3回
2018/10 訪問
改めて感じる恐ろしいコスパと美味さ
1年以上ぶり?の山猫軒。
しみじみ美味い。そして恐ろしいコスパ。コスパを量でしか測れない人にはわからないかもしれないけど(いや、量も結構がっつりか(笑))。
どれも美味しかったけど、特に良かったものをピックアップ。
前菜の豚と牛のハム。めちゃ美味い。変な味がないのにここまで味しっかりなのは素材の凄さか。
ブッラータwithはちみつ。定番だけど、ここのチーズほど美味しいフレッシュチーズはない。
よくチーズの通販サイトでミルキーなチーズ、と宣伝文句がついてるが、食べてみるとそこまでのことが多い。ここのブッラータは誰が食べてもミルキーさを感じることができると思う。そして付け合せのハチミツも美味い。銘柄を今度こそ忘れずに帰ってうちで青カビと合わせる予定。
里芋と豚肉。とかくと普通に思うかもしれないが、そこが山猫。どちらもべらぼうに美味い。本当は里芋と豚肉を交互に食べてより美味しく。という山猫マジックがあったはずなのに、美味しすぎて里芋だけ先に食べちゃった(笑)。
つきたての餅で包んだぎんなん。咀嚼してるともっちりとした餅にぎんなんの味がまじってきて美味い。もちとぎんなん。どこでもあるけどどこにもない味。流石。
牛のスープとこれでもかってほどのトリュフのスープ。椀をあけるとトリュフの香りが爆発。その香りを味わいながら飲む濃厚なスープ。山猫のせいで?おかげで?他のお店でトリュフがでても物足りない(笑)。むしろ、これくらいしか香らないなら邪魔。とさえ思うくらい。今回のナンバーワンはこれかな。
ポルチーニをぜいたくに使ったペペロンチーノ。ポルチーニの味だけではなく、食感も味わえる。通常はできない贅沢。パスタも細めなのにもっちりとしたパスタでうまい。
無理言って出してもらったいくら丼ウニ付。これがめちゃ美味い。山猫のいくら、味付けは弱いのに臭みがない。からすみでも思ったけど、これまで臭みと感じてなかったものは臭みだったんだと気づかされる。臭みがないからこその味付け。シンプルだけど美味い。一品目のいくらのクロスティーニもこのいくらだから、オリーブオイルとニンニクがほどよく感じられて美味い。もし普通のお店のいくらだと下品な味になるし、一品目にしたら非常に重い一品になっていると思う。
そしてウニが激甘。コースに追加したからお腹がはちきれそうになったけど、最高に美味かった。
デザートは念願のモンブラン。ここのモンブランは甘さが程よいのはもちろんだけど、栗の味で芋っぽさがない、不思議でここのお店でしか食べることができない味。
そして今回はお酒は通常の3000円から少しだけアップした5000円のコース。2000円しか変わらないけど、ムルソーも出たし、なんじゃこりゃってお得感。ほんと、伊藤さんはお酒で儲けること考えてないんだなーって思う。飲食で一番もうけるとこなはずなのに。
ちなみにこれだけ追加して一人22000円。3万以上払っても満足できないお店もあるのに。ここのせいで外食は、美味しいお酒があれば安い立ち飲みでいいやと思ってしまう。人の外食に対する価値観を揺るがす、良い意味の問題店だと再認識させられた。
次は値段が上がる代わりにグレードアップするらしいおせちが楽しみです。
2018/10/26 更新
2017/12 訪問
とことん本物志向のお店
※2017.12
お店で。ではなくお節をオーダーしました。山猫軒に出会って、毎年お世話になっておりますが、今年も相変わらず大ヒット。
