ぶびたさんが投稿したフェリス(静岡/修善寺)の口コミ詳細

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ぶびた (50代後半・男性・千葉県) 認証済

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掲載保留フェリス修善寺、大仁、牧之郷/オーベルジュ、スペイン料理

1

  • 夜の点数:4.1

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.0
      • |サービス 4.0
      • |雰囲気 4.0
      • |CP 4.2
      • |酒・ドリンク 4.0
1回目

2014/08 訪問

  • 夜の点数:4.1

    • [ 料理・味4.0
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気4.0
    • | CP4.2
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

大人時間のオーベルジュ

フェリスさんのディナーは18:30から20:00までの間の好きな時間にスタートをする事が出来ます。旅館などでは夕食の時間を予め決められてしまいますが、フェリスさんでは宿泊客が自由に時間を過ごせるようにと、気の向いた時間にレストランに入ればディナーをはじめられるというスタイルです。

この日は私たちも入れて2組と少なかったこともあり、伊豆高原の夜景を存分に楽しみながらのディナーとなりました。

フェリスさんのディナーは全13皿45種200以上の食材を使ったスペイン料理のコースです。

最初の1皿めは「小さな食前酒とオリーブ」です。
この日の食前酒はカヴァで、ディナーの直前にもう一回温泉に入って来て渇いた喉を潤してくれます。
私たちは二人ともオリーブが苦手なのですが、黒いオリーブはなかにチーズが入っていてなかなか美味しいです。

2皿目は「7種類のピンチョスの箱」です。
宅配のピザが入っているような箱が運ばれて来て、それを開けると中にピンチョスが入っています。料理だけでなく相変わらず演出も上手でなかなか楽しませてくれます。7種類のピンチョスはどれも丁寧な仕事がしてある料理で、どれも美味しいです。


お酒は本来であったら、ワインをボトルでお願いしたいのですが、あまりお酒を飲んでしまうと全部で13皿もある料理を最後まで美味しく食べる事が出来ない(実際、前回はそのようだった記憶もあるので)と思い、グラスでお願いをしました。

3皿目は「雲に見立てたスペイン風オムレツ」です。メレンゲで作った白い泡の上にふわふわとした卵が乗っているオムレツです。見た目が可愛く、食感もふわふわして面白いですが、味は非常に淡白でオムレツとはちょっと言いがたい料理ですが、長丁場のコースなので1皿ぐらいはこんな遊び心の料理があっても良いと思います。

4皿目は「海の幸 駿河湾のタルタルとタブレ」と言う料理です。
ホタテを薄く延ばして焼いて作ったお煎餅の下に、駿河湾で上がった桜えびと刺身が隠れています。そしてそれを3種類のソースで頂きます。ソースは左から「25年物のシェリービネガー風味のビナグレタソース」、「ライムの皮、果実、バジリオイルでつくるアリオリソース」、「グラナダソース」で、どのソースも個性的でお魚と合いますが、私はビネガーのビナグレタソースが一番あって美味しいと感じました。

どのお皿も見た目が美しく、見るだけで楽しくなりますが、給仕をしてくれるスタッフも方も程よい距離感で接し、そしてタイミング良く夜景の説明などをしてくれて、楽しいディナーになるように配慮をしてくれます。

5皿目は「スペイン産ハモンセラーノの生ハムとメロン2014」です。
ハモンセラーノは3つの調理で提供され、右下がオーソドックスなメロンの生ハム包み、左手のスプーンがパンの中にハムをサンドしてもので、右上がサラダ仕立てです。そして真ん中の目玉焼き見たいのは、ソースで黄身に見える部分がメロンのジャムで白身の部分がヨーグルトになっています。ちょっと奇抜なソースですが、意外と生ハムにあいます。生ハムそのものは、骨付きのハムを提供直前にスライスしたもので、塩気もちょうど良く美味しかったです。しかし、後から思うと、パンにサンドされた生ハムはパンそのものが結構しっかりと詰まっており、結構重かったので、これは申し訳ないのですが、中のハムだけにしておけばよかったと思いました。

6皿目は、フェリスさんのコースの目玉とも言える「菜園」という名前の朝採れ野菜の料理です。6皿目と書きましたが、実際にはこの料理は2つの皿で提供され、最初のお皿が「いたずらな3つの野菜料理」です。
料理は二人分で、左上がトマトジュース、右上が赤カブ、そして下にあるのがコーンのアイスです。名前に「いたずらな」とあるとおり、どれも驚きがある料理です。まずトマトジュースですが、普通トマトジュースと言えば、赤い色のジュースですこしドロドロしたものですが、このトマトジュースはやや黄色掛かった透明でサラサラしています。しかし、飲んでみると間違いなくトマトジュースの味がします。どうしたらこうなるのか、不思議に思って聞いてみると、トマトを半分に切って、網の上に一晩置いておき、落ちてくる果汁を集めるとこのようになるということです。せっかく教えてもらったので、一度、自分でも試してみたいと思います。
コーンのアイスも驚きで、口に入れて溶けると、当たり前ですがコーンポタージュそのものです。これを食べてアイスのガリガリ君にコーンポタージュ味があり大変流行っているという理由が分かりました。
赤カブはまるで土の中に埋もれているかのようで、それを収穫して食べるような感覚の遊び心ある料理です。カブ自体も本格的で、食べてみると結構辛いカブでした。

