KEN21さんが投稿した美食S（神奈川/関内）の口コミ詳細

この日はかみさんと関内でディナー。

やって来たのがこちらの日本料理店。

場所は、横浜市中区常盤町という関内エリアにある雑居ビルの5F。

料理長による渾身の一皿と、オーナーが厳選したカリフォルニアワインをはじめとする
至高の美酒とのペアリングで、限られた方にだけ提供する特別なひとときをというコンセプト。

料理長は京都の料亭で10年修業し、名古屋で自らの日本料理店「京ダイニング　吟」を創業。
10年間腕をふるい、当時の常連客で健康長寿分野の第一人者の一人であった方にスカウトされ、
氏がプロデュースする鎌倉市稲村ヶ崎というエリアの日本料理 吟の料理長に就任。
そちらでは約6年間に及び料理長を務め上げましたが、その頃にそちらのお店を知り、約1年間訪問。
そして新たなるステージとして2025年5月11日にこちらの美食Sをオープンしたんです(〃^▽^〃)

本当は速攻伺いたかったのですが予定が混んでいましてやっとこさの訪問となりました。
21時からはアラカルトも頂けるスタイルなのですがやはりコースがいいなと。
ディナーコースは、

・ディナーコース　20000円(税サ別)
・季節の特別コース（春夏）　32000円(税サ別)

の2種類がありますが美味しいのは決定ですので、

・季節の特別コース（春夏）　32000円(税サ別) × 2人前

を予約しての訪問となります。

雑居ビルのエレベーターに乗って5Fへ。
降りて右手にお店のドアが有ります。わりと簡素なファサード。
テナントビルですのでそれほどいじくれないんでしょうね。
そちらのドアを開けるとまだ店内では無くて、左手にアプローチがあり、
その先の右手のドアを開けると店内に入ります。

店内は板場に沿ってカウンター8席。右手奥には完全個室も用意されています。
板場には既に料理長が準備に取り掛かっています。
挨拶を交わし我々はカウンター右手に案内されました。
実はこのポジションが板場の前なのでベストポジション(〃^▽^〃)

お店は、くだんの料理長と男性スタッフ2名の計3名での切り盛り。

BGMはこの雰囲気に合うようにジャズが流れています。

ドリンクメニューを渡されどのように攻めようかなと。
オススメのペアリングとしては、

・ワインペアリング　10000円(税サ別)
・ワインスペシャルペアリング　13000円(税サ別)

の2種類があります。

ということで私は、

・ワインスペシャルペアリング　13000円(税サ別)

をオーダーし、かみさんはアラカルトにすることにしました。

この日に頂いた季節の特別コース（春夏）の内容は以下になります。

・Muscadet et Maine Sur Lie Clos Ferrre VV 2023
　　私のワインぺリング1杯目です。
　　フランス・ロワールの白ワイン。
　　ぶどうはミュスカデ。
　　コクのあるボディで酸味もしっかり。美味しいです。

・梅酒ソーダ割り　800円(税サ別)
　　かみさんのオーダーです。
　　コクのあるタイプで美味しいです。

・前菜１
　　葡萄海老 昆布〆と無花果の胡麻だれがけ キャビア乗せです。
　　昆布〆した葡萄海老の甘み、無花果の柔らかな風味に胡麻だれのコク。
　　そこにキャビアの塩気と旨味が合わさり極上の一皿に。
　　料理長の料理は何度も食べていますので美味しいのは決定ですが
　　やはり美味しいわ(〃^▽^〃)

・Lewis Cellars Sauvignon Blanc Napa Valley
　　私のワインぺリング2杯目です。
　　カリフォルニア・ナパの白ワイン。
　　ぶどうは、ソーヴィニヨン・ブラン。
　　ソーヴィニヨン・ブランらしい香りにジューシーな果実感。
　　心地良い酸味もあって美味しいです。
　　F2ドライバーの方がオーナーのワイナリーだそうですね。

・前菜２
　　天然鮑揚げと枝豆と鮑肝の飯蒸しです。
　　揚げた鮑って珍しいのですが弾力のある歯応えに、衣の中に旨味を閉じ込めて。
　　その肝もまとった飯蒸しがもちもちとした食感に肝の旨味と枝豆の風味もあり美味しいです。

・Alma de Cattleya Sauvignon Blanc Sonoma 2024
　　私のワインぺリング3杯目です。
　　カリフォルニア・ソノマの白ワイン。
　　ぶどうは、ソーヴィニヨン・ブラン。
　　同じソーヴィニヨン・ブランですが、2杯目よりもシトラス感が強くて、
　　夏向きのフレッシュな酸味を感じますね。これも美味しいです。
　　かみさんはこっちが好みのようでした。