特に、山猫風卵黄の味噌漬けからすみ風が感動ものでした。卵の味がすっごい濃厚。味噌漬けなので、もっと味噌の味がするかと思っていましたが、味噌は程よく、風味もよい。
卵の黄身1つだけでしたが、びっくりの味です。某グルメ漫画で至高の卵料理で味噌漬けが出てましたが、山猫軒の味噌漬け食べて、納得できました。
そして去年も感動しましたが、天然酵母のパン。これもめっちゃうまい。トースターで軽く焼くと立ち上がる小麦の香り。
表面さくっと、中がふわっと、というよりとろけるような感じ。
まるで生きてるよう。山猫パンと違って、塩気もありそのまま単独で食べて美味しいパンです。あーもっと食べたい(笑)。
そしていつもの山猫スペシャリテ。スッポン雑炊。
これを食べると山猫軒の味ってします。大市とは違う、ほんとにドストレートなスッポン味。
一緒に入っているお餅もまたうまい。
2018年は仕事の休みを作って是非店舗に伺って食べに行きます。
※2016.12
クリスマスディナーを頂きました。
週末はもう一年前から予約が入っていて平日でのチャレンジです。
まずは丹波の黒豆とびきりと伊勢ヒカリ。黒豆は完全ではないですが、良い按配の甘さで美味しい。米がすっごいもちっとした食感で美味しいんです。
炊飯器変えた影響でしばらく美味しいお米食べてなかったので地味に美味しい。
次はすっぽんの肝、卵の醤油漬け?、甲羅の酢味噌あえ
このすっぽんの肝、すっぽんとわかるかなぁ。
すっぽんスープ。わずかにすっぽん入り。
これ、ほんとにうまい。ショウガなど一切いらないものが入っていないスープ。
マディラ酒の鍋も美味しかったけど、この直球料理の方が好み。
からすみ、そのままと炙り、菊芋
ここのからすみ、ほんとに絶句します。まず塩気と水分、臭みがこれまで記憶の中のからすみと桁違い。
塩気はかなり控え目、そして水分は結構残ってて白子らしいねっとりとした魅惑の食感。それでいて臭みがない。
これまでからすみの風味と思っていたものは臭みだったんだなぁ。
これ、からすみと言われなければわからないと思う。
炙ったからすみも十分ねっとりとしつつ、味の濃さはアップ。すっごいうまい。菊芋もいいアクセントです。
添えられたお米はしつこいですが美味しい。
次に魅惑の串焼きシリーズ。
宇治田農園の鶏。メッチャおいしい。肉の味しっかりとしていて妙な硬さではないけどしっかりとした歯ごたえで。ほどよくジューシー。
鴨。メッチャ鴨らしい鴨。パワーあります。普通のフレンチ店だとこれがメインで出てくるともう満足。塩だけとは思えない味の濃さ。
白菜の浅漬け。すこし口直し。
馬のあばら近くの肉。
これも、馬とわかる人いるかなぁ。馬独特の臭さはないし、焼いてもめっちゃジューシー。次はこれを大量に食べたい(笑)。
次は福井の猪。
口に入れると脂から香りがしますが、普通の獣肉臭とはことなり臭いわけではない独特の香り。
そして凶暴な旨さ。脂の分塩も強めでパンチ力あります。
次に丹波の猪。福井のものより小さめのようです。
これは口に入れる前から香りがします。が。口に入れると前の物に比べるとタンパク。しっかりと肉の味があじわえます。
猪の鍋。
いのししのばら肉?の薄切りが入ってます。味噌の味と肉がすっごいマッチ。からさはないけど、風味がマッチしています。
締めの見島牛の串。
いうことないです(笑)。牛の香りだけど牛臭くない。不思議な肉。
一旦なしで口直し、ワカサギの天ぷらのマリネ、宇治田農園の鶏の煮凝り?、山猫パンwithオマール海老クリーム?
