日々のオリンピック観戦の雑感
<サッカー>
男女で明暗がクッキリ。男子の予選3試合目のフランス戦をLIVEでみたが、攻守にわたるプレーの精度の高さ、集中力、勝利への明確な意思、ゴール前での決定力の高さと驚かされることばかり。前半得点した久保、酒井を後半早々に交代させ、しかも交代で変わった選手達が2点追加。オーバーエイジでW杯優勝メンバーを擁するフランス相手に4-0と堂々の完勝。メダル獲得の期待感は十分。金もあるかもという妄想を抱かせてくれる。
女子は初戦と敗退した準々決勝をライブで観戦。もちろん努力して、この舞台に立っているのだと思うが、心技体とも物足りなかった。チームの一体感、勝ちへの執着心、プレーの精度、フィジカル、全ての面でスウェーデンに圧倒されていた。2点ビハインドで残り時間が少ない中、スウェーデンゴールに背を向け、バックパスを繰り返す選手が多いことに失望。言い訳の余地のない完敗。目標は金メダルと口にしながら、その本気度は最後まで伝わってこなかった。高倉監督が目指していたチームの理想像には全然届かなかった感じがして残念。
(その象徴は、3失点目のPKに繋がった三浦のハンド。もっと細心の注意を払いプレーして欲しかった。直後に高倉監督が三浦を交代させていたが、監督自身も無念な気持ち、怒りがあったと思う。)
<水泳>
瀬戸選手は、1番得意とする400メートル個人メドレーでは最後の自由形を流して僅差の予選落ち。リオの予選で体力を使いすぎた反省に基づく作戦が完全に裏目。人生って逆目に入ると、こんなにも悪循環に陥ってしまうものなのだと見せつけられた。奥さんが終始できたコメントをしているのも驚き。彼の不振に連動するように男子は振るわず無念。
萩野選手はリオ後の極度の不振を考えれば、200の個人メドレーの決勝に残っただけで素晴らしい。
池江選手は競技復帰直後は、痩せ細り痛々しかったが、筋力がだいぶ戻ってきた。過去の自分をもう一度越えようと挑み続ける姿には尊敬の念しかない。
1番印象的なのは大橋選手。彦根市出身。草津東高→東洋大学。6年前の全日本選手権の200メートル個人メドレーでは参加40選手中最下位だったというから驚き。故郷に帰り公務員になろうかとまで悩んだそう。
400メートル個人メドレーの予選通過後のインタビューでは「非常に緊張していた。恐怖心があった」と語っていたが、決勝では実に落ち着いていた。今季のシーズンベストは自己ベストに遥かに及ばず、直前まで不振が続いていたそうだが、平井コーチがレース前に「自分の力を出し切れば大丈夫」と言葉の魔法をかけたらしい。
400で金メダルを獲得したことで、200では精神的に余裕が生まれ、自分の思い描いた通りのレースプラン(バタフライ5位→背泳ぎ2位→平泳ぎで先頭争い→クロールで競り勝ち。最後の5メートルは無呼吸)で完勝。
自己肯定感が低く、精神的に繊細な選手が覚醒。一気に才能を開花させた。彼女の泳ぎは力が適度に抜けていて、ゆったりと伸びやかで実に美しい。
彼女の前評判は
・背泳ぎが得意
・平泳ぎは苦手
・最後のスタミナが課題
400、200の両レースとも苦手なはずの平泳ぎで流れを作り、最後のクロールで確り勝ち切っていた。平井コーチとともに平泳ぎや最後のスタミナの強化を図ってきたのだろう。
大野担のドルオタという乙女的な可愛らしさをあわせ持つのもツボ。
<柔道>
阿部きょうだいの金メダル獲得の試合はLIVEで観戦。一二三、詩とも(絶対に勝つぞオーラ)が凄まじく、負ける感じが一切せず、実際、勝ちきっていた。一二三と同じパーク24に所属する髙藤とともに柔道の金メダルラッシュ(過去最多の9個)の流れを作ったのは間違いない。一二三選手は代表決定まで苦しみ抜いたことで、大きく成長したと思う。
<ソフトボール>
上野選手はやはり凄かった。団体競技なので他の選手もいてこその勝利。影の立役者のNO1は藤田選手だと思う。
日本は金メダルを争う試合に勝つことに専念。前日のアメリカとの予選最終戦では上野と後藤を温存。藤田が一人で投げきった。この試合を藤田が一人で投げ抜き、しかも2失点とアメリカに勢いをつけさせなかったことが、金メダル獲得に大きく寄与していると思うので。(逆にアメリカは2試合とも日本に勝つつもりでオスターマンとアボットを日本戦2試合ともに登板させたことが裏目。)
ただ藤田選手の思いは複雑そう。彼女は投打の二刀流。NHKのインタビューでは「上野選手が投げている時は自分が絶対打つという気持ちで打席に立っていた」とコメントしたが、このコメントには後藤選手への複雑な思いが隠されていると感じた。(本当は投手としても上野選手のリリーフをしたかったのだと思うが、その役割は後藤選手が担っていたので。)
もう一人の立役者は渥美選手。決勝のアメリカ戦では、ボテボテの内野ゴロを執念のヘッドスライディングで内野安打にする先制適時打。6回の1死1塁2塁の場面ではサードの弾いた球をダイレクトキャッチし、ダブルプレーを成立させた。もしこの2つのプレーがなければ、決勝は違った結果になっていた可能性が十二分にあるので。
