る前、一階で、一献傾けながら、仕出しの馳走を戴くのが1時間。時間は、お線香一本分が単位となっており、昔の線香は燃え尽きるまで、現代のモノと違い40~50分程度掛かる為、これが時間の単位となっているそうです。
さて、この後、二階に上がり、いよいよ芸子さんの登場。
本日、お越し戴いたのは、三味線方がお一人(彼女は元芸子で今は師匠方、超艶っぽい)に、芸子さん二名の都合三名。三味線奏者の演奏にのって、お二人の芸子さんが太鼓遊びを二三披露、その後、お客を交えて、太鼓を鳴らしました。この遊び時間が、また、線香一本分で1時間となっており、茶屋遊びは都合約2時間が基本単位なのです。
さて、遊んだあとはお支払い。しかし、現金とかカードとか無粋はありません。後日、茶屋から請求書が届く仕組みです。
そもそも、お茶屋は、謂わば、胴元。場所を貸し、仕出し屋に支払い、芸者の派遣料を置屋に支払い、全てを取りまとめた金額を後日請求というシステム。当然払いは後日となります。ここで、もう一つ重要なポイント。もし、後日、客人からの払いが滞ったら、紹介者が支払うのです。それが「一軒さんお断り」の重要な意味となっています。
少しはお判り頂けましたでしょうか?
金沢には、今も50名弱の芸子さんが居られると伺いました。この21世紀、遊んでいるのは一体、どんな方なのでしょう?大方が、地元の旦那衆の様ですが、例えば、政治家が遊んでいたら世間からトヤカク言われそうな世知辛いご時世、しかし、政治家位は遊ばないと、この文化自体も廃れてしまいそうな気もします。「芸者」と云う文化、さて、この先、どうなるものやら‥大陸のお方に、爆買いして貰うしかないのかしらん!?