どれもどこかでありそうな料理だけどクォリティが桁違い。この普通の料理で既存の店とは段違い。ってのが山猫クォリティ。
でっかいポルチーニ茸のトリュフのクリームソースwith山猫パン。そして食べる前に黒トリュフがかけられます。
これを美味しくないっていう人いるかなぁ(笑)。削られたトリュフの香りとソースのトリュフの香りが広がります。
馬のタルタル山猫パン乗せ。そして上から心ばかりの白トリュフ。
黒との連続だからこそわかる、白トリュフの香りのすごさ。感動的です。おかげでタルタルの美味しさがかすむくらい(笑)。
そしてサラダとスモークした猪、見蘭牛のステーキwithバスクのフォアグラ、シャインマスカット。
ロッシーニ風のような出方ですが、別々に食べた方が美味しい(笑)。相変わらずの絶妙な火入れ。
猪もほどよいスモークと塩感で美味しいなぁ。
バスクのフォアグラ。伊藤さんは不満のようでしたが、妙な脂っこさはなくて美味しかったです。
締めのトマトのパスタ。
これシンプルだけどこの味出すにはどうしたらいいかなぁと思う味。パスタとトマトが普段僕が使っているものとは桁違いなのかも。
デザート。4種盛で頂きました。パネットーネ、ティラミス、パンナコッタ、そしていちごのケーキ?、そしてピスタッチオオイルwithアイスクリームを単品で。
ピスタッチオオイル、ピスタッチオよりピスタッチオ(笑)。これ、ちょっと売ってほしい。
そしてイチゴのケーキ?(山猫軒のブログみると“フレジエ”らしいです)。
中のイチゴがねっとりとした食感でしっかりとあまい。
けど、くどくなくて…
食感も含めて官能的な旨さで、予想斜め上。
これで12000円。絶対来年も伺います。
※2016.10
山猫軒スペシャリテのすっぽん食べ尽くしコースをいただきました。
まず一発目は血のパン。血の香りをほんわか味わえるパンです。
次はすっぽんのスープ。巨大な麩?入り。
麩?としているのはスープを吸うと餅のような食感になるからです。面白い。
スープは滋味あふれるすっぽんのスープで、それを吸わせた麩をはむはむ食べると美味しい。
続いてすっぽんの卵のからすみ。皮の酢味噌和え。
ここで味の濃さががっと跳ね上がります。卵のからすみ。卵の味がすっごい濃厚に凝縮されていてうまい。
皮の酢味噌あえ。これは最初、ややパンチ強いかなぁと思ってましたが噛みしめていると皮の味が染み出してきます。
ここからお酒がすすむすすむ。福島の(銘柄失念)山廃がほどよい山廃感と山廃らしからぬ酸味があってうまい。そして五橋のひやおろし。やっぱり早めに買えばよかったなぁ(笑)
次はすっぽんの醤油漬けとおかゆ。おかゆは米からしっかり炊かれたものなのか、コメの感触と甘さがしっかりしていました。
そして焼き。ここから、ザ・すっぽん。
腕の付け根のお肉、胃、脂、肝。すっごい美味しいです。
肉は旨い鶏肉みたい。脂も脂たっぷりなんだけどすっぽん臭さはなし。服部養殖場のものだからできる技なんでしょうか。そして胃。ずっと噛んでいたい美味しさ。しゃぶりつくしました(笑)
再びすっぽんのスープ。皮やエンペラ?付き。
最初に出たものが吸い物でこちらは完全にスープ。でも某京都の有名店のような濃さはありません。しみじみ、すっぽんを味わえます。
すっぽんの白和え。これがまためっちゃ美味しい。豆腐の味も濃いんだけど、すっぽんの味も濃い。それがうまい具合に相乗効果を発揮してます。
すっぽんの出汁のだし巻き。すっぽんの味がする贅沢な出汁まき。 嫌な脂っぽさがなくこおばしい感じがするのが不思議なところ。うまい。
次に肩甲骨のから揚げ。これ、すっぽんってわかるかなぁ。うまくてしゃぶりつくしてしまいました。
卵の醤油漬けとごはん。これぞすっぽんのTKG!!唐墨も美味しかったけど、卵を味わうならこっちの方がいいかも。ここらあたりから”幸せ…”という言葉しか出なくなります。
そしてすっぽんのマディラ酒を使った鍋。
