sophia703さんが投稿した湖里庵(滋賀/近江今津)の口コミ詳細

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sophia703 私のグルメ日記

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sophia703 (女性・神奈川県) 認証済

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湖里庵マキノ/日本料理、郷土料理

1

  • 昼の点数:4.8

    • ¥10,000~¥14,999 / 1人
      • 料理・味 4.8
      • |サービス 4.2
      • |雰囲気 4.6
      • |CP 4.2
      • |酒・ドリンク 4.4
1回目

2017/08 訪問

  • 昼の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.2
    • | 雰囲気4.6
    • | CP4.2
    • | 酒・ドリンク4.4
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

さざ波を聞きながら鮒寿し懐石を味わう、至福の静寂。

2018年9月。
先の台風21号で、湖里庵の歴史ある建物が全壊したとのニュースに
心を痛めています。
幸い「魚治」の建物と鮒寿しの蔵は無事、とのことですが
再建は大変なご苦労を伴うことでしょう。
どうかまた、さざ波を聞きながら「鮒寿し懐石」をいただく至福の時間を
過ごせる日が、再来しますように。


2017年、夏。美濃・関ヶ原~近江・琵琶湖畔をめぐる旅の目的の1つは、
こちらを訪問すること、でもありました。
「湖里庵」=こりあん の名付け親は、「狐狸庵」先生と名乗り
こちらの風物と味覚を深く愛した、小説家 遠藤周作氏であるということ。
もはや琵琶湖岸の郷土料理というワクにとどまらず、
日本の古来食文化を代表する発酵食品「鮒ずし」を
懐石に仕立てて供するという、ユニークな一軒宿(宿泊も可)であること。
私にとって、憧れ続けてきた魅惑の料亭です。
列車は琵琶湖を右に湖西をゆっくりと北へ上り、「マキノ」駅に降り立つと
お店のワゴンに出迎えられて、江戸時代まで琵琶湖の湖上交通・輸送の拠点だった
旧・海津港跡に建つ「湖里庵」へ。
二階へ、と通された部屋からは、青く拡がる穏やかな琵琶湖の水面だけが見えます。
聞こえるのは、ざぁっざぁっと打ち寄せるさざ波の音だけ。なんという静けさ…。

歓迎の意の和菓子と抹茶をいただいた後、
いよいよ昼の「鮒寿し懐石」10,000円の始まりです。
「鮒寿しのとも和え」と食前酒「竹生嶋」大吟醸。
 「鮒寿しのとも和え」は
 鮒寿しと、鮒寿しの漬け込みに使った飯(いい)を和えたもの。
 乳酸発酵の酸味と、魚の身の熟成が醸し出す絶妙な旨味。
 慌てて食べず、ちびちび舐めながら日本酒をいただくのにピッタリです。
 (あまりにステキだったので、「魚治」でお土産に買い求めました(^_^)v )
 お酒は、同じ海津・吉田酒造の「竹生嶋」大吟醸。
 この後も、食事中を通して同じお酒をいただきました。
 土地の美味は、その土地のお酒でいただくのが、最上ですから(^_-)-☆。
・「八寸」は
 「鮒寿しの甘露漬」「ごり山椒」「ビワマスの卵」「若鮎の南蛮漬」「サーモンロール」etc.
 琵琶湖固有種「ビワマス」の小さな卵のプチプチ感は素晴らしい珍味、
 山椒の薫り高い「ごり山椒」に感動。(→これも「魚治」でお土産に購入。)
「鱸と冬瓜のお椀」
 若狭で捕れた肉厚のスズキと、優しい冬瓜の組み合わせ。
「ビワマスのお造り」
 琵琶湖固有種の「ビワマス」は、エビをたくさん食べた個体ほど
 肉の赤味が増すのだとか。ねっとりと脂がのって、今が旬。
「鮒寿しのチーズ包み」
 鮒寿しを、薄切りにしたカマンベールチーズで包んだもの。
 以前伺った「徳山鮓」では鯖の熟れ寿司にカチョカバロを合わせていましたが
 発酵食品同士の熟成の相性が、イイのですね~。
・「鮒寿しのはさみ揚げ
 スライスした鮒寿しの、ハラコの部分と飯(いい)の詰まった部分を、それぞれ天ぷらに。
 カラリとした揚げ油のコクに鮒寿しの酸味と旨味が、溶け合って行きます。
 付け合せは、オクラの天ぷら。
・「鱧とキュウリの酢の物
 夏、ですから…(*^_^*)
・「鮒寿しとトマトの冷製パスタ
 これ、なんともユニーク(笑)。トマトとバジルとモッツァレラの冷製パスタの
 モッツァレラを鮒寿しに差し替えたような…。
 季節が違うとクリームソースの温かいパスタが出るようですが
 個人的には冷製トマトよりは、クリーミーなソース&鮒寿しの方が好きかも。
・「鮒寿しの小吸い物
 おそらくスライスした鮒寿しに出汁を足しただけ、なのでは。
 でも、そのシンプルな中に鮒寿しの持つ円熟した旨味が出汁に溶け出す…。
 贅沢な小品です。
・「鮎の塩焼き
 昨夜「滋味康月」でやはり「鮎の塩焼き」を食べましたが、
 こちらのは何も足さず、塩のみで焼き上げた王道の鮎。
 香ばしさ、熱さ、ふくよかさ、ホロ苦さ…あぁ、幸せ…。
・「鮒寿し茶漬け
 〆はお茶漬けを文字通りサラリと。
 さまざまな形で鮒寿しを味わってきた最後
 まるで文章の句読点のような、落ち着きと安らぎ。
・「自家製白玉宇治金時
 冷たい自家製かき氷のデザート。深呼吸。

