2回
2016/03 訪問
【旅館飯】田舎もんが食べても美味いと思う山の幸が饗宴する田舎料理
◉ステイホーム掘起こしシリーズ
※本レビューは、以前の旅行記を再編集したものです。
内容は、当時のものですので、現在とは違っている可能性があります。
その旨ご承知おきください。
【感 想】
突然、休みが取れるとなった時、皆さんなら何を計画しますか?
わたしの場合、独身時代なら無計画な旅に出てましたね。。。多分。
1泊2日のショートなら、今だと新潟辺りかなぁ。。。
燕三条で、ラーメンを食いたいw
なんて、考えるだけでも楽しいです。
が、妻子持ちとなってしまった今、そんなこと出来るはずもなく、、、
真っ先にすることと言えば、カミさんにお伺いをたてること(笑)
避けて通ることが出来ない「関所」ですわ - -;
この時は、元々カミさんが休みで、わたしの休みと合えば、どこか行こうかと話していたのですが、客先アポイントが入っていたため、どうしても動かせなく、叶わずとなっておりました。
日が進み、そのアポイントが、先方の都合で延期となりました。
これ幸いにと、早速カミさんに報告。
急遽、1泊2日の家族旅行に行くことになりました。
~ 以下、blogより抜粋、追加、編集 ~
3月末に家族旅行が可能となり、急ぎ我が家の基本系であるバイキング&温泉を探しましたが、春休み期間中真っ只中で、条件に合う宿泊先が見つかりませんでした。
無理して足を延ばせば、無いことも無かったのですが、何せ長時間の移動だと、子どもたちがもたないので、どうしても近場となってしまうのです。
幼児付でも、居心地が窮屈でなさそうなとこはないかなーと探していましたらば、コスト的にもリーズナブルなこちらを発見。
食事は、望んだバイキングではなく、会場食ですし、さほど大きなお宿ではないようなので、子ども付きで迷惑なんじゃないかと少々危惧しながらの出発です。
当日は、予定より若干遅れて到着。
駐車場はここでよいのかな、、、と半信半疑で建物横のスペースにバックで入れていると、どうやって気付いたのか、ご主人がサッと出てきて誘導してくれました。
礼を言う間もなく、にこやかに一礼し再び建物に戻られました。
この最初の対応で、非常に気持ち良く宿に入ることが出来ました。
これは、悪くないお宿だな。直感しました。
失礼ながら、こちらは旅館と言うよりは、宿と言った方がしっくりくるかもしれません。いわゆる民宿の類。
外観は、ベテランの雰囲気ですが、内装は客を和ませる装飾が至る所に散見されます。
きっと、温かな心をお持ちの方々だろうな、と容易に推測できます。
共有スペースのお掃除も行き届いていて、清潔感も問題なし。
お風呂は温泉が2ヶ所。独特の利用システムで少し戸惑いましたが、無事家族専用で利用出来ました。
お湯は少しぬるめ。温泉好きで長風呂の長男にはちょうど良い湯加減だったようです。大人だと物足りないかも。その分長湯できますが。
アルカリ性の単純泉なので、温泉臭はほとんど感じられません。
露天風呂は、源泉かけ流し(加温はアリ)とのことでしたが、内湯は循環加温式、Clあり。
家族利用で、タイミング重視でしたので、内湯しかいただいてません。
かけ流しの露天に入りたかったなぁ。
お楽しみの夕飯は、食事処でいただきました。
地の野菜を中心としたお料理です。
基本、一団体一テーブルですが、他の宿泊者と介した大人数、大賑わいのお食事です。
けっこう袖すり合うも~状態に近かったのですが、どなた様も穏やかな方が多く、料理に夢中になってしまうこともあって、終始和やかな雰囲気でした。
これもお宿の特徴なのかな!?