シナモンの香りがすっごいけど味もうんと濃い。そして鍋に使ったマディラ酒を合わせると味が膨らむ膨らむ。このマディラ酒、酸味と香りがほどよく、かなり良い紹興酒にも張るか、それ以上の風味。
鍋の食べ始めに八角のような香りもしたんだけど鍋の中には入っていませんでした。勘違いかも。
口直しの果物。シャインマスカット、りんごのコンポート?、なし、メロン。どれも美味しかったけど、メロンが超旨い。すごく甘くてとろけるよう。
スモークすっぽん。味が凝縮されていて、くにくに感もあり最高。ルッコラの苦みがほどよいアクセント。
締めのすっぽん雑炊。
…至福。最初は卵半分だけ入れてくれます。そのおかげですっぽんの香りを味を満喫できます。
特に甘くこおばしい感じがするなぁと思ってたらおこげの風味でした。こんなおこげ、食べたことないなぁ。
ここで残るはデザートのみとなったんですが、おなかはパンパン。雑炊にもちも入っていたし米も何度か出たのでかなり限界です。
しかし時間がたつとお腹が空いてきたので、メロンと通常コースの方々のチーズを追加でお願いしました。
いや、前回食べたときのブッフェラが忘れられなくて(笑)
そしたらメロンは生ハムまみれで出てくるわ、チーズもしっかり盛ってだしてくれるわ、で嬉しい悲鳴です。
伊藤さんの気前の良さは半端ないですね(笑)
そして締めのデザート。お腹いっぱいだったので、二人でパンナコッタとモンブランを頂きました。
モンブランは季節外れなので、一人スプーン一杯だけ。しかしサービス。という形で頂きました。
パンナコッタも美味しかったんですが、モンブランが確かに桁違い。旬を過ぎたクリだと芋っぽくなって栗じゃなくなるからと言ってたのがよくわかります。
栗100%って出しているところでもここで食べたモンブランと比べると芋っぽい。次は栗が旬の時期に伺います。その前にクリスマスディナーだけど。
※2016.6再訪
またしても見島牛を食べることができました。
まずは皮付きのアイナメ。これがプリっプリっで美味しい。
次は鱧だしの吸い物のジュンサイとはも添え。
出汁が美味しいんですが、ジュンサイがスッゴい。普通のジュンサイと違って丸いんです。なので、飲むより噛んで楽しめます。
鱧だしで洗った茄子の揚げ浸しも茄子がスッゴい甘くて美味しかった。嫌な脂っぽさもないし。
今回の目玉は見島牛のホルモン。
これがうんまい。
ホルモンなので脂は、あるんですが牛臭さはありません。
香りはほんわかホルモンなんだけど、噛みしめると、ずーっと味が出てきます。
その味を味わうために咀嚼が止められない(笑)
脂の凄さを味わうためにミノから出た脂だけを使った焼き飯。
味だけじゃなくて香りもスッゴい。隣の方々が目玉焼き乗せで、がっつり炒飯になってたのが正直羨ましかったです(笑)
牛筋の煮込みのぶっかけ飯も、最高。
しっかりとられた牛テールもこの味には及ばない。
牛の味が詰まったスープに最低限の味付け+ライス。
最後の締めでたべれるほどお腹を開ける事ができなかった自分が憎い(笑)
ここからアワビの中華風ソテーとホタテ、チーズ、パスタが続きます。
どれもけた違いに、美味しかったんですがチーズとパスタが特に印象的でした。
チーズ。ブッフェラ、何度も食べてますがここまで美味しいブッフェラは初めて。
そして、もうひとつのフレッシュチーズも激ウマでしたが一緒にかけられたハチミツも食べたことないうまさ。
茄子のカポナータも爽やかで良い。
パスタは自家製なんでしょうか?リィングイネ位の太さだけど妙にもっちりして美味しい。
ほんと、普通のように見せかけて食べてみるとタネがわからない山猫マジックは、すごい。
そしてメインディッシュのステーキ。
…最高に幸せでした。食べ比べてみると、やはり見島牛は赤身を味わうべき牛だなぁと思いました。
ロースも美味しいけどランプやヒレのおいしさは桁が違います。和牛はもう脂が重くて、最近は熟成したアメリカ牛の方が美味しいと思ってましたが、見島牛食べるとやっぱり和牛は美味しいと思います。
お酒は、辛口系の日本酒はやや苦さがあってそこまででしたが、五橋のピンクの濁りと久保田の熟成酒は凄い美味しかったです。