・前菜３
　　毛蟹と白ズイキの冷やし生姜餡がけ。
　　へへへ。甲殻類大好きなのでこれは嬉しい(〃^▽^〃)
　　たっぷりの毛蟹の脚肉、胴体の肉に、ミソも混ぜて、
　　シャキシャキの白ズイキを添えて、生姜の香りの冷たい餡をかけています。
　　くうっ。このピリッと生姜を効かせた餡も毛蟹の甘みとコクを引き出していて旨い(〃^▽^〃)

・Mousse L'Esquisse
　　私のワインぺリング4杯目です。
　　シャンパン。
　　ぶどうは、ピノ・ムニエ70%、ピノ・ノワール30%。
　　いわゆる黒ぶどうから作ったシャンパンですが、それにしてもロゼに近い色味。
　　飲んでみても見た目の印象通りのコクというかボディを感じます。
　　このタイプのシャンパンは珍しいですよ。確かに食中に飲むシャンパン。

・梅酒ソーダ割り　800円(税サ別)
　　かみさんのオーダーです。同じものをお代わり。

・お造り１
　　淡路産鱧の焼霜造り 梅肉ポン酢・自家製昆布醤油添えです。
　　鱧は炭火でレアに炙っています。骨切りも細かくて繊細。まったく骨が障りません。
　　梅肉ポン酢も自家製昆布醤油もそれだけで舐めても極上の美味しさ。
　　いやあ、これぞ鱧の食わせ方だなあと思いますよ(〃^▽^〃)

・作 純米大吟醸 なぐわし 鈴鹿・神の穂 2023
　　へへへ。サービス(〃^▽^〃)
　　三重県鈴鹿市の清水清三郎商店が造る純米大吟醸。
　　作らしい甘みに米の旨味。さすがの銘酒です。
　　料理長は私が日本酒大好きなのを知っていますので
　　ワインペアリングの合間に少しサービスしてくれたんだと思います。

・お造り２
　　積丹産雲丹 叩きオクラ 山芋の出汁ジュレ掛けです。
　　雲丹は甘いわ。そこに出汁のジュレの旨味も加わって。
　　叩きオクラと山芋のネバネバが雲丹と出汁ジュレを一体化させてくれます(*￣∇￣*)b

・Rkatsiteli Qvevri ORGO
　　私のワインぺリング5杯目です。
　　ジョージアのオレンジワイン。
　　ぶどうは、ルカツィテリ。
　　琥珀色を帯びた色合いと、ドライフルーツやナッツのような複雑な香りが特徴。
　　オレンジワインらしい酸味とナチュラルなニュアンスもありますね。

・煮物椀
　　まずは鎌倉海老のプレゼンテーション。
　　鎌倉海老って何度も食べたことが有りますが、ここまで見事な大きさのは初。
　　それを活き鎌倉海老の葛打ち椀にしてくれました。
　　新じゅんさい、翡翠茄子も添えて青柚子を散らしています。
　　プリプリの鎌倉海老の身も美味しいのですが、
　　透明感と切れのある吸い地が美味しいです(〃^▽^〃)
　　これぞ京都の煮物椀だなあと。

・Kistler Pinot Noir Sonoma Coast 2021
　　私のワインぺリング6杯目です。
　　カリフォルニア・ソノマの赤ワイン。
　　ぶどうは、ピノ・ノワール。
　　このワインは極上スペシャルとの案内。むっちゃ高価なんです。
　　第一印象は、タンニンと酸味でキレのある味わい。
　　飲み進めると温度変化によるものかブラックベリーや熟したプラムのような、
　　ベリー系の果実味も感じてきました。美味しいっすよ、そりゃあ(〃^▽^〃)

・焼物
　　まずは天竜川活き鮎のプレゼンテーション。その後に串打ちして炭火で焼いて。
　　天竜川鮎の塩焼きです。蓼酢を添えて。
　　鮎の脇には、食用ホオズキ、万願寺唐辛子、小芋も添えられます。
　　鮎の型は丁度良い大きさで、小さいながらもワタの力強い苦味と風味を蓄えています。
　　初夏の恵みですなあ(〃^▽^〃)

・Hudson Wines Chardonnay Napa Valley Carneros 2022
　　私のワインぺリング7杯目です。ペアリングラスト。
　　カリフォルニア・ナパの白ワイン。
　　ぶどうは、シャルドネ。
　　まずはバニラのような樽香のニュアンス。ミネラル感もありますね。
　　飲み進めていくと幾重にも重なる複雑な味わい。
　　これもむっちゃ高くて、普通はこのお値段のペアリングでは出せない代物。

・プレミアムジンジャーエール　700円(税サ別)
　　かみさんのオーダーです。
　　梅酒ソーダ割り2杯で酔ったようでノンアルにチェンジ。
　　複雑でビターな味わいのジンジャーエールでした。