すごく良い時間ですね。
ではここから、食べログ的観点でのレビューですww
⦿鹿のたたき
臭みもなく、想像よりもはるかに柔らかく、びっくりしました。
しかもジューシー。獣肉だとどうしても血が滴る的な部分が残るのですが、それが皆無。
以前、鹿肉をいただきステーキにした時、かなりハードな歯応えだったので、ジビエはそうなんだろうと、思い込んでいました。
⦿山女魚の塩焼き
爽やかな香りで、川魚特有の臭みもありません。
鮎の塩焼きは、良く見掛けますが、山女魚は珍しいですね。
店主さんのコメント通り、上品な味わいです。
この日は満室で、食事処も大賑わい。焼き上がりのタイミングは、、、仕方なしですね。
⦿地鶏鍋
鶏のスープが程良く、さっぱりしながらも、実に濃ゆい旨味を感じる滋味深いお味。
調味料は控えめで、地鶏の味を楽しめる鍋です。お肉の歯応えも良いです。
⦿生湯波の刺身
ミルキーでとろけるような味わい。さっぱりした口当たりながら、濃厚さを感じずにはいられません。
和風出汁の餡が掛けられていますが、わたしは醤油で食べたかったなぁ。
⦿里芋のゆずみそ焼き
ホッコホコの里芋に、ねっとりとした柚子味噌の相性は抜群です。
味噌が濃く感じるところに、サッパリした柚子。
これが、ご飯に本当に合います。
雑穀ご飯でしたが、白飯だと更に美味さマシマシ。
わたしの思い描く「最後の晩餐~朝食編~」に是非ラインナップしたいお品です。
※夕食膳→朝食膳へのコンバート
⦿ぜんまいの煮物
仕込みは、生のぜんまいを、揉み~天日干のルーティンを毎日行うそうです。
一般的な水煮の歯応えとは、全く違います。
手間を掛けてるだけに、味の染み込み方もしっかりしていますね。
⦿巻湯波の煮物
荷崩れしないギリギリの煮加減。
他の甘辛よりやや出汁が強めに感じます。
⦿ごぼうの煮物
嫌みない程度に繊維が残り、食感も楽しめます。
味噌と胡麻、軽い七味でアクセントも。
⦿雑穀ご飯、なめこの味噌汁
ご飯は、ちょっと柔らか過ぎますねぇ、、、わたしには。
おこわ様を想像していたのと、わたしがおこわの食感大好き人間であるのとで、食前のハードルを高くし過ぎたのもありますね。
味噌汁は、出汁が弱い感じがすると思われる方も。その分、麦みその味を感じることが出来ると思います。
普段食べている三つ葉より、茎が太い。そのため、食感の良さと味の濃さが段違い。
隠れた驚き(笑)
わたしも田舎料理をよく食べる片田舎の人間ですが、素材感と丁寧な作りで一味も二味も三味も四味も違いました。
下手気に、海のもの(特に刺身)を放り込まない潔さも素晴らしい。
レビューにあたり、あらためて確認してみました。あくまでも写真によるものですが、海産物を使ってない(笑)
出汁として、鰹節などの節系、昆布などは使っていると思いますが、仕上がってくるお品には、欠片も見当たりません。(目を皿にして、粗探しはやめてねw)
この徹底ぶりは、山の素材に絶対の自信を持っている裏返しなのかもしれないですね。
山に来てるんだから、山のモノを。この定義に実直に沿っていて、天晴としか言いようがありません!!
味付けは、醤油と砂糖がちょっと濃いめですねぇ。THE北関東テイスト(笑)
まあ、北関東は元々濃い味付けですから、こちらが特に濃いという訳ではないと思います。
ただ、似たような味付、調理法(特に煮物)に寄っているのが、、、少し飽きるかも。
ヘルシー志向なので、揚げ物が無いんですけど、、、一品ぐらいはと思うのはワガママですかね^^;
野菜や山菜がご飯のおかずになるのか?と思いましたが、驚くほどに合います。「肉や魚じゃないとおかずにならん」と言った考えが覆りました。「美味しい野菜は肉魚以上にご飯と合う」ことを痛感します。
「満腹なのにヘルシー&やさしい」食事に大満足でした。
お部屋は昔ながらの落ち着いた和室。掃除も行き届いていて、不快を感じることはありません。部屋にトイレが無いので、幼児付には少し不便だったぐらい。その他は特に問題も無くゆっくりと宿泊できました。
また、接客姿勢。特にお客様を迎え入れる姿勢と、本当に美味しい料理を提供しようと言う思いは、並々ならぬものを感じます。
ご家族経営なのかしら?
