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1位
20回
2023/07訪問 2023/08/21
夏の鈴江さん。上質な食材をこだわりの器とともに楽しめます。
雲丹と蓴菜
お造り(鬼鯵、鯛、鮪)
椀物(ぐじと素麺)
焼物(早松、鱧)
炊合せ(鮑と賀茂茄子)
鯛と衣かつぎのご飯
桃大福
この日は雲丹の下に蓴菜を忍ばせた鈴江さん定番のスターターから。当店で供される雲丹の甘さには毎回驚かされます。
お造りでは鬼鯵(岩屋)が最も好印象でした。鬼鯵の濃いうま味と酢橘の酸味が相まって非常に美味しかったです。鯛(淡路)もこの時期のものとは思えないほどの味わいでした。その一方で、鮪(和歌山)はイマイチ。
お椀のグジにゅう麺は、グジのうま味と香ばしさが強く印象に残るもの。昆布出汁に溶け出したグジのうま味と素麺が良く絡みます。
早松(世羅)はジューシーで香りも素晴らしかったです。この質の早松が安定的に仕入れられるというのはちょっとした衝撃。
炊いた鮑(徳島)は芳醇そのもの。賀茂茄子も鮑のうま味と絡んで一つも二つも上の味わいに。桃大福も甘くジューシーで非常に美味しかったです。
鈴江さんの料理は、素材の良さ・素材の味わいをストレートに引き出すことに主眼が置かれています。一見、手が混んでいないように見える料理も多いですが、必要な手間は惜しんでいません。唯一の難点は、超高額なお会計です。
秋の鈴江さん。選りすぐりの食材と器が楽しめます。
子持ち鮎煮
お造り 鯛(淡路)、雲丹(宇和島)、鯖(淡路)、大トロ(塩釜)
カマスと豆腐の椀
焼き松茸(珠洲)
ぐじのカマ焼き
フカヒレの焚物
イクラ・鮭児のご飯
バニラアイス
落ち鮎煮は焙じ茶だけで炊いたもの。甘露煮の引き算といったところでしょうか。滋味深い味わいです。
お造りはどれも上質。鯛と鯖が特に印象に残りました。鯖の脂は実にキレイで、このレベルのものは久しぶりにいただいた気がします。
椀のカマスも大変上質。出汁は昆布とカマスの骨で。鰹を使わない鈴江さんらしい椀物でした。
焼き松茸はホイルで蒸して、汗をかき始めたところで供されます。香り良くジューシー。全てがメイン級の鈴江さんでも、松茸だけは少し特別なような気がします。
日本酒を少しいただいてお会計は10万円ほど。食材の良さをストレートに引き出している料理です。シンプルに感じる料理が多いですが、必要な手間は惜しんでないことが伝わってきます。
夏の食材を求めて鈴江さんに。最高の食材が貴重な器とともに楽しめるお店です。
先付(雲丹と蓴菜)
お造り(鬼鯵、鯛)
椀物(鱧・松茸)
焼物(松茸、太刀魚)
炊合せ(ぐじ、賀茂茄子)
寿司(ぐじ、車海老、鮪)
桃の大福
雲丹と蓴菜はこの時期定番のスターター。一品目から唸らされます。お造りの鬼鯵も上質な脂が乗っており美味しかったです。白ワインを注文してしまったことが悔やまれます。鯛もこの時期でも上質。
楽しみにしていた松茸は広島産。お椀と焼きでいただきました。鱧松椀は鱧(淡路)の濃厚なうま味・甘味が印象的。出汁からも鱧の味わいを強すぎる位に感じたのですが、松茸の香り・味わいと良く合います。やはり鱧と松茸は出会いものなのだなと。出汁は両者を繋ぐ仲人さんといったところ。
焼き松茸も香り良くジューシー。炭火で丁寧に焼きホイルで蒸らして仕上げられます。太刀魚(淡路)も脂の乗りが素晴らしく、非常に美味しかったです。もちろん焼き加減もGood。
炊合せは塩味をしっかりと感じますが、食材の味を覆うような味付けではありません。グジのうま味や甘味そのものがしっかりと感じられます。
G白×2に抑えたものの、12万超という痺れるような請求額。この調子で値上げが続くと訪問できなくなる日も近いかなと。
初冬の鈴江さん。素晴らしい食材が集められていました。
コッペ
お造り(鯛、雲丹、赤貝)
椀(カマス、蕪、木の芽)
焼物(グジ)
焼物(河豚の白子)
炊合せ(鮑、海老芋)
寿司(戸井の鮪、赤貝と菜の花、グジ)
自家製バニラアイス
コッペも鈴江さんでいただくものはちょっと違う感じがするから不思議です。お造りはどれも間違いのないもの。鯛、赤貝は特に好印象でした。
どれも素晴らしい食材でしたが、最も印象に残ったのがグジ。まずは、パリッとふんわりと丁寧に焼いて供されました。シンプルな調理ですが、火入れも素晴らしく非常に美味しかったです。寿司のグジはねっとりしており、食感・うま味も強かったです。
使われている器も相変わらず素晴らしく、鈴江さんに色々伺いながらいただくと料理がより美味しくなります。
10月の鈴江さん。一番好きな季節です。
黄金蟹(香住)
お造り(鯛、雲丹、鮪)
椀(鯖、豆腐、木の芽)
焼物(松茸、鱧)
炊いたフカヒレ
鮭・いくらご飯
代白柿
一皿目からいきなりメイン級の食材である黄金蟹の登場。鈴江さんらしく惜しみなく盛られていました。お造りは福良の鯛、大間の鮪、天草の雲丹。特に鯛が秀逸でした。
椀種は岩屋の鯖。刺身でも食べられる鯖を炙って椀種に。焦げついておらず、適度に脂が落ち、香ばしさも丁度良い塩梅でした。昆布出汁が鯖に寄り添い、木の芽が椀の香りや味わいを引き締めてくれます。
焼物は松茸と鱧。この日の松茸は綾部のもの。適度に蒸らして、香り良くジューシーな仕上がり。非常に美味しかったです。肉厚の鱧も素晴らしかったです。
炊いたフカヒレの後、〆は鮭・いくらご飯。鮭は鮭児を味噌漬けにしたものでした。釜にへばり付いて余ったものは潰れないように包んでくださったのでお土産?に。帰宅後にいただいたのですが、自らの盛付には反省点が多々あり(苦笑)。
冷酒を少々いただいて、この日のお会計は10万超。お会計以外は天国だと思います。
秋の鈴江さん。久しぶりの訪問となってしまいました。
落ち鮎煮
お造り(鯛、雲丹、鬼鯵)
お造り(ゴンドウクジラ)
椀(松茸・鯛)
焼物(カマス、松茸)
鱧とトマトの揚げ出し
寿司(鰯、鮪、車海老)
ルビーロマンの大福
この時期定番の落ち鮎煮でスタート。滋味深い味わいで非常に美味しかったです。
椀の出汁は昆布と鯛の骨だったでしょうか。出汁は悪くありませんしたが、鯛がパサパサになってしまっていたのが気になりました。
カマスはキレイな脂の乗り方でしたし、松茸(和歌山産だったと思います)も香り良く美味しかったです。肉厚で脂の乗った鱧はトマトと一緒に。トマトの酸味と鱧の調和が素晴らしく、非常に美味しかったです。
〆の寿司は鰯(瀬戸内)、鮪(戸井)、車海老(瀬戸内)の三種。和食屋のものと割り切れなければ、不満を感じるところもあるでしょう。
水物の大福は立派なルビーロマンを包んだもの。甘いジュースが口の中に溢れます。しかも今年は一人二個。幸せです。
この時期の鈴江さんにしては、満足度はもう一つだったかなと。もちろん美味しいのですが、この価格帯なら全てにおいて完璧を期待したいというのも本音ではあります。
冬の鈴江さん。良いものをドーンと供してくれます。
コッペ
お造り(鯛、雲丹、赤貝)
フカヒレの姿煮
焼きモロコ
炊合せ(のとぐろ・海老芋)
鮨(鮪、赤貝と菜の花)
自家製バニラアイスとラフランス
内子・外子たっぷりのコッペからスタート。お造りはどれも美味しかったですが、赤貝が特に好印象でした。フカヒレの姿煮は生のフカヒレを使ったもの。出汁は昆布とアコヤ貝で。貝柱由来のうま味・甘味がフカヒレの味わいを引き上げてくれます。
モロコもこの時期にしては上質。最近見かける活きモロコと違って美味しかったです。強めの焼き加減は阪川さんと似ています。炊合せはやや濃い目の味付けも、素材の味を覆うようなものではありません。ノドグロのうま味・甘味が大変印象に残るものでした。水物にもこだわる鈴江さん。ラフランスまで非常に希少なものが使われていました。
シャンパーニュのハーフボトル一本で、お会計は7万円台前半。値段は高いですが、評判だけで中身のない高額店に二回行くよりは遥かに得るものがあるように思います。
丹波の松茸を目指して鈴江さんに。味もお会計も衝撃でした。
落ち鮎煮(上桂)
お造り(鯛・雲丹・赤貝)
椀(甘鯛と豆腐)
焼物(松茸・鱧)
黄金蟹(香住)
寿司(戸井の鮪・淡路の鯖)
バニラアイス
この時期定番の落ち鮎煮は滋味深い味わい。鯛は食感・甘味ともに素晴らしいものでした。赤貝も磯の香りがgood。
椀は甘鯛のうま味が濃厚。酢橘の酸味と香りが味を引き締めてくれます。昆布出汁は甘鯛の邪魔をしません。美味しかったですが、完成度としては以前いただいた時の方が上だとは感じました。
松茸は香りが素晴らしく、食感もシャキシャキ。今期一のクオリティで、他店とはワンランク違うものでした。しかしながら、こちらも過去に当店でいただいた丹波産と比べると劣るというのも本音かなと。鱧は皮だけ焼いて身は生の残る状態で。これも非常に美味しかったです。
黄金蟹の後、この日の〆は寿司。こちらの寿司は和食屋の盛り付ける寿司。握り鮨と比べるのは筋違いなのでしょうが、やはり他のご飯ものの方が嬉しいかなと。デザートは鈴江さん自家製のバニラアイス。
冷酒二合で10万超。某割烹料理屋の店主が10万取れるなら(丹波の松茸も)出せるという趣旨のことを言っていただけに別に吹っ掛けているわけでもないのでしょう。
5、6年前に5万円台だったのが、3年前には7万円台、そしてついに10万円台に乗ってしまいました。松茸の質・量は以前の方が良かったように思いますが、価格は右肩上がり。好きな食材だけに価格高騰が悲しいです。もう少し私の給料の上昇に合わせてもらわないと困るのですが(´・ω・`)
夏の鈴江さん。鮎や早松はありませんでしたが、相変わらず素晴らしい食材の数々でした。
雲丹と蓴菜
お造り(鬼鯵、鯛)
甘鯛のにゅうめん
焼物(とり貝、鱧)
鮑と茄子の炊合せ
寿司(鮪、鱧)
桃の大福
淡路の雲丹、鬼鯵、鱧、鮑、宮津のとり貝、浜坂の甘鯛とどれも一級品でした。椀の昆布出汁は甘鯛の味わいを引き立ててくれます。素麺も甘鯛のうま味を纏っていました。とり貝は甘く、鮑も芳醇。鱧は当店のものが今夏一番良かったのではないかなと。
冷酒二合で7万円台前半。割高感は否めませんが、予約はそれほど大変ではありませんし、ゆっくり寛ぐこともできます。好きな食材が揃うシーズンに訪問するととても満足度が高いお店です。
冬~早春の鈴江さん。蟹、河豚、筍などをいただきました。
津居山蟹
河豚の白子和え
ぐじと筍の揚出し
穴子の焼物
鮑と丸大根の炊合せ
寿司(鯛・赤貝・鮪・穴子)
苺大福
蟹は甘味があってgood。河豚の白子和えは、ブツや鉄皮に白子を裏漉ししたものを掛けた当店の定番料理。サイズの大きい河豚をブツで出すのが当店のこだわりで、この日は南淡路産の4.7kgの河豚が供されました。筍は食感・香りともに良好で、甘鯛も美味しかったです。炊合せの鮑も芳醇で、丸大根のほっこりする味わいと好相性。寿司は、いわゆる握り鮨と比べると?という気はします。デザートの苺大福も非常に美味。
シャンパーニュのハーフボトルとG白x1で7万円台半ば。立地を考えると高いとは思いますが、食材のレベルはどれも上に分類されるものばかり。極端な予約困難店ではなく、使い勝手がある程度担保されているのは有難いところです。
秋の鈴江さん。主役級の食材ばかりが豪快なポーションで供されますが、キャビアやトリュフを使った品のないものは供されません。
落ち鮎煮
お造り(鯛・雲丹)
甘鯛の椀
焼き太刀魚(淡路)・焼き松茸(広島)
鱧と松茸の揚げ出し
いくらご飯
桃の大福
この時期定番の落ち鮎煮でスタート。滋味深い味わいでした。お造りの鯛は、食感・うま味とどちらも良好。雲丹もうま味・甘味と非常に素晴らしく、雑味を全く感じませんでした。
椀物もまずまず。椀種である甘鯛の味わいを昆布出汁が引き立て、酢橘の香りが全体の印象を引き締めてくれていました。松茸は不作の年でもさすがのクオリティだといえるでしょう。鱧のアラで出汁をとった揚げ出しも非常に美味しかったです。いくらご飯にも満足。当店の〆は寿司よりご飯の方が良いように思います。
お酒を少量に抑えても、お会計は7万円程度。食材の質は松川等よりも上だと思いますし、たまの贅沢と考えればアリだと思います。
晩春の鈴江さんを訪問。2月に改装されたそうで、内装が新しくなっていました。
稚鮎(和歌山)の唐揚げ
お造り(鯛・雲丹)
鮑と里芋の炊合せ
焼物(とり貝・丸穴子)
炊合せ(筍、鯛の御頭、花山椒)
寿司(とり貝、穴子、菜の花と赤貝、鮪)
わらび餅
いつも通り豪快なポーションでの直球勝負。花山椒や秘密のとり貝といったこの時期ならではの食材も供されました。印象に残ったものは鯛と穴子。とり貝も美味しかったですが、昨年ほどではなかったかなと。ちなみに、当店の蕨餅は和菓子屋のものを凌ぐクオリティだと思います。
食材的に端境期ということもあってか、感動はやや少な目ではありましたが、同時期の他店より良い食材を使っていると感じるものは多かったです。シャンパーニュのハーフボトルとG白×1で70000円程度。CPは良くありませんが、味・サービスには満足しています。
正月明けの鈴江さん
唐墨大根
お造り(河豚の白子和え)
河豚白子焼き
椀(甘鯛・若筍)
焼き河豚
炊合せ(蛤・丸大根)
寿司(赤貝のひもと菜の花、赤貝、トロ×2)
水物(メロン)
この時期だけだという唐墨と大根。唐墨はうま味が凝縮されており、大根との食感のコントラストがはっきりとしていました。この日の河豚は南淡路産5.2㎏のものだそう。お造りや焼物でいただきました。当店の河豚のお造りは、厚めに引いたブツ、みかわ、とうとうみに裏漉しした白子を掛けたもの。これをかき混ぜて、千切った浅葱とポン酢でいただきます。
椀は甘鯛(浜坂)と若筍(山城)。昆布出汁が甘鯛の味わいを引き立ててくれます。筍も甘くて美味。炊合せの蛤(徳島)も立派なサイズ。やや熱を入れすぎではないかとも感じましたが、うま味は強烈でした。水物のメロン(網野)まで妥協なしです。
使用する食材全てにこだわっており、ポーションも豪快。鈴江さんならではの料理でしょう。シャンパーニュのハーフをいただいて、お会計は6万円台後半。高いですが、他所にはない魅力を持っているお店だと思います。
春の鈴江さん。
小鉢二種
1. タラの芽・空豆・アスパラ等
2. 車海老・蛍烏賊・細魚等
お造り(鯛と雲丹)
椀物(アイナメと豆腐)
焼物(穴子・鳥貝)
焼物(河豚の白子)
炊合せ(甘鯛と筍)
ご飯(筍・鯛)
苺大福
お造りの鯛が非常に美味しかったです。椀の吸い地も昆布出汁とアイナメが喧嘩するというようなことはありませんでした。春でしたが、鳥貝のうま味・甘味にも驚かされました。豪快なポーションにシンプルな調理ですから、食材の善し悪しが良く分かります。
冬の鈴江さん。鈴江さんらしく冬の食材が豪快に供されました。
せこ蟹
お造り(河豚)
椀物(伊勢海老と若筍)
焼物(河豚の白子)
焼物(もろこ)
炊合せ(のどぐろと海老芋)
寿司(赤貝、鯛、大間鮪)
バニラアイス
せこ蟹は外子・内子がたっぷり。お造りは厚めのてっさやてっぴ等に白子を濾して掛けたもの。掻き混ぜてポン酢でいただきます。この時期の定番です。若筍の甘さであったり、ノドグロのうま味・甘味も印象に残るものでした。
秋の食材を求めて鈴江さんに。
