キドカラーさんが投稿したヴィラ・デラ・パーチェ(石川/徳田)の口コミ詳細

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キドカラー (60代前半・男性・富山県) 認証済

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移転ヴィラ・デラ・パーチェ徳田/イタリアン

1

  • 昼の点数:4.1

    • ¥4,000~¥4,999 / 1人
      • 料理・味 4.2
      • |サービス 4.0
      • |雰囲気 4.0
      • |CP 4.1
      • |酒・ドリンク 4.0
1回目

2019/12 訪問

  • 昼の点数:4.1

    • [ 料理・味4.2
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気4.0
    • | CP4.1
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥4,000~¥4,999
    / 1人

能登の食材と若いシェフの創意

食べログフォロワー100人記念、として妻が予約してくれた、七尾のヴィラ・デラ・パーチェさんを訪問しました。フォロワーになってくださった方々、ありがとうございます。

小さな、でもハイサイドライトから気持ちの良い光が入る店内は、ソファの4人がけテーブルが2つ、2人がけのテーブルが手前に2つ。我々はその2人がけの一つに案内されます。

席にはすでに黒いプレートに飲み物のメニューがセットされてました。運転なので、私はカベルネ種ロゼ・グレープ・ジュース、妻はみつばちの詩工房の加賀柚子蜜ソーダ(700円)を注文します。はちみつ由来の甘さと柚子の爽やかさをソーダが引き立ててくれてます。私のぶどうジュースは、品物が変わったということを説明されて、私の方は紫波町のグレープジュース(700円)となりました。

さて、前菜は、河原にある鏡餅のような石に乗せられてきます。アオリイカと背脂の生ハム「ラルド」をおぼろ昆布でくるくるっと巻き込んだ前菜と、同じくアオリイカのゲソとエンペラのマリネがイカスミのポテトサラダに乗っています。ラルドの塩味がイカの淡白な甘味を引き出し、さらに昆布の旨味が重なって、美味しい一品です。ポテトサラダも、しっとりとしてます。

続いてメニューでは「畑」と表記されていたサラダ。いろいろな調理法の野菜をこんもりと盛り付け、カカオと赤ワインをベースにした土のパウダーをふりかけられたサラダです。見た目にとても美しく箸を付けるのも崩すのも躊躇われるような気がします。土を野菜にまぶしながら、食べる感じです。確かにフレッシュなグリーンリーフやナスタチュームの花、酢漬けの蕪、そして茹でてあるエンドウに、ビーツ、カポナータのトマトなど、この一皿で野菜に対する様々な調理法が盛り込まれてます。トロットロになったカポナータが良い味です。

ここでパンがサーブされます。パンは、近くの月とピエロのパン研究小屋さんのバゲットと全粒粉のコンプレ。これがまたしっとりとして生地の木目も細かくて美味しいパンです。当然私は、おかわりをいただきました。

続いてメニューでは「香箱蟹」となっていました、パスタです。もちろん香箱蟹のスパゲティなのですが、少し太めのスパゲティー二で、しかも蟹の身だけでなく内子も外子も全部使ったソースです。蟹の腹を開けると出てくる内側の身と外側についてくる身を全部使った味って、、。想像がつきにくい組み合わせでしたが、一口食べてびっくりです。蟹の旨味200%詰まったソースであり、麺も太麺なのにアルデンテで、蟹ソースの旨味に負けていません。分量は控えめでしたがガッチリとした食べ応えのある一皿でした。

そろそろグレープジュースも後半に差し掛かった頃、メインのサワラです。魚料理に合わせてフォークも銀製品にチェンジしていかれました。

厚さ2センチもある、分厚い肉厚のサワラは藁焼き。その隣には、これまた肉厚の大きな椎茸。オリーブ油で5時間煮込んだ上で焼いた、とのこと。付け合わせの金柑も一度煮てから焼いてあり、そして素揚げの若いほうれん草は、わざと根っこまでつけてある。「根っこが甘いので味わってみてください」とのこと。葉物野菜の根をわざわざ残すなんて初めてです。ソースはキノコソースと里芋のペーストでした。

まず椎茸を食べにかかった私、これまた美味しさにびっくり。アワビのステーキに匹敵する肉厚の食感とジューシーさ。そしてキノコソースの塩味の絶妙さ。促されて食べた妻が、おいしさの塊とのたまう大満足の椎茸です。サワラにはきちんと塩を振って焼いてありそれだけでも美味しくいただけるのですが、もちろん分厚いサワラに里芋のねっとりとしたペーストやキノコソースを絡めて食べるのも美味しい。そして香りと甘味だけが残った金柑と、根っこから葉先まで丸ごと食べるほうれん草もソースと一緒に食べることでさらに野菜のうまさが感じられました。

デザートは、干し草の香りをつけたパンナコッタと米飴を使ったタルトタタンをイメージした煮林檎。干し草の香りってどんな香り??と思って食べてみると、ハーブの香りでした。そして超薄切りドライリンゴの下にはタルトタタン。このリンゴとパンナコッタを重ねて、周りのキャラメルソースと絡めて食べると、またこれが一層美味しいマリアージュになる。しばし手を止めて、この食事が終わるのを引き伸ばしてました。

最後にコーヒーと、妻はほうじ茶。そして盆栽のような器が出てきます。お米で土を表現し、乾燥スパゲティの先に、一口大のお茶請けのケーキがさしてある。ビーツのメレンゲ、金柑のパウンドケーキ、ナツメとくるみとそば粉のクッキーの3種も。クッキーはほろっと崩れ、滋養がつきそうな健康的な味でした。

これだけ食べて、1時間30分。予約したランチは3800円のコースでしたから、ディナーのコースだったらたっぷり3時間になると思います。いや、3時間ここで食べ続けたい、そう思える記念の昼食になりました。3800円に飲み物700円を加え、消費税を加えても9900円と、2人でこれだけ満足して1万円を切るお会計になりました。
見たことない味わったことのない料理を能登の食材でイタリアンの技法で切り開くシェフのお料理にに感激し、あまりの嬉しさに、最後ご挨拶に厨房から出てこられた平田シェフにお願いして私と2人で写真を撮っていただきました。快く受けていただきありがとうございました。ご馳走様でした。

2019/12/12 更新

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