レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
2位
1回
2015/06訪問 2015/06/18
最初に行ったのは日曜の午後15時くらい、
既に品切れがいっぱい出ていて、あんまり選べない中
店員さんにおすすめを聞いたら、山羊のチーズを使った
サント・モールをすすめられ買ってみました。
一口食べてみて、まず独特の強いにおい!お菓子にしていいのかってくらい
癖の強いチーズです。雰囲気としては完全にお酒のアテです。
上に乗ってるのも濃厚で固め、舌触りもねっとりとした
フランボワーズペースト(ムースとは呼べない)。
臭みを消そうとか、食べやすくしようとか全然考えてない感じで
強烈なキャラクターのぶつかり合いです。
でもにおいにびっくりしながら食べてみると、本当に美味しい。
無難にムースを配置したり、
安易な賑やかしとして果物のピュレをはさんだり、
デコレーションのためだけの生クリームを絞ってみたりしない、
このパーツをここに配置するんだ!という意思を感じるお菓子、
それがオーボンヴュータンの魅力だと思います。
強いて難点を言うなら、上のペーストが固すぎて、うまくやらないと
食べるとき下ののチーズケーキ部分がつぶれます。
自分なりの上手い配分で食べにくいです。
ちょっとサントモールが強烈過ぎて名前覚えてないんですが、
洋酒をたっぷり打ってあるチョコのケーキも、
各パーツの主張が激しいです。(おいしいです)
シューとポンヌフとブリオッシュとダックワーズとクロワッサンは
買った覚えがあるけど味覚えてないから普通だったのかもしれません。
後日、お土産でクッキー系の詰め合わせを頂きましたが、
これがまた本当に美味しかった。
大きめの焼き菓子より、クッキーみたいな固めの焼き菓子の方が美味しいです。
力強くて忘れられない、そんなお菓子が食べられます。
3位
1回
2015/09訪問 2015/12/30
昨年の冬にお伺いしてから2回目の来店です。
結構急な坂の上にあり、ハァハァしながら到着。
半地下のお店にお邪魔しました。頂いたのは以下。
・アミューズ ヒヨドリのパテ
・青首鴨のバロティーヌ
・キジのテリーヌ
・山シギのパイ包み焼き
アミューズのヒヨドリのパテは、チュイールみたいな
パリッとした薄焼きの生地に、滑らかなパテが挟まれています。
形はツイートバードみたいで可愛いけど、味はしっかり濃厚です。
神奈川でみかんを食べて育ったヒヨドリとの事です。
青首鴨のバロティーヌは、骨を抜いていったん平らに開いたお肉で
フォアグラやピスタチオを包みこんだもの。
赤味のお肉は本当に力強く、ぎゅっと濃縮した
野趣あふれるうまみと香りがあり、美味しかったです。
絶妙な加減で皮にロースト香がついていて、たまりません。
1か月熟成し、フザンダージュ香がいま丁度良く出ているということで
選んだのはキジのテリーヌ。フザンダージュ香ってかいだことなかったけど、
お皿が運ばれると同時に特徴ある香り!これがキジの熟成香なんですね。
初めての香りなので、正確かどうかわかりませんが、
粕漬のような?なれずしのソフト版のような?
発酵の香りなんでしょうか、そんなニュアンスです。
古い脳にある「腐敗アラート」の検閲に引っかかる要素があるらしく
一口目に少し葛藤が出ます。
でも食べてみると味わい深く、火を入れたような肉の強さがあるのに
生のようなフレッシュさもあって、舌触りは少しねっちりしてて美味しい。
1か月も、羽根つき内臓つきで熟成してて、食用に耐えるだけでも不思議なのに
こんなに美味しくて個性的なお肉になるなんてもっと不思議です。
いつも通りこの辺で酔っぱらって曖昧になってきてるんですが、
ヤマシギのパイ包み焼きは、パイ生地に(確か)ミンチを包み、真ん中にフォアグラ、
黒トリュフ、ヤマシギの胸肉の順に配置し、ソースはサルミソース、
サイドに根セロリのピュレを添えたものだったと思います。
パイ生地は見ての通り、薄くてぎゅっとした感じの生地で、
水分飛ばしてなるべく多層、パリパリ正義的な今の王道とは一線を画していて、
この料理にはこれだな!って感じの良くできた生地でした。
でも真ん中の、ミンチじゃない胸肉が一番おいしかったので
次はお肉の形をあまり変えないヤマシギ料理を頂いてみたいです。
家畜じゃないジビエのお肉は、強烈な個性に一瞬たじろぐこともありますが、
そこが唯一無二の魅力とも思います。
ご自身で狩猟されるシェフは、料理からもお話からも器からも
食材への敬意と感謝が伺えます。
ソムリエの方は一見ツンっぽいけど、色々きいてみると親切丁寧に
教えてくれます。
また行きたいです。
4位
1回
2015/10訪問 2015/10/21
安くてボリューム、だけじゃない。ちゃんと美味しくて、何だか優しい
南千住からスカイツリーの方へまっすぐ歩いて行って、
東浅草二丁目交差点を右に曲がったところにあります。
3度目くらいのリピートです。本当はもっと行きたい。
土曜の夜にしか行ってないのですが、予約しないと入れません。
外に並んで待ってもらってるのは見た事なく、みんな入口でごめんなさいです。
店内は、仕切るやっちゃんの明るくて優しいキャラもあって
いつも賑やかで楽しい雰囲気です。
今回頼んだのは以下です。
・刺身3点盛り(さんま・かんぱち・戻りガツオ)
・キュウリとワカメの酢の物
・カキフライ5個→カキフライ3個+ハムカツ2枚にしてもらいました
・なめろう
・あんきも
・炒り銀杏
・おにぎり2個(鮭・おかか)
・磯部揚げ
・つくね串
・中生2
・熱燗2合
お刺身は、たぶん近くの足立市場から仕入れてるのか
いつも鮮度・品質の良いものが出てきます。
今回は戻りガツオが美味しかったです。
魚に合わせて、醤油皿は3皿出てきて、
薬味はおろしにんにく、おろししょうが、ねぎが出てきました。
鮮魚刺身は、丸千葉の中では高めなんですが、ぜひ食べてみてください。
キュウリとワカメの酢の物は、なんか毎回頼んじゃうんですが、
甘さもお酢もそれほどきつくない丁度いい味付けです。
今回はたことカニカマが入ってましたが、前回はホタテの水煮だったような?