落ち鮎煮
お造り(鯛、雲丹)
鱧・松茸の揚げ出し
焼き物(松茸、太刀魚)
黄金蟹(香住)
いくらご飯
ルビーロマン
この時期定番のほうじ茶で炊いた落ち鮎煮でスタート。甘露煮の引き算に当たる料理なのでしょうか。木の芽も良いアクセントです。
厚めに引かれた紅葉鯛は食感とうま味のバランスが良好。丹波の松茸は香り良く、肉厚の太刀魚も大変美味でした。〆のいくらご飯もたっぷりのいくらがのせられていました。皮が柔らかく、味付けもgood。
テタンジェのハーフを飲んで8万円弱。松茸の価格高騰の影響でお会計は高くなってしまいましたが、さすがに美味しいなと。最高質の食材を豪快に供してくれるので、秋の味覚を存分に味わえました。
夏の鈴江さん。非常に印象に残る夜になりました。
赤雲丹と蓴菜
あこう(岩屋)のお造り
椀(ぐじ、素麺)
焼き鱧(福良)
焼き早松(広島)
焼き鳥貝(愛媛)
炊合せ(黒鮑と賀茂茄子の揚出し)
鮎ご飯(上桂)
桃大福(岡山)
蓴菜までハイレベルな先付でスタート。あこうのお造りは食感とうま味が素晴らしかったです。
椀物は甘鯛と素麺。出汁は昆布と甘鯛の頭でとったものだそう。香ばしいぐじ(浜坂)に柑橘の香りが加わり大変美味。素麺は小豆島の三年寝かせたものを使用しているんだとか。
早松も薫りが実に素晴らしかったです。焼いている最中に漂ってきた香りにうっとりしてしまうほど。トリ貝も噛むほどに甘く、非常に美味しかったです。
炊合せの鮑も素晴らしかったですし、油に潜らせた賀茂茄子も甘味が際立っていました。〆のご飯にも鮎が贅沢に使われており大満足。
ちょっと高価なワインに手を出してしまったからか、お会計は7万円台後半。高すぎですが、鈴江さんならではの料理を堪能できました。
春の食材を目指して鈴江さんに。
先付1(アスパラ、こごみ、タラの芽)
先付2(車海老、蛍烏賊、細魚、ハリイカ)
お造り(桜鯛、雲丹)
椀(のどぐろ)
炙り穴子(淡路)
炊合せ(鯨の鹿の子、筍、浜防風)
筍・鯛ご飯
苺大福
桜鯛、雲丹、穴子、鯨の鹿の子が印象的でした。
ノドグロの椀は二度目の訪問時にいただいた時の方が好印象かなと。ノドグロを炙って昆布出汁と合わせているのだと思いますが、吸い地から焦げ臭さを感じてしまいました。
穴子はレアな部分も残るように絶妙な加減で炙って供されます。対馬や韓国で揚がるトロ穴子とは違い、無駄な脂が乗って(ブヨブヨして)いません。癖がなく、上品で味が濃いものです。
鯨の鹿の子はブツブツしておりグロテスクですが、噛むごとにうま味が広がります。塩味がしっかりしていますが、鯨のうま味も負けていません。この食材はクセが強いと思うのですが、灰汁や臭みは全く感じません。素材偏重と判断されがちですが、こういった引き算の技量はさすがでしょう。
冷酒二合で5万円台前半。決して安いとは思いませんが、最高レベルの食材が豪快なポーションで供されます。コース全体を通しての濃淡はしっかり目ですが、嫌らしい味付けということはありません。
冬から春に季節が移りゆく中、鈴江さんにお邪魔しました。
丹波牛と頭芋(ゴマのペーストで)
河豚のお造り
椀(伊勢海老と筍)
河豚白子の焼物
河豚の焼物
蟹身と蟹味噌(香住)
寿司(鮪・赤貝)
わらび餅
この日の河豚は淡路産5kgのもの。お造りは厚めの身や皮に裏漉しした白子を和えた当店の定番メニュー。これ以外にも、白子や頭部等を焼物でいただきました。唇はゼラチンたっぷりで珍味といった感じ。
椀の吸い地は昆布に根ざしたもの。早掘りの筍(山城)は甘味に富んだ素晴らしいものでした。香住の蟹もうま味・甘味が大変印象的。店主によると、この時期が一番美味しいんだとか。
〆の寿司は400年前の明の大皿に盛り付けられて。鮪(勝浦)はカマ下と赤身を。赤貝は菜の花と一緒に押寿司で。正直なところ、味に関してはあまり感心するものではなく、ご飯ものの方が好みではあります。
自家製の蕨餅はプルプルで弾力のあるもの。宝泉を超える味わいでした。
高級食材中心の構成でも、嫌味のない味に仕上げるのはさすがだと思います。出汁や味付けに関しては、こちらより上だと感じるお店もありますが、食材の質では私の知る限り最高峰ではないかなと。筍、蟹、河豚は直近でいただいた中では頭一つ抜けていました。
一時に比べ予約は取りやすくなりましたが、サロン化が進行しているようです。店主の人柄に甘えすぎた、お世辞にも気持ちが良いとは言えない常連客がいるのは少々残念。他のお客さんに供されていた料理を見ていると、前回訪問時との重複をなるべく避けてくださっていたのかもしれません。冷酒をチビチビ飲んだにも関わらず、お会計は7万円超(汗)。好きな食材が集まる時期を狙って再訪したいと思います。
晩秋の鈴江さん
先付け(セコ蟹)
お造り(鯛と雲丹)
フカヒレの姿煮
もろこの焼物
松茸(丹波産)の焼物
炊合せ(鯛のお頭と丸大根)
鮨(赤貝、ノドグロ、戸井産鮪二種)
水物(柿)
他店ではメイン的な位置付けの蟹が先付で供されました。外子、内子、味噌とたっぷり。鯛は松川等で供されるものより上でしょう。松茸等はこの時期に食べたいとは思いませんが、何だかんだ言っても美味しいのはさすが。ただし、鮨にはどうしても?が付いてしまいます。
素材の質は最上と言えるのではないでしょうか。直前に訪問した高評価&高額店(コース価格2万円)と蟹、鯛、雲丹、フカヒレ、ノドグロと、使用食材がかなり被っていましたが、質・量ともに鈴江さんの方が数段上でした。素材の質はもちろん、その力強さを引き立てる味付けもさすが。炊合せは品の無い鰹のインパクトを感じない上品な仕上がりでした。
非常に美味しかったですが、これまでの訪問と比べると、もう一つ高揚感が得られなかったというのも本音です。冷酒を二合飲んで、6万円強。さすがに高すぎるかなと。
2016年11月
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晩夏の鈴江さん。どんな食材が待っているのか、ワクワクしながら訪問しました。
鮑(肝のソースで)
お造り(鯛と雲丹)
椀(蟹と賀茂茄子)
焼物(太刀魚と鱧)
炊合せ(ノドグロと冬瓜)
鮪の握りと鯖寿司(生と炙りで)
桃の大福
淡路産の鮑は味・香りともに優れたもので、今年食した中で一番のものでした。厚めに引かれた鯛は歯応えがありつつ、うま味も申し分なし。
淡路産の太刀魚は皮目だけを炙り、生の感じを残してありました。今まで食べたことのある太刀魚の中で最高のもので、この日一番印象に残った品です。炊合せはともすれば過大な味付けになってしまいそうな気もしますが、素材が負けていないのはさすが。
大間の鮪はカマシタと赤身の二種類が供されましたが、東京の高額鮨店と比べると一枚落ちるというのが率直な感想。もちろん美味しいには美味しいのですが、個人的には〆はご飯の方が好みかなと。
絶対額は高いですが、これだけ良質な食材をこれだけ豪快なポーションで供してくれるお店はそうないと思います。食後には貴重な乾山のコレクションを見せていただき、面白い話も沢山伺うことが出来ました。次回の訪問が今から楽しみです。
2016年8月
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春の鈴江さんにお邪魔しました。
小鉢二種
1. 山の幸(タラの芽・空豆、筍、アスパラ等)
2. 海の幸(車海老・蛍烏賊・鳥貝・細魚)
鯛、雲丹、赤貝のお造り
アイナメと豆腐の椀
穴子の焼物
河豚の白子の焼物
甘鯛と筍の炊き合わせ
鯛と筍のご飯
苺大福(徳島)
山の幸と海の幸をオリーブオイルと塩で和えたものでスタート。お造りはどれも逸品揃いですが、桜鯛(淡路)が特に印象に残りました。飴色がかった身はむっちりとした弾力とうま味が素晴らしかったです。これまで自分が食べたことのある中で最高のものでした。
椀はアイナメのうま味を最大限に閉じ込めたもの。脂の乗ったアイナメは、濃厚で力強ささえ感じさせるものでした。今回も日月椀が使われていましたが、秋のものとは色合いや質感が異なりました。
穴子(淡路)は皮目だけを炙ったもの。脂は乗っていますが、トロ穴子のようなブヨブヨ感はありません。非常に美味しかったです。筍は山城産とのこと。揚げ出し風の炊き合せとご飯で供されました。ご飯は鯛のアラから出汁が出ており絶品でした。
最高の食材を使用し、その持ち味を最大限活かしている料理です。冷酒二合でお会計は5万円台半ば。お値打感はありませんが、たまの贅沢には良いでしょう。違う季節にも訪れたいと思いました。
2016年4月
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初訪問時にこの店ちょっとやばいかもと衝撃を受けたお店です。昨年の感動が忘れられず、再訪問しました。
子持鮎煮
鯛(淡路)と赤雲丹(淡路)のお造り
ノドグロの椀
焼き太刀魚(淡路)
焼き松茸(丹波)
揚げ出し(松茸と鱧)
鮪(勝浦)と鰈の握り(鮪二貫、鰈は生一貫、昆布〆二貫)
栗羊羹
今回もほうじ茶で煮た子持鮎でスタート。昨年も頂いたのですが、今年の方がより美味しく感じました。
椀も非常に美味しかったです。 脂を適度に落としたノドグロと添えられた酢橘の酸味や香りが好相性。昆布に根差した出汁も到達点に合わせたような印象でした。味もさることながら、日月椀がとにかく美しかったです。
丹波産の松茸は噛むごとに薫るもので、今年頂いたものの中で一番美味しかったです。松茸と鱧の揚げ出しもGood。
鮨自体は日本料理屋のそれですが、鮪は日本料理屋で供されるものとは思えないレベルの高さでした。栗羊羹も絶品で、今まで頂いたどの和菓子よりも美味しかったです。
冷酒を2合に抑えて、お会計は5万円台半ば。食材の質は間違いなく上。まるでディープインパクトみたいなお店です。皿数は少ないですが、相変わらずポーションが大きく、満足度は高かったです。昨年のベストレストラン(京都)で1位を獲得したからなのか、予約が取りづらくなってしまったようです。他の季節ではどんな料理が供されるのか気になりますし、是非再訪問したいと思います。
2015年10月
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ミシュラン二つ星、マイレビュアー様達も高評価の和食店です。東山駅から徒歩五分弱の場所にありますが、他所者には分かりづらい立地です。ちなみに、Googleで店名を検索すると、全く別の場所を指します(2014.11.01)。以前?の店舗を指しているのでしょうか。頂いた名刺によると正しい住所は京都市左京区岡崎神宮道仁王門白川南入となっています(食べログの情報と同じです)。
落ち鮎煮
河豚のお造り白子和え(淡路産)
生のフカヒレの姿煮
鱧の白焼き(淡路産)
焼き松茸(丹波産)
のどぐろと蕪の煮物
鮪の握り4貫(和歌山県勝浦産)
水物に柿を頂きました。
落ち鮎煮は番茶で煮たもので、滋味深い味でした。お茶もそのまま飲み干せます。河豚のお造りは厚めの身と皮に白子が掛かっています。上からポン酢を掛けて、かき混ぜていただきました。味・食感ともに楽しめました。非常に美味しかったです。淡路産の鱧と丹波産の松茸は目の前で炭火で焼いてもらいました。これも絶品でした。のどぐろと蕪の煮物も上品に仕上げられており、やはり素晴らしかったです。
ただ、鮪の握りですが、どうせならご飯物を頂いてみたかったというのが本音です。たしかに美味しかったですが、直前に訪問した鮨屋の鮪の方が美味しかったです。個人的には日本料理屋で食べる必要性をそこまで感じませんでした。鮨屋と比べるのもズレているとは思いますが。
ご主人は物腰の柔らかい方で、一見でも緊張を強いられるようなことはありませんでした。接客はご主人とホールの女性の二人だけで対応していますが、十分行き届いていたと思います。
冷酒を三合頂いて、お会計は6万円弱。最高の食材を使用し、ごまかしのない味とポーションで勝負しています。非常に美味しいですが、非常に高いです。ただ、高級食材を大きなポーションで供しているので、一概に高すぎるとも言えないのでしょう。高級ホテルに泊まるくらいならとは思うものの、そもそも比較対象がズレているような気もします。色々比較に困るお店です。予約が簡単に取れたのはCP的に唯一の救いでした。
2014年10月
2位
29回
2023/12訪問 2024/12/20
冬の末友さん。久しぶりにズワイ蟹(間人蟹)がメインのコースをお願いしました。
先付(コッペ)
八寸(いくら大根、生の唐墨、茶振りナマコ、いかの塩辛、松風、玉子焼き、鯛の手鞠寿司、蕪菜とお揚げ、銀杏、菊菜のお浸し)
蕪蒸し
向付(鰤カマトロ、アオリイカ、鮃、縁側)
蟹しゃぶ
焼き蟹
甲羅焼き
半張り蒸し
紅葉ご飯、赤出汁、香の物
水物(ル・レクチェのコンポート、梅のアイスクリーム、ラム酒のゼリー)
お薄
押し並べて好印象だったのですが、気づいた点をいくつか備忘録も兼ねて。
コッペは今年から提供スタイルが変わりましたが、温かい状態(湯掻きたて?)でというのは以前と変わらず。寒い時期なので温かい先付は嬉しい限り。
いくらは、ここ数年、少し硬いものに出くわすことが多いです。当店のいくらは他店よりも塩気が控えめで、味付け自体は一番気に入っています。それだけに、この食感は非常に残念。
間人蟹は1.2~1.3kg位のもの。コース全体で半杯~半杯強出される感じです。良いズワイ蟹なんですが、お弟子さんの焼き方はまだまだかなと。少し火が入りすぎてしまっているせいか、ジューシーさが損なわれているように感じるところもありました。
この日の半張り蒸しは生姜が乗せられており、いつもより醤油の主張が強めに仕上げられていました。生姜はアリだと思うのですが、個人的には出汁はいつも通りの方が良いように感じました。
秋の末友さん。松茸を目当てに訪問したのですが、昨秋はなかなか涼しくならなかったせいか、まだ松茸があまり出回っていませんでした。
メイン食材の松茸(和歌山)は土瓶蒸し、焼き、鍋物で供されました。時期を考えれば松茸はまずまず上質。
焼き松茸もいいですが、やはり一番は土瓶蒸しかなと。松茸が一本丸々入っており、平杯に汁を注ぐと松茸の良い香りが立ち込め、秋を感じさせてくれます。出汁は松茸と引き立てあう丁度良い塩梅で、非常に美味しかったです。
夏の末友さん。待合では涼しげな氷柱が出迎えてくれます。
先付(賀茂茄子の丸焼き)
八寸(黒もずく酢、鱧の煮凝り、蛸の柔か煮、丸十、枝豆、レンコダイの寿司)
椀物(鼈の雲呑)
向付(あこう、剣先いか、サザエ)
焼物(鮎、岩牡蠣)
鱧しゃぶ
若布ご飯
水物(ラズベリー・さくらんぼ・すいか等とラム酒のゼリー、無花果のアイス)
お薄
じっくり焼いた賀茂茄子からスタート。皮が完全に炭化するほど焼いた賀茂茄子と比べるとトロッとはしていませんが、賀茂茄子の果肉感はより感じられます。八寸は塩味・甘味・酸味が丁度良い塩梅。
お椀は鼈の雲呑。魚介系の椀種の時と比べるとしっかりした出汁でしたが、鼈のうま味と合わさると豊かな吸い地に。鼈のクリアな味わいだけが見事にピックアップされていました。向付のアコウはまずまずも、サザエはパッとしなかったかなと。
