キドカラーさんが投稿したクイントカント(大阪/福島)の口コミ詳細

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キドカラー (60代前半・男性・富山県) 認証済

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クイントカント渡辺橋、肥後橋、福島(阪神)/イタリアン

1

  • 昼の点数:4.2

    • ¥8,000~¥9,999 / 1人
      • 料理・味 4.2
      • |サービス 4.3
      • |雰囲気 4.3
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク 4.2
1回目

2019/03 訪問

  • 昼の点数:4.2

    • [ 料理・味4.2
    • | サービス4.3
    • | 雰囲気4.3
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク4.2
    ¥8,000~¥9,999
    / 1人

岸本シェフの創り出す世界が一皿ごとに広がっていく

今回の職場旅行は大阪に行くので、ひと月前から行きたいと狙っていたレストラン、クイントカントさんに食べログで予約を入れてしまいました。当日2日前にお店から確認のお電話があり、いよいよ本当にクイントカントに行ける実感が高まってきました。ネット経由の予約は少し不安でしたが、こうやって確認の電話をいただけると、直接話せて安心できます。

当日は雨のため、予約の時間に少し早いのですが、たまらずクイントカントさんに駆け込んでしまいました。白を基調にまとめられた店内は、テーブル席のみ10組分ほど。テーブル上のナプキンやお品書きを取ると、下には花束が描かれた木皿。この上に料理の皿がのるのでしょうか。そしてお品書きには、2019年3月のランチのメニューと、シェフ岸本氏の名前も。お品書きや飲み物の説明をして下さったお店の方が、自分が先日富山旅行した思い出を話され、私も何でも話したくなる雰囲気を作っていただけました。ラポール作りはまず自己開示。素敵な接客です。

お料理が始まる前に岸本シェフのご挨拶がありました。全部のテーブルの始まりと終わりに必ず出てこられているようです。こうやって作っている方とお話しすると、また料理にまで親近感がわいてきます。

最初は竹炭のビニエ。こちらのお店の定番の竹炭を使った皮にフォアグラとレモンを包んである。岩のようなゴロゴロした竹炭パンは撮影用で、本体は握り拳半分ほどの黒い塊。これを手で摘まんで食べるということです。何でも聞ける雰囲気に、私はこの料理もその後の全部の料理も、どのカトラリーを使って食べたらいいのかを全部質問して確認してから食べることにしました。

二皿目はサラダ。鰆のセミクルード、アスパラとタンポポのサラダです。旬のアスパラも薄切りで添えられてます。ここでソムリエのお姉さんにワインはいかがでしょうか、と聞かれます。いつもどんなのを飲んでいるかを聞かれ、それに合わせたものを2つチョイスして提案して下さいました。私が選んだのはプーリア地方のロゼワイン。これがまた料理とぴったり合う。
三皿目はセロリのクレマ。泡になったセロリとオレンジ、そして生ハムが青筋の入った硝子の器に盛られてきます。セロリは温かくオレンジは冷え冷えというコントラストに驚きながら一番上で目立ってるハムをクレマに混ぜて口に運ぶとこれが驚きのしょっぱさ。そしてこの強めの塩味がこの一皿をぴりっと引き締める。お皿を下げられた若い男性の店員さんに思わずこの感想を訴えると、真にその塩味で引き締めるのがシェフの狙ったところだと教えていただきました。

四皿目、トルテッローニは帽子の形のラビオリ。甲殻類のソースをかけられ、中にはカニが詰まってます。カニが主張してます。旨味が凝縮されたソースが残った黒い陶板のお皿を、添えられた白いパンでかき取って最後まで食べつくします。ここらで1杯目のワインは飲み尽くし、ソムリエの方に、メインの料理に合わせて提案されているカラブリア地方の赤ワインにしたいけれど、どうだろうかと尋ねると、丁度彼女もそれを私に聞こうとしていたところだったらしく、いいタイミングで次のワインになりました。

五皿目、ファッツオレット ロマーノ。これだけでは何のことやらまるで分からない私は、最初に質問。ファッツオレットって何?どうやらハンカチのパスタとうこと。これにシェフは花を織り込んで花柄ハンカチをイメージしたパスタに、ローマ風ということでカルボナーラのソースを添えてある。胡椒をきかせたソースとトリュフのソースの二本立て。トリュフのソースを付けてパスタを口に入れると、ポン!と口の中でトリュフの香りがはじけ飛ぶではありませんか。すげーうめーー。思わず他のテーブルでのご挨拶を終えて私の目の前を通り過ぎようとする岸本シェフを呼び止めて「これ美味しいです」と訴える私。

六皿目、メインは仔羊のストゥーファート。ストゥブ料理ですね。すり鉢のような器の底にちんまりある料理は上から見ると豆ばっかり。その下に仔羊。しっかり火が通っているはずなのに、レアのような噛み応え。肉を噛みしめる喜びが溢れてきます。

七皿目はスパゲッティ(90グラム)。和食だと「そろそろお食事で」というタイミング。サルサ ポモドーロという名前通り、超シンプルのトマトソースのみ(バジルも何もかかってないトマトのみ)のスパゲッティは、カンカンのアルデンテ。久しぶりですこんなホンマのアルデンテのパスタ。うれしくて、普通の1食分ある90グラムでもぺろっと食べてしまいました。

ドルチェは、チョコレートのゼッポレにチャイのムースを注入してあるものと、胡椒をきかせたキャラメルソースにイチゴとイチゴシャーベットも添えてあります。ゼッポレって以前小杉のイタリア料理店で前菜に出てきたナポリの揚げパンじゃなかったか。給仕して下さった女性の店員さんに、ゼッポレって以前前菜で食べたんですけど、と質問したら、当たりでした。岸本シェフはそれを、シュークリームの皮のようにしてドルチェで出してこられたのです。驚きやら美味しいやらであっという間に、食事を始めて1時間半が過ぎていました。さすがに次のエスプレッソと、チョコのサラミでおしまい。小指の先ほどのチョコに仕込まれた、じゃりじゃりとしたナッツの歯触りも心地よく、砂糖を3杯入れた甘く苦いエスプレッソで流し込みます。
 
最後に再び岸本シェフがご挨拶に来られました。良かったら、今日のお料理の、良かったものと良くなかったものを教えていただけますか?と問われます。研究熱心な岸本シェフは既存のイタリア料理を解体再構築してオリジナルな料理を創り出しているのがゼッポレでもよく分かります。ほろ酔いでいい気分の私は、五皿目のファッツオレットロマーノについてもう一度ほめ、クイントカントそしてサローネ2007を発見して予約に至ったいきさつをシェフに語ると、「実はお店で呼び止められて話しかけられたことはあまりないもので、少し驚きましたよ」と五皿目の後の私の声かけについて苦笑され、それでものすごく打ち解けた感じになって、帰りにはお店の玄関でシェフとツーショット写真まで撮らせていただいてしまいました。

本当に全てのお店のスタッフがフレンドリーに話しかけて下さり、とてもリラックスした気持ちで食事を楽しむことが出来ました。全てを食べ終わっていただける、イラスト付きの本日のお料理のおさらいも大事に取っておきたいと思います。あ、それから近いうち絶対妻も連れて食べに行きます。ごちそうさまでした。

2019/03/13 更新

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