2回
2015/08 訪問
この町が好きになりそうです。
27.8月 再訪。
お盆真っ只中の「うどん屋巡り」・・・まぁ、時季が時季だけに、
盆休みを取ってる店が多いように思っていたのですが・・・
1軒目の「池内うどん店」、2軒目の「上杉食品」、3軒目の「合田うどん」さんと、
意外にも開けている店は多く、かつ、どの店も普段の休日以上に空いていて・・・
混雑覚悟で構えていたけど、あらっ!?^^;って感じで、肩すかし・・・
でもまぁ・・・とにかくラッキィ~♪って気持ちに変わりないわけで、
そんな調子で4軒目は、なんとなく海沿いをドライブして、
コチラの店に辿り着きました。
店がある奥の路地には駐車場がなく、
一旦、路地に入ってしまうと、出てくるのに一苦労なので、
表の幹線道から店側を覗きこんで営業しているかどうか確認・・・
ノレンが風に靡(なびいて)いているのを確認・・・
良かった(^^♪ 今日、開いてるんだ・・・
心躍らせ、逸る気持ちを抑えながら
前回、店の人に教えてもらった駐車場に車を停めます。
この店も、何度目かの訪問になりますが、
古い町並みに、どっぷりと溶け込んだ雰囲気のある佇まい・・・
この一画だけ、タイムスリップしたかのような
そんな錯覚にさえ陥ってしまうほどの雰囲気の良さは、
県内イチと言っても過言でないほどですね。
幾多もの歳月を乗り越えてきたであろうノレン・・・
雨風に耐え忍び色褪せはしていますが、
それが、この店が歩んできた歴史を物語っているようにも思えます。
中に入ると、表から伺い知れる以上に趣のある店内空間・・・
古き良き時代の昭和・・・いや、かなり古い昭和がソコに存在しています。
店のオバちゃんが奥から顔を覗かせながら
「いらっしゃい!」と出迎えてくれました。
以前、食べに入った時に、この店のオバちゃんと
70年前の創業当時の事や、「恐るべき・・・」の著者で有名なT氏が、
この店を訪れた時に、この店のカマドを絶賛した事、
そして、その時に、たまたま食べた「中華そば」のおかげで、
一応「うどん屋」の肩書なのに、「中華そば」が有名になってしまった事など、
色んな事をオバちゃんと語らいながら、その「中華そば」を食べたのですが・・・
今回もやはり、あの味が忘れられなくて、
また、あの「中華そば」を食べようと決めていました。
注文を聞いたオバちゃんは、またスッと奥に消え、
忙しげに調理の準備やらにかかり始めたようです。
かのT氏も絶賛したというカマド・・・今は、それ自体がカマドとしての
機能は果たしていないそうなのですが、湯沸し目的の代替え装置として
カマドの横に特殊な装置を導入していまして、それも珍しいらしいようで・・・
お湯を沸かす時に、蒸気機関車のような「シューッ!」と言う音が鳴るのです。
今回も注文後、煮炊きの為に、その蒸気音が調理場中に鳴り響き、
それが制限時間内に調理の技術を競うバラエティー番組のワンシーンと重なり、
なんだか笑ってしまいました(笑)
出来上がりを待つ間、メニューを改めて確認すると
「きつね寿司」が、とても気になったので、それを追加注文・・・
スグに出てきた「きつね寿司」を食べながら
中華そばの出来上がりを待ちます・・・
「きつね寿司」・・・標準的な大きさで中央部分が、
こんもりと盛り上がった「さぬきのオムスビ山」タイプ^^
中の具は、ニンジン・筍・レンコンなどが細かく刻まれて、
適度な酢の聞き具合、やや甘の酢飯に混ぜ合わされています。
オアゲの甘みは控えめなので、酢飯とのバランスが取れていて美味しいと思います。
やがて「中華そば」が出来上がり、オバちゃんが運んできてくれました。
・・・同時に、外から若い女性の方が小さな赤ちゃんを抱っこして店に入ってきました。
そしてオバちゃんの顔を見るなり、歓声を上げています。
