レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
1位
1回
2014/05訪問 2014/06/13
軍艦島上陸の興奮冷めやらぬまま大波止駅より市電に乗り、朱欒(ざぼん)へ向かう。ココは太田和彦氏が「日本百名居酒屋」に認めた長崎の名酒場、何れは訪れたいと思いつつも長崎は遠い・・・今回の長崎旅は軍艦島と朱欒の為だけと言っても過言では・・・開店30分後、店先に立つ。おぉ、老舗の雰囲気ある佇まい、TV画面でも思ったが、確かに敷居が高く感ずるかもしれぬ。
「こんばんわ、予約したpenですが」
落ち着いた店内ですね、低いカウンター、古い家具と調度品は綺麗に磨き上げられ鈍く輝く。スレンダーな彫りの深い長崎美人の女将さんのお出迎え、カウンター一番奥の席に箸置き替わりの燕子花と小皿がセットされる。
「こちらへどうぞ♪」
小さなボードに書かれた女将手書きのお品書きは長崎の旬が並ぶも価格表示はない。
「お通しで四品ご用意致しました♪」
まずは潮風で焼かれた喉を潤すべくエビスビールの大瓶を頂く。料理担当は89歳の大女将だが、どれか一品は女将製と聞かされたが失念、さりげなく自然に店のお薦めを説いてくれる。この雰囲気に身をゆだね酔うのも良かろう♪
・お通し四種(山吹の煮物、大根の膾、若竹の木の実和え、キビナゴとおからの握り寿司風)
実に旨い、キビナゴの握り寿司風は舌を巻く旨さ、若筍の木の実和えも春の息吹を感ずる
・はとし(海老すり身のパン挿み揚げ)
やはりハトシは蝦多士、長崎の味はコレでなくっちゃ♪
・しめ鯖
しめ鯖はココの名物料理、松前昆布で香りつけられた浅漬けは絶品の味
・若筍と鯛の子の煮付け
筍煮と鯛の子煮は別メニューだが小生の我侭で合わせ煮にして頂く♪
・朱欒揚げ
つけ揚げも名物料理、エソと甘鯛の摺身の一口サイズ、柚子胡椒で頂く
・自家製からすみ
自家製カラスミも脂臭はなく塩っぱくもなく丁寧な味付け、酒が進む君
・ヱビス大瓶二本&地酒「六十餘洲」三本
調理がひと段落付いたところで大女将の登場、ちっちゃなちっちゃな可愛らしいオバァちゃんだ!
「ざぼん揚げ食べんしたね?どっから来んしゃったと???」
今年90歳を迎えるそうだが、ビールとカラオケが大好きで、歌いながら三本は空ける豪傑!大女将と女将さんの為にビールを一本、愉快な話を肴に地酒「六十餘洲」(ろくじゅうよしゅう)を流し込む、お隣にご一緒したご常連の○さんとも話が弾む・・・いい夜だなぁ♪
もっともっとユックリしたかったが長崎の夜景を撮る事も目的の一つ、足元のシッカリしてるうちに後ろ髪を引かれる思いで店を後に・・・そう言えば、10月の「おくんち祭り」に再訪を女将と大女将に約束させらたっけ(爆)
とても美味しく、心もお腹も大満足、10月は未定ですが必ず再訪しますご馳走様♪
〆て7500円なり
2位
1回
2014/10訪問 2014/10/17
敬愛する太田和彦氏が何度も訪れ、「日本百名居酒屋」や「ふらり旅 いい酒いい肴」で放映された名酒場。JR東日本のTVCM「行くぜ、東北。弘前の夜篇」で、木村分乃が浴衣姿で訪れた店。残念ながら中部では放映されなかったのか?・・・ココは午後三時から営業する居酒屋、観光地に郷土料理を謳う店は数あれど、ココはオバチャンばかりで賄う郷土の家庭料理が味わえる本物の店、暖簾の郷土料理の文字に期待が膨らむ♪
西に太陽の照る午後三時、開店に合わせ暖簾を潜る。
「いらっしゃいませ~」北海道出身・学生アルバイトの女性スタッフ一人
「御免なさい、ママが少し遅れるんです。飲み物しかご用意出来ませんが」
ビールは瓶のみ(キリンorサッポロ)
サッポロ黒ラベルをグラスに三杯目を注ぐ頃「ゴメンね~、急用が入っちゃって」
と、TVで見たマンマのふっくら二代目女将が前掛け結びながら登場した♪
「昼酒は旨いネェ、午後三時開店とお聞きしたので」
「あっれ~!もしかして一ヶ月近く前に電話くれませんでした?」
「あはは、憶えててくれてましたか」
「予約はされなかったけど、10月にお見えになるとか・・・」
カウンターに並ぶ空バットに女将が手際よく郷土料理を次から次へと・・・そうさなぁ♪
「魚の子っこは食えるかい?茸は食えるかい?」と女将が問う
「美味い美味い♪」としか答えようがない
奇しくも同い年の女将、先代女将の味をシッカリ守り、彼女の色に換えつつある「しまや」。ココでは御城下の本物の郷土料理が味わえる店。内陸なりの山菜料理は絶品の味付けだ、女将曰く「御城下の味付けは出汁のシッカリした薄味で京風」だそうな。青森銘酒「豊盃」の燗に切り替え弘前の郷土料理に舌鼓。しまや特製の合せ味噌と茄子を紫蘇っ葉で巻き揚げ焼きした一品は・・・はぁ、白飯が欲しくなるねぇ・・・焼物は厨房奥で炉端焼き、女将お薦め「はたはた田楽」は時間の都合で食べる事叶わなかった。
しまやで飲む豊盃は三浦酒造さんがしまや用に届ける物で他では手に入らないそうだ、ダラダラと何時までも飲み続けることの出来る酒だね。そんな話を聞いてると業者らしき女性が酒の配達に・・・
「ほら、彼女は三浦酒造さんの若奥さんだよぉ」
「えぇ~???豊盃は美味いネェ」
「ありがとうございます、ユックリしてって下さいね~」
隣のご常連らしき先生と呼ばれる紳士とも話が弾み、気が付けば迎えのタクシーが!
