石川佳純の優勝が素晴らしかった。
一定以上のレベルの選手同士の試合になると、その試合に、どれだけの思いと覚悟を持って臨んでいるか、その強さが勝敗を左右するのだと実感。
試合前のインタビューで石川は恐ろしくいい顔をしていた。オリンピックの代表争いをしていた一時期は、石川には迷いがあり、自信が揺らいでいるように見えることがしばしばあった。自分の卓球に自信が持てなかったり、若い選手には勝てないと、どこかで思ってしまっているように見えた。
ところが、今回の試合前のインタビューでは、そうした迷いや自信なさげな様子は影を潜め、晴々とした表情をしていた。吹っ切れているというか、突き抜けている感じがしたのだ。
石川は、自分の方が伊藤より格下だと受け入れ、それでも、どんな時にもあきらめず、自分がやってきたことを思い切り出し切ろう。そういう覚悟で試合に臨んでいたのだと思う。
一方、伊藤の方は早田に勝った時点で、自分の優勝を半ば確信し、石川に負けるとは想像だにしていなかったのだと思う。
実際、4ゲームまでは伊藤がゲームを支配していた。1ゲーム目をアッサリ取り、その後も中盤は競る展開でも、伊藤が1枚上回る感じで押し切り、ゲームカウントは3‐1。この流れから、石川が3ゲームを連取して逆転できる可能性は限りなくゼロに近いのではというのが試合を観ていた率直な印象だった。
しかし当の石川はあきらめていなかった。以降のゲームでは、石川の落ち着きと思い切りの前に、伊藤の方が(こんなはずではない)とペースに乗り切れず、ミスを重ねていく。
最後にまた流れが変わる。第7ゲームで石川が9‐5とリード。優勝を意識したのか、石川の動きが突然硬くなり、伊藤が一気に4点を連取して追いつく。だが追いつかれたことで石川はむしろ開き直ったように見えた。本人によれば、ここからと気持ちを切り替えたとのこと。思い切りが戻り、一気に2ポイントを連取し優勝。特に最後のフォアを振り抜いたストレートショットは見事という他なかった。
久しぶりにスポーツで素晴らしい感動をもらった。
一気に石川佳純のファンになってしまった!!