箸休めにぴったりです。
カキフライは大粒の牡蠣を使って、上手にサクッと揚がっています。
タルタルも別皿でたっぷりくれるので、思う存分贅沢に付けて食べられます。
今回は注文の際に、全部カキフライでいい?ほかのフライ乗っけられるよ!って
聞いてくれたので、牡蠣5個のうち2枠をハムカツにしてもらいました。
お皿にはカキフライのほかに、千切りキャベツとトマトの櫛切りが2個、
長芋の短冊とレモンが乗っていて、キャベツにはマヨがすこし乗っています。
550円のこの一皿だけで、最初から最後まで飲めちゃうくらいの大サービスです。
お財布の心配をせずに、お腹いっぱいになれて、
でも安かろう悪かろうじゃない、ちゃんと美味しいものが出てくる。
丸千葉最高です。
なめろうはアジ半身くらい使ってるのかな?
そのまま食べても辛くない程度の味噌味ですが
やっぱりご飯が欲しくなります(おにぎり注文)。
お腹にたまらないものがいい日は
これを舐めながら日本酒ちびちびやったりしても良いかも。
磯部揚げは、最後もうちょっと食べたいから、少なそうなものと思って頼んだら
ペラペラじゃない分厚いちくわの半割が4?5?本も出てきちゃって
結構必死に食べました。
久しぶりの大好きな丸千葉だったので、頼みまくってたら
「よっお大臣だね!」とか言われましたがお会計は2人で6000円と少し。
安心して、またお大臣になりに行けます。
4年前にはじめて伺って、それから毎年1回ずつ、今年で4回目の訪問です。
最初から美味しかったけど、毎年さらに美味しくなってます。
お花屋さんの隣のビルの細い階段を上がった二階がお店です。
内弁慶なのでカウンターだと緊張するんじゃないかと、最初は心配してたけど
お店の方はみんな気さくで、程よいざわめきがあって、とても居心地がいいです。
今回頂いたのは以下。
ブリ・ダイコン・カラマンシー・グリュイエール
平目のポッシェ ちぢみほうれんそうとブールブランソース
仔羊のロースト ルタバガとカラマタオリーヴ
蝦夷鹿のロースト 根セロリのピューレ
王林ソルベ・クルミ・ミント
北海道産ライ麦の全粒粉パン
他ワイン・グラッパ
前菜は「ブリダイコン」。完全に名前で選びました。笑
なますっぽく千切りにされた大根は、すこし酸味があります。
カラマンシーは柑橘類らしいので、果汁で軽い酢漬けっぽくなってるんでしょうか。
それとグリュイエールチーズが、生のブリの上に乗っています。
鰤と大根ってフレッシュな状態でも良く合いますね。
最初に頂いた、しっかりした味の泡との相性も良かったです。
次は平目のポッシェ。
優しく火が通ってふっくらみずみずしい繊細な白身に、
ベルガモットで爽やかに風味づけされたブールブランソース、
平目の下に敷かれたちぢみほうれん草の、
夏みたいに生き生きした青菜の力強さも、全部が美味しすぎました。
食べ終わるのが嫌で、ゆっくりちまちま食べてました。
皿から無限に湧いてほしい…。
仔羊のローストは、中は比較的レア目、外はカリカリに焼いてあります。
ルタバガというスウェーデンのカブ?が付け合わせ。
カラマタオリーヴの茶色いソースはコクがあってお肉の焼けた香りと良く合います。
これを脂の多い部分に塗って、カブと一緒に食べると美味しい。
蝦夷鹿のローストは、火入れは文句の付けようがない安定感。
とても面白い一皿で、赤いソース、根セロリのピュレ、ブラックペッパー、
ちょっと酔っぱらっててリンゴか梨か覚えてないんだけど、コンポートが添えてあります。
それぞれ鹿肉に違う表情を与えてくれるので、お肉が足りないくらいでした。
どんな赤ワイン頼んでも、合う組み合わせがお皿の上で作れそう。
個人的には赤いソース+根セロリか、コンポートの組み合わせが美味しかったです。
ワインはお店の方にお任せしてもいいし、自分で選んでも楽しいと思います。
その日のグラスは黒板メニューに書いてあるけど、メニューにないのも
たくさんある感じです。グラッパも美味しいの揃ってて、選ぶの楽しかったです。
パンは4回の訪問の中で、この日が一番美味しかった。
来年の1月で佐藤シェフが独立され、新しいシェフがいらっしゃるとの事でした。
ごちそうさまでした!