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夜の点数:4.5
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なごりマティエールにて
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2014/03/03 更新
京都移転のため、昨年末で営業を閉じた小田原マティエールさん。
再出発まで若干時間がかかりそう&シェフが料理したくてたまらなくなっての2月の期間限定での”なごりマティエール”としての再開。
ごく一部のみの方への案内のみであったようですが、数日のうちにほぼ満席という人気ぶり。
もちろん席数を絞っての営業ということはあると思いますが、それでも一部の方から 熱い支持を受けていることがうかがえます。
そんな中、幸運にも週末に席を確保していただいてのお任せコース。
もともと苦手やアレルギー以外のコース1本しか設定されておらず、ワインも料理ペアリングが前提ですが、何度かお邪魔した我々はお値段もワインなども全部おまかせでお願いしております。
今回でちょうど10回目の訪問となりましたが、毎回驚きと忘れえぬ皿の数々を提供していただいております。
ただ、昨年秋から冬にかけてのクオリティは半端なく、 それ以上の期待は描かないようにしての訪問でした。
お邪魔したのは調理場からしばらく離れ、勘所を取り戻しながら改良も加えられる時間の確保、というこちらの狙いもあってかなり後半の方になります。
結果としては、全く違った方向性での料理で年末と同等の満足度を提供 していただきました。
厳しい冬から、浮き立つような春への高揚感を皿の上に 表現していただいたかのようなコースでした。
(小田原城ではもう梅が咲いていました)
最高級の食材を使い、それらを生かしながらマティエールさんならではの調和とコントラストを皿の中、皿の前後、さらにはコースを 通してまでを組み立てて調理していただいております。 メリハリをしっかりとつけながら、一皿一皿の印象がくっきりしているのが 驚きであり、通う要因の一つであるのは間違いがありません。
今回のお料理は、
・春の山菜とバスク豚のサラミとをあわせて春の苦みとスパイシーな脂のうまさを重ね、さらにはハーブにあうというワインを合わせたり、
・7か月の子羊にあさのりをつけ、潮の風味を軽くまとわせながら子羊の繊細さを 引出したり、
・メインの出水の網取鴨はピノノアールに合わせるようにその香りのよさを 引き出させるような仕上がりをメインに据えたり、
これ以外の皿も甲乙つけがたいほど印象的でした。
京都ではシェフがストレスだったという”昭和のキッチン”から最新設備をひっさげての再出発ということもあり、今までと同じような頻度で通うわけにはいかなくなりましたが、それ以上の期待度をもって待ってみたいと思っております。