焼物は若鮎(安曇川)と岩牡蠣。鮎の塩焼きはこれ以上の焼き方はないのではないかと思ってしまったほど。しっとりと焼かれており、香りはもちろん、鮎のうま味・苦味もしっかり味わえました。岩牡蠣もジューシーで非常に美味しかったです。
鱧しゃぶは昆布出汁に潜らせて。当店のしゃぶしゃぶの出汁は、鱧の骨等を使うお店と比べると極めて淡白で薄味ですが、個人的には雑味のない、より洗練された味わいのように感じています。鱧のうま味を含んだしゃぶしゃぶの出汁は〆の若布ご飯に掛けていただいてもGood。
首を傾げてしまうような料理に出くわすこともありますし、色々な意味で安定感は高くないかもしれません。また、ギリギリの所を狙ったような料理もあるので、濃い味付けが好きな方には分かりにくく、お客さんを少し選ぶような気もします。
先付(筍、白魚、土筆等)
八寸(蕗の薹の天ぷら辛子酢味噌で、赤貝と鯛の手毬寿司、一寸豆、蜆時雨煮、蛸柔か煮、蛍烏賊のテリーヌ)
椀物(アブラメ、木の芽、蕗、タラの芽、人参、大根)
向付(穴子の焼霜)
焼物(筍二種)
お凌ぎ(由良の赤雲丹)
鍋物(筍と花山椒、赤牛と花山椒)
筍ご飯
水物(無花果のアイス、わらび餅)
お薄
先付(蛤、蕪、一寸豆)
八寸(味醂干し、めくわい・黒豆、からし菜の辛子和え、海鼠腸、ナマコ、カラスミ大根)
椀物(あん肝、筍、金ん子)
向付(鮃、ボタン海老)
焼物(赤牛)
お凌ぎ(金柑のシャーベット)
鰤しゃぶ
氷魚ご飯
水物
お薄
冬の末友さん。この日の目当ては河豚。
先付(湯掻き立てのコッペ)
八寸(雲子、いかの塩辛、炙り鯖寿司、いくら、生のカラスミ、塩炒り銀杏等)
グジの蕪蒸し
向付(河豚)
お凌ぎ(百合根)
焼き河豚
焚物(海老芋)
紅葉ご飯、赤出汁、香の物
水物(ル・レクチェ等)
お薄
先付けはコッペ。手間を惜しまず湯がき立てのものを供してくれます。内子、外子、ほぐした身を別々に。手の込んだ八寸は季節感が大事にされています。味付けも過ぎない塩梅。
椀物はグジの蕪蒸し。吸い地は一口目こそやや物足りない位ですが、蕪蒸しを崩しながら食べ進めていくと、昆布主体の出汁に蕪や甘鯛のうま味・塩味・甘味が加わり豊かな吸い地に。最後まで味わいがピークアウトしない素晴らしい椀物でした。
向付と焼物は河豚。当店は潰し立てのものを使用されています。向付は食感、香り、味わいのいずれも素晴らしいものでした。
向付以上に印象に残ったのが焼き河豚。完璧な火入れで、大変ジューシー。自家製の橙も良い塩梅で、河豚の味わいを引き立ててくれます。焼き河豚は他店でもいただく機会がありますが、当店のものが一番美味しいと思います。
紅葉ご飯も美味しく、焚物以外は非常に満足。このレベルの満足度はそうそうないんじゃないかなと。
夏の末友さん。寄付の氷柱が何とも涼し気に映ります。
先付(焼き賀茂茄子)
八寸(玉蜀黍のすり流し、すぐき、鱧の煮凝り、丹波の黒豆、もずく酢、鱧の粽寿司等)
椀物(蓮蒸し真薯)
向付(目板鰈、剣先イカ、サザエ、いさき)
焼物(鮎塩焼き)
蓴菜と黒蜜
鱧しゃぶ
生姜ご飯、赤出汁、香の物
水物
お薄
中がトロトロになった焼き賀茂茄子から。手の込んだ八寸とともに季節を感じさせてくれます。
お椀の出汁は鰹の主張を感じさせないもの。むっちりした蓮蒸し真薯を崩しながらいただいていくと、吸い地と真薯の味わいが増していきます。一口目から美味しすぎない塩梅の賜物でしょう。
美山の鮎はしっかり焼かれていますが、しっとりとした仕上がり。鮎の香りも感じられ美味しかったです。
鱧しゃぶは鱧を淡泊な出汁に潜らせて梅肉醤油と一緒に。美味しいには美味しいのですが、梅肉醤油だけだと飽きるので、他の選択肢もあると良いのではないかなと。
春の末友さん。引き出しの多さは流石。
先付(ホワイトアスパラガスのすり流し)
八寸(鯛の白子・鯛の子、鯛の手毬寿司、蛸の桜煮、蜆時雨煮、一寸豆、南瓜寒天寄せ、蛍烏賊のテリーヌと湯葉チップス、うすい豆等)
椀物(アブラメ、筍、若布、木の芽)
向付(サヨリ、剣先イカ、赤貝)
焼き筍
焼きモロコ
花山椒と和牛のしゃぶしゃぶ
花山椒鍋(どじょう、新ごぼう)
氷魚ご飯、赤出汁、香の物
スイカのシャーベット、ぶんたん、桜餅
お薄
こちらの八寸はいたずらに塩気が強いということがなく、単なる酒の肴とは一線を画しています。鯛の白子と鯛の子は味付けが特に好みでした。
椀物の出汁は昆布主体で、鰹の存在を感じさせません。一口目は淡い塩梅で、椀種を引き立ててくれます。
向付の細魚や剣先いかはイマイチも、焼き筍は非常に美味しかったです。えぐみは一切なし。心地良い食感と凝縮した筍の味わいを堪能できました。
花山椒二種も好印象。特に花山椒と和牛のしゃぶしゃぶは非常に美味しかったです。過去にこちらでも同じ料理をいただいたことがあるのですが、今回のものは全くの別物。
どじょうと新牛蒡の花山椒鍋もほっこりする味わいで良かったです。〆の氷魚ごはんも滑らかな独特の食感と儚い味わいが印象に残るものでした。
冬の末友さん。この日のメインはジビエ。
先付(鶉)
八寸(茶ぶり海鼠、蕪の葉とお揚げ、生の唐墨、トンブリ、銀杏等)
向付(鮃、いか)
椀物(カワハギの蕪蒸し)
焼物(真鴨)
強肴(海老芋の炊いたん)
強肴(唐墨大根)
でんふご飯
水物
お薄
八寸はどれも丁寧に仕上げられたもので、酒肴として丁度良い塩梅の味付け。塩味等は平均的なお店よりも控えめな部類に入るでしょう。
お椀はカワハギの蕪蒸し。肝まで使用しているからか、出汁は当店の平均的なものよりしっかりめとの印象。椀種との調和は素晴らしかったですが、グジの蕪蒸しの方が美味しいのではないかなと。
鴨は半身を丸々。赤ワインを使ったソース or おろしポン酢で。臭みは一切感じず、ソースも美味しかったです。
技術やセンスの高さは流石。客のリクエストに対応できる引き出しを持っています。もう少し暖かくなったら、また伺おうと思います。
晩秋の末友さん。間人蟹をこれでもかという位いただきました。
湯掻きたての内子
湯掻きたての外子
コッペのスープ
コッペのほぐした身(土佐酢のジュレで)
八寸(生の唐墨、烏賊の塩辛、蕪の葉とお揚げ、車海老と酢蓮根・穴子の八幡焼き等)
蟹刺し
椀(クエ・蕪)
向付(鮃、アオリイカ)
焼き蟹
蟹味噌とも和え
甲羅焼き
海老芋の油物
紅葉ご飯
水物(ラ・フランス、ラム酒のゼリー、紫芋の羊羹)
お薄
事前に調理済みなのが一般的なコッペ(間人)を湯掻きたてで供していました。内子も外子も食感・香りと一味違いました。身体が冷えないのも嬉しいところ。コッペのスープも実に濃厚でした。八寸も酒の肴として良い塩梅。
椀物の出汁は昆布主体。鰹節の主張は控えめで、クエや蕪のうま味・甘味に寄り添ってくれます。食べ進めるうちに照準が合ってくるもので、途中でピークアウトしません。
間人蟹(雄)は刺身の後、焼きと蟹味噌をひたすら。蟹はジューシーで甘く、味噌も濃厚。少々飽きてしまうほどで、雄はトータルで半杯を超えたのではないかなと。翌朝、体液から蟹の臭いを感じるほどでした。魚は餌で味や香りが変わると言いますが、人間にも当てはまるのかもしれません。惜しむらくは、蟹が私の好物というわけでもないということでしょうか。
終盤の海老芋、紅葉ご飯にも満足。
シャンパーニュのハーフをいただいて8万円台後半。こちらでの利用額としては過去最高のはずです。間人蟹も随分高くなったものだなと驚きました。
秋の末友さん。日が暮れると冷え込むものの、紅葉はまだ色づく気配を見せていませんでした。予算をある程度お伝えしてお願いしました。
先付(藁で燻した牡蠣)
八寸(炒り銀杏、栗の揚物、黄身の味噌漬け、秋刀魚の鞍馬煮、穴子の八幡巻き、塩辛、いくらおろし等)
土瓶蒸し(松茸・鱧)
向付(甘鯛、伊勢海老、鯖、鰆)
落ち鮎の付焼き
焼き松茸(丹波)
天然鰻の付焼き(琵琶湖)
松茸のフライ(丹波)
半張り蒸し
零余子ごはん、赤出汁、香の物
水物(無花果と蜂蜜ゼリー、栗の菓子)
お薄
先付の牡蠣は燻した香りごと器に閉じ込めて供されました。蓋を開けると香りが広がり、牡蠣の味わいを引き上げてくれます。八寸は相変わらず手の込んだもの。いくらのおろし和え、栗の揚物が特に好印象でした。
メインの松茸は丹波のもの。土瓶蒸し、焼き、フライで堪能しました。土瓶蒸しにはたっぷりの松茸。香りが素晴らしく、幸せな気分になれました。焼きは蒸しをいれずに。香りと食感が際立っていました。
鰻は蒸しを入れて付焼きで。野趣溢れる味わいを残しながらも、あくまで仕上がりは上品に。落ち鮎の火入れも完璧でした。
なんてことはないように見える半張り蒸しも、非常に滋味深いもので落ち着く味わい。〆の零余子ご飯も香りが楽しめるものでした。
久しぶりの末友さん。秋とはいえ、まだ日中には暑さを感じることもあるような時期でした。通常のコースにちょっと追加する形でお願しました。
先付(鼈の春巻きと鼈のスープ)
八寸(カマスの寿司、銀杏、黄身の味噌漬け、穴子の八幡巻き、ピオーネの酢味噌和え等)
向付(目板鰈、剣先いか、赤雲丹)
椀物(鮑と秋ナス)
焼き松茸(和歌山)
岩魚の塩焼き(近江八幡)
鰻の付焼き(琵琶湖)
落ち鮎の付焼き(琵琶湖)
鱧しゃぶ
鮎ご飯
水物(無花果の田楽とキウイのゼリー、栗の菓子)
お薄
鼈のスープは秀逸。春巻きは若干塩味が強めかもしれませんが、許容範囲内といったところでしょうか。八寸はどれも手の込んだもの。季節を感じる立ち上がりでした。向付の目板鰈や赤雲丹(由良)は非常に美味しかったです。
椀の出汁は昆布を軸にしたもの。無駄なインパクトがない分、鮑や茄子といった椀種をより一層引き立ててくれます。一口目から美味しすぎるような椀物とは一線を画しています。
松茸や鰻にも大満足。松茸は食感と香りが良く、非常に美味しかったです。鰻は少し蒸したものを付焼きに。脂も適度に落ちており、鰻の野趣を残しながらも上品な仕上がりになっていました。
鱧しゃぶの出汁はともすれば物足りないと感じてしまいそうですが、ゆっくり味わえば鱧を引き立ててくれるのが分かります。〆の鮎ご飯も美味しかったです。残った分はお握りにしてお土産に。
冬の末友さん。ここまで満足した食事というのも久しぶりのような気がします。
先付(鶉の山椒焼き)
八寸(北海シマエビの沖漬け、雲子、いくらのおろし和え、蕪の葉のお浸し、太刀魚の手鞠寿司、からすみ、揚げ銀杏等)
北寄貝(酢味噌で)
てっさ
椀物(サエズリと水菜のはりはり)
河豚白子焼き
焼き河豚
蕪の炊いたん
紅葉ご飯
水物(無花果のアイスとラフランスにココナッツのソース)
お薄
先付は鶉のモモ肉を山椒焼きにしたもの。味付けが絶妙でした。前回もう一つピンと来なかった北海シマエビもこの日のものはGood。北寄貝も前回を遥かに上回るもので、非常に美味しかったです。酢味噌が合います。
椀物はサエズリと水菜のハリハリ。癖や灰汁を上手に取り除いて、サエズリのうま味・甘味が愉しめるように仕上げられていました。出汁は通常よりもしっかりしたもので、サエズリとの調和が秀逸でした。水菜の食感や柚子胡椒も良いアクセントに。サエズリは炊合せや鍋物というイメージが強いのですが、偶の変化球としてはお椀でもアリだなと。
河豚(豊後)はてっさ、焼き河豚、白子焼きをいただきました。どれも美味しかったですが、焼き河豚が白眉。この日の河豚は人生で食べた中で一番美味しかったのではないかなと。ここの河豚はすごく美味しい時とそうでもない時の差が大きいような気がします。
蕪の炊いたんは振り柚子もされており、やや甘めの味付け。蕪そのものの甘味は覆われておらず、優しくほっこりする味わいでした。
2020年一番の満足度でした。パーソナルな対応の中で作られる料理というのはやはり美味しいものだなと。難点を挙げるとすれば、色々な意味で安定感が足りないことでしょうか。
久しぶりにランチでの訪問。CPの良さを再確認できました。
先付(胡桃和え)
八寸(いくらと大根卸し、銀杏と栗の揚物、鯛の手鞠寿司、秋刀魚、お揚げと蕪の葉のお浸し)
椀物(浅利と蕪)
向付(秋鮭オリーブ油和え)
鯛の御頭山椒焼き
炊合せ(揚げた里芋、辛味大根、河豚節)
ご飯、赤出汁
水物(りんごのラム酒漬けと無花果のアイス)
お薄
八寸は夜と比べて品数・クオリティともにほとんど差がありません。塩味の塩梅が素晴らしいいくら、渋皮ごといただく栗の揚物、お浸し等々、季節感のある手の込んだ美味しいものばかりでした。
お椀の出汁は非常に抑制的。鰹に頼らない椀種に寄り添うものでした。鯛の山椒焼きも非常に美味しかったです。夜のような高級食材こそ供されませんが、調理は手抜きを感じませんでした。
他店が安易に値上げしている中、ここのランチは以前と変わらず5500円(税・サ別)から。使用できる食材の制約は以前より厳しいはずですが、工夫で上手く補っていると思います。冷酒1号で8,000円台半ば。以前より量が減ったとは思いますが、CPは満点評価で差し支えないでしょう。
夏の末友さん。今回は期待を下回ってしまったというのが本音でしょうか。
先付(焼き賀茂茄子)
八寸(青梅の甲州煮、枝豆、いなだ、じゃこ、鱧の浮袋の煮凝り、粽寿司、毛蟹)
椀物(鯛にゅうめん)
向付(アマテガレイと鮪)
鮎の塩焼き
焼きフカヒレ(山椒味噌で)
鱧しゃぶ
鱧の焼霜
茗荷ご飯
水物
お薄
先付の賀茂茄子はトロトロに焼かれており美味。八寸はうま味・塩味ともに良い塩梅。お酒が進むものでしたが、品のある味付けに仕上げられていました。椀物の鯛にゅうめんも途中でピークアウトせず、悪くはなかったかなと。
ただし、焼きフカヒレは個人的には少々疑問符の付くもの。鱧の骨切りにやや甘いところがあったのも残念でした。色々な面で安定せず勿体ないなと。無論、それも含めて店の実力なのだとは思いますが。
前回からあまり間隔が空いていなかったので、通常のコースを少し崩していただきました。そんなわけでこの日は蟹抜きでした。
河豚の先付(胡桃のペーストで)
八寸(雲子、いくら、なまこ、鶉山椒、銀杏)
向付(鮃)
椀物(鮑と蕪)
フカヒレの焼物
近江牛の焼物
海老芋と壬生菜の炊合せ
紅葉ご飯・赤出汁
水物(ラフランスと無花果のアイス)
お薄
ちょっと抜けているところもありますが、こんな感じだったと思います。八寸は一つずつ手の込んだもの。特に鶉の山椒焼きが白眉。椀物は以前にもいただいたことのある鮑と蕪の椀物。一口目から美味しすぎない良い塩梅。吸い地が椀種を引き立ててくれます。
蟹の代わりのフカヒレは非常に立派なサイズ。調理方法はお店推奨の焼物で。フカヒレの焼物というのも美味しかったですが、やはり炊合せあたりにしておけば良かったかなとも。炊合せの海老芋(富田林)も立派なものでしたが、炊き方には疑問も。
ここ最近、雰囲気面で気になるところが多く、夜の価格帯では他人にオススメしにくくなったというのが本音です。久しくランチのコース(5500円)をいただいていませんが、CPは非常に良かったですし、夜よりもオススメです。
晩秋の末友さん。蟹のコースにオプションでさらに蟹を追加してもらいました。
先付(穴子の飯蒸し)
八寸(いくら、生からすみ、烏賊塩辛、銀杏、栗等)
椀(甘鯛と蕪)
向付(河豚)
蟹刺し
焼き蟹
甲羅焼き
こっぺ
マッシュルームの半張り蒸し
伊勢海老のご飯・赤出汁
