2回
2018/02 訪問
2018年2月
千葉県内でも有数の実力派イタリアンという噂を聞いていた、こちらへ週末ランチで予約、数名で訪問しました。
週末ランチは一斉スタートとの事でした。
大地の鼓動と海の音色 5500円
メインを八千代牛の内もも肉にすると、 300円+になるとの事でした。
「メニュー表通りではなく、実際に出てくる順番は前後します」
との事でしたので、出た順から一部詳細を書かせていただきます。
~シェフからの最初の贈り物~
トマト飴 定点
バジルはガストロバックという器具を使用。
千葉ではここだけとの事!減圧調理技法という物で、圧力鍋と真逆の処理!
海洋深層水を染み込ませ、透き通らせるとの事でした。
「一口で食べて下さい。」
バジルが効いた、固めでパリパリの甘いトマト。
里芋ガストロバック
生ハムの出汁を染み込ませて揚げた里芋。
スープは鴨。軽いクセと、ふっと香るオリーブ。
フォアグラと香りの二重奏
香りの二重はみかんとトマトの事。
フォアグラのネットリが嫌だから、生クリームを混ぜたとの事。
上に掛かったみかんアイスは皮ごとなので、香りが良いです。
春が旬のフルーツトマトにはいちごを合わせて。
フォアグラは軽くさっぱりしており、ミカンととても合います。
トマトはイチゴが香り、甘く美味。
本日の焼きたてパン
Kamachiと金目鯛
カマチは窯元の名前。そちらへ「美術館における位かっこいいものを!」と特注したそう。
赤と黒を六層重ね、丁寧にやすりをかけて作ったお皿。
キンメに、イカ、昆布、勝浦の鰹節 、春うど、レモンと鰹節の泡。
キンメ旨味がすごく出ていますが、炙られた皮目の香ばしさもたまらないです。
地鶏と春の息吹
見た目ぎょっとする一品。土から芽吹いてきた、春の緑たちをイメージしたとの事。
マーブル柄のお皿に鶏、セリ、そして散らされた黒いパウダー状の物体。
この黒いもの、乾燥させて粉末にしたブラックオリーブとの事でなるほど!でした。
一時間低温調理された千葉県産ハーブ鶏むね肉はしっとりした食感。蕗の薹を使ったクリームはほろ苦さと香りのある春の味。
鰤と一瞬の炎
藁で一瞬だけ火を入れた鰤は下部分がほぼ刺身の状態。燻製されたオリーブオイルをまとっています。
美味しさを保つためにお皿はマイナス25度で冷やしてあるとの事でした。
薬味には山わさび、特製の燻製塩。お好みでつけて食べて下さいとの説明でした。
香ばしさと柔らかさ、生臭さの全くないブリ。添える燻製香の塩も、山葵もそれぞれ甲乙つけがたい美味しさ。ただ、個人的には何もつけないのが一番好きでした。
トリュフ+キャビア+鯛+卵=Bono
小さな器にこんもりと入った、スギ風卵かけ御飯です。
トリュフとキャビアの下には、鯛の身とさらに卵黄。
とても贅沢な卵かけ御飯でした。
~再生~
ワイングラスに入った、鰤のスープ。
塩を使っていないのに、魚自体が持つ旨味と塩分でとてもいいお味のスープでした。
Sugi畑をお皿に載せて
ニンジンが可愛くくりぬかれている、自家製お野菜のサラダ。
数種類の大根に春菊や葉物野菜、そして菊の花が散らされた綺麗なサラダでした。
本日のパスタ
オリーブオイルと塩以外、は佐倉市産という拘り。鴨葱蕎麦のイメージとか。
低温調理した鴨と5時間かけてじっくり低温で焼き上げた葱、そして小麦粉まで佐倉産を使用。
鴨からとったスープ、鴨と葱の相性の良さ、正に地粉と言える粉の風味の良さ!!
香りのアイスキャンディー
美しい緑の丸いアイスはローリエでした。さっぱり!!