以上、2時間かけてゆっくりと
鮒寿しのめくるめくような味わいのバリエーションと
琵琶湖の恵みを、心ゆくまで堪能しました。
3年前の「徳山鮓」での体験はやっぱりスゴかったですが
比べてみると以前「吉兆」におられたという大将の繰り出す鮒寿し尽くしには、
洗練と冒険の中に、「鮒寿し」の魅力を最大限に引き出すための懐石
という確固たる主題が、しっかりした柱のように一本通っています。
さらに湖畔に建つ穏やかな静寂が、料理の主題に見事に呼応しているのですね。
感動しました。
ご馳走様でした。

※ なお一人客の予約は、当日の他の予約との兼ね合いによっては
お断りせざるを得ない場合がありますので
予定が決まったら早めに電話でお問い合わせください、とのことです。

  • 八寸。鮒寿しの甘露漬、ビワマスの卵、ごり山椒、若鮎の南蛮漬けなど。

  • 到着時の菓子。

  • 和菓子。

  • 抹茶。

  • 食前酒の「竹生嶋」大吟醸と、鮒寿しのとも和え。

  • 鮒寿しのとも和え。

  • 鮒寿しのとも和え、リフトアップ。

  • 海津・吉田酒造「竹生嶋」大吟醸。

  • 八寸、アップ。

  • 鮒寿し甘露漬、リフトアップ。

  • ごり山椒、リフトアップ。

  • 鱸と冬瓜の汁碗。

  • ビワマスのお造り。

  • ビワマスのお造り、リフトアップ。

  • 鮒寿しのチーズ包み。

  • 鮒寿しのはさみ揚げ。

  • 鮒寿しのはさみ揚げ、リフトアップ。

  • 鱧ときゅうりの酢の物。

  • 鮒寿しとトマトの冷製パスタ。

  • 鮒寿しとトマトの冷製パスタ、リフトアップ。

  • 鮒寿しの小吸い物。

  • 鮎の塩焼き。

  • 鮎の塩焼き、リフトアップ。

  • 鮒寿し茶漬け。

  • 鮒寿し茶漬け、アップ。

  • 涼菓 自家製白玉宇治金時。

  • 抹茶碗と床の間。

  • 「竹生嶋」大吟醸。

  • 私に用意いただいた席。

  • 琵琶湖のさざ波だけが聞こえます。

  • 琵琶湖に浮かんだような、広縁。

  • 室内、床の間。

  • 刺繍入りのナプキン。(想い出に持ち帰り)

  • 玄関の花。

  • 店名。

  • 敦賀に向かう西近江路沿い。(向かいは「魚治」)

  • 旧海津港桟橋の杭。

  • 旧海津港の石積み。

  • 琵琶湖、夏照。

  • 台風で全壊した「湖里庵」。

2021/12/27 更新

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