無花果のアイスクリームと梨
お薄
穴子の飯蒸で空腹を紛らわせ、お酒と八寸を楽しみました。手の込んだ八寸は、塩気も適正の範囲内で品のある味付け。非常に美味しっかったです。椀の吸い地は一口目は物足りないくらいで、甘鯛の味わいを引き立ててくれます。甘鯛の塩味がやや強かったので、個人的にはそれをもう少し和らげる工夫があれば尚良しだったかなと。
河豚の質は褒められるようなものではありませんでしたが、蟹は美味しかったです。間人蟹は刺身、焼き、甲羅焼き等でいただきました。この日はこっぺも。マッシュルームの半張り蒸しはちょっと変わった味わいでしたが、これも悪くはないのかなと。一方、伊勢海老のご飯は微妙でした。
シャンパーニュと冷酒を適量飲んで、一人当たり6万円台半ば。食べた蟹の量を考えれば納得できる値段ではありました。サービスや雰囲気に関しては、再考すべき点が増えているような気がします。
晩春の末友さんにお邪魔しました。
先付け(雌の渡り蟹)
八寸(粽寿司、蛍烏賊のテリーヌ、蛸の桜煮、子持ち昆布、筍姫皮等)
アブラメの椀物
向付(さより、鮪)
赤貝(舞鶴)
若鮎の焼物
穴子の焼物
松阪牛の花山椒鍋
豆ご飯・赤出汁
水物(ババロア、蕨餅)
お薄
八寸の粽寿司、お造りのさより、花山椒鍋、豆ご飯が好印象でした。特に花山椒鍋は以前いただいたものよりも美味しく、満足のいく一品でした。
その一方で、アブラメの椀物は美味しいとは思うものの、3年前にいただいたものには及ばないかなと。若鮎や赤貝に関してはそれほどとも。個人的には、この時期に若鮎を供されても嬉しくないというのが本音です。たしかに食材的には端境期なのでしょうが、だからこそもう一段の工夫を期待したいところです。
お正月明けの末友さん。
先付(若筍と蛤)
八寸(たづくり、唐墨大根、数の子、子持昆布、黒豆、茶振り海鼠、手毬寿司)
椀(蕪蒸し)
蟹刺
焼き蟹
甲羅みそ
向付(フグてっさ、鉄皮等)
フグ白子焼きキャビア載せ
炊合せ(豆腐)
鯛飯(黒ゴマ・生姜)
止椀(粕汁)
水物
お薄
寒い夜に嬉しい温かい先付でスタート。若筍(塚原)と蛤にペースト状のワカメを掛けたものが熱した石の上に乗せられて供されました。見た目や温度はもちろん、料理の香りもより一層楽しめる演出です。筍は甘く、蛤も火入れが絶妙で非常に美味。やはり筍とワカメは出会いものです。蛤にも合います。
八寸も粒揃い。ちょっとネットリした感じを残した唐墨は他店と比べ塩味が抑制的。シャキシャキの大根との食感のコントラストや味わいの調和もgood。一手間掛けた数の子も、身が詰まったような弾力とうま味が感じられました。出汁に浸した子持昆布も悪くないですし、黒豆も甘さが嫌らしくなく好印象でした。
椀の蕪蒸しは、滋味深い逸品。しかしながら、数年前の一杯は今回も越えられず。津居山の蟹も美味しいですが、うま味や甘味は例年のもの(間人)の方が上ではないかなと。
その一方で、河豚は昨年のものより格段に上。非常に美味しかったです。キャビアは蛇足も、白子焼きも美味しかったです。豆腐を使ったシンプルな炊合せや鯛飯も非常に美味しく、止椀の粕汁も黒七味が味を引き締めてくれており、美味しかったです。
ほぼ完璧といえる内容。ここ二、三年の当店への訪問歴の中では一昨年の夏以来の当りかなと。大変素晴らしい内容で、他店も含め今冬一番の内容でした。
晩春の末友さん。印象に残ったものは、良い意味でアブラメの椀物と筍の焼物(追加料金)。悪い意味で若鮎の焼物と花山椒鍋。
椀物は相変わらず秀逸。昆布に根差した出汁は椀種のアブラメに寄り添うもの。余韻を感じる素晴らしい椀物でした。長岡の朝掘りの筍は真っ白。ジューシーで美味しかったです。
その一方で、若鮎(琵琶湖)や花山椒鍋には疑問符が付くかなと。率直に言って、若鮎は低質でこの時期に無理して供するものなのでしょうか?花山椒鍋もちょっとくどい味付けだと感じてしまいました。相変わらず当たり外れが大きいかなと。
桜が咲き始める前の末友さん。筍と鮑のうぐいす餡(先付)、蛤の椀物、焼きもろこ、鯛飯等をいただきました。
まだ寒い時期だったので、温かい先付けでのスタートはありがたいかぎり。当店のうぐいす餡は春らしい色彩と香りで、素材を覆わずにその魅力を引き立ててくれます。椀の吸い地は一口目は物足りない位ですが、椀種の蛤に寄り添うもの。最後までピークアウトせずに余韻を与えてくれます。もろこも質が良く、美味しかったです。
冬の末友さんに。今回は3万円のコースで。
蟹の飯蒸し
八寸(雲子、蟹、いくら、お浸し、イカの塩辛、茶振海鼠、鴨ロース、唐墨、牡蠣の燻製)
蕪蒸し(ぐじ、ユリ根)
向付(かわはぎ、赤貝)
蟹の刺身
堀川牛蒡のすりながし
焼き物(間人蟹)
蟹のスープ
焼き物(本鴨)
炊合せ(鰤しゃぶ)
紅葉ご飯
バナナのアイスと洋梨
お薄
飯蒸しは外子・内子たっぷりの贅沢な一品。八寸も末友さんらしい華やかさと味付け。かわはぎは大きな肝と一緒に醤油で。赤貝は酢味噌で。どれもgood。
蕪蒸しはほっこりする味わい。途中でピークアウトすることがないので、余韻を楽しめます。美味しかったですが、以前いただいたものの方に軍配があがるかなと。
間人蟹は刺身と焼きで。最後に甲羅にスープを入れて楽しみました。本鴨の焼き物はリンゴ酢か塩で。リンゴ酢は悪くありませんが、鴨の美味しさを引き立ててくれるかというと少々疑問も。個人的には塩に飽きた時に変化を付けるくらいの位置付けの方が良いように感じました。
炊合せの鰤しゃぶもまずまず。穏やかな塩味と酸味で纏められていました。〆の炊き込みご飯は明太子を使った紅葉ご飯。非常に美味しかったです。
秋の末友さん。
戻り鰹(酒盗で)と鱧の子
八寸(銀杏、烏賊の塩辛、黄身、いくら、鮨、秋刀魚の山椒煮)
土瓶蒸し(松茸、鱧)
向付(鮪、白身)
琵琶湖産子持ち鮎(生姜醤油で)
丹波栗(ラム酒のソースで)
蓮根餅の炊き合わせ(ズワイ蟹入り)
むかごご飯
デザート
お薄
良い意味で一番印象に残ったのは蓮根餅の炊き合わせ。餡にズワイ蟹が入ったもので、素材を覆わない味付け。非常に美味しかったです。
一方、悪い意味で印象に残ったのは土瓶蒸し。松茸がかなり低質だと感じました。松茸の価格が高騰していたとはいえ、もう少し質にこだわっていただきたかったというのが本音です。
夏の末友さん。お店に入ると氷柱が出迎えてくれます。
先付(ずいきと鮑)
八寸(とうもろこしの揚物、青唐辛子、サツマイモ、煮凝り2種、鯖寿司、枝豆等)
向付(オコゼ)
椀物(毛蟹、キクラゲ、冬瓜)
鮎塩焼き
鱧しゃぶ(韓国)
茗荷ご飯
トマトのコンポート、葛切り
お薄
椀の吸い地は繊細で余韻を楽しめるもの。お椀以外ではおこぜと鱧しゃぶが特に印象に残りました。韓国産の鱧がそれほど上質なのかは個人的には疑問ですが、しゃぶしゃぶの出汁は非常に美味しかったです。
桜の季節の末友さん
先付(赤貝、つぶ貝)
八寸(蕨のソースと蛍烏賊、わさび菜、鯛と烏賊の手鞠寿司、木の芽味噌と蛸の桜煮、唐墨・大根、筍の姫皮)
椀物(蛤、寄せ豆腐、筍)
向付(鰆、さより、アブラメ)
蕗の薹の揚物と白アスパラガスのすり流し
焼物(子持ちもろこ、若鮎)
炊合せ(さえずり)
アサリご飯・赤出汁
デザート
お薄
椀の吸い地は一口目から美味しすぎるということがなく、余韻まで楽しめます。蛤が悪目立ちしておらず、出汁と椀種の調和も取れています。
サエズリは臭みや灰汁は感じませんが、胡椒が少々強め。たしかに、味が引き締まり、単品で食べる分には美味しいと思います。しかしながら、直後の〆のご飯が薄味なだけに、前後のバランスという点では少々疑問も。
先付けの赤貝とツブ貝は、辛子酢味噌や貝柱と煎り酒のジュレで。辛子酢味噌は3月のウグイス餡と並んで末友さんらしい味付け。甘味と酸味のバランスが絶妙で、素材に寄り添うものでした。
蕗の薹の苦味にホワイトアスパラの微かな甘味を合わせるのも面白い取り合わせ。子持ちもろ子も質が良く、美味しかったです。
その一方で、若鮎(琵琶湖)はイマイチ。アイナメはお椀でいただきたかったというのが本音です。
終盤の炊合せとご飯のバランスがコース全体の満足度を左右することが多いように思います。炊合せは変に淡白すぎても盛り上がりに欠けますし、かといって、パンチを利かせると、直後のご飯の味わいを損ねてしまうのではないかなと。
まだ寒かった2月に末友さんの料理で身体を温めてきました。
先付(蒸し蟹)
粕汁
八寸(鰯、玉子焼き、からすみ大根、稲荷、黒豆、茶振りナマコ等)
カワハギのみぞれ椀
向付(いか、グジ子漬け)
菊芋のすり流し
焼物(もろこ、河豚)
猪のしゃぶしゃぶ
じゃこご飯
水物(お汁粉、アイス)
お薄
椀の種はカワハギの身と肝。出汁にもカワハギの骨を使っているとのことでした。肝は身にコクを与え、椀全体の味わいも引き上げてくれます。吸い地は椀種に寄り添うもので、最後までピークアウトすることなく、余韻を愉しめるものでした。
向付で供されたぐじの子づけはこちらの定番品。この日の物はまずまずといったところか。菊芋のすり流しは優しい味わいで手抜きを感じませんでした。
焼物の河豚はイマイチ(火を入れすぎ?)でしたが、もろこは美味。猪のしゃぶしゃぶも嫌らしくない味付けで、大変美味しかったです。
カワハギや猪を使用しても、味がオーバーバランスにならないのは好印象。出汁や味付けは繊細そのもので、塩味・甘味・酸味等の収まりが非常に良く、素材の味を覆いません。当たり外れも見受けられますが、コース価格(税サ別2万円)を考えれば大変満足のいく内容でした。
お正月の末友さん
先付け(からすみ、大根、黒豆、田作り)
白味噌仕立ての雑煮(栃餅、人参、大根)
八寸(棒鱈、なまこ、このわた、子持ち昆布、慈姑せんべい等)
向付(河豚)
雲丹とキャビア
焼物(間人蟹)
塚原新筍の若竹煮
河豚のアラと聖護院大根の炊合せ
鯛飯
水物(苺)
抹茶
唐墨は塩味抑えめで大変美味。黒豆も丁寧に仕事をされたものでした。
白味噌椀は鰹が前に出ていない優しい甘さで、こちらも大変美味。
フグは高額店御用達の厚めの引き方。てっさが白子や鉄皮等を完全に覆いつくすように盛り付けられていました。最上の質とは言いがたいですが、価格を考えれば、質・量ともに十分かなと。
若竹煮や炊合せはどちらも素材を覆わない味付けでgood。炊合せは柚子が少々効きすぎとも感じましたが、許容範囲内でしょう。
間人蟹や〆の鯛飯にも満足できました。
その一方で、キャビアが使用されていたのは大変残念でした。こういう類のものには手を出して欲しくなかったというのが本音です。高額請求との帳尻合わせと感じなかったのがせめてもの救いです。
予約困難を売りにするようなお店は好きではありませんが、詰め込み過ぎるのも考え物。忙しすぎると余裕が持てず、細かい点を見落としてしまうこともあるのではないでしょうか。
2017年1月
晩秋の末友さん
先付(藁で燻したヨコワ。酒盗で)
八寸(鰻、鯛、蕪の手まり寿司、平貝、カラスミ、イカの塩辛等)
椀(初蕪と鮑)
向付(鮃)
間人蟹
イチボ(低温調理)
海老と堀川牛蒡のはさみ揚げ
鴨の治部煮
栗ご飯
水物(柿、栗のアイス、お汁粉)
抹茶
椀の吸い地は淡く、繊細。一口目は物足りないくらいで、食べ終える頃に満足度がピークに達します。鰹の効いた強い味がお好みの方には物足りないかもしれません。蕪の甘味が存分に楽しめました。
薄味で美味しいのですが、食材のチョイス等は個人的にはどうかな?と思ってしまいます。お客さんを詰め込みすぎる所も少々残念です。
2016年11月
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晩夏の末友さん。氷柱が出迎えてくれました。
先付1 鮑の素揚げ(叩いたオクラと)
先付2 雲丹と湯葉(醤油ジュレと)
八寸(柿の葉寿司、鱧の煮凝り、鴨ロース、新銀杏等)
椀(早松と鯒)
向付(九頭竜川の鮎、ヨコワのたたき)
桃のすり流し
太刀魚の幽庵焼き
鱧(瀬戸内)のしゃぶしゃぶ
蛸ご飯
アイス
葛切り
抹茶
素材にもう一こだわりをと思うことはありましたが、出汁・味付けに関しては当店が一番だと思っていました。
しかしながら、この日の吸い地はやや塩辛く、少々がっかりしてしまいました。鰹臭くないのは流石でしたが。その後の訪問で供された冬瓜の椀も、これまでのような繊細さはなく、やはり塩味が少々立っていました。正直、前回からの変化に驚いてしまいました。カウンター内でガスバーナーを使用していたのも興醒めでした。
サービスは至って丁寧で、十分行き届いていました。お弟子さん達も頑張っておられ、カウンター内も一段と明るく華やいでいるとの印象を受けました。
もともとムラがあるとは感じていましたが、久しぶりに悪い点が目についてしまいました。次回に期待しつつ、お店を後にしました。
2016年8月
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桜の季節の末友さんにお邪魔しました。
先付け1(ホタルイカと蕗の薹の酢味噌合え)
先付け2(雲丹とジュレ)
八寸(蛸の桜煮、筍の姫皮とジャコ、鯛とイカの手毬寿司、桜鱒の昆布〆といくら、もずく酢等)
椀物(アイナメと蓬麩)
向付(鰆、サヨリ)
焼物(稚鮎)
トマトの箸休め
鍋物(筍、昆布、鯛の子、鯛の白子)
うすい豆と菜の花のご飯
水菓子
抹茶
椀の出汁は相変わらず秀逸。とにかく繊細でアイナメのうま味と調和していました。アイナメも立派。全く鰹臭くなく、蓬の香りが鼻腔をくすぐります。絶品でした。タタキ風の鰆はポン酢で。もっちりした食感が面白かったです。稚鮎に使う蓼酢も当店のものが一番好みです。桶で供された長岡産の筍は木の芽や鰹節を掛けて。悪くはありませんが、これなら普通の若竹煮が食べたかったというのが本音です。この辺は3月と同様の感想になります。鯛の白子はクリーミーで美味しかったです。うすい豆と菜の花のご飯も塩味が程よく、非常に美味しかったです。
見た目の華やかさに反して、うま味や塩味等の収まりが良い、淡く繊細な味付けです。インパクトの強い味付けが好みの方には物足りないかもしれません。
料理への不満はありませんが、さすがにお客さんを詰め込みすぎかなと。一生懸命のようですが、余裕の無さがカウンターの客にまで伝わってきてしまうのはいかがなものかと思います。
2016年4月
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先付(筍と鮑のうぐいす餡)
八寸(赤貝とモンゴイカの酢味噌和え、筍の姫皮とジャコ、カラスミと大根等)
椀(蛤、玉子豆腐、梅肉)
向付(甘鯛、ツブ貝)
新玉ねぎのすり流し
焼き物(子持ちもろこ)
鍋物(河豚)
ご飯(あさりと生姜)
水菓子
抹茶
うぐいす餡は筍(長岡)や鮑の味を邪魔せずに、春らしい色と香りを添えてくれます。八寸に使われている酢味噌も優しい味。カラスミも自信作というだけあって非常に美味しかったです。立派な蛤を使った椀は梅を途中で溶かして味に変化を付けます。出汁は蛤のうま味・香りに寄り添うもの。出汁にとろみがあるので、梅の酸味がゆっくり加わっていきます。食べ進めるうちに次第に濃くなっていく梅の酸味と蛤のうま味が愉しめました。これは絶品でした。一手間加えた甘鯛もねっとり濃厚な味わいで美味しかったです。桶で供された河豚はポン酢で。昆布と河豚の出汁もなかなか。〆のあさりと生姜ご飯もわずかな塩のみという潔い味付けでした。