後ろ髪(少ないですが)を引かれる思いでしまやを後に・・・
今夜も九時過ぎ最終便で岐阜からのご常連さんがお見えになるとか!
ご馳走様、小生も必ず再訪します♪
女将に三河のご常連さんと呼ばれたいなぁ。
・腹子の煮付け
・さもだし(ナラタケ)
・白舞茸の煮物
・棒ダラ
・茄子味噌の紫蘇巻き
・サッポロ黒ラベル(一本)、豊盃(三合)
〆て¥3,650-なり
*RX1での撮影
3位
1回
2014/11訪問 2015/11/13
記念すべき1234レビューはココしかないっショ♪
旭川、何年振りだろうか?訪れたのは吐く息も凍りそうな寒い冬だった、以前訪れた時は仕事だったが今回は全くのプライベート、「独酌三四郎」を訪れる為の旭川入りと言っても過言では・・・蔵元見学を終えればイイ時間帯、少し寂れた通りにポツンと佇む暖簾を潜る。何時だったか?某TV番組でココを知り、太田和彦の「日本百名居酒屋」にも認められ、彼自身何度も足繁く通う旭川の老舗酒場。念願叶い訪れる事に。
「いらっしゃい」と、日本三大割烹美人女将の笑顔が迎えてくれた♪
*小生の選ぶ日本三大割烹着美人女将とは、越前の魚志楼 、仙台の源氏、そしてココ独酌三四郎
そうさなぁ・・・♪
ビールはさっき呑んで来たから・・・「じゃお酒にします?」
「そうだね、女将さんお薦めの冷や酒を貰おうか」
千原しのぶ似の女将お薦めは、地元旭川は高砂酒造の「風のささやき」
地元旭川の農業者集団「夢民村」が育てた酒米「吟風」を使用した旭川の純米地酒で、爽やかな香りと旨味で飲みやすい超淡麗辛口酒。
お通しの酢大豆は酒にもビールにもあう一品。
さぁて、お次は燗酒だ
焼き燗専用酒は新潟の「麒麟山」で、アテは女将推奨「旬の盆」
つみれ汁、刺し盛り、焼き魚、揚げ魚、大根煮、昆布煮、芹、茸、赤蕪漬けと九品の盆は彩りよく、酒のアテがズラリ♪
目の前の古い竈に置かれた鉄製の燗焼き釜に焼き燗徳利が置かれ、女将が手で確認しながら温める。先代が揃えた清水焼の素焼きの焼き燗も昭和38年に窯元が廃業し、在庫は手元に残る数十個のみとの事。ソレを悔やむご常連が元徳利を参考に作ったそうなのだが・・・確かによく出来てる、出来てはいるが違いは歴然だった。
焼き燗も三本目に差し掛かり、次のアテは女将特製「鰊漬け」と行きたかったが・・・
「御免なさいねぇ、今年は暖かくて今日漬けたんですよ」
あっちゃ~、残念、年明けにまた来なくては
「期待されちゃ恥ずかしいわ、大層なモンじゃないんですよ」
続いてのアテは、身欠き鰊の味噌和え、ししゃも、焼き椎茸
奇しくも椅子は太田氏の座った場所(所謂女将の真ん前)六時から予約で満タンとなる時間を、女将の軽快なトークと、滋味溢れる料理と美味い酒に酔いしれた♪
時計を見れば七時を回り・・・〆に選ぶは名物「モツ焼き」と生小を注文
モツ焼きは、竈横の焼き台で大将の炭火焼、大振りのモツはネットリ舌に絡み付き・・・美味い
*三四郎名物其の壱「酢大豆」
酢大豆とは大豆を水で戻し、炊いた後に酢を加えたモノで開業以来60年、変わらぬ味だそうな。
*三四郎名物其の弐「焼き燗」
先代が京都を訪れた際に見付けた清水焼の油注しを気に入り、素焼きを焼き燗用に利用した物で
既にその店は無く、今ストックしてる物で最後と聞く・・・大事に使ってますと寂しい笑顔が応えてくれた。
*三四郎名物其の参「モツ焼き」
戦後間もない頃、客は「酢大豆」をアテに酒を呑む、酒が五本に達するとサービスで提供された。
ある客が三本目で「おい、親父まだか?」
其の客には最後までモツ焼きを提供しなかったとの逸話が残る
「今は最初っから出しますよ~♪」と
イカン、このままココで飲み続けたいが、宿はススキノ、尻から生えた根を引き抜くが如く店を後にする。ココは雪の似合う酒場、極寒の吹雪の中を襟を立て訪れたい居酒屋。二月辺り、鰊漬けの一番美味くなる頃に訪れようと心にに誓う。女将とは色~んな話をしたが、敢えて書かない、秘密としておこう♪
・女将旬の盆
・ししゃも
・焼き椎茸
・みがき鰊の味噌和え
・風のささやき(冷や/旭川)一杯
・麒麟山(焼き燗/新潟)4合
・生小一杯
〆て¥7,519-
ふと思う、李白の月下独酌のワンフレーズ
「月はもとより酒嗜まず・・・
月と影とをひき従えて、ともに楽しむ春の宵」
(*撮影はRX1にて)
今年は小生が飲み歩いた居酒屋から選考しました