~High&Low ステーキ~
低温と高温を使い焼き上げたステーキ。
51・5度でじっくり、一時間半焼き上げてから薪を使い高温で焼き上げ。
炭だと水分を奪うが、薪はそれ自体が水分を持つので、しっとり焼きあがるとか。
付け合わせは佐倉の赤かぶ。本来中は白いが、色が移り全体にピンク色に。
ローズマリーはお好みでちぎり、塩はお好みでつけて下さい。
ナイフはあの龍泉刃物。注文してから、二年半かかったとの事。
食後のお飲み物 MightyLeafの物が9種類。好きな物を選びますが、これは悩みます・・
私は中国緑茶に白茶をブレンド、メロンやモモのフレーバーを加えたホワイトオーチャードというお茶にしました。
ホッ とする苺 まさかの、イチゴのフリット。横には白いんげん豆とバニラを合わせ白餡にしたペースト。こちらもまた、高さと厚みのある器がとても凝っていました。
目玉焼き!? 見た目、スキレット入りの目玉焼きですが、ヨーグルトムースとコーティングされたマンゴーのソース。人工イクラとかを包むようなテクニックで包んでいるとか。凄い!!しかも見た目かなり目玉焼きな上にちゃんと美味しい。面白く美味しいデザートでした。
お喋りのひと時に、、、 一口サイズのチョコケーキでした。
余韻 帰りにお土産でいただきました。可愛らしいクッキー。
今回は、周りが少々賑やかだったのだけが残念。
直ぐに再訪したかったのですが・・中々予定が付かず、今年は再訪できませんでした。
来年はしっかり機会をつくり、また美味しい料理をじっくりと味わいに伺いたいです。
2020/02/02 更新
車に乗らないと遠くて伺いづらい為、久しぶりの訪問となりました。
今回は、お店の椅子が新しくなっているとの話でラッキーなタイミングでした。
メニューは、どれが次に来るか分からない感じの配置。モンドリアンのコンポジションの様な抽象画的な見た目。
コンポジション自体、構造・組立・組み合わせ・構図といったような意味があるそうなので、
料理の組立や構図にこだわりを持つこのお店にはとても合うメニュー表ですね。
※以前の様に上から並べて書かれていると、「順番通り出てこないのが気になる」とおっしゃる方もいたそうです。
相変わらずの、料理やお皿、すべてに関してのこだわる姿勢はすさまじく、説明もすごい!
次の料理はどれか?どんな仕掛けでやってくるのか?予想以上のお皿の数々でとても楽しく食事を楽しむことが出来ました。
スパークリングロゼ
甘みなくスッキリしたタイプのノンアルコール。軽い乾杯にとても良かったです。
旦那セレクトの、バラのドリンクもとても香りがよく美味しかったです。
定点
トマト飴。
甘い小さなトマトをリンゴ飴の様に、飴に仕立てた一品。葉っぱの緑がなんとも綺麗。
ジオラマの様な台に刺さってやってきました。白い花に、白い岩。
サバと発酵
サバは内部に氷の結晶が出来ない様に-60度急速冷凍し、解凍時にビネガーに浸して行いしめさば状態にしたものを使用。
下に白インゲン豆ペーストと薬味の大葉が一枚。
他、オリーブオイルを人工いくらの技術で包み込んで成形。牛乳と麹を発酵させた発酵ソースを添えて、サバの臭みを包み込みという仕掛け。更に器までオーダーメイドという、何とも手の込んだ一品です。
発酵ソースも甘味とほんのり酸味があり美味しいのですが、白いんげん豆がとても滑らかで美味しく、サバを包み込んで美味!!
フォアグラと栗
ソースはブラックココアとエスプレッソ。
地元佐倉の栗を塩で炊いて煮上げてつぶし、フォアグラとあわせたもの。
佐倉産の土の香りがするビーツは酸味を添えるためにピクルスに。
お皿は白に影が欲しいという事で、石川県デザイナーにデザインしてもらい、3Dプリンタで製作。
鰤と大根
色合いの美しさに目を奪われる一品。
生に見えるが、大根の旨味を吸わせるためにガストロバックをして大根スープを注入。
皮目は香ばしく一枚だけソテー。大根にはぶりの旨味を吸わせたかったので、あらとココアパウダーのスープをガストロバック。両者をつなぐために黄色いソース。自家製の酸味があるみかんのソースを。
大根の旨味を吸った柔らかな鰤は、シェフこだわりの皮目の香ばしさもいい仕事をしていて柔らかで甘いだけでなく、香ばしさがより旨味を引き立てています。
鰤の旨味を吸った大根もすごい!
