sophia703さんが投稿したミシェル・ブラス トーヤ ジャポン(北海道/洞爺湖町その他)の口コミ詳細

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sophia703 私のグルメ日記

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sophia703 (女性・神奈川県) 認証済

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1

  • 夜の点数:4.8

      • 料理・味 4.8
      • |サービス 4.5
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 3.8
      • |酒・ドリンク 4.7
1回目

2014/08 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気5.0
    • | CP3.8
    • | 酒・ドリンク4.7

すべてが調和した、静かで軽やかな食の宴。

これを、フランス料理と呼ぶのでしょうか。
ジャンルとしては当然そうなのでしょうが、
徳山鮓」」を訪問したときにも感じましたが、
土地にあって土地のものを採って(獲って)活かし、
伝統的な調理法を用いて最大限に素材の力を引き出す郷土食というものは、
ジャンルに関係なく、目指すものがとてもハッキリしていてブレがない…。
料理というある意味で原始的な人間の営みの中に、
凛とした哲学を貫いているその孤高の姿に、感動を覚えます。

席に着いた時には、眼下の洞爺湖は黄昏どき。
アペリティフに「ベッリーニ」をいただきながら、
徐々に暮れてゆく湖と、遠く羊蹄山のシルエットを眺めます。
ディナーコースは3種。
こちらのスペシャリテである「ガルグイユ」が入っているのは
高い方の2種のコースですが、
(オススメは野菜中心の確か33,000円ぐらい?のコースとのこと)
一人だというのもあり、そんなに時間かけて食べられないナ~と思ったので
19,000円のコース Evasion にしました。
それでも、先にアミューズが数点、順番に運ばれてきます。
ミシェル・ブラスの子供の頃の思い出が書かれたカードと共に
「コックー&ムイエット」
   半熟卵の優しいけど濃厚な味わい。懐かしいママンの味、なんでしょうね。
「セップ茸のタルト」セップ茸(ポルチーニ)の薫り高いさっくりパイ。美味。
「ひとくちのアミューズ」
   内浦湾のイカ、ビーツのムース、リードヴォーをスプーンに乗ったままひとくちで。
このあたりでアルザスのワイン(白)をグラスでいただきます。
パンは、最初からテーブルに置かれていた
大きなそば粉パンをひとかたまりずつ切っては、サービスしてくれます。
最初のひとくちをそのまま食べると、酸味を感じる強い歯ごたえ。
それに、ミシェルが選び抜いた十勝産という、
ロゴマークのリーフ模様が彫られた美しいバターを付けてみると、
ふわりと口に拡がるバターの円やかさが、パンの強さや酸味と融け合って
得も言われぬ調和が生み出されます。これには感動…。
もうひとつ、テーブル上にオブジェのように飾られていた
薄い布地のような、パリパリの芥子の実パンが、これまた美味!
ワインとのマリアージュもバッチリです。

オリジナルのカトラリーを使う中で、ミシェル・ブラスの故郷であり
本店を持つライオール(フランス中南部の村。刃物の生産が盛ん。)の伝統に従い、
ナイフは料理によって変えることをせず(=何でもよく切れる一生モノのナイフはライオールの宝物)
料理のつどにパンで拭いながら、最後まで使い切ることを勧められます。
ライオールの本店でも、同じ説明とサービスをされるとのこと。
ミシェルの故郷の食に対する深い愛情と敬意が感じられます。

さてここからがコース内容。
「ほぐした牛テール コールラビ&マスタード」
  ほろほろに煮た牛テールをほぐし、シャキシャキの食感のコールラビを乗せたもの。

「フェンネル&オイルでポッシェした北海道産サーモン 根セロリ エシャロット」
  ふんわりと見事に旨みを引き出された秋鮭。
  付け合せなんてものじゃなく、堂々たる料理の一部をなしている野菜やハーブたちの存在が、
  どの料理も本当に素晴らしいですね。
  泡立てた軽やかなフェンネルオイルとのコンビネーションもステキです。

「ライオールのエスプリ シューファルシ シナガワハギのクリーム&セロリ/オレンジのブイヨン」
  シューファルシは、ロールキャベツの原型となった郷土料理で、
  キャベツの甘みに、薫りの強い草や野菜を使ったクリームを合わせて、洗練された一品に。

ワインはコート・デュ・ローヌの赤をグラスで。

「ゆっくり時間をかけて火を入れた日高ポーク ヤングコーン&ミニチンゲンサイ」
  厚みのある、どっしりしたポークは、全体が見事に淡いピンク色に火が入り、
  柔らかくかつ肉の旨みがしっかり閉じ込められて、絶妙な歯ごたえです。
  外側のカリカリした衣が、肉の柔らかさを引き立てます。
  ポークの付け合せは、アリゴというオーブラック地方(ライオールがある)の郷土料理で、
  北海道産のジャガイモとライオール特産のチーズを練って作ったペースト。
  温かいうちは、チーズの粘りですっごくよく伸び、まさに大地とミルクの薫りがします。

