2回
2016/12 訪問
着実に進化する、ジビエの名店
ハンターでもある元decoのシェフ、
室田さんが独立されたお店です。
ベタですが年末に第九!と思って、
N響コンサートのあとにお伺いしました。
コンサートに合わせたら12/24になっちゃって、
これはクリスマスディナーコースしかない予感…。
イヴの渋谷でアラカルト難民かも?と思っていたら
ラチュレがアラカルト大丈夫と知って速攻予約しました。
(Xmasコースもありました)
クリスマスにアラカルトやってるお店って素敵ですね^^
当日頂いたのは以下です。
蝦夷鹿のブラッドマカロン
新しくパティシエの方が入られたと聞いて、本当に楽しみにしていました。
というわけで、一品目はブラッドマカロン。
マカロンは卵白を一切使わず、鹿の血の泡だけで形成されているとの事ですが
言われなければ普通のマカロンと遜色ない出来上がり。
しかし卵白を使用しないことで、味わいは十割ジビエの濃厚なものとなっており
サンドされているブーダンと自然に味がつながって、とても美味しいです。
血液のメレンゲ(?)が、マカロナージュみたいなヘビーな作業を経ても、
こんなにちゃんと膨らむ気泡が残るなんて、信じられません。
発想がすごいです。
猪ベーコンと野キノコのタルトレット
小さなタルトレット。ベーコンと茸は細かいカット、
タルトも繊細に薄く焼きあがっています。
なんとなく、猪っぽい味わいを想像しながら注文しましたが、
これは野キノコの豊かな滋味を楽しむ一品ですね。
真鯖の軽いグリエと次郎柿のマリネ
個人的には、これは唯一、decoで食べた時の方が美味しかったです。
前はもう少し深く柿酢で締められていた気がします。
どちらが好きかは単に好みかも。
この日のサバは、身質がとても良かったので、
サバそのものを生かしたのかもしれません。
パテアンクルート
しっとりと火入れされた、うまみの濃い赤身のミンチ部分と、
サクサクに焼けたパイ生地がいい感じです。
肉とくっついてる生地から、しけった生焼けの小麦粉の
いけてない香りがするパイ包み焼きを何度か経験し、
こういう料理は避けてましたが、とっても美味しかったです。
室田シェフも、中の柔らかい火入れ、外の焼き切り、
それぞれこだわってると仰っていました。
そして、最後にお肉とパイのコントラストを追いかけて、
濃厚な鹿のコンソメ寄せが体温で溶けて混ざると・・
かなり至福です^^*
キジのバロティーヌ
前にも頂いたことがあり、実は間違って頼んだ一品です笑
でもこれ、前よりすごく美味しくなっててびっくり・・。
熟成香はほどほど、ちゃんと主張しますがうっとはならない
ちょうどいい感じで、フォアグラのねっとりした舌触りとあわさって
なんだか妖艶な大人のおいしさでした。
真鴨のロースト サルミソース
お肉たっぷり、サルミたっぷりの一皿です。
かなり多いですと3回くらい聞かれながらの注文。
厚いカットのお肉がたっぷりあり、血が滴るむっちりした赤身を
思う存分ほおばるのは、たまりません。
サルミは濃厚ながら非常に粒子が細かく滑らかな舌触り。
一瞬、しっかりと芯を感じるうまみがあり、
でもいつまでも残ったりせず、すっと消えていきます。
マイレビュアーさまが、後口の綺麗さ、と仰っていましたが、
まさにその通り。実は、はじめてdecoにお伺いした時に、
やっぱり真鴨のロースト サルミソースを頂きました。
今回の方が間違いなく美味しいと感じ、
進化し続ける室田シェフの料理に感動です。
チョコレート・フォアグラ・トリュフを使ったパルフェ
写真をすっかり忘れて、炭のメレンゲプレートを一回剥がしてしまい
再度くっ付けて撮影しました。パティシエの方、すみません^^;
この頃、かなり飲んでいて、メモもあいまいなのでレビューやめておきます^^;;
美味しかったのは覚えてる…
女性パティシエの方ともかなり長くお話させていただき、大満足。
酔っ払いですみません。
これからも、おいしくて個性的なスイーツを楽しみにしてます!
クマンシェ
バターの代わりに熊の脂を使ったフィナンシェです。
都度焼きだそう。焼きたてを頂きます。
シェフによると、熊の脂はナッティな風味があるため、
バターのように焦がして香りを付けることはせず
そのままの風味を生かしているとの事。
焦がしバターの風味が強すぎて胸焼けする感じのフィナンシェ、
たまにありますが、それよりあっさりな感じです。
ラードを使っているちんすこうと、すこし似た香りもしました。
パン
歯切れのよい固めの皮で中はもっちりの
とても美味しいパンです。群馬のパン屋さんから
半分焼いて(?)取り寄せているとの事でした。
なくなったら持ってきてくれます。
この日は全席予約で埋まっていたようですが、
1回転しか入れていないようで、長居していたら
最後室田シェフともたくさんお話しできました。
お料理や食材の事についてお伺いすると、
本当に熱心にお話して頂いて感動。
熊のシャンプーとか、初耳でした笑
雷鳥は終わりかけ(クリスマスごろ)のほうが
美味しいかも?って聞いたので、来年チャレンジしたいです。
ごちそうさまでした!
