『魚を熟成してみました②(イサキ)』しろうねさんの日記

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熟成生魚の第二弾です。
めちゃくちゃ食通のレビュアー様2名から
熟成寿司はイサキが美味しかった、というお話を拝聴したので
何のひねりもなく、そのままイサキにチャレンジです笑

体長は30cmくらいの長崎産、角上魚類で350円でした。
捌いている時、包丁がなまくらになるくらいの脂のり。
本当に天然かしら^^; でも養殖っぽい臭みもないしなぁ。

今回は、食品にそのまま噴霧できる除菌剤を使用してみました。
製菓用洋酒でおなじみ、ドーバー社が出している
パストリーゼ77という商品です。
事前に舐めてみたところ、アルコール感はありますが
苦みはわずかに感じる程度でした。


1日目(5/13)
 三枚おろしにして、すぐ食べてみました。
 癖なく、旨みも厚みがあり、かなり美味しい♪
 欲張って焼き霜にしたいと思っていたので
 皮を引いてません。除菌剤の噴霧は2日に1度とします。

2日目(5/14)
 微かに生臭さがあるでしょうか。捌いた段階で
 中骨が接した身に血が回っていたので、そのせいかも?
 第一弾のスズキより水分が多く
 キッチンペーパーの湿り気が強かったので、多めに巻きました。
 味は、脱水による旨みの濃縮がありますが
 熟成はまだ起こってないと思います。

3日目(5/15)
 除菌剤噴霧。生臭さは2日目より薄くなりました。
 味は引き続き、脱水による濃縮と思われる変化。

4日目(5/16)
 かなり脱水。抜きすぎたかも?^^;
 3日目までは白身は透明感がありましたが、4日目で
 白身にすこし黒色が差してきました(画像参照)。
 香りは第一弾のスズキとは違う充実感が出てきて、
 生臭さがなぜか消えました。
 味は、脱水による濃縮だけとは言えないニュアンスが
 入ってきたような…。
 しっとりしたジャーキーくらいに脱水した尾側は
 魚肉とは思えないほど、味の余韻が長く残ります。

5日目(5/17)
 除菌剤噴霧の日ですが、コンディションは悪くなさそうなので
 皮側だけに吹いてみました。
 4日目より少し、熟成由来っぽい旨みが強まっています。
 スズキのように、香りが飛んでしまう寂しさはないですが、
 瑞々しさと舌触りの損失は如何ともしがたいですね。。
 かなり乱暴な方法になると思いますが、
 最後、水分を再吸収させてみようと思っています。
 水っぽい刺身になるだけなかなぁ~^^;

6日目(5/18)
 今日の段階で、熟成したと言っていいと思います。
 ある日爆発的に旨みが増したスズキと違い、
 イサキは旨みの厚みが、徐々に円形に膨張する感じでした。
 脱水のせいもあると思いますが、熟成をかけると
 魚の身の特徴が、刺身よりは干物(浅め)に近づく気がします。
 死後硬直前や死後硬直中、とけた直後の魚の身も
 それぞれ魅力があると思うので、使いようなのかなぁ。
 舌ピリとはいかないまでも、そろそろ限界が近づいている
 感じだったので、明日を最終日として、色々試してみます^^

7日目(5/19)
 香りは特に問題なし。旨みは少し膨張。舌ピリ感も微増。
 最終日という事で、はじめて醤油をつけて食べてみたところ…
 えーーめちゃ美味しい(◎_◎;) 
 ずっと、よっぽど脂の強い刺身とかじゃないと
 生魚に生醤油は強すぎると思っていましたが
 醤油に負けてない。白身でこれはすごい♪
 その他、試したのは以下です。

 ・焼き霜
  熟成で失った水分が、加熱により再度全体に馴染む事で
  しっとり感が復活し、かつ味は干物レベルの凝縮感です。
  刺身と干物のいいとこ取りで、これは美味し過ぎます(*´ω`)
  脂がはぜて瑞々しく蘇る様は、調理中から心が躍りました。

 ・焼き
  塩をして焼いたものも美味しかった。
  干物ほどテクスチャを犠牲にせず、旨みは匹敵しています。
  加熱で香りが立つので、熟成中に飛んでしまう
  その魚ならではの香りも増強され、満足感が高いです。

 ・バターソテー
  意外にもこれがイマイチ。熟成で旨みが増したイサキの身は
  フレッシュな状態より濃厚なバターの旨みに近似するため、
  めりはりがない、扁平な味になってしまいました。
  バターと合わせるなら、水分量が多くテクスチャもふっくらする
  新鮮なお魚のほうが、コントラストがあって楽しい気がします。
  決して不味くはないけど、この調理法は選ばないかも。

というわけで7日目終了の予定でしたが、
熟成魚の過熱調理が予想以上に美味しかったので、
急にモッタイナイ精神が発揮され、まだ半身を残しています。

9日目(5/21)
 8日目に寝落ちし、1日ワープした結果、
 血合いのあたりに不穏な緑が差してきました。
 一応、焼き霜にしてみたのですが、
 たった1口で鮮度の向こう側が見えたので、断念(;'∀')
 やっぱりちゃんと手当しないとだめですね。

16日目(5/28)
 せっかくなので、旬のイサキを普通にフレッシュに
 頂こうと、また角上魚類に行き、カルパッチョを作りました。
 イサキは、ハーブとレモンの香り、柔らかめの酸と塩気で頂く方が
 生醤油より好みです。通常の生食も美味しいな♪
 熟成の良さとともに、フレッシュの良さも再発見できた
 今回の試みでした。

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おまけ
 イサキのガラからはいいダシが出るとの事でしたので
 中骨で潮汁を作ってみました。水と酒で煮だして、
 昆布がなかったので、その辺にあった鰹節パックを
 適当にポワっといれて、塩をしただけなのですが、
 品よく味の厚みもある大変おいしい汁物になりました。
 おすすめです!
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