続いて持って来てくれたのは、フェリスさんのスペシャリテとも言える存在で、「野菜のフラワーアレジメント風」名前を付けられたお皿は、持って来てくれた瞬間に思わず声が出てしまう美しさがあります。
伊豆高原で取れた野菜を素材の特徴に合わせて生、ゆで、焼きにて提供したものです。すべてで20種類以上の野菜が乗り、その一つ一つのどれもが味が濃く、食べていて楽しくなってくる料理です。トマトは果実のように甘く、椎茸は濃厚で森の美味しさが詰まっています。力強い味の野菜たちが色とりどりのハーブと花で飾られたこのお皿を頂くとフェリスさんに帰ってきたなーと感じさせてくれます。

7皿目は「いか墨のメロッソ」です。
メロッソは魚貝のスープでお米を煮たリゾットのようなもので、こちらの料理もフェリスさんの定番です。いか墨独特の甘さが硬めに炊かれたお米によくあいます。また、御飯に隠れている枝豆は以前に訪問した際には無かったと思います。おなじ、料理でも日々進化を遂げているのを感じさせてくれました。

8皿目は「狩野川の鮎、富士山サーモンと夏野菜のサルサヴェルデ」です。
焼きを強めに付けることで苦味をまとった鮎と厚切りのサーモンが、海苔の風味が効いたスープに入っています。海苔の磯の香りと川魚の鮎とサーモンのコラボレーションが良くマッチしてとても美味しいです。前のメロッソが少し重い料理だったのですが、スープ仕立てのこの料理がその重さを流してくれます。

9皿目は、こちらも近年、伊豆の名物となって来ている金目鯛の登場です。
一口サイズにカットされた金目鯛の切り身を、ソテー、蒸し焼き、オーブン焼きの3つの異なる方法で加熱をし、その違いをほうれん草のソースで楽しむという趣向の料理です。確かに、加熱方法の違いで、身の締まりやそれに伴う脂の出方が異なり、同じ食材なのに色んな美味しさを味わうことができます。個人的には、蒸し焼きが金目の味を一番濃く感じさせてくれる調理法と思いましたが、いずれにしても伊豆の金目鯛は噛むほどに旨味が出て、素晴らしい食材と感じました。

フェリスさんのディナーも残すところあと4皿です。ここまでスタートから約1時間半の時間が過ぎました。途中、遠く三島のあたりの花火大会や、日の出を目指して富士山に登頂する登山者のライトの灯りが見えたりと、食事だけでなく窓の外の景色も楽しみながらのディナーとなりました。

10皿目はお口直しの「桃のガスパッチョとエスプーマ」です。
エスプーマとはスペイン語で「泡」と言う意味で、特殊な機械で亜酸化窒素を入れることで、あらゆる食材をムース状にした料理で、この日は桃をムース化させたものをカップの下部に入れて、その上からこれも桃の冷性スープをかけた料理として提供されました。冷たくて甘い桃のスープは口の中をさっぱりさせてくれ、このあとのメイン料理にむけてリセットをしてくれます。

そして全13皿のコースの11皿目がメインである「スペインと伊豆のお肉料理」です。
まず最初に、伊豆の肉料理として、「静岡牛のデミグラスソース、カジョス、天城軍鶏のレモン風味」と言う3つの料理が運ばれて来ました。カジョスは牛のハチノスと呼ばれる胃袋を煮込んだ料理のことです。確かにどのお肉も美味しいのですが、流石にここまで10皿の料理を食べてからのお肉はお腹にかなり堪え、あまり味わう余裕がなくなって来ました。
赤ワインと一緒になんとかこのお皿を食べ終わると、続いてスペインのお肉料理として「イベリコ豚の肩ロースのロースト」が運ばれて来ました。
おなじみの豚の絵が描かれたイベリコ豚は表面をカリッとローストをして中に肉汁を閉じ込めてあるので、とても味が濃いです。傍らに添えられた岩塩をつけて食べると、旨味が倍増して、これぞイベリコという味わいがあります。うーーん、お腹一杯と言う感じで、もっとお腹に余裕があるときに食べたら最高に美味しいのになーと思いました。


普通は、お肉料理が出てきたら食事はお仕舞いですが、フェリスさんのコースでは12皿目にスープが出てきます。この日は「駿河湾の恵み バスクスープ」です。バスクスープは世界一美味しい魚介のスープといわれることもあるスープです。黄金色をしたフェリスさんのバスクスープはとても海老の味が濃厚です。最初に口の中に広がる海老の味がひくと、その後から他の魚貝の味が出てきて、確かに私が今まで食べてきたスープのなかでも指折りの絶品スープでした。この写真をみるとまた飲みたくなる、そんなヤミツキスープです。

本来はこのスープのあとは、最後の13皿目としてデザートが出るのですが、これは翌日のブランチに回すことも出来るというので、そのようにしてもらいましたので、あとはコーヒーと茶菓を頂いて約三時間の長いディナーが終わりました。

相変わらず、どのお皿も手間を掛け、そして見栄えまで考え抜かれた料理は素晴らしくとても美味しかったです。今回はお酒を控えにしたので、なんとか完食できましたが、それでも最後のお肉料理を味わう余裕がなくなってしまい、それが少し残念でした。13皿でなく10皿くらいにしてもらったらとも思うのですが、ではどの料理が要らないのかと聞かれると、それはそれで難問です。

いずれにしても、温泉に入り、美味しいものをワインとともにお腹一杯食べ、あとは部屋に戻ってすぐにゴロゴロできるフェリスさんのディナーはいつ頂いても最高です。

2014/10/12 更新

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