そしてワイン。
伊藤さんは安いというけれど、十分上手い。
ほんとに感動をくれるお店です。お陰で外食できなくなって困ってます(笑)
次はすっぽん食べに伺います。
※初回2015
大分前から予約していたおかげで希少な和牛の祖、見島牛のコースを頂くことができました。
まず一発目のビーフコンソメ。これでガツンとやられました。
すっごい味が濃いのにとことん煮込んだような重さがない。味だけが凄い鮮烈に襲ってきます。
もうこれだけでメロメロ(笑)
どれもこれもこちらの予想の斜め上を行く出来。
特にステーキ。
今回は腕肉とヒレ。腕肉はクリにあたるところなんでしょうか?見島牛独特の風味と肉の味を十分に味わえます。
そしてヒレ。シェフの伊藤さんが”笑えますよ”といわれるのもよくわかる。
肉の味と脂の美味さがすっごい。もう他でお金出して牛肉食べなくてもいいなぁと思ってしまいした。美味さの次元が全く別です。
最後の締めの牛丼まで、見島牛の美味しさを余すことなく食べつくすことができました。
お酒も3000円で料理に合わせたお酒を楽しめます。
お酒はほんの少しからでも大丈夫ですので、全く飲めない人以外は自分の酒量に合わせて楽しむことができます。もちろん、僕はなみなみと注いで頂きましたが(笑)
このお酒もほんと美味しい。希少酒が多いんですが、そんなのはどうでもいい。料理と合わせて、とても美味しい。というのが凄い。
特に醤油とてんさいの砂糖で焼いた肉に蓬莱泉の山廃純米・禄の10年古酒と合わせるのはしびれました。蓬莱泉のラインナップの中でも強めの古酒香と醤油の風味の組み合わせが最高でした。
これで3000円以上の料金にするとどうなるんでしょうか。次回が楽しみです。
名古屋で一番の目的お店でしたが、期待以上の味でした。
最近、食べログの点数高めでお値段が高くてもイマひとつ・ふたつのお店にしか出会えませんでしたが、ここの料理はぶっとんでます。
ここの本当の凄さは”希少な”食材とかお酒ではなく、調理技術や伊藤シェフのセンスだと思います。
しっかり熱がはいっているけど、カツオのタタキのような焼き具合の断面をしたステーキなんてみたことありませんし、パンも表面はパリッとしているけど、中はもちっとしっとりしていて、だけど日本で良くあるようなバターの重たさはなくて…もう挙げればきりがありません。
肉と野菜と豆腐を同じ皿に出しつつ、同時に食べるのではなく別々に食べると妙に美味しい。これまで経験したことない組み立てです。でもそれがまた単独で食べるより美味しい。どこまで味が見えてるんだかこの人は。
注意点として、
まず内装や外観。正直嘘っぽいです。旅先で前情報がなかったら、美味しいお店と思わずに素通りしそうです。
席もコの字カウンターにがっちり入っているので、このお値段のお店としては狭めです。お店の雰囲気もお値段のうち。と思っている人には向きませんし、料理の味こそ全てと思っている人の食べる人の機会を奪ってしまうことになるので行くのは控えたほうがいいかもしれません。
そして伊藤シェフのうんちく。伊藤シェフ、身なりが料理人というよりよく言えば仙人。悪く言えば小汚いおっちゃんです(笑)。でも低めのしぶい声で小さく食材やお酒、料理の説明をしてくれます。それに料理とお酒を楽しみながら聞き入ってると気がつけば伊藤教の信者になってしまいました(笑)
僕はすっかり虜になってしまいましたが、この独特の雰囲気が合わない方がいらっしゃるかもしれません。こんな美味しい○教ないと思いますが(笑)
まとめると、宮沢賢治の代表作と同じ、注文の多い料理店なのかもしれません。でも中に待っているのは極上の一品ばかりです。
素材もお酒も調理も一級品。なのにこのお値段。…名古屋でよかった。東京ならまず地方から予約取れないお店になるか、すっごい高いお店になっていると思います。
しかも3900セットなるものもやっているらしいです。ありえない。
このお店目的にまた名古屋に行きたいと思います。ごちそうさまでした。