「フランス(ライオール)産と北海道産のチーズ」
  私は、十勝とライオールの熟成チーズ、北海道産の山羊チーズ、
  乳酸菌醗酵させた北海道産のヨーグルト状チーズにオレンジのチャツネ 
  を取り(切り)分けてもらいました。
  それぞれがとっても個性的ですが、ライオールの熟成チーズと
  北海道の山羊チーズが特に美味しかったです。

メインは終わっても、まだまだ静かな宴は続きます…。

「カリカリに焼いたショコラスフレとアボカドのソルベ」
  外側はカリッカリ、中はとろーーんと濃厚なショコラ。甘さも苦さも大人の味。
  アボカドのソルベは、ほとんど甘みはなく、アボカドの風味そのままです。
  ショコラが濃厚なので、アボカドのねっとり感がむしろサッパリと心地よく…。

「5種のソルベ」
  甘い香りのバナナ、濃厚なショコラ、爽やかというよりは葉の持つえぐみまで余さず活かしたミント、
  甘酸っぱいプラム、オリエンタルな匂いのするカルダモン。
  おクチ直し…という感覚でしょうが、どれもきちんと食べごたえがあります。

さらに食後のコーヒーかお茶(私はカモミールティーにしました)と共に
「牛乳のリキュールと、リキュール入り砂糖菓子(ボンボン)、ミントの薫りの砂糖菓子」
 牛乳のリキュールがなんとも言えない美味しさで、
 カモミールティーがこの素晴らしき正餐を、心地よく爽やかな余韻へと導いてくれました。


ひとくちずつがすべて幸せな瞬間で、
フランス料理から連想される重たさは微塵もなく、天使の羽根のように軽やか。
そしてすべて、食材の旨みだけが昇華されたようなお料理でした。
徳山鮓」の食堂に掛けられていた
妙味必淡」という額の言葉を、ここで再び思い出します。
今レビューを書いていても、もう一度味わってみたいお料理ばかりであるのに気づきました。
(いやいや、そう簡単には再訪できないけど…(^_^;)

ミシェル・ブラスの料理は、有名シェフに師事したり高級レストランで修業したというものではなく、
オーベルジュを営む母の厨房で、母の料理から自分で学び、生み出したものだと。
故郷のライオール村は、辺鄙な山村で、食糧の自給自足率が高いところ。
そんな環境で、故郷と母と自然にはぐくまれた彼の天才的な舌と五感。
孤高の料理人が、世界で唯一の支店をオープンする場所として選んだのが、
北海道の、洞爺湖を見下ろす山の上だったとは!
この場所で、この料理に巡り合えること自体が、幸せな経験です。

席を立つときに、さらにお土産にと渡された「クロッカン」。
これがまた、芳ばしくて豊かな味わいとザクザクとした歯触りが絶妙で、
「美味しい~♡」と思いながら、あのテーブルで過ごした時間と味覚の記憶を思い起こすのにピッタリです。

心から、ごちそうさまでした<(_ _)>

  • コックー&ムイエット(ミシェル・ブラスの思い出)

  • アペリティフにベッリーニを。

  • アミューズ セップ茸のタルト。

  • アミューズ イカ&ビーツのムース&リー・ドヴォー。

  • そば粉のパン。

  • 私のテーブル。

  • オリジナルの芥子の実パンとバターナイフ。

  • オリジナル 芥子の実パン。

  • 前菜 ほぐした牛テール肉。

  • 蕎麦粉のパン。

  • そば粉パン断面。

  • 十勝産の有塩バター。ロゴが彫ってあります。

  • アルザスの白グラス。

  • 北海道サーモン。

  • シリアルのパン。

  • シューファルシ。

  • コート・デュ・ローヌの赤グラス。

  • ゆっくり火を入れた 日高ポーク。

  • 日高ポーク断面。

  • 日高ポーク断面アップ。

  • ジャガイモとライオールのチーズのペースト。

  • ポテトとチーズのペースト。

  • チーズお好みで。

  • 十勝のチーズ、ライオールのチーズ、山羊のチーズ、乳酸菌醗酵のチーズ。

  • くるみとライのパン。

  • カリカリに焼いたショコラスフレとアボカドのソルベ。

  • アボカドのソルベ。

  • カリカリ、中ふんわりのスフレ。

  • ソルベ(バナナ・ショコラ・ミント・プラム・カルダモン)

  • カモミールティー。

  • 牛乳のリキュール他。

  • お土産にもらった「クロッカン」

  • お土産のクロッカン。

  • クロッカン断面。

  • すべて洞爺湖に面した席。こちらからは羊蹄山が見えています。

  • 卓上の花。

  • ライオール製のカトラリー。

  • ライオールナイフの紹介。

  • 19,000円のコースEvasion。

  • 27,000円のコースDecouvert。

2014/08/30 更新

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