うま味、塩味、甘味等全てが過剰すぎず、素材を覆わない完璧な味付けでした。正直なところ河豚は不要なので、その代わりに普通の炊合せを入れてほしいと感じました。
座り位置によってはカウンター席に調理場の声が届きます。初めてのお客さんをあまり驚かせないように気を付けた方が良いのではないでしょうか(苦笑)。
2016年3月
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晩秋の末友さん
先付(丹波牛朴葉焼き)
八寸(銀杏・生のカラスミ・蕪寿司・茶ぶりナマコ・鴨等)
椀(初蕪)
向付(瀬戸内の鮃・豊後の鯖)
茶碗蒸し
間人蟹(焼き・蟹味噌と一緒に・甲羅酒の三種類)
炊合せ(海老芋・金時人参)
栗ご飯
水菓子
抹茶
献立には疑問を感じる点もありますが、出汁は相変わらず秀逸でした。丁寧に引かれた椀の出汁は蕪の甘みに寄り添うもの。他にも出汁を多めに張った茶碗蒸しや海老芋と金時人参の炊合せが印象に残りました。
味が好みなだけに、あまりガツガツしすぎず、もう一こだわりをと思わずにはいられません。
2015年11月
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秋の味覚を味わいに伺いました。寄付には栗が置かれていて、季節を感じさせてくれます。
先付(胡桃ソースが掛かった大根や胡瓜)
八寸(子持鮎素揚げ、いくら、鯖、鯛てまり寿司、鴨ロース等)
向付(鮃と紀州の戻り鰹)
椀(蓮根饅頭、大黒本しめじ)
丹波栗(自家製の蜜を掛けて)
すき焼き(岡山県産松茸、和牛等)
鱧ご飯(淡路)
デザート(完熟無花果、すいかのシャーベット)
抹茶等
椀種はつなぎを使用していない蓮根饅頭と大黒本しめじ。蓮根饅頭の少しパサ付く食感を餡がカバーしています。この餡が素材に寄り添うもので、非常に美味しかったです。この日一番印象に残った料理です。立派な丹波栗には蜜を掛けて頂いたのですが、この蜜も甘さ控えめで嫌らしさのない美味しいものでした。そこまで好んで食べないすき焼きですが、これもなかなか美味しかったです。〆の鱧ご飯にも満足できました。
見栄えの良さや演出に凝りすぎで、料理・接客ともに迎合的だと感じてしまうところもあります。もう少し中身の方が濃くなると、もっと良くなると思うのですが・・・。
2015年10月
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桃の節句にちなんで甘酒から。
先付(雲丹・鮑・フカのヒレ)
八寸
アブラメと寄せ豆腐の椀
向付(いか・グジ)
焼きもろこ
若竹煮
鴨の鍋物
アサリと貝柱のご飯
抹茶等
先付けは鮑、フカのヒレ、そして雲丹に温かいうぐいす餡を掛け、かき混ぜて頂くものでした。向付のグジにはパリパリの鱗が掛けられていました。どちらも食感を楽しめる面白い料理でした。アブラメの椀、塚原の筍が贅沢に使われた若竹煮も美味しかったです。
レアな日本酒を飲んだこともあって、お会計は3万円強でした。しかし、非常に満足できました。
2015年3月
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蛤と銀杏に白味噌を付けながら頂く温かい先付けでスタート。
滋味深いグジの蕪蒸しは絶品でした。
身の詰まったプリップリッの間人蟹、
そして紅葉ご飯と非常に美味しかったです。
大変満足できる内容でした。
2014年12月
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重陽の節句ということで菊のお酒を頂いてからコースが始まりました。
先付の栗の飯蒸し
八寸
すっぽんの吸い物
向付にヒラメ、伊勢海老、鰹、
鱧白焼き(韓国産)
一番出汁と頂く焼松茸
蕪と鴨の煮物
珍味(生のフカヒレ、雲丹、蟹等)
むかごご飯
抹茶等
すっぽんの吸い物は上品で美味しかったです。韓国産の鱧は脂が乗ったもので、これも美味しかったです。ポーションが大きいのも好印象でした。今回は各皿間での満足度の差が小さく、全体を通してかなり良かったです。プレゼン含め、時々やりすぎでは?と感じる部分もありますが、ムラっ気とでも表現すればいいのでしょうか。許容範囲内に収まれば、満足度は非常に高いと思います。
上記は夜のコースですが、まずはCPが高いランチで試しに訪問してみると良いと思います。ランチはお金を掛けずに手間暇掛けた料理という感じです。夜への期待が膨らむと思います。ランチも二時間くらいかけてゆっくり食べるものなので、観光の予定がある方は気をつけて下さい。
末友さんはサンデーサイレンスみたいな方です。負けん気の強さを良い方向に向けることができれば、もっと良いお店になるのではないでしょうか。女将さんが道中の折り合いをつけ、ステッキをいれる必要があるのかもしれません。武豊がサンデーサイレンスの特徴を掴んで勝鞍を伸ばしたように。
2014年10月
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祇園にあるミシュラン一つ星の京料理店です。ご主人の末友さんは祇園丸山出身だそうです。
先付(塚原産筍と蛤の木の芽和え)
八寸(公魚の天ぷら、うすい豆、蛸、ホタルイカの酢味噌和え等)
アブラメの椀物、
向付(鰹等)
もろこの焼き物
若竹煮
猪の鍋物
アサリご飯
抹茶等
椀は評判通り非常に美味しかったです。また、若竹煮や生姜が利いたアサリご飯も非常に美味しかったです。その一方で、八寸はやり過ぎではないかと思う品があったり、鍋物は唐辛子が邪魔ではないかと感じるなど、少々理解に苦しむ部分もありました。個人的には、各皿間での満足度の差が大きいように感じました。料理自体は美味しいですが、CPが良くないのでは?というのが率直な感想です。
ご主人がこだわっているというお店の設えは素晴らしく、仲居さんのサービスも気が利いており快適でした。ご主人は非常に向上心が高く、陽気で面白い方です。ただ、バイタリティ溢れる性格なため、それがかえって圧迫感につながることもあるように思います。
2014年3月
3位
65回
2024/01訪問 2024/03/02
近藤さんの天ぷらはとにかく軽く、素材の持ち味を十二分に引き出しています。素材の持つ水分を利用した加熱調理で、天ぷらは蒸し料理と言われる所以がよく分かります。揚げる際のタネの最適なカットやサイズまで工夫されており、素材の持つうま味、香り、食感が愉しめます。脆いほどに薄い衣に包まれた天ぷらは芸術的です。
他店と比べると、特に野菜の天ぷらが充実しています。さつまいもが当店のシグネチャーとして有名ですが、個人的には以下の野菜の方がオススメです。
春には筍(塚原産の朝掘り)、アスパラ、空豆。初夏から夏にかけては姫竹、とうもろこし(甘甘娘・ゴールドラッシュ)、じゃがいも、いんげん、賀茂茄子、ピーマン。晩夏には南瓜も外せない一品です。秋が深まり寒くなってくると、椎茸(岩手八幡平)、山ごぼうやニンジンなども美味しくなります。アスパラや椎茸は通年供されますが、それぞれ上記の時期が断トツでしょう。
冬の近藤さん。今年最初の訪問でした。
特に好印象だったものは河豚の白子と人参。次点がカワハギと椎茸かなと。
河豚の白子は臭みがなく、トロトロでクリーミー。非常に美味しかったです。カワハギは肝を身で挟んで揚げたもの。以前と比べるとカワハギの質は落ちているような気もしますが、肝への火の入り方は絶妙だと思います。
人参は千切りにして飴細工のように纏めたもの。香り良く、甘味が抜群でした。表面積がかなり広いにも関わらず、油切れもそこまで悪くありません。それでも油が気になるという方は、すぐには食べずに少し置いておくと油が落ち着いてくれます。椎茸はピーク時と比べると落ちますが、食感・香り・うま味とまずまず良好でした。
換気は非常に良く、油の香りがお店に籠っているなんてことはありません。その一方で、コロナ前よりも席数を減らしているとはいえ、まだ席の間隔は若干狭めというのが本音でしょうか。銀座の一等地という立地を考えれば、価格は非常に良心的だと思います。
初冬の近藤さん。冬の天種に入れ替わっていましたが、目当ての鯊や牡蠣は入荷がなかったようです。
最も好印象だったものは椎茸。次点が人参。魚介では金目鯛や穴子が好印象でした。
肉厚の椎茸は押し返すような弾力に逆らって噛みしめると、うま味が口の中に溢れ、香りが鼻の穴に抜けていきます。うま味・食感・香りと全てが揃っています。
人参はサツマイモと並ぶこちらのシグネチャ。我が家では人参の方が人気があります。飴細工を模した人参の天ぷらは甘味が抜群。目でも愉しめる逸品です。表面積が広い分、油切れに多少の難はあるので、供された際に少し待ってから食べることをお勧めします。
穴子は外はカラリ、身はムッチリ・ホクホクに揚げられており美味しかったです。金目鯛もフワフワ。
油切れは良好ですし、吸油量も少ないです。当店より油を頻繁に交換するお店はないでしょう。太白胡麻油をメインに太香胡麻油(極淡)も少しブレンドしているので、太香が馴染んでいないうちは香りが気になる人もいるかもしれませんが、油は常に新しい状態です。換気も当店が日本一だと言って差支えないでしょう。
秋の近藤さん。真っ当な天ぷら屋さんにとっては難しい季節になってしまったのではないかなと。
最も印象に残ったタネは女鯒。他店も含め、今年の最高値を更新。肉厚な身は外をカラリ・中はムチっとホクホクに揚げられており、非常に美味しかったです。スミイカもまだまだ柔らかい食感が楽しめるものでした。それ以外では蛤もジューシーでGood。
野菜では南瓜とニンジンが好印象。南瓜は当店では晩夏から秋にかけて供される天種。やや大きめにカットされた南瓜は時間を掛けてじっくり揚げられ、ペーパータオルで蒸らしてから供されます。皮と果肉の際の甘味と香りが印象に残る逸品です。
人参は冬場のものや晩春の雪室人参が一番なのかもしれませんが、通年安定して美味しいものがいただけます。松茸はこの二、三年はもう一つといったところですが、近年の不作と請求額を考えれば不満は感じませんでした。
油は太白胡麻油がメインですが、1/4ほど太香胡麻油(極淡)もブレンドされています。油をこれでもかという位に交換するので、油は常にきれいな状態が保たれています。換気に関しても間違いなく日本で一番良い天ぷら屋でしょう。
夏の近藤さん。お好みのメニューが夏野菜一色に変わっていました。
最も印象に残ったものは岩牡蠣(富山)。とてもクリーミー且つジューシーでした。10年以上?前に近藤さんで初めて岩牡蠣の天ぷらを食べた時の感動は今でも忘れられません。ここ数年、メニュー上で見かけず残念に思っていたのですが、久しぶりにいただけて幸せな気分になりました。
岩牡蠣以外にも賀茂茄子、新銀杏、蛤が非常に美味しかったです。賀茂茄子は中がトロトロ・ジューシーで、噛むと口の中に熱々の汁が広がります。大振りにカットした賀茂茄子は内部の水分を利用して蒸し料理の要領で揚げてあります。近藤さんらしい一品だといえるでしょう。
美しいエメラルドグリーンの新銀杏も、出始めのこの時期が一番香りが良く美味しいと思います。蛤は春のものが美味しい印象がありますが、この日のものは非常に美味しかったです。
定番の天種では穴子が良かったかなと。外はカラリ・サクサク、中はホクホクに揚げられており美味しかったです。
天ぷらのハイシーズンの近藤さん。この時期ならではの天種を目当てに訪問しました。
特に印象に残ったものは鮑、トウモロコシ、ジャガイモ。鮑は房総の黒鮑。炊いていない生の状態から揚げていくのですが、中心部に軽く火の入った程度の仕上がり。外側から中心部に向けて食感にグラデーションがあり、口の中に芳醇なうま味と香りが広がります。
トウモロコシは甘々娘(山梨)。当店のために通常よりも多く間引きして栽培されたものです。抜群の甘味と鼻に抜ける香りが堪りません。6月の限られた時期しか入荷が無く、毎年楽しみにしているお客さんが多い逸品です。甘々娘が使われるようになった最初の数年よりも質が上がっているような気がします。
ジャガイモの天ぷらは、白米をジャガイモで挟んで揚げる変わり種。白米とジャガイモに不思議な一体感が生まれており、外はサクッとしていますが、中はムッチリ・ホクホク。ご飯の部分に醤油を垂らしていただく、ちょっと野暮ったいものですが、揚げ色の付いたジャガイモの香ばしさと醤油が実に良く合います。
上記以外では女鯒、アオリイカ、新蓮根等も美味しかったです。空豆は春に比べると香りが落ちていましたが、それでも十分美味しいといえる水準だったかなと。
初夏の入り口、山菜シーズンも終盤といった時期に伺いました。この日も天種の書かれた紙と睨めっこしながらお好みで注文しました。
特に好印象だった天種は空豆、姫竹、蛤。
上記に次ぐのが人参、ヤングコーン、ジャガイモ、白魚、女鯒あたりかなと。
ハリギリや山独活といった天然の山菜も美味しかったです。
空豆は柔らかく香りが素晴らしかったですし、蛤もジューシー。姫竹は頬張るとサクッとした食感とともに爽やかな香りが鼻に抜けました。
ジャガイモの天ぷらはご飯をジャガイモで挟んで揚げた変わり種。これからの時期にはもっと美味しくなるはずです。人参は甘味も然ることながら、目にも美味しい逸品。ヤングコーンも食感・香りともに良好でした。
バラで揚げた白魚はムッチリとした食感が好印象。女鯒はカラリと揚げられており、身がしっとり・ホクホクで美味しかったです。
6月はいよいよ天ぷらのハイシーズン。次回の訪問が今から楽しみです。
春の近藤さん。天種の書かれた紙と睨めっこしながらお好みで注文しました。
特に印象に残ったものは筍と空豆。筍は塚原の朝掘りの白子筍。中まで火が入り切っていない絶妙な揚げ加減で、筍らしい歯応えと鮮烈な香りが印象に残るものでした。えぐ味の少ない筍だからこそできる天ぷらです。空豆も柔らかくて香りが抜群でした。非常に美味しかったです。
上記以外では蛤、白魚、公魚も美味しかったです。蛤はとにかくジューシー。白魚は大葉で巻いたものとかき揚げにしたものの二種類をいただきました。前者は中がトロッと、後者はムッチリとした食味を楽しめました。公魚もパンパンに抱卵しており美味しかったです。
早春の近藤さん。寒さが峠を越したころに伺いました。
印象に残った天種は河豚の白子、白魚、空豆、ニンジン。
河豚の白子はとろとろクリーミー。臭みもなく、非常に美味しかったです。白魚は大葉で巻いたものとバラでかき揚げにしたものの二種類の食べ方で。前者は中がトロっと。後者はもっちり・ムッチリとした食感が愉しめます。公魚もパンパンに抱卵しており、こちらも美味しかったです。
ニンジンは香ばしくて実に甘い。空豆は柔らかく、香りが鼻に抜けます。椎茸も食感・香り・うま味とまずまず。
太白に太香(極淡)をブレンドしているので、人にっては香りが合わないという方もいらっしゃるかもしれません。ただし、油を頻繁に換えているので、常に油のコンディションは良好。換気も、私が知る限りでは最も良い天ぷら屋です。