<卓球>
伊藤選手は混合ダブルスでは金、シングルスでも銅と歴史を塗り変え続けている。それ自体は素晴らしい。
伊藤選手は、シングルスの準決勝を前に「楽しんで勝ちます。ビックリさせます」と満面の笑みで語っていたが結果は4-0の完敗。相手の中国の孫選手との対戦は2勝6敗の負け越し。しかも4連敗中。NHKはそれを報じず、伊藤が世界ランキング2位、孫3位と、さも伊藤が有利であるかのように報道していた。正確な情報を伝えない、かかる報道姿勢が日本のオリンピック報道を象徴している気がする。
石川選手はシングルスでSNGの選手に敗北。(ちなみに伊藤が、そのSNG選手を破り銅を獲得)前回のリオでは北朝鮮のトリッキーな選手相手に初戦敗退。一気に崩れたのは、その時のトラウマがあるのかも。団体では気持ちをリセットしての活躍を期待。
水谷選手はリオでは鬼神のような強さを見せたていたが、その後は全日本選手権からの卒業、美人局騒動と、モチベーションの低下が顕著。この数年は表情も冴えなかった。今回の五輪では生き生きとプレーする姿が戻っており実に嬉しい。
張本選手は心配。シングルスの初戦はLIVEで見たが、明らかに格下の相手に対してすら、自信なさげにプレーしていた。数年前は自信満々に「東京オリンピックで金メダルを取る」とコメントしていたのに、今はまるで別人。選手としての自信を喪失しているように映る。この五輪もそうだが、まだ若く先も長いので何とか立ち直って欲しい。
<バドミントン>
桃田、フクヒロペア、ナガマツペア、奥原、山口、誰も準決勝にすら残れないという衝撃の結末。ミックスダブルスの銅で一矢を報いた。
桃田と女子ダブルスの金は鉄板で、奥原か山口のどちらかはメダルを取ると思っていた。
桃田は18年、19年は無類の強さを見せていたが、20年の海外での交通事故による眼窩底骨折、21年のコロナ感染と受難続き。結局オリンピックまでに良い流れを作れぬまま終わってしまった。本当に気の毒。
桃田、フクヒロのエース格が早々と敗退したことで、他の選手に(自分たちが勝たねば)とのプレッシャーがかかった側面はある気がするし、マスコミの追いかけすぎ、持ち上げすぎもマイナスに働いたと思う。
フクヒロペアの試合は初戦と敗退した準々決勝をLIVEで見たが、廣田選手の足につけた黒い器具が痛々しかった。膝の靭帯断裂で全治6ヶ月、すぐに手術を要するという状況下で、準々決勝まで残り、しかも世界ランク3位の中国ペア相手に第1ゲームは先取したのだから、その底力に感服。治してまた活躍してほしい。
<体操>
内村選手の鉄棒落下は本当に残念。離れ技でなく、回転している間の落下だったので余計に衝撃的。今まで本当にお疲れ様でした。
団体銀と橋本の個人総合の金は素晴らしい。橋本と北園のこの1年の成長がその原動力。リオ後の世代交代があり、2年程前はロシアや中国にだいぶ水を開けられていた印象があるので、選手としては悔しさはあると思うが、十二分な結果だと思う。開催延期が一番プラスに働いた競技。
村上選手はケガを乗り越えての個人総合5位で体操女子の歴史を塗り変えた。戦友の寺本明日香選手とのエピソードにも感動!(2019年のオリンピックの出場権をかけた試合に村上はケガで欠場。寺本がリーダーとしてチームを牽引し、出場権を獲得。その後、寺本はケガでオリンピック出場は叶わず。)
<バレーボール>
指導者になってからの久美さんのことは非常に好きだが、それでも初戦のケニア戦を見る限り、メダルは遠いとの印象は拭えず。チームとして絶対勝つんだというエネルギーが伝わってこない。黒後はどこか虚ろだし、古賀は捻挫で以降の2試合離脱。小柄ながら決定力抜群の石川が唯一の光明だろうか。何とか5位くらいまでに入ってくれたらいいが・・・
<陸上>
100Mで「暁の超特急 吉岡選手」以来の決勝への進出を目指していたが、山県も多田も小池も準決勝にも残れず。早すぎる終戦だが、まだリレーがある。何とかリレーは笑顔で締めくくって欲しい。
<テニス>
大坂選手の3回戦敗退は衝撃。得意のハードコートなので当然メダルを取ると思っていた。
錦織選手は、前回のリオでのナダル戦(勝利して銅を獲得)をLIVEで見た記憶が鮮明に残っており、期待していたが、ジョコに完敗。無念!!やはりケガが尾を引いていると思う。
<ゴルフ>
松山頑張れ!!コロナ感染後の復帰初戦でこの活躍。本当に凄い人だ。金メダル妄想中。
<トランポリン女子>
試合自体は見れていないが、日本選手として初めて世界選手権を制した森選手が低得点で下位に沈んでいてビックリ。(VTRで見た過去の試合の彼女の演技の精度は素晴らしかったので。)まさにオリンピックには魔物がいるということなのだろうか。
<マラソン>
唯一、ワコールの一山選手には少しだけ期待している。