・肉料理
　　まずは昆布〆仙台牛ヒレの塩釜焼きのプレゼンテーション。
　　塩釜を割ると昆布に巻かれた仙台牛ヒレ。
　　そちらをカットして、名残りのホワイトアスパラガス、ズッキーニ、ミニトマトを添え、
　　粒マスタードソースで仕上げた一皿。
　　前日から昆布で巻いて昆布自体の塩気と旨味を肉に吸わせ、
　　表面を軽く炙ってから塩釜焼きにしたそうです。
　　塩・胡椒は一切施していないのに、昆布の塩気と旨味だけで十分に美味しく。
　　肉質もヒレらしい赤味を帯びた上品な旨味。
　　私は黒毛和牛A5ランクがどうしたとかは興味が無いのですが、
　　このように手を施した当たり前じゃない牛肉料理ならウェルカム(〃^▽^〃)

・食事
　　太刀魚と牛蒡の土鍋ご飯のプレゼンテーション。
　　そちらをよそって、魚介出汁椀、瓜の漬物を添えて。
　　土鍋ご飯は蒲焼き風の太刀魚の旨味と風味に牛蒡の風味、三つ葉の風味が合わさりたまらん。
　　私は和食の最後は土鍋ご飯が大好きなのでこれは嬉しい(〃^▽^〃)
　　魚介出汁椀は今まで登場してきた数々の魚介類の出汁から作ったお椀。濃厚ですよ。
　　もちろん二人ともお代わりをして土鍋を空っぽに。

・Orange Muscat Essensia 2022
　　食後の飲み物は私はこちらをチョイス。
　　カリフォルニア・マデラのデザートワイン。
　　ぶどうは、オレンジマスカット、ブラックマスカット。
　　飲んでみるとそれほど甘くなくて、ヨーグルトにぶっかけたい味わい。
　　甘々のデザートワインはそれほど好まないのですが、これは美味しいです(〃^▽^〃)

・玉露
　　かみさんのチョイス。ぶれずにノンアルで行くねえ。
　　しかしながら料理長の提供する玉露は昆布茶かと思うほどのグルタミン酸の旨味。
　　いつもながらに美味しいです。

・デザート
　　グラスフェッドヨーグルトと太陽のタマゴ 湘南レモンジュレ掛けです。
　　グラスフェッドヨーグルトは牧草で育てた牛から作るのでサッパリ味。
　　宮崎県産完熟マンゴーである太陽のタマゴは数年ぶりに食べたような記憶ですが、
　　さすがの甘さと果肉の滑らかさが有ります。
　　そこに湘南レモンの果皮を細かく刻んだものとジュレがビターなシトラス感を演出。
　　総合的に旨いわあ(〃^▽^〃)

・ひみちゅのサービスドリンク
　　へへへ。これは内緒(*￣∇￣*)b　なので写真も無しね。

これで〆てサービス料10%、消費税10%を加えて95950円、一人当たり47975円。
カードでのお支払いです。

料理長の料理は、日本料理 吟で5回頂いていますのでもはや美味しいのは決定なのですが、
お店が変わったことで料理自体にも変化が有るのかどうかは未知数でした。
しかしながら京料理を礎にした、食材の力を信じその力を引き出す技法を駆使した料理の数々。
その料理長の料理にワインが寄り添うようなコース＆ペアリングでしたね(〃^▽^〃)

「美食S」の名前の由来は、オーナーと料理長のそれぞれのイニシャルである
「S」から名付けられていますが、それだけではありません。
「S」には、お二方の想いを込めた5つの意味も重ねているんです。

「Special」 特別な空間で、特別な人と
「Surprise」感動を呼ぶ料理とワイン
「Select」 選び抜かれた素材とワイン
「Synergy」 料理とワインの相乗効果
「Symbol」 横浜を代表する存在となるように

また、お客様それぞれが感じるS（Sense）として、自由に想いを重ねていただければとの想いも込めて。

この日の晩餐を同席された方はプロレタリアートな我々とは異なり、
ブルジョアジーでゴージャスな雰囲気の方々で占められていました。
まさに「限られた方にだけ提供する特別なひとときを」というコンセプト通りの雰囲気。

特にドレスコードは設けていませんが、この雰囲気を壊さないようにオシャレをして伺えば、
記念日などの特別なひとときをさらに素敵なものにしてくれるでしょう(*￣∇￣*)b

と書くと無茶苦茶ハードルが上がるので補足しますが、プロレタリアートな我々も
この雰囲気を心底楽しみながら料理と美酒を堪能できたのでそういう意味でのハードルは無いです。
料理長も丁寧に説明をしてくれますし、男性スタッフ陣は初々しいですし(〃^▽^〃)

料理長による渾身の一皿と、厳選したカリフォルニアワインをはじめとする至高のペアリングを。

ご馳走様です！（2025/6現在、ポイント無し）