スタッフの皆様がテキパキと以心伝心で動きつつも、声掛けや気遣いも忘れない対応は、感心を超えて、惚れ惚れするほどです。
とても良いお宿だと思います。
宿泊に、豪華さや派手さを求める方には、不向きかもしれません。
エレベーターがないので、高齢の方などは不便な部分もありますが、のんびりゆったり、素朴だけれど美味しいお料理を堪能したいとお考えの方は、是非是非一度ご宿泊を。
ごちそうさまでした。
そして、
ありがとうございました。
2020/07/14 更新
◉ステイホーム掘起こしシリーズ
※本レビューは、以前の旅行記を再編集したものです。
内容は、当時のものですので、現在とは違っている可能性があります。
その旨ご承知おきください。
「一富士」と言えば、皆さんは何を思い浮かべますか?
初夢で見ると、縁起の良いもの第一位に君臨しています。日本人の多くに、この質問をすれば、まあ間違いなく「初夢」と答えるでしょうね。
わたしの場合は、「鬼怒川温泉にある、山の幸満載の、料理がやたら美味い宿」と、自信を持って答えますね。
今思い出しても、もう一度食べたい朝食です。
夢見るくらい。。。にね(笑)
~ 以下、blogより抜粋、追加、編集 ~
朝食も、夕食と同じく会場食。
会場と言っても、居酒屋風のお座敷です。
各組が、片寄合ってのお食事です。
狭いなぁとか、他の人たちと、、、なんて声も上がりそうなシチュエーションなんですが、みんなほっこり。
なんだか、そういう変な空気にならない「見えないソレ」があるんですよ。多分。
お食事は、既にスタンバイされていますが、頃合いを見計らったように、焼魚など温かいものは温かく提供していただけます。
ここで、初めて海の幸(アジの開き)登場w
徹底して、「山の幸」「手作り」にこだわっていらっしゃるのですね。
メニューは、下に並べますが、手作りじゃないのは、納豆だけ。
サラダも、葉物一辺倒ではない、地の旬鮮なお野菜です。
既製品には頼らない心意気は、旅先での朝食好きのハートを、ビシっと打ち抜いてきますよ。
でも、ご主人にその言葉は愚問なのでしょう。
元より、手作りが当たり前だと思っていらっしゃるのでしょうから。
どのお料理も美味しくて、解説なんていりませんが、その中でも、心と脳と舌に刻まれたお品をピックアップして。
◎ご飯
◎芋がらの味噌汁
◎焼魚(アジの開き)
◎納豆
◎厚焼き玉子
◎切り干し大根
◎ほうれん草の胡麻和え
◎カボチャの煮付け
◎ニラの茎のおひたし
◎大根の浅漬け
◎サラダ
一番のお気に入りは、味噌汁。
出汁よりも、味噌の旨味で飲ませる一杯。
お味噌も手作りでしょうか!?(推測)
そして何より、具の芋がらとの相性が最高でーす。
芋がらなんて、珍しいですよね。わたしも、何十年ぶりかで口にしたように思います。
芋がらも、もどしとあく抜きをしっかりしないと、エグミだけが残ってしまいますからね。
確か、亡きばあちゃんが言っていました。
この味噌汁の芋がらは、エグミを一切感じさせません。
食感を楽しむものだとばかり思ってましたが、味噌の旨味がギュッと含まれ、素朴ながらも、何と見えない美味さを感じました。
ニラの茎のおひたしも、そのシャキシャキした食感と、ニラのイイ意味でのクセを味わえます。
茎の部分なので、葉の部分ほどのインパクトはありませんが、その分、爽やかなニラの風味を味わうことが出来ますよ。
この二品。わたしの、最後の晩餐(朝食ver)に是非とも加えたい逸品です。
こちらの朝食は、贅沢でも豪華でもありません。
ですが、金をかけたものよりも、遥かに食べる価値があると思います。
手間暇かけた何よりの御馳走だと思います。
夢に見る。。。
その気持ちが、少しでも伝わりましたでしょうか。
ごちそうさまでした。