最近メニューに載るようになった堀川牛蒡。香り良く美味しかったです。
初冬の近藤さん。鯊、牡蠣、甘鯛といったタネはありませんでしたが、女鯒のような江戸前らしい定番種はたとえ価値が伝わりにくくとも欠かさず仕入れられています。
人参は千切りにして飴細工のように。甘味が印象的な逸品です。通年楽しめる天種ですが、強いて言うなら冬から春くらいまでがシーズンになるのかなと。晩春には雪室人参(スノーキャロット)という甘味に富んだ品種も供されます。
椎茸は食感、香り、うま味とまずまず。この日は山ごぼうに加えて、堀川ごぼうが新しく天種のラインアップに加わっていました。ワカサギも抱卵こそしていませんでしたが、味はなかなか。
頻繁に油を交換しているので、油のコンディションは常に良い状態。換気も当店より良いお店はないでしょう。店内が油臭いということがありません。
最近流行りの高額店はおまかせのコースのみで一斉スタート、従って鍋の中には常に同じ天種が入っているというのが一般的です。このスタイルは店十分の条件ですから揚げるのは楽なのでしょうが、客側に自由度はありません。近藤さんには、そういった高額店に欠けている、客に合わせる器量があります。それが当店を高級店たらしめる所以でしょう。
晩秋の近藤さん。鯊や牡蠣の入荷がなかったのが残念でした。
特に印象に残った天種は椎茸。次点が人参、山ごぼう。魚介では鱚といったところでしょうか。
椎茸は食感、香り、うま味とこの日のものが今年一番でした。噛むと押し返すような歯応えがあり、その弾力に逆らって噛みしめると香りが鼻に抜け、口の中にはうま味が溢れてきます。原木椎茸を供するお店も増えましたが、この時期の近藤さんの椎茸は一味違います。非常に美味しい椎茸でした。
飴細工を模した人参は目にも美味しく、山ごぼうも無駄な繊維質がなく香りが良かったです。鱚は質良く、しっとり・ふんわりと揚げられており、ミルキーかつシルキー。美味しかったです。
秋が深まってきて松茸が一段落という頃に訪問。鯊が獲れなくなった昨今、天ぷら屋的にはやりにくい時期になってしまったように思います。
強いて良かったものを挙げるとするならば、鱚と女鯒でしょうか。鱚はしっとり・フワッとしており美味。女鯒はホクホク。この時期でもなかなか美味しかったです。
仙鳳趾の牡蠣は以前より早い時期から供されるようになりました。晩秋~初冬のものに比べるとまだまだだと思いますが、こちらも意外と美味しかったです。
一方、椎茸はこの時期にしてはもう一つ。食感、香り、うま味と全てにおいて物足りなかったです。例年だとこれ位から美味しくなるはずなのですが・・・。
今回はデザートの写真を一枚。ピオーネ、シャインマスカット、無花果、メロン。以前と比べると果物の質も下がったように思いますが、それでも十分上質。果物好きには堪りません。甘味が弱いものから順番に食べることが肝要。最後まで真剣勝負です。
初秋の近藤さん。印象に残った天種は南瓜と新いか。
南瓜は大きめにカットしたものを長時間揚げてから余熱で蒸らして仕上げます。適度に水分が飛んでおり、しっとり・ホクホク。皮目の方から感じる甘味や香りがGood。味が凝縮しているのが分かります。
新いかは8月に比べると大きめ。季節の移ろいを感じます。食感はまだまだ良好でした。
松茸は傘に切れ込みを入れてそこに酢橘を挟み一本丸ごと揚げるのが近藤さん流。松茸の価格高騰の影響でしょうか?香り・食感ともに例年ほどではなかったかなと。
盛夏の近藤さん。今夏は天候不順や食材の価格高騰で思うような天種に出会えませんでした。
そんな中で最も印象に残ったものが新いか。外はサクッと揚げられており、身は実に滑らかで柔らかく、甘味も十分。非常に美味しかったです。新いか以外の魚介では、鱚がふんわり・しっとりと揚げられておりGood。
野菜ではジャガイモ、トウモロコシが前回に続き好印象。夏定番の種ごと食べられるピーマンも香り良く美味しかったです。新銀杏も外はサクッと、中はモチっと、鼻に抜ける香りもまずまずといったところでした。ただし、ここ数年、新銀杏は7月の方が美味しいものに出会える確率が高くなってきたような気がします。
異常に早かった梅雨明け直後の訪問。印象に残ったものはトウモロコシ、賀茂茄子、ジャガイモ等。
この日のトウモロコシはミルフィーユという品種。今年は甘甘娘をいただくことはできませんでしたが、このミルフィーユという品種もなかなか甘くて美味しかったです。
ジャガイモの天ぷらは白米をジャガイモでサンドウィッチして揚げたもの。外はサクッと香ばしく、中はホクホク。中央の白米の部分とジャガイモの一体感が何とも言えません。白米の部分に醤油をかけていただくのですが、揚げ色の付いたジャガイモの香ばしさと醤油が非常に良く合います。少々野暮ったいものですが、大好きな一品です。
賀茂茄子は大き目にカットして揚げたもの。これぞ蒸し料理という感じの仕上がりは、水分の多い賀茂茄子ならでは。揚げる際のサイズも重要なのだと思います。こちらも醤油でいただくのですが、ちょっと多めかもというくらい掛けた方が美味しいと思います。
天ぷらのハイシーズンに訪問。今年はトウモロコシや鮑がありませんでしたが、久しぶりに近藤さんで銀宝をいただくことができました。
銀宝は、銀宝を食べずして天ぷらを語ることなかれと言われる天種の王様。コリっとしたゼラチン質の皮目とムッチリと締まった身の生み出すうま味と食感のコントラストが何とも言えません。癖がなく上品、それでいてうま味が強いタネです。これは塩より天汁で食べるべき天種だと思います。
この日の銀宝は皮目のゼラチンも相応にあり、ムッチリとした身の弾力と濃厚なうま味が味わえるものでした。他店も含め、この2~3年の間で食べたものの中では一番美味しかったかなと。
それ以外にも、ジャガイモ、賀茂茄子が非常に美味しかったです。魚介では鱚、女鯒、アオリイカあたりが次点だったかなと。
天ぷらのハイシーズン幕開けという時期に訪問したのですが、この日はちょっと肩透かしを食らってしまいました。
ホワイトアスパラガスは香り良くジューシー。ヤングコーンは食感・香りともにGood。姫竹の香りもまずまず。たしかに悪くはないのですが、どれも以前と比べるともう一つというのも本音です。
魚介では蛤がジューシーで美味しかったです。鱚、女鯒も決して悪くはありません。魚介も従来と比べると首を傾げてしまうことが多かったです。他の時期なら、季節的要因を疑うのですが・・・。
定番のタネ以外では、クロムツを見かけたので試してみました。皮目にしっかり火が入っていましたが、身はふんわりと仕上がっており、うま味が感じられました。悪くはないのかなと。寒い時期に見つけたら、また試してみようと思いました。
この日は久しぶりに稚鮎の天ぷらもお願いしました。琵琶湖の天然物でしたが、こちらの鮎は活けではないせいか、そこまで美味しいと思ったことがありません。残念ながら、この日もそれを再認識する結果となってしまいました。
そして、タネ質以上にガッカリしてしまったのが油の香り。油の交換時に太香(極淡)の比率をいつもより高めにしてしまったのか、それ以降、油の香りが気になって仕方なかったです。価格をほぼ据え置きで営業されているので、以前よりタネ質が下がるのは諦めが付きますが、油の比率は完全なミス。そこは残念に感じてしまいました。
晩春の近藤さん。雪室にんじん(スノーキャロット)や山菜を目当てに訪問。
雪室にんじんは甘味が非常に強く、香りも良好。千切りの人参が鍋の中で飴細工のように纏められて出来上がります。目でも楽しめる逸品です。タラの芽も香り・風味が非常に強く、コシアブラは心地いい苦味と風味が堪りませんでした。
例年は4月上旬までしかない筍が、この日は珍しく入荷されていました。前回ほどではないものの、味・香り・食感いずれも良好。グリーンアスパラガスの香り、ホワイトアスパラガスの甘味も印象に残るものでした。
春の近藤さん。朝掘りの筍を目当てに訪問しました。
朝掘りの白子筍(塚原)は5割ほど火の入った状態。えぐ味がなく、サクッとシャキッとした食感と鼻に抜ける香りがとにかく鮮烈。非常に美味しかったです。この日の筍は、ここ数年近藤さんでいただいたものの中で一番良かったと思います。
そら豆もこの時期外せないタネ。そら豆はかき揚げにするのがこちらのハウススタイル。口一杯に頬張ることで香りがより一層愉しめます。魚介では、白魚や蛤が好印象でした。
早春の近藤さん。天種の書かれた紙とにらめっこしながら、お好みで注文するのが愉しいひと時。この日はメヒカリやウマヅラハギといった近藤さんでは初めて見る天種もありました。
メヒカリはしっとり・ホクホクに揚げられていました。鱚の方が上品でしっとりしていますが、脂の乗りならメヒカリといったところでしょうか。ウマヅラハギは肝を身で挟んで揚げられていました。濃厚な肝が淡泊な身の味わいを引き上げてくれます。カワハギに似ていましたが、個人的にはカワハギの方が美味しいかなと。
魚介種で最も好印象だったのは白魚、その次が鱚。この日の白魚(宍道湖)のバラはいつもとは違って、茗荷と一緒にかき揚げで。むっちりとした白魚にシャキっとした茗荷のアクセントが効いていました。個人的には白魚だけのかき揚げの方が好きですが、これはこれでアリだと思います。もちろん、定番の白魚を大葉で包んだものもいただきました。こちらは中がレアでトロっとした仕上がりで美味。
野菜ではそら豆と人参が特に好印象でした。そら豆はとにかく香りが良く、これを頂くと春の訪れを感じます。飴細工を模した人参は甘く、香りもGood。どちらも春が終わるまで外せないタネです。
久しぶりにいただいたのが蕾菜。初めていただいた時ほどの感動は得られませんでしたが、甘味と苦味が時間差で愉しめました。食感や香りも良かったです。
今年初の近藤さん。本格的に寒くなってきた頃でした。
野菜は人参、魚介では白魚が特に印象に残りました。次点が河豚の白子、カワハギ、蛤といったところでしょうか。
白魚は大葉で包んだ定番のものとバラでかき揚げにしたものを。前者は中がレアでトロっと、後者はもっちり・むっちりとした食感に揚げられています。甲乙付けがたく、ついついどちらも頼んでしまいます。河豚の白子はクリーミーで美味。蛤もうま味に富んでいました。
その一方で、椎茸や牡蠣は晩秋~初冬のものと比べるともう一つだったかなと。例年通りといえば例年通りなのですが、今年は落ち方が顕著なような気がしました。
初冬の近藤さん。秋の食材がメニューから姿を消し、冬のものが中心になっていました。特に印象に残ったものは牡蠣(仙鳳趾)と人参。次点が蛤、さつまいも、椎茸。
この日は久しぶりに近藤さんのシグネチャである薩摩芋を注文。外側はカリっと、中はねっとりと。昔ながらの薩摩芋らしい素朴な甘さが愉しめます。シルクスイートのような最近の薩摩芋を甘すぎる(甘さがくどい)と感じる方にはオススメです。とにかく甘味が強い方が好きという方には合わないかもしれません。また、結構なポーションなので、少人数だと他のものが食べられなくなることも覚悟した方がいいと思います。もちろん、食べきれない場合は持ち帰り可能ではあります。
個人的なお勧めは、もう一つのシグネチャである人参。我が家では薩摩芋よりも人気があります。鍋に広がった千切りの人参が飴細工のように纏められていく様は見ていて楽しいですし、人参の甘味・香りが何とも言えません。肉厚の牡蠣もとにかくミルキー&ジューシーで、非常に美味しかったです。
晩秋の近藤さん。冬の食材も出始めていました。野菜では椎茸、人参、山ごぼう、魚介では牡蠣(仙鳳趾)と鯊が特に印象に残りました。
椎茸は押し返すような噛み応えがありますが、それに逆らってかぶりつくと口中にうま味が溢れ、香りが鼻に抜けるのが分かります。食感、うま味、香りとどれも印象に残るものでした。山ごぼうは無駄な繊維質が気にならず歯切れよく、香りも良かったです。
牡蠣は仙鳳趾のもの。立派なサイズで大変ジューシー。非常に美味しかったです。鯊も久しぶりにいただけて嬉しかったです。上記以外では肉厚の蛤やホタテも美味しかったです。
紅葉も少しずつ色づき始めた時期の近藤さん。特に好印象だったものは椎茸。次点が牡蠣(仙鳳趾)と鱚。女鯒や甘鯛なども好印象でした。
椎茸はうま味・香り・食感とどれも素晴らしかったです。牡蠣もなかなか立派なサイズ。ジューシーで美味しかったです。どちらのタネもこれからまだ美味しくなるでしょうから、晩秋~冬の訪問への期待が膨らみました。
鱚と女鯒はいずれも江戸前のもの。この時期にしては良かったのではないかなと。鱚はしっとりさを残した火入れ。このデリケートな火入れは相変わらずお見事。甘鯛は余熱を利用したフワフワの仕上がりで、なかなか美味しかったです。
秋の近藤さん。キノコが美味しい季節になりました。
特に印象に残ったものは松茸(岩手)、舞茸(北海道)、新いか、南瓜
松茸の天ぷらは、傘に酢橘を挟んで揚げたもの。水分を多めに残した揚げ加減で、歯応えが良くジューシー。香りも非常に良かったです。9月下旬から10月初めに訪問したら是非注文したい逸品。繊維に沿って割くようにいただくと食べやすいです。
この日の天然の舞茸は北海道から。食感はもちろん、野趣溢れる香りと味わいが何とも言えませんでした。
南瓜はホクホク・ねっとりとした食感と甘味が好印象。新いかもまだまだ柔らかくて美味しかったです。椎茸はピークにはまだまだ遠い印象でしたが、晩秋に向けて美味しくなりはじめました。天種から季節の移ろいが感じられます。
晩夏の近藤さん。夏の天種も終わりを迎えるタイミングでした。
特に印象に残ったものは、野菜では南瓜、魚介では新いかでしょうか。南瓜はサツマイモ同様大き目にカットし長めに揚げ、最後は余熱で仕上げていきます。ホクホク・ねっとりとした食感と甘味が印象的な逸品です。皮ごと揚げるのですが、特に皮目の甘味が素晴らしいです。新いかの何とも言えない食感もこの時期ならではのもの。
久しぶりにいただいたズッキーニは湯葉を射込んだ従来のものだけでなく、チーズを射込んだものも供されました。新銀杏は7月の出始めのものほどではありませんが、この時期には外せないタネだと思います。
夏の近藤さん。初夏ほどではないものの、魅力的なタネが残っていました。
特に印象に残ったものは黒鮑と新銀杏。鮑は芳醇そのもの。適度な弾力もあって非常に美味しかったです。新銀杏も出始めのこの時期のものは香りが抜群。頬張ると香りが鼻に抜けるのがよく分かりました。
ご飯を挟んだ変わり種のジャガイモ、中が熱々トロトロの賀茂茄子、甘くてジューシーなホワイトアスパラガス、種ごと食べられる爽やかな香りのピーマンと好印象でした。魚介ではホクホクの女鯒と四万十の海苔を包んで揚げた鱧も美味しかったです。
席数の間引きや時短営業もあってか、この一、二年でお好みやおまかせのコースは一割弱値上がりしたように感じています。しかしながら、食材高騰の中でもほとんど値上げをしていなかったことを考えると、いたずらに価格を吊り上げている若手・中堅のお店と違ってCP良好だといえるでしょう。
天ぷらのハイシーズン真っ只中の訪問。特に印象に残ったタネは玉蜀黍(甘甘娘)、ジャガイモ、賀茂茄子、姫竹、さやいんげん。魚介では鮑と鱚といったところかなと。