真鴨のロースト サルミソース
パテアンクルート(お肉失念)
キジのバロティーヌ
蝦夷鹿のブラッドマカロン
真鴨のローストアップ 補正なし
チョコレート・フォアグラ・トリュフを使ったパルフェ メレンゲプレート剥がしちゃって貼り直し^^;
クマンシェ
真鯖の軽いグリエと次郎柿のマリネ
猪ベーコンと野キノコのタルトレット(閉)
猪ベーコンと野キノコのタルトレット(開)
パン
熟成中
デザートのときのワイン
グラスワイン
ワインリスト
ワインリスト
食後酒、水、ソフトドリンク
小さな前菜、前菜
メイン料理
チュンチュン
2016/12/29 更新
去年末にお伺いしました。当日はクリスマスも過ぎて、
年末年始休暇に入るお店も多いような日取りだったのに、
なんと満席。
超常連の方の来店に無理やり便乗させて頂いたので、
通常コースではなくスペシャルコースを頂きました。
この日の内容は以下です。
・穴熊ベーコンとジロール茸のタルトレット
穴熊のベーコン、焦がしバターでソテーしたジロール茸と
根セロリのピュレを、薄く繊細なタルトにのせた一品。
穴熊のお肉部分の力強い美味しさや、脂の甘さ、そして程よい野趣が
ジビエ好きにも初めての方にも、ラチュレの魅力を伝えるアミューズです。
最近はお肉や野菜を変えつつ、定番の一品なのかな?
直径を3倍にしてもらって、これでワインを2杯くらい飲んでいたいと、
密かに思ってます。
・ブレス鶏のバロティーヌ
初・ブレスです。フランス産のフォアグラとトリュフとともに。
風味の強いジビエに挟まれたからか、非常にあっさりに感じてしまいました…。
実は今までいろんなお店で頂いたけど、バロティーヌで感動したことがないので、
単に私にバロティーヌの良さを感じる才能がないのかも…( ;∀;)
・スコットランド産ベカスの冷製コンソメ
海の香りが出るほどしっかり熟成したベキャスのガラを
3羽分潰してとった冷製のコンソメジュレと、低温火入れのムネ肉・モモ肉を
原木ナメコ、白菜、キクイモのクリームと一緒に。これが凄かった。
ジビエ+熟成ならではの、味と香りの強烈な軸をしっかり感じさせつつ、
雑味のないクリアなコンソメには驚きしかありません。例えるならレフェルの、
火を入れずに出汁をとる鮎のコンソメを思い出す綺麗さ。
半年経った今でも感動とともに思い出します。
・蝦夷雷鳥 ソースマデラ
運よく入荷していたエゾライチョウとマッシュルームを
マデラソースで頂きました。身が撃たれてたので強めの火入れとのこと。
初めての国産雷鳥は、1ヶ月も熟成しているにも関わらず、
フレッシュなお肉のテクスチャを残していて素晴らしかった。
みずみずしくて程よい弾力があり、とても繊細にほどける筋繊維に、
思わず鮮度がいいな~(?)と思ってしまいました。
香りや苦味は、輸入の個体に比べて穏やかで食べやすいですね。
火入れ強めとの事でしたが、固さやパサつきは無縁でした。
そして熟成により、味はしっかり濃く、白身のお肉とは思えない旨みが出ていて
酸味の効いたマデラクリームやトリュフが良く合いました。美味しいな~。
・コルヴェールのロティ ソースサルミ
雷鳥を頂いているとき、厨房から何かすごい香りがする…!!と思っていたら
その主が自分の前に運ばれてきました笑
1か月半熟成のコルヴェールです。
つやつやの濃厚なソースにワイン色の赤身が美しいです。
未体験の濃厚な熟成香にドキドキしながら、えいっと口に入れると
雷鳥と同様、フレッシュさを感じるテクスチャが素晴らしい。
しっとり密で、なめらかに吸い付くような身質です。
水分量に気を付けて熟成されたとのお話でした。
でも決して熟成が半端なのではなく、旨味はめちゃくちゃ濃いです。
香りはすぐに慣れ、半羽なので量ありましたが、もっと食べたいくらいでした。
・レッドレモンとショコラブラン
愛媛産のレッドレモンというレモンを使ったデセール。
ミカンみたいですが、元の実を食べるとめちゃくちゃ酸っぱいです(><)
他、メレンゲ、オレガノ、バニラムース、果汁のジュレ、ナッツ、
ココアクランブルなど。
山椒の香りがしたので、使ってる?と思いきや
レッドレモンの皮に、そんな香りがあるとのこと。
そういえば山椒ってミカン科なので、通じるものがあるのかな?
最近、ハーブやスパイスぽい要素を使ったデセールが好みなので
とても美味しかったです。
・ピティビエ
サービスで頂きました。季節ものでなかなか食べる機会と気合に
恵まれないので、頂けてかなり嬉しかったです♪
室田シェフは自分の思う方向性を貫き過ぎて
食材をねじ伏せたりしない方だと思っています。
それぞれの味、香り、食感などを大切にされたうえで、
ご自身の個性も乗せていく。そんな感じがとても好きです。
この日が昨年の食べ納めになりましたが、
大満足でお店を出ました。
素晴らしいコースをご一緒させて頂いたマイレビュアー様に感謝ですm(__)m
行くたびに美味しくなってるお店、また伺います!