2018/01/15 更新
ワインが主食コースと通常コースの2回よらせていただきました。
まずワインが主食。今回写真でアップしたワインはワインが主食コースのものです。ワインは日本酒ほど詳しくはないので正直、白の銘柄はどれも知りませんでしたが、どれも凄い美味い。香りがどれも初体験のものばかり。それでこの味かー。凄い(あまり高級じゃないワインだと、香りは悪くないけど、味が…というものが多いので)。どれも美味しかったですが、特にシン クア ノン イン ザ アブストラクトが一番気に入りました。良く飲むシャルドネが使われている分、親しみやすかったからかも?。
個人的には家で飲むのワインなら、オリンスィフトで十分満足だと思ってたけど、これくらいのレベルのワインならつまみ要らずだから、家飲みにいいかもしれない。…ま、こんなボトルで家飲みしたら間違いなく破産するけど(ワインなら2本は飲んじゃうから、毎日の飲み代が6-7万になってしまう)。というよりそんなお金を使うなら山猫軒で食べたい(笑)。
ツマミはちょっと。でも十分に豪華。
白エビのから揚げ。この時期の贅沢です。本当はつまみでこれだけで十分。
うすい豆ごはん。これもこの時期の贅沢。うすい豆の味が濃く、ちょっとの塩だけで美味い。
無理言って出してもらった鱧の冷たい椀。これが絶品だなぁ。ジュンサイも普段よりは小さいらしいけど、ぷりぷりで美味い。酢も程よくきいてさっぱりしていて夏らしくすっと入ってくる。
やはりここの鱧料理は美味い。本当はもっと鱧ばっかり食べたかった(笑)。
見蘭牛の吉野家風。
吉野家風としてるけど、〇調と醤油と砂糖が激しいタレに煮込んだものではなく、汁気たっぷりなだけ。丼物として出たけど、米無しで食べても美味しいんじゃないだろうか。相変わらず、和牛独特の脂の甘い香りとは違った肉らしい香りなんだけど、嫌みがない独特の香り。かなり贅沢な牛丼だけど、これほど美味しい肉はやっぱりステーキで食べたい(笑)。
翌日は通常コース。どれもべらぼうに美味しかったけど、〆に無理言って出してもらったイノシシのぶっかけ飯。これが特に美味しかった。猪の脂の甘さと、それに負けない味噌の味が合わさって相乗効果で美味い。このミソ、青唐辛子が入っているのか、ちょっとピリッとしてそれが脂の重さを程よく軽くして、猪の美味さをより引き立ててくれます。うーん、青唐辛子ならそれを取り出して焼いて食べたい(笑)。
そして勝手に追加で楽しんだ山猫マジック。
前日も食べた見蘭牛の吉野家風。の際に卵かけにしてくれるので、肉無しで卵かけご飯、TKGにしてもらうことに。…これぞ山猫軒。普段食べてる卵は臭みがあるんだなぁ。と気づかされる。うーん、普通の卵でTKGを食べることができる自分の鈍感さに驚く。まぁ鈍感じゃないと今の世の中、外食できないかな。とも思うけど。…話ずれましたが、使ってる醤油のおかげもあるかもしれないが、この卵なら、生卵ダメな人でも食べることが出来ると思う。
と、最後の〆を十二分に楽しんだので、お腹が膨れすぎて今回はデザートなし。…プリン食べたかった(涙)。
替りに南どなんを頂きました。沖縄でも手に入りにくい与那国の泡盛がここにはいっぱいあります(笑)。伊藤さんはどなん好きらしいですが、僕は舞富名という銘柄が好きで飲んでました。僕の好きな銘柄は、作り手さんが急逝して手に入らなくなった(というよりプレミア値段がついて買えなくなった)んですが、なぜか山猫にはある(笑)。
僕も知らなかったんですが、亡くなった作り手さんがもともと働いていた酒造所、どなん、で作ったものが南どはんらしいです。これがまた面白い。舞富名は花酒という、60°もある泡盛なんですが、ここの古酒はチョコレートっぽい風味があります。それを期待して飲んだら、どなんらしい、しっかりとしたドライさがあるお酒。でも美味しい。良い意味で裏切られました。
今回も値段以上の満足でした。値段並みの満足感のあるお店が少ない中、やはりここはレアな存在です。また伺います。