甘甘娘は一粒ずつの存在感がしっかりしています。甘味、食感、香りと秀逸でした。ジャガイモもこの時期には外せない逸品。ジャガイモでご飯を挟んだものを揚げ、最後は余熱で仕上げます。ちょっと野暮ったい感じもしますが、非常に美味しくついつい注文してしまいます。中が熱々の賀茂茄子はトロトロ・ジューシー。炭火焼きとは一味違った魅力があります。姫竹は5月の方が美味しかったように思いますが、この日いただいたものも十分美味しかったです。
黒鮑は食べ応え十分なサイズ。食感も良く、味わいは芳醇そのもの。鱚はふんわりと揚げられており、しっとりとした中に鱚の味わいが感じられました。銀宝の入荷がなかったのは残念でしたが、来年の愉しみということにしておこうかと思います。
天ぷらのハイシーズン幕開けの時期の訪問。特に印象に残ったものは姫竹、コシアブラ、さやいんげん、ヤングコーン。魚介では鮑や女鯒といったところでしょうか。
姫竹は歯切れの良い食感と素晴らしい香りが味わえました。去年より良かった(ここ何年かで一番良かった)のではないかなと。コシアブラは柔らかい苦味と香りが味わい深かったです。ヤングコーンも粒々の歯触りと中のシャキッとした食感が何とも言えません。噛んだ時に口の中に広がるうま味や香りも好印象。筏状のサヤインゲンも香り良く美味しかったです。やはりサヤインゲンは一度にある程度まとまった量を食べた方が美味しいものだと再認識させられました。
春の近藤さん。初夏や晩秋と並んで魅力的な天種が並ぶ季節です。
通年供されるアスパラですが、この時期の北海道の出始めのものが最も香りが良く美味しいと思います。また、この時期しか供されない朝掘りの白子筍(塚原産)も逸品です。えぐ味がなく、食感・香りともに印象に残るものです。初めてこちらで頂いた時に衝撃を受けたのを今でもよく覚えています。
飴細工を模した人参は強い甘味と香りが印象的。目でも舌でも楽しめる逸品です。それ以外にもタラの芽、山独活、空豆といった春の味覚も堪能できました。
魚介では白魚と蛤がこの時期のお勧めではないかなと。白魚は大葉で包んだものとバラでかき揚げにしたものの二種類があります。前者は中心部がレアの火入れで、食感・味わいのグラデーションが愉しめます。後者はむっちりとした白魚一匹ずつの存在感がより強く感じられます。蛤は例年よりも小振りながらジューシーで美味。この日は女鯒も美味しかったです。
早春~春に掛けての天ぷら。野菜では筍(塚原)、山独活、空豆、魚介では白魚、平貝、蛤が特に美味しかったです。
筍は塚原の朝掘りの白子筍。四月上旬にしか供されないタネだと認識していましたが、単品メニューの中に見つけたので迷わず注文しました。香り良く美味でした。空豆も頬張ると口の中に良い香りが広がります。春には外せない天種です。
平貝は前回訪問時よりも立派なものでした。平貝と海苔の間に木の芽を挟んで揚げられており、中心部はレアの仕上がり。平貝の強い甘味に木の芽が爽やかさを加え、味を引き締めてくれていました。
牡蠣は前回同様長崎のものだったと思いますが、やはり個人的には晩秋~初冬に使用される仙鳳趾のものの方が美味しいかなと。
晩冬~早春の近藤さん。この日印象に残ったものは白魚、タイラ貝、人参、空豆、蕗の薹あたりでしょうか。
空豆は指宿のもの。頬張るごとに空豆の香りが口内から鼻に抜けるのが分かります。一粒ずつ食べるより、まとめて食べた方が美味しい素材の一つだと思います。蕗の薹はガクを開いて。苦味や灰汁が中に籠らずに油と馴染んでくれます。
白魚は大葉で包んだものとかき揚げにしたものをどちらもいただきました。今回はかき揚げの方の写真を載せてあります。タイラ貝は海苔で包んで間に木の芽を忍ばせたもの。木の芽の爽やかな香りが良いアクセントでした。この時期にしては珍しく牡蠣もありましたが、11月にいただいたものの方が美味しかったかなと。
冬の近藤さん。空豆や山菜等の春の味覚もメニューに載りはじめていました。白魚、公魚、カワハギ、河豚の白子、人参、椎茸、菜の花等が美味しかったです。
白魚は大葉で包んだ通常のものとバラ(かき揚げにしたもの)の二種類をいただきました。大葉で包んで揚げたものは中心部がレアの仕上がり。衣のサクッとした食感から中心部のトロっとした食感へと向かう微妙なグラデーションが愉しめます。両者が口の中で混じりあうと何とも言えません。かき揚げの方はむっちり・もっちりとした食感。こちらの方が一匹ずつの味わいは感じやすいように思います。どちらも美味しかったです。
カワハギは身に肝を挟んで揚げたものを塩と山葵でいただきます。肝の味わいを山葵が引き締めてくれます。河豚の白子もトロっと濃厚。臭みは皆無で美味しかったです。
飴細工を模した人参は冬には必ず注文する逸品。椎茸は食感、うま味、香りとまずまず。一番良い時期(11月や12月)と比べるとやや落ちるように感じましたが、十分満足できるものでした。菜の花は鮮やかなグリーンと香りが印象的でした。
初冬の近藤さん。鯊や牡蠣という目当ての魚介はありませんでしたが、野菜は相変わらず充実していました。
特に好印象だったものは椎茸、人参、山ごぼう。椎茸はうま味、食感、香りとどれもハイレベル。11月にいただいたものの方が味の凝縮感は上だったような気もしますが、この日のものも非常に美味しかったです。
人参の天ぷらは飴細工を模したもの。甘味と香りがしっかり感じられ、目でも楽しめる逸品です。カットやサイズに工夫を凝らすことで、香りやうま味を引き立てたり、立体的なビジュアルに仕上げるというのは、近藤さんの天ぷらの特徴の一つだと思います。個人的には晩秋~冬のイメージですが、椎茸同様通年供されます。季節間での味の差が椎茸ほど大きくないと思うので、比較的季節を問わずオススメできるタネなのではないかなと。
山ごぼうは変な繊維質が無く、心地良い食感が愉しめます。香りや油切れも良好。うどん屋で供されるごぼう天とは全くの別物です。時期的には11~12月位のはずですが、入荷がないこともしばしば。
鯊と牡蠣の入荷がなかったのは残念でしたが、この日はワカサギ(琵琶湖)やカワハギが美味しかったです。どちらも写真を撮り忘れてしまったので、これは次回の宿題。このままでは写真が前回と変わらないという焦りから金目鯛も追加注文しましたが、個人的にはカワハギの方がオススメかなと。
この日の〆は天茶。天丼は前回アップしているので今回は天茶にしました。私もようやくレビュアーらしくなってきたなと(笑)。
天ぷら職人の技量が最も問われるのは何といってもかき揚げでしょう。ここのかき揚げはタネ(特に小柱)が硬化しておらず、衣ももっさりしたところがありません。依然としてハイクオリティだと思います。
天丼はかき揚げの上から丼汁をかけるお店(深町さん)もあれば、最近では熱した丼汁にかき揚げを軽く潜らせるお店(にい留や成生)なんかもあります。近藤さんの天丼は、かき揚げを辛めの丼汁(おそらく常温)に潜らせ蓋をして供する江戸前のスタイルです。
天茶のかき揚げは天丼のものよりも緩く成形されているのだと思います。お茶を入れて食べるとホロっと崩れる塩梅です。天茶に緑茶を使うお店もありますが、近藤さんではほうじ茶と出汁を合わせたものになります。男は天丼一択、天茶は女が頼むものという風潮もゼロではないのでしょうが、このような人種は絶滅危惧種なので好きな方を頼めば良いのではないかなと。
梅雨の最中の近藤さん。6月と比べると天種的には見劣りする時期です。
お好みで色々いただきました。特に印象に残ったものは賀茂茄子、ホワイトアスパラガス、ジャガイモ。賀茂茄子は6月以上のビッグサイズ。とろとろ・ジューシーで非常に美味しく、食べ応えもありました。夏の時期に合わせて生産されているというホワイトアスパラガスも瑞々しく、甘味に富んでいました。ジャガイモは通年安定して楽しめるので、個人的にはオススメの天種です。
〆のかき揚げの出来は徐々に下降線を辿っているような気がしますが、それでも素晴らしい出来栄え。最近流行りのお店より上でしょう。こちらの天丼はかき揚げを辛めの丼汁に潜らせるスタイル。衣の食感は犠牲になってしまいますが、昔ながらの食べ方が好きな方向きといえるでしょう。
若手・中堅の人気店が一斉スタート・おまかせのみばかりなのに対して、入店時間やコースが過度に制限されてないのも魅力です。そういったお店は客ごとに異なる注文を捌くだけの技術や経験がないのでしょう。
天ぷらのベストシーズンの近藤さん。銀宝や岩牡蠣といった大好きな天種がなかったのは残念でしたが、初夏の天ぷらを堪能できました。
特に印象に残ったものはトウモロコシ(甘甘娘)、賀茂茄子、ジャガイモ、鮑、鱚など。甘甘娘(山梨)は非常に甘く、香りも良好。この時期以外に使われているゴールドラッシュより上質でしょう。ジャガイモの天ぷらは、ご飯をジャガイモで挟んで揚げた一品。塩で食べても美味しいのですが、ご飯の部分に醤油を垂らしていただくのが近藤さんオススメの食べ方。揚げた香ばしさに醤油が良く合い、ご飯の粘り気と一体になったジャガイモの味わいを引き上げてくれます。
鱚や女鯒もこの時期は高いレベルで質が安定しています。特にこの日の鱚は良質で揚げ方も秀逸でした。ふんわり柔らかく揚げられており、鱚のデリケートな味わいが寸分も損なわれていませんでした。女鯒もこの時期であればそうそう外れを引くこともないのではないかなと。
初夏の近藤さん。天ぷらのハイシーズン序盤の訪問でした。
いつも通りお好みで。特に好印象だったものは鮑、白魚、姫竹、ジャガイモ、インゲンあたりかなと。黒鮑は内房のものがドーンと。芳醇な味わいでした。白魚(石川)は大葉で包んだものとバラのかき揚げの二種類を愉しみました。インゲンは筏状に揚げるのが近藤流。以前ほどキレイな筏ではありませんでしたが、香り良くこのシーズンには是非注文したい一品です。姫竹もここ4、5年では一番香りが良かったのではないかなと。
上記以外でも、そら豆、こしあぶら、玉蜀黍(ゴールドラッシュ)、グリーンアスパラガス等も美味しかったです。魚介では、良質な鱚がふんわり柔らかく揚げられており美味しかったです。
春の近藤さん。この日は筍とアスパラを目当てに訪問しました。他のお客さんとの間に空席を設けてありました。いつもの賑やかはありませんでしたが、その分近藤さんとゆっくりお話しさせていただくことができました。
4月の上旬にしか登場しない朝掘りの白子筍(塚原産)は、シャキッとしていながらも柔らかい食感。噛むと口の中に香りが広がり、うま味・甘味も溢れてきます。アスパラは通年供されるタネですが、この時期が一番美味しいのではないでしょうか。他の時期とは香りが違います。こちらも食感・うま味・香りと全てが楽しめます。
この日は、その日の朝に近藤さん本人が採ってきたという山菜も色々いただきました。ヤマユリのかき揚げは初めていただきましたが、外は玉ねぎのような食感で、中はゆり根の食感・味わいでした。
魚介種では、鱚と蛤が特に美味しかったです。鱚はふんわり・しっとりと揚げられており、うま味・香りが飛んでいませんでした。理想的な火入れだといえるでしょう。職人の技量が最も問われる〆のかき揚げ(天丼)も流石のクオリティ。大きめのかき揚げでしたが、無駄な衣が少なく、小柱も硬化していませんでした。
たとえ空席があっても、いつものように頻繁に油を変える姿勢には感心してしまいます。油切れが良いのも納得です。5月下旬から6月下旬までは天ぷらのハイシーズン。コロナを気にせず訪問できるようになればと祈っています。
冬~早春の天種をお好みで。印象に残ったものはオーロラ、人参、白魚、河豚の白子。この日のメインであるオーロラは前回訪問時にお願いしておきました。
オーロラはパレドZという番組中で考案された天ぷら。大和芋、菜の花、人参を甘鯛で包んで揚げたものになります。断面はきれいな三色で、食感のコントラストも際立っていました。各食材の香りや味わいが始めはそれぞれ別個に感じられ、噛むうちに口の中で調和していきました。山葵も味を引き締めてくれました。
三月から価格を少し上げられるようですが、立地や食材の質等を考慮すれば、依然CPは良好だと思います。
年始の訪問。この日もお好みで色々いただきました。椎茸、人参、山ごぼう、カワハギ、河豚の白子、ワカサギ等が印象に残りました。
椎茸は通年供されますが、秋が深まったころから1月までが特に美味しいと思っています。食感、香り、うま味と非常に素晴らしかったです。飴細工のような人参は甘味が印象的で、目にも美味しい逸品。SNSの影響もあってか、この数年でかなり多くの方が注文されるようになりました。この日は、この時期にしては珍しく山ごぼうもありました。無駄な繊維質がなく、こちらも食感と香りが良かったです。
魚介は、季節のものでは河豚の白子、カワハギ、ワカサギ等が好印象でした。定番種では鱚でしょうか。ふんわりデリケートに揚げられており、香りが飛んでいませんでした。
初冬の天ぷら。2019年最後の訪問。
この日印象に残ったのは、椎茸、人参、山ごぼう。やはりこの時期の椎茸は秀逸。香り・食感・うま味と抜群でした。通年で出される天種ですが、晩秋から冬にかけて美味しくなります。ついつい、二つ、三つと追加してしまいます。人参は千切りにして飴細工のように仕上げます。非常に甘く、目にも美味しい逸品です。久しぶりに食べられた山ごぼうのかき揚げも、繊維質が気にならない美味しいものでした。
牡蠣や鯊といった大好きな天種がなかったのは残念でしたが、美味しい野菜の天ぷらに満足できました。2020年はもう少し通えればと考えています。
夏の訪問記録。久しぶりにランチタイムに訪問しました。
好印象だったのは賀茂茄子。ホワイトアスパラ。次点がとうもろこし。魚介では鮑と鱧だったかなと。ホワイトアスパラは中が熱々でジューシー。甘味が何とも言えませんでした。当店の鱧(天草)は、鱧で四万十の海苔を包んだ独特のもの。鱧の質がよく美味しかったです。
残念だったのは、鱚に少し火が入り過ぎていたこと。他にもちょっと気になる点がチラホラ。昼は15人を同時に揚げるので、やはり夜に比べると満足度は低いような気がします。価格が大きく変わるわけではありませんし、夜の方が個人的にはオススメです。
天ぷらのハイシーズンの訪問記録。美味しかったですが、例年と比べると・・・というのが本音でした。
特に印象に残った天種は、賀茂茄子、玉蜀黍、じゃがいも。賀茂茄子はトロっとジューシー。玉蜀黍(甘甘娘)のかき揚げは甘味が秀逸。香りや一粒一粒の食感も楽しめました。ジャガイモは、ジャガイモでご飯を挟んで揚げた変わり種。真ん中のご飯の部分に醤油を垂らして食べても、塩で食べても美味しいです。魚介では鮑が芳醇で美味しかったです。
しかしながら、その一方で、鱚や女鯒もこの時期ならもっと期待したかったというのが本音。また、この時期の楽しみであるギンポウや岩牡蠣をいただけなかったのも残念でした。
春の味覚を味わいに近藤さんを訪問しました。
最も印象に残った天種は、魚介では白魚、野菜では空豆です。白魚は大葉で包んだものとバラでかき揚げにしたものの二種類の食べ方を楽しみました。大葉で包んだ方は中の方がレア気味に、かき揚げの方は一匹ずつのムチッとした食感が楽しめます。当店の定番は前者ですが、個人的には後者の方が好みです。空豆も香りが実に素晴らしかったです。