一瞬、何が起こったのか、サッパリ分からず、目をテンにして
彼女とオバちゃんを交互に見ていましたが、
どうやら、オバちゃんと彼女の会話から察するに、
お盆休みを利用して帰省された、ご近所さんの娘さんのようでした。
この店の、オバちゃんと会うのが久しぶりな感じで、
想い出話、近況報告に話が弾んでいますね・・・
自分の中華そばが先に出来上がってくれて、ほんとに良かったとさえ感じるほどに
2人の会話はノンストップ・エキセントリック・バージョン・・・
昔人間にシックリくる表現で言えば、
当時、一世を風靡したSA●YOのラジカセ・・・
真っ赤なボディーにWオートリバース機能搭載かっ!?って言うぐらい、
エンドレスに話が湧いていました(笑)
まぁ、とにかく・・・
その黄色い声をBGMに「中華そば」をすすります・・・
「中華そば」・・・卓上のレンゲでスープをひとすくい・・・
鶏ガラと魚介系のブレンドですかね・・・
ほのかに素材の甘みを感じながら、トロミが後から追いかけてきて、
麺をオブラートで包み込むような優しいスープの味わい。
とっても素朴な味わいなんだけど・・・
ものすごく奥の深ぁ~い味わい・・・
そう、日本国内で最も深い湖・・・田沢湖ぐらい?
(よけい分かりにくいわっ!ってか、なんで湖なんっ?^^;)
麺は、ストレートの中細麺。
・・・モチっとした口当たりに、スープの優しい味わいが絡み合い、
これこそ、昭和の中華そばって感じで、たまらない味わいですね。
上に乗る具も、昔風。
限りなくハムに近い「焼き豚」(笑)
・・・イイ~んです!!コレで(^^ゞ
この中華そばに、トロトロのチャーシューは絶対似合いませんからっ!
自分では滅多に買わないであろう「高級ハム」・・・
そう!贈答用に使われるようなタイプのハムっ!
これが、あるのと無いのでは、イメージが全然違いますからっ(^^ゞ
そして、肉系の具として、もう1品・・・
薄切りロースハム・・・
そう、崖の上のぽにょが大好きな・・・あのハムですね(*^。^*)
オリジナルの1/4カット・・・つまり、クウォーターカットされたハムが乗っかっています。
味は普通ですが、無いよりかはあった方が嬉しいに変わりありません(笑)
あとは、モヤシとカマボコと海苔・・・
素朴ではあるのだけど、
その素朴な中でも、ささやかな贅沢を味わおうと努力をしているような・・・
そんな感じの「中華そば」ですね。
BGMには、相変わらず里帰りして、この店のオバちゃんに会いに来たオネエさんと、
数十年前までオネエさんだったのであろう、オバちゃんとの終わらないトーク合戦・・・
でも、それだけ話が弾むのが、なんだか分かるような気がします・・・
いつまでも変わらない風景と、雰囲気・・・そして
いつまでも元気な、この店のオバちゃん。
自分も、生まれはこの地じゃないけど、
また「中華そば」とオバちゃんの笑顔に会いに、
この店に里帰りしてみようと感じました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
仁尾へ行ったら、絶対訪問してみたかった店が、ここです。
この仁尾って町・・・個人的には、すごく魅力的な町だと思ってます。
大昔の仁尾サンシャイン博覧会に始まって、青い空と遠浅の海・・・そして夕日が美しい町。
それからタイムスリップしたかのような古い街並み・・・大好きな要素がいっぱいある町・・・それが仁尾だと常々思っています。
・・・でも。
妙に遠いんです^^;同じ香川でも高松からは・・・
同じ西讃でも、観音寺へ行くのと、仁尾へ行くのとでは仁尾の方が10kmぐらい遠くに感じてしまうんです。直線距離では近いハズなのに・・・
理由は簡単で、この町の地形・・・イイ国ツクロウ鎌倉幕府の「鎌倉」みたいに、山と海に囲まれた地形だから、進入路がおのずと決まってしまうのが、その大きな理由なのだと思います。クネクネの海岸沿いから進入するか、峠を越えるか、トンネルを越えるか・・・この3点しか無いみたいです。仁尾へ入って行くのは・・・