クロワッサン
発酵した手をすぐに10分焼き上げ。香ばしさをプラスするために千葉県産のドングリの一種・マテバシイの粉をまぶして。
サクミと中のもっちりした柔らかさ。焼き立てならではの美味しさでしょう。
再生
冬なのでジビエの季節。通常捨ててしまう肉以外の筋、骨などの部分を美味しく頂くためにコンソメをつくり、再生と名付けたそう。
鹿猟について行って分けてもらった鹿の血液を使い、作ったこだわりのコンソメ。
香りを感じるためにグラスに入れて提供したとの事でした。
血と聞いて結構びっくりしたけれども、深い旨みのスープでとても美味でした。
かぶと隠れた春
佐倉の牛乳を使ったベシャメルソースにエメンタールチーズ。さらにふきをいれて春をイメージした一皿。
蕪はガストロでコンソメ吸わせてバターソテー。
滑らかなソースがほんのりほろ苦いふきと、甘くやわらかな蕪を包み込み、優しい春を感じる一品。
トラフグのフラン
トラフグのフランに、パセリをガストロバックしてオイルを抽出した物をかけ、上に乗せた身にはトラフグの出汁を吸い込ませ味をさらに濃厚に。
アイスキャンディー
りんごと無花果茶
High&Lowステーキ
千葉県の八千代牛 ヒレ、シンシンのシャトーブリアン。
まず、香ばしい香りが良い!!
24時間、塩とドライトマトでマリネした肉を冷蔵庫から調理開始一時間前に外へ出して常温に戻し、51.5℃で二時間肉はじっくり火通し。さらに-25℃で表面を冷やしてから周りを高温の薪火で焦がし固め。
山ごぼう、にんじんのピクルス
肉は、なんとも柔らか。もともと柔らかい部位ではありますが、優しくじっくりと火を通したことでここまでの柔らかさに仕上がったのでしょうか。凄いです。
杉寿司
以前は卵かけご飯でしたが、それをこちらのメニューへしたとの事でした。
佐倉産古代米を固めのリゾットに仕上げ、大間産のマグロを漬けにしたものを載せています。
間にはワサビ、ウインタートリュフ。さらに卵黄の塩漬けをすり下ろして上に飾りつけ。
とろけるマグロの美味しさに、トリュフ、まろやかな卵黄。美味しくないはずがありません。
これはまた是非食べてみたい一品でした。
SUGI畑をお皿に載せて
パウダーはイタリアのレモンオイルを凍らせパウダー状にしたもの。
ガストロバックした野菜達に、アイスにしたお野菜のアイスドレッシングを添えたとの説明でした。
口の中に入れると、パチパチ弾けるのが楽しい!
本日のパスタ
館山のひじきを練り込んだ、佐倉のオーガニック小麦100%で作ったパスタ。
トマトとパプリカ、八街の赤ワイン、羅臼のウニを使ったソースは濃厚。ただ、全体的に夫婦ともどもこちらは好みとは違いました。
おそ松さまでした。
佐倉のアカマツの葉で作ったデザート。アカマツの葉のゼリーとシロップ、泡。お正月に合わせて松にしてみたとの事でした。
泡・氷・焦げ
和歌山のみかんを使用。
下には窒素ガスを使って泡状にしたみかんを敷き、
その上には香り高い皮部分を丸ごと凍らせて削り、一番上に食感の要素としてみかん皮だけをオーブンで焦がして載せたもの。
食べられなさそうで食べられる
国産小麦に、千葉県産の黒ごま、黒ゴマペーストを混ぜてフィナンシェに。モアイ像の形がユニーク。
お土産・・食べられないけど食べられそう
バラ園から送ってもらったふさひめというバラの自家製石鹸です。
他・・本日の焼き立てパン フォカッチャが二種類ほど来ました。
約二年ぶり、細かい部分がパワーアップしていました!
個人的に気に入ったのは、鰤、ステーキ、杉寿司。
鰤の身は特にガストロバック威力を感じました。
素材にこだわった姿勢、さらに皿へのこだわり(オーダーメイド)等もさらにパワーアップしていましたし、ハートの柄が反影される菅原グラスなど、とても素敵でした。
個人的に、野菜は食事の最初の方に食べたい・・ので、サラダの順番だけが前回も今回も若干不満点です。
グラスワイン自体は種類が少なめでしたが、ボトルという選択肢ならば、もう少し選ぶ余地があるようです。それに、ソフトドリンクや食後の飲み物は充実しているので、色々な飲み物を楽しみたい方には嬉しいメニューだと思います。
それと帰り際、店主の優しい心遣いがとても嬉しかったです。
ソフトドリンクでも十分美味しいので、片方がアルコールを控えるなどしてまた年内に訪問したいです。