1回
2014/05 訪問
60年以上神戸で営むイタリアン お店も3代、お客も3代目 まるで家族の食卓
絶品の舌平目
鶏の白ワインソース
季節野菜のカボナータ
ベーコンのトマトソース辛いの抜き
仔羊と春キャベツのラグースパゲッティー
メバルと季節野菜のブリット
茶美豚のソテー マルサラ酒ソース
トルダリパラリーゾ
2015/06/04 更新
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再訪
奥さんがまたどうしても行くと言い出してランチに。奥さんは2200円のランチコース、私はシェフのおすすめコース3000円。ランチコースは前菜なく、彼女が食べたかったトマトソーススパゲッティ。魚介でもなく、ベーコンでもなく、野菜もないトマトソースだけのスパゲッティが絶品。鶏の白ワインソース仕立ては淡白な鶏肉にドンナロイヤ伝統のワインと野菜の甘味が効いた濃厚なソースの取り合わせが良い感じ。デザートはキャラメルソースのアイスクリーム。私は前菜に万願寺とうがらしと夏野菜のマリネ、ミートクリームスパゲッティ。そして舌平目のムニエル、バター香草ソース、これが驚きの逸品でした。まず舌平目がデカイ。大きいのではなくデカイのです。30㎝はあろうかという舌平目は皿から飛び出しそうです。身はほっこり、縁側はカリカリに焼き上げられています。軟らかく地味深い白身とカリカリした縁側の食感、香草の効いたソースと相まって実に美味い。デザートはマスカルポーネケーキとアイスクリーム。相変わらずの洗練された味とサービス、大満足のランチタイムでした。
奥さんの誕生日のランチに家族で。前に来たのは妊娠中、店のマダムは赤ちゃんが産まれたら気にせず連れて来て下さいねと仰って頂きましたが、やはり気兼ねで6年振りの訪問となってしまいました(そう言えばその日赤ちゃん連れてご夫婦と若夫婦の3代家族が確かに来ていました)。私達はランチのシェフおすすめコースを、娘にはベーコンのトマトソーススパゲティと食事の後のアイスクリームを注文。注文時に娘のスパゲティは辛い香辛料は抜きましょうかと、また大人の料理の取り分けのためのお皿も用意(野菜嫌いのためカボナータは当然見向きもしませんでした。美味しいのに)、料理のタイミングも大人に合わさず早めにして頂けました。娘は夢中で食べ続け、お父さん、お母さんには渡さないよと人聞きの悪いことを言っている横で、大人2人は久しぶりのドンナロイヤに舌鼓を打ちます。季節野菜のカボナータ、野菜の滋味が爽やかに味わえる一品で食欲が増します。仔牛もも肉と春キャベツのラグースパゲティ、こちらのパスタはボリュームがあり、この一品だけで旨さと相まって結構な満足感があります。セコンドは本日の魚と季節野菜のブリット、 トマトソースバジリコ風味、今日はメバルでしたが絶品。茶美豚ロース肉のソテー、マルサラ酒ソースベニス風はドンナロイヤらしいボリューム感のある一品、軽くソテーしてマルサラ酒ソースで煮込むみたいに絡められた旨い肉とソースのコンビネーションが絶品でした。デザートはﾄﾙﾀﾞﾘﾊﾟﾗﾘｰｿﾞというイタリア伝統のケーキと珈琲を。テーブルにはこれもドンナロイヤ伝統の唐辛子とオリーブオイルだけで作った香味料があり、これがまた最高です。バターの代わりにパンに付けても、風味付けに加えても、爽やかなエクストラヴァージンオリーブオイルの軽やかな味にピリッとした辛味が加わり絶品です。すべての料理が満足いくものですが、ドンナロイヤと他のイタリア料理店には大きな差異があります。他のイタリア料理店が若い方中心に華やかで美しく、かつ味わいも軽やか、一品一品が可愛らしく決してどっしり感は無いといったお洒落なコンセプトなのに対して、ドンナロイヤの料理は素朴で安心感がありボリュームたっぷり、言わばイタリア料理のおふくろの味みたいな印象。元々神戸に立ち寄った船員さんに提供していたお店で、その当時の伝統を今に引き継いで伝統のイタリア料理を変わらぬ姿勢でずっと提供しているのです。ですので現在流行りのイタリア料理を求める方にはお薦め出来ません。帰りにマダムが言われていました。こちらのお店はシェフも3代目、そしてお客様も3、4代目、ですのでお祖父さん、お祖母さんに小さなお子様連れの御家族で楽しんで頂けるのは当たり前ですと。これこそがドンナロイヤの素晴らしさで、料理の楽しみ、ホールスタッフの細やかな気遣い、家族の食卓のような寛いだ雰囲気、全てが60年の伝統と相まって何ともいえない上質の空間を作り上げています。わが娘が将来自分の子供を連れて訪問するか(そして私が混ぜて貰えるのか？)については判りませんが、ドンナロイヤの伝統はその頃もずっと息づいていることでしょう。