フラフラとボストンの街を歩いていると「BOMBAY CAFE」と書いてある看板が目にとまる。
あっ!インド料理店だ。
商店街の小さなインド料理店は、地球の歩き方にも載っているはずもなく、
心細さを感じながらも勇気を出してお店の扉をあけてみる。
私が今日の初めてのお客さんみたいね。
席に案内していただき、メニューを受け取った。
グランドメニューの単品は、色んな種類のカレーやタンドリーが載っていたのだけれど、
どれも英語での記載だから、料理を理解するまでに少々時間が掛かった。
テーブルの横にLUNCH12~14hourと、プラスチックに入った小さなメニューがあった。
これいただけるのかな?
しばらくすると、お店の方が注文にきたので、
最初に英語が殆ど話せないことを「ごめんね」と伝えたら、ゆっくりと英語で話してくれたので、
注文のやりとりができた。
ランチのチョイスカレーをダルにして、バスマティライスを選択して。
これで注文終了♪と思ったら、何か聞いてくるの。
どうしようと思ったら、メニューを指さして話してくれた。
あっ!パロタorクルチャってきいていたのね。
これくらいの英語でも聞き取れない。
日本に暮らしている英語圏の方が、日本人のためにどれほとスローに話してくれているか、
日本に暮らすインド人が、日本人にどれだけ分かりやすいように発音してくれているのかを、
あらためて実感しました。
私は、カレーとパロタとバスマティを選択して、どんなお料理が運ばれてくるのか
とてもワクワクした時間を過ごしていました。
鍋をふる音を聞きながら、店内の装飾をみてみると、
日本のインドレストランとは少し違う感じな部分が見えたりする。
とても簡素に作ってあるのだけれど、テーブルとイスはきちんとしています。
レジの奥には、表彰状のようなものが飾ってありました。
んっ?BEST OF BOSTON 2007って書いてある。
このお店、ボストンの美味しいレストラン2007年に選ばれているかもしれない。
笑顔いっぱいで、インドの方がプレートを運んでくれた。
わっ、美味しそう。
パコラまでセットになっていたんだ、
ライタまでついてるじゃない♪♪♪
メニューで、見落としていたから、思いがけないプレゼントを貰ったみたいな気持ちになって。
パロタをめくってバスマティをのぞいてみると、
うふふっ、ジーラライス♪
ダルのスパイスを少し抑えてあるけれど、ジーラライスにちょうど合う感じ、
ライタもまぜまぜして、トマトのチャツネで辛味の刺激を加えて、
チャツネでコクを追加して、楽しい。
パロタも、しっかりとした噛み応えでダルによく合いました。
パコラは、じゃがいもやたまねぎ、ニンジンをかきあげにしたもので、
揚げたてでサクッとしてます。
このセットで、8.75$。
ボストンの物価を考えたら、かなりお値打ちなランチセットです。
お食事が済んだあとで、飲み物はどうか聞かれたので、
チャイを戴きました。
英語の苦手な私に、心配しなくても大丈夫だと迎えてくれたこのお店の方の、
インド料理は、とても温かいものでした。
つい、さっきまで不安に心を潰されそうな気持ちでいたのだけれど、
この扉の中は、私にとって安らぎの場所でありました。
チャイが運ばれて、ゆっくりと戴いていると、ほんのりと眠気に誘われて、
心地よい時間を過ごした。
テーブルでのお会計の時に、少しおまけしてくれたようなので、
それでは申し訳ないのでチップを置いて、
「ダンニャワード」とお礼を言いました。
私のテーブルの隣りで、インド人とアメリカ人の研究者のような方がお食事をしていて、
インド人の方だけが、私のダンニャワードという言葉に反応して思わす笑っていました。
「あははーっ。」
その笑いは、とてもやさしく、片言の英語しか話せない日本人が、
インドの言葉でお礼を言ったことを微笑ましく思ってくれたような、
そんな笑い声に聞こえました。