2回
2014/04 訪問
街のイタリアンで出会った、女性シェフの繊細で優しい味と、ハイレベルのおもてなし
2014.4
ジャンカルドやベルファボーレが去って寂しくなった武庫之荘のイタリアンに期待のお店が登場しました。以前なごみの季というお店があった場所で、隣がパンドミー南店、前が大蔵公園です。武庫之荘駅からだと、バス道路を南下して女性センタートレピエの交差点を東に曲がりしばらく進んだところにあります。駅からちょっと離れていますが、少々歩いてでも行く値打ちがある良店です。
お店の外観も内装もシンプルながら落ち着いたいい雰囲気です。カウンター6席、テーブル12席の小さなお店ですが、女性シェフが一人で調理をしているので、適正規模なのでしょう。人数が多くなると、定評があるオーナーの丁寧なサービスも受けにくくなりますしね。
お料理の方は女性シェフならではの繊細、丁寧かつ優しい味です。ランチにつく前菜盛り合わせでさえ、手が込んでおり、手抜きなしの本気が感じられます。ただ、全体的にあっさりした薄味なので、料理をアテにわいわいとお酒を飲みたい方には向きません。そういうのは、このお店の雰囲気にも合いませんしね。お酒が進む濃い味の本場イタリアンやにぎやかな雰囲気がお好みの方は、阪急オアシス向かいのカサレッチョに行かれた方がいいでしょう。最近ヘルシー志向の私は、こちらのお店の繊細で優しい味の方が断然好きです。ラザニアにしても、イカ墨焼きリゾットや蛤出汁のタリオリーニにしても日本人向けのあっさりとした美味しさが楽しめ、とても気に入りました。
また、このお店の売りのひとつがグリッシーニです。市販のものと違って太くてもっちりしていて焼きたてのものがナフキンに包まれてサービスされます。芦屋の某店でも同じものが出てきますがディナーのときだけなのに、こちらのお店ではランチでも供され、おかわりもできます。なかなか太っ腹のサービスです。ディナーのときはバターもついてきます。焼きたてということもあり、とても美味しいですよ。
そして何よりも素晴らしいのが、オーナーのホスピタリティあふれる接客です。恐らく一度来た客のことは全て頭にインプットされているんでしょうね。次回は黙ってても前回のことが反映されたサービスがされているような気がします。こんな街の小さなお店で受けられるサービスとしては最高レベルではないでしょうか。
ディナーはコースの設定がなく、メニューの上ではアラカルトのみです。2人でいろいろ頼むと別々のお皿にシェアしてくれ、ナイフ、フォーク類も魚用、肉用、それぞれのものを人数分お皿ごとにこまめに換えてくれるので、申し訳ないぐらいです。一人で調理をされているので、まとまった人数で行ったときは、それぞれが全く違う皿を注文すると出てくるのに時間差が出ざるを得ません。その場合は、ある程度メニューを揃え、4人なら2人前とか量を考えて注文して、シェアする方がいいでしょうね。そういうことも、オーナーに言えば全て相談にのってくれるでしょう。
前菜、パスタ、メイン、デザートに至るまで、美味しいものばかりで、ハズレに当たったことがありませんし、メニューも定期的に変わっているので飽きません。同じ通りの東にあるラ・フォレスタは良店だったのに現在休業していますが、このお店はこれからもずっと続いてほしいなと思います。
2017/01/31 更新
武庫之荘界隈にはイタリアンがひしめいていますが、バル風の店やカジュアルイタリアンがほとんどです。ですから、食事重視のレストランをというリクエストには、北側のダヴィンチと南側のこの店をすすめています。豪華な内装のダヴィンチにくらべてこちらはカジュアルな雰囲気ですが、そのかわり最近できたコースが税込4500円ととってもリーズナブルなお値段です。
前菜、スープ、季節のパスタ、メイン(肉or魚)、ドルチェとどのお皿もはずれがありません。女性シェフの腕は確かです。売り物の焼きたてグリッシーニもそしてバターまで美味です。
それに加えて、物腰柔らかなオーナーの行き届いたサービスが受けられるのですから、気持ちよく食事を楽しめる環境としては申し分ありません。
昔は、南武庫之荘のイタリアンといえば、ジャンカルドとイルヴィゴーレをあげていたのですが、ジャンカルドが神戸に移転した後は、食事を楽しむという観点からいえば、この店がイチオシです。