白魚と空豆以外でも、アスパラや白子筍(塚原)が好印象でした。アスパラは食感・香り・うま味といずれも良好で、朝掘りの筍も美味しかったです。
また、個人的に推したいのがジャガイモ。ジャガイモでご飯を挟んだ変わり種ですが、塩でも醤油(天汁ではない)でもイケます。調理に時間がかかるので早めの注文が必要ですが、個人的には外せない一品です。次点が蛤や鱚あたりになるのかなと。これらも美味しかったです。
ようやく今年も天ぷらのハイシーズンが到来しました。定番のタネが旬を迎えるだけでなく、銀宝、岩牡蠣、玉蜀黍、賀茂茄子等も登場します。天ぷら好きには堪らない時期です。
早春の天ぷらをいただきました。春の野菜がだいぶ多くなっていました。
印象に残った天種は椎茸、白魚、蛤。この日の椎茸は格別に美味しかったです。この時期のものとは思えないほど肉厚で、火の入り方も絶妙。食感・香り・うま味と全てが完璧でした。白魚はムッチリした食感が楽しめるバラのかき揚げ風で。蛤もジューシーで素晴らしかったです。
菜の花、そら豆、蕾菜やタラの芽等の山菜類等、春を感じる種も多かったです。4月はアスパラや筍を目当てに訪問したいと考えています。
今年初の訪問です。冬(大寒)の天ぷらをいただきました。
印象に残った天種は牡蠣、白魚、河豚、河豚の白子、甘鯛、椎茸、ニンジン等。
上記の中でも牡蠣と白魚は素晴らしかったです。次点が椎茸かなと。牡蠣は大振りで味も濃く非常に美味しかったです。白魚は大場で巻いたタイプとバラでかき揚げ風に仕上げたものの両方をいただきました。大葉で巻いたものは中央がレア気味になるように揚げられており、バラでかき揚げにされたものはムッチリとした食感が味わえました。個人的には後者の方がより好印象でした。
初冬の味覚を求めて訪問したのですが、楽しみにしていた鯊と椎茸にガッカリ。この時期に供されるものとしてはかなり低レベルだったかなと。椎茸はともかく鯊は来年までお預けです。非常に残念。
その一方で、牡蠣は大振りジューシーで好印象。2017年ほどではありませんが大満足でした。肝を身に挟んで揚げたカワハギもgood。飴細工を模した人参は甘く、目にも美味しい逸品。ホタテは中をレアに仕上げて。塩と山葵がホタテの甘味・うま味を引き立ててくれます。この日は女鯒も好印象でした。
晩秋の天ぷらを求めて近藤さんを訪問しました。この時期最大の楽しみの一つである鯊が欠品だったのは残念でした。印象に残った天種は牡蠣、鱚、女鯒、椎茸、ニンジンあたりでしょうか。
仙鳳趾の牡蠣はこの時期でも十分立派と言えるサイズ。ジューシーで美味しかったです。この日は鱚や女鯒も質が良く美味しかったです。椎茸も食感・香り・うま味と全てにおいて前回より格段に良くなっていました。ただピークにはもう少しなのかなと。
秋の味覚をと思って訪問しましたが、松茸は終わっており、椎茸もまだピークに達していない時期でした。この日印象に残ったものは鱚、ししゃも、甘鯛、ジャガイモ、銀杏。
鱚は質良く、ふんわり柔らかく揚げられています。甘鯛も身がフワフワ。鱗をパリパリにして仕上げるお店も多いですが、当店は身だけを揚げています。ご飯を挟んだジャガイモはご飯の部分に醤油を少し垂らしていただきます。ほっこりする味わいで、目当てのタネが少ない時に重宝します。もちろん塩でも美味しいです。この時期でもピーマンが供されていましたが、夏のモノよりこの日のモノの方が良かったです(今夏のはちょっと残念過ぎたかなと)。
晩夏の近藤さん。率直に言って、この日は深く印象に残るようなタネはありませんでした。強いて良かったものを挙げるのであれば、南瓜や新いかになるのかなと。悪い意味では鱚になるでしょう。
この時期から出始める南瓜は皮目の香ばしさや甘味がgood。ただ、本当に美味しい時のものとは別物だと感じました。2017年・2018年は例年と比べるともう一つだったのではないかなと。鱚は質がイマイチで、外れを引いてしまった気分です。
夏の天ぷらをいただきに近藤さんに。
印象に残ったタネは岩牡蠣、鮑、鱚、新いか。野菜ではとうもろこし、新銀杏、ホワイトアスパラ、賀茂茄子。
この日の一番は岩牡蠣(富山)。ジューシーで、非常に美味しかったです。鮑も芳醇な味わいでgood。鱚はふんわりと揚げられ、新いかの火入れも絶妙なものでした。
とうもろこし(ゴールドラッシュ)は甘さ・食感・香りとどれも秀逸、新銀杏も香りが堪りませんでした。今年は北海道のグリーンアスパラやピーマンがイマイチだったのが残念でした。
天ぷらのハイシーズンである初夏。天ぷら好きには堪らない時期です。
印象に残った種は銀宝、鱚、鮑。野菜ではとうもろこし(甘々娘)、賀茂茄子、ホワイトアスパラが美味しかったです。
この時期は何といっても江戸前の銀宝。ゼラチンと締まった身から生まれる味と食感のコントラストが素晴らしかったです。房総の鮑も非常に美味しかったです。
甘々娘はここ数年で一番甘く、香りも良かったです。当店のホワイトアスパラ(北海道)はわざと時期をズラして栽培しているもの。水分量に富み、中は熱々で甘くてジューシー。姫竹の香りもまずまずだったと思います。
その一方で、グリーンアスパラやピーマン(ともに北海道)などは例年と比べると、イマイチ。岩牡蠣の入荷がなかったのも残念でした。
リニューアル後初の近藤さん。春の味覚を求めて訪問しました。
印象に残った天種はアスパラ、筍、蛤、銀宝、鱚。
この日の一番は北海道のアスパラ。穂先は香りがとにかく素晴らしく、茎はジューシー。非常に美味しかったです。年間通して供されますが、やはりこの時期が一番美味しいと思います。塚原産の朝掘りの筍もえぐ味がなく、大変美味。椎茸はこの時期にしては身がパンパン。香り・食感・うま味と三拍子揃っており、美味しかったです。山菜ではこごみとタラの芽が好印象。
魚介では蛤が最も好印象。肉厚な身にうま味がたっぷり閉じ込められており、非常に美味しかったです。銀宝や鱚もgood。かき揚げは技術の高さと油の良さが相まった逸品。小柱は硬化しておらず、絶妙でした。
リニューアル後も美味しい天ぷらをいただくことができました。CPも変化なし(良好)だと思います。
改装前最後の訪問。
印象に残ったのは牡蠣、河豚の白子、鱚、人参、椎茸等
全体的に前回の方が良かったかなと。牡蠣や河豚の白子などが美味しかったです。定番種では鱚が好印象。次点では白魚。
時期的な問題でしょうが、椎茸は前回と比べると落ちるかなと。蕗の薹なども供され始めていました。蕗の薹はガクを閉じて揚げるお店が多いですが、こちらではガクを開いて揚げられています。この方が香りがよく、苦みも心地良い気がします(ガクが閉じたままのものは塩ではいただけないと思います)。
改装後のお店に早く伺いたいなと。
冬の近藤さんに。昨年最後の訪問でした。
牡蠣、鯊、かわはぎ、椎茸、人参、山ごぼう
この日最も印象に残ったのは牡蠣(仙鳳趾)。大振りの牡蠣は大変クリーミーで非常に美味しかったです。牡蠣以外の魚介では鯊もまずまず好印象。本当に美味しい鯊とまでは感じませんでしたが、他店で供されたものよりも美味しかったです。本当に不漁なんだなと。
野菜では椎茸が白眉。うま味・食感・香りと申し分のないものでした。次点が山ごぼうになるのかなと。
晩秋の天ぷらを楽しむために近藤さんに伺いました。
山ごぼう、椎茸、人参、牡蠣、鱚、女鯒、カワハギ
この日最も印象に残ったのは大振りの牡蠣。クリーミーで非常に美味しかったです。シーズンのはずの鯊は期待を下回るものでしたが、そのかわりに鱚や女鯒が美味しかったです。
野菜では山ごぼうがこの日の一番。無駄な繊維がないので柔らかく、香りも良いものでした。ごぼう以外では椎茸も大変好印象。歯応え、香り、うま味といずれもgood。ようやく椎茸が美味しい季節になってきたなと感じました。
なお、近藤さんは来年の2/1~3/19まで店内改装のために休業されるそうです。
秋の近藤さんに。夏の食材が終わりを迎え、秋の食材が目につくようになっていました。
率直に言って、この日はすごく美味しかったという天種は一つもありませんでした。強いて気になったものを挙げるとすれば、鱚、南瓜、銀杏、丸茄子(新潟)あたりになるのかなと。
牡蠣は売切れ、椎茸も時期的にまだ早かったりと、消化不良気味。少し残念な訪問になってしまいましたが、次回以降鯊と一緒に楽しめればと思いお店を後にしました。
晩夏の近藤さんに。
印象に残ったものは南瓜、新銀杏、賀茂茄子、とうもろこし、松茸(岩手)、新いか
美しいエメラルドグリーンとサクサクの食感が印象的な新銀杏、香りの良い松茸、柔らかい新いか等が美味しかったです。南瓜は晩夏~初秋にかけてサツマイモの代役を務める天種。サツマイモ同様長い時間を掛けて揚げられ、天紙で包んで余熱で仕上げられます。強めに火が入った皮目の香ばしさ、中のホクホクの食感、甘味が楽しめます。ただし、例年ほどではなかったかなと。
印象に残ったタネは、銀宝、鮑(房総)、鱧(大分)、鱚、岩牡蠣(富山)。
ホワイトアスパラ、賀茂茄子、新蓮根(茨城)、とうもろこし(甘甘娘)、ジャガイモ。
魚介では、江戸前の銀宝と立派な鮑が特に印象的。次点が鱧と鱚。カラリと揚げられた銀宝はゼラチン由来のプルプルとした弾力と濃いうま味が印象的。今季ベストかなと。鮑も味が濃かったです。鱚は銀宝とは対照的にフワッと優しく。岩牡蠣も小振りながら、ジューシーで美味。
野菜では、香りの良いホワイトアスパラ、トロっとジューシーな賀茂茄子、甘い新蓮根(茨城)、甘味・食感・香りと三拍子揃ったとうもろこしのかき揚げが美味しかったです。
とにかく軽い天ぷらで胃もたれしません。〆の天丼はかき揚げを辛めの丼汁に潜らせてあるので楽に食べきれます。もう少し衣の食感を残せた方が・・・と思うこともあるのですが。
印象に残った天種は、銀宝、女鯒、岩牡蠣、ホワイトアスパラ、ジャガイモ、賀茂茄子、トウモロコシ
江戸前の銀宝はゼラチンをしっかり感じるもの。うま味も濃かったです。昨年いただいたものほどではありませんでしたが、他店比では素晴らしいものでした。魚介では女鯒が次点でしょうか。
アスパラは緑、白、紫と三種類いただきましたが、最も好印象だったのは白。こちらのホワイトアスパラは、時期をずらして夏に生産されるものを使っているのではなかったかなと。その一方で、グリーンアスパラは食感、うま味、香りといずれも物足りないものでした。
ホワイトアスパラ以外で印象に残ったのはジャガイモ。ジャガイモでご飯を挟み、サンドウィッチ状にして揚げられます。ムッチリとした食感と香ばしさが何とも言えません。次点は賀茂茄子やトウモロコシか。
揚げ手の技量が最も問われる、かき揚げのクオリティも申し分なし。頻繁に油を交換するので、油切れが非常に良く、胸焼けすることがありません。ハイシーズンの幕開けは上々の結果でした。
春の香りと苦味を求めて近藤さんに。
筍(塚原)、アスパラ(北海道)、空豆、蕗の薹、蛤、銀宝
この時期の一番の目当ては筍とアスパラです。朝掘りの塚原産の白子筍は柔らかく、えぐ味のないもの。薫り高く、美味しかったです。北海道産のアスパラも香り・うま味・食感と、いずれも良好。ただし、筍もアスパラも、例年ほどの質ではないというのが本音でしょうか。ガクを開いて揚げられた蕗の薹は、心地よい苦味と香りを楽しめました。
魚介では、大振りの蛤がジューシーで美味。今季初の銀宝もゼラチン質こそ乏しいものの、上品な味わいでした。
ちょっと気になったのがモンゴイカ。イカ墨の塩で食べるというのは面白かったのですが、少々火が入りすぎとの印象を受けてしまいました。
しかしながら、〆の天丼はさすがの仕上がり。複数の種で大きなかき揚げを作るのですが、生焼けということはありませんし、小柱が硬化しているなんてこともありません。無駄な衣が非常に少なく、辛めの丼汁でさっぱり楽に食べ切れました。
初夏から旬を迎えるタネも多く、これから天ぷらは春に次いでもう一つのハイシーズンに入ります。今から楽しみです。
早春の天ぷらをいただきに近藤さんに。昼でもお好みで揚げてもらえます。
印象に残ったのは河豚の白子、公魚、穴子、人参、蕗の薹
江戸前の鱚、女鯒とまずまず。なぜかこの日の車海老はいつもより甘く感じました。定番の種では穴子が良かったかなと。外はカラリと中はホクホクに。トロ穴子にはない風味と身の締まりが味わえました。河豚の白子はクリーミーでリッチな味わい。
蕗の薹はガクを開いて揚げられます。心地よい苦味と香りのハーモニーが口の中に広がります。これは塩で食べてこそでしょう。ガクを閉じたまま揚げるお店が多いですが、それだと塩では食べにくいです。実際、そういうお店では天汁で食べることを勧められるのですが、この食べ方では香りが台無しだと考えます。飴細工を模した人参の天ぷらは、見た目はもちろん甘味が印象的。
椎茸はうま味・香り・食感いずれもなかなかでしたが、前回ほどではないかなと。牡蠣は九州のものが供されましたが、これも前回の昆布森のものに軍配が上がるでしょう。
塚原産の朝掘りの筍や北海道産のアスパラといった春の天ぷらが今から楽しみです。
2017年2月
冬の天ぷらをいただきに近藤さんへ。
特に印象に残ったのは椎茸、人参、アスパラ、鯊
椎茸はとても肉厚で、前回以上のものでした。ただ分厚いだけの椎茸なら他店でも見かけますが、近藤さんの椎茸は食感・薫りが全くの別物。今季のオーストラリア産のアスパラは物が良いようで、食感・瑞々しさ・薫りと、バランス良好でした。鯊も今期の不漁を考えれば、上々の質だと感じました。
天ぷら屋で最も技量が問われるかき揚げの仕上がりも見事の一言。複数の天種を使った、厚みのあるかき揚げでも、小柱を硬化させてしまうなんてことはありません。単一の天種のみであったり、ペチャンコのものを揚げるお店もありますが、専門店としてはいかがなものかと思います。
その一方で、江戸前の穴子は残念なものでした。もっとも、いくら江戸前の質が良くないからといって、穴子本来の風味や味わいがない(癖はないけど、ブヨブヨな)対馬や韓国のトロ穴子を食べたいとは思いませんが。今冬は昆布森の牡蠣が早めに終了してしまったのも残念でした。
2016年12月
秋の天ぷらを堪能しました。
椎茸、舞茸、松茸(いずれも岩手)、牡蠣(昆布森)等
きのこの美味しい季節。椎茸は無駄な水分がなく、香り・食感・味わいとパーフェクト。一年中供される天種ですが、この時期から冬にかけてが一番美味しいように思います。立派な天然の黒舞茸は歯応えがあり、香りも濃かったです。魚介類では、ジューシーな昆布森の牡蠣が印象に残りました。
2016年10月
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端境期の晩夏~初秋
印象に残ったのは南瓜、鱚、牡蠣、新いか、
この時期限定の南瓜は、さつまいも同様、大きめにカットされ、長時間揚げた後に余熱で火を通します。個人的にはさつまいもよりもオススメの天種です。昆布森の立派な牡蠣もジューシーで、美味しかったです。前回(夏)訪問時から気になっていたホワイトアスパラ(北海道)