そんなだから、イイ雰囲気の店があっても、いつか機会があれば・・・って感じで先延ばしにしていた店が、今回の長兵衛さんです。
今回、たまたま・・・観音寺へ「うどん」遠征をした際の延長線上で・・・そうだ!仁尾へ行こう!!ってなったわけです。
前々から、店の場所はチェックしていたので、一発で辿り着きました。
・・・でも、駐車場らしき場所が見当たらないの・・・^^;
そうこうしていると、店のオバちゃんが出てきて、駐車スペースを案内してくれました。
無事、車を停め、オバちゃんに付いて行きます・・・
レビュアーさん達の写真でも拝見してはいましたが・・・思ってた以上にズッシリと重たい外観。
むちゃくちゃ風情のある通りに佇む、歴史を感じる建造物・・・これまた年季のはいってそうなノレンには「うどん」「中華ソバ」「長兵衛」の文字が・・・いいなァ・・・この雰囲気って。
是非、このワンシーンをセピア色で写真撮影したい気分・・・
まァ、それは、後の楽しみに取って置いて・・・案内してくれたオバちゃんの後に付いて店内に入って行きます。
店の外観も味のある雰囲気なら、店内も同じく歴史を感じる佇まいでした。
昭和時代の食卓っぽいテーブル席と、小上がり席には卓袱台・・・
ちゃぶ台は、丸くないケド、星飛雄馬の父、一徹がいたら間違いなく卓袱台返しをしてそうな空間・・・奥の柱には姉ちゃん(爆)
とりあえず、第一印象は、そんなトコでした。
そして、おもむろに振り返り「注文は、なんにするんな?」と聞き返してきた一徹・・・じゃなかった、オバちゃん^^;
壁を見ると、そこにはメニュー表・・・
「うどん」・・・「中華ソバ」・・・う~ん
迷ったケド・・・「中華ソバ」を食べたいっ!
そして、適当に座った席で、キョロキョロしながら待つこと数分。
やって来ました「中華ソバ」♪
・・・と、同時に、オバちゃんが横に鎮座・・・
このパターンは、以前どっかでもあったような・・・^^;どこか忘れたケド、案の定・・・中華ソバを食べながら、オバちゃんと世間話^^;
「どっから来たんな?」から始まり、店の前をキョロキョロしながら車で通り過ぎていく自分を見て、せっかくのお客さんやから駐車場に案内しようと店を飛び出した・・・とか^^;
「高松からなァ?
前に、高松の工務店の人が、よく来てくれたけど、転勤になって、しばらく顔見てないわ~」とか・・・知らんわ^^;
まだまだ・・・話は続きます。
この店は、何度か雑誌に乗った店で、「恐るべき・・・」の田尾さんが数回訪れて、店の佇まいや厨房付近の煉瓦創りのカマドが大のお気に入りだとか・・・
それからそれから、その田尾さんの雑誌の取材時に、ウチは「うどん屋」やのに、「中華ソバ」の事をメインで取り上げられて、人気メニューの1位が「中華ソバ」になってしまったとか・・・
それからそれから・・・
オバちゃん・・・悪いケド、「中華ソバ」伸びてしまうから、もう食べるでぇ~^^;
やっと、「中華ソバ」のレビューが出来ます(ホッ^^;)
ここの「中華ソバ」・・・すんごい素朴なオーラーを纏ったような「中華ソバ」でした。
なんか、昭和のベールに包まれてるって言うか・・・夢の中で「中華ソバ」を味わっている様な雰囲気の「中華ソバ」でした。
少々固めの「焼き豚」、昭和の定番トッピングのロースハム、彩りには欠かせないカマボコ、ぶつ切りメンマと、シャキシャキ・モヤシ・・・そして焼き海苔。
表向きは、そんな感じですが、スープに一番特徴がありました。
なんか、半分トロミ・・・半分スッキリな味がするんです。
そのトロミが、ベールに包まれてる様なイメージを受けて、さっきの表現に戻るわけです。
不思議な感じの「中華ソバ」でした。
でも、どこか懐かしい味は繋がったまんまなんです。夢見心地なまま、食べてるような感じがしました。
スープの中には背脂でしょうか・・・白い固形のようなモノがフワフワしていました。
ダシは、魚介の風味を感じました・・・色んな和の味が入り混じったスープでした。
素直に美味しいと思えました。
卓上のホワイトペッパーが、また良く合います。
麺はストレートの中太ですかね。スープにトロミがあるので、ストレート麺でも、よく味が絡んできます。
このトロミ・・・フワフワ浮いている背脂のトロミでしょうかね・・・詳細は分かりませんが、心地よい食感をそのスープに感じました。
食べながらも、オバちゃんは話し続けていてくれました。
話の内容は、食べながらだったので、あまり憶えていないのですが・・・^^;
食べ終わったら、是非とも、この店のカマドが見たいと思いました。
案内された厨房の中・・・年季の入りすぎたカマドはありました。
もう、7,80年以上、この場所で「うどん」と「中華ソバ」を湯で続けるカマドです。
現在はマキからボイラーへ湯沸かし機能は変わっていますが、その外殻は昔ながらの形のようです。
誇らしげに説明するオバちゃんの姿が、頼もしく思え、このカマドもオバちゃんも生涯現役のまま、この店と一緒に時代は移ろいで行くのだと思えました。
返りしな、スタンプカードをいただきました。
高松からは遠いケド、是非また来てな・・・と。
仁尾と言う町が、また一段と好きになりました。
中華ソバ 小
キレイな色のスープでした。
麺アップ
卓上
年季の入ったカマド・・・かなり味があります。
ノレンにも味がありますね~
この佇まいは有形文化遺産モノです。
細い路地に、マッチする外観
中華ソバ並
優しい味わい・・・
包み込むような温かみのある美味しいスープ♪
やっぱ最高ですね♪
きつね寿司
具は、ニンジン・レンコンなど・・・ちょい控え目。
メニュー
やはり、この外観にはグッとくるものがありますね。
味があるわぁ~・・・
昭和ノスタルジーって言葉が、もろ当てはまるね~
2015/10/20 更新
年内いっぱいで営業を止めるらしい「兵郷」を出た後、
なんとな~く西に向いて車を走らせます・・・
昭和の香りがプンプンとする佇まいの製麺所が店を閉めてしまうって寂しさからか、
似たような空気を求め・・・西へ西へ。。。
気が付いたら、同じく昭和が似合う町・仁尾町までやって来ていました。
そう・・・仁尾と言えば自分の中では1番印象に残る店。。。
それが長兵衛さんです。
心の奥底で、兵郷のノスタルジックな癒しを求め、
ほぼ無意識のうちに、この店に向けて車を走らせていたようです。
どこか懐かしい小道・・・色あせてセピア色した暖簾・・・哀愁帯びた店内。。。
やはり、心がこういう雰囲気を求めてるのでしょうね。
いつものように、「中華そば」を注文・・・
「中華そば」・・・魚介と鶏ガラの癒し系スープ。
ひと口すすると、思わず笑みがこぼれます♬
やはり、身体がこの癒しの味を求めていたんだな・・・美味いっ!
身体中に、ス~っと染み入るのが分かりますね。
固めのチャーシューとハムが混在する昭和っぽさ満載な具材^^
ストレートのモチモチ麺をすすりながら、改めてこの中華そばの旨さを実感しました。
昭和レトロをいただきながら、相席となった先客さんと、なにげに話が合い意気投合(*´▽`*)
自分が、高松の方から来てると知り、驚いている様子^^;
どこそこの、中華そばが美味い!とか、最近のラーメンは意味なく高いとか、
他愛のない話題で盛り上がります。
この日初めて会った見ず知らずの客と、こうして会話が弾んでしまうのも、
この店ならではの事なのでしょうね・・・
やがては、店のオバちゃんも加わり、マシンガントーク炸裂^^;
楽しいひと時でした。
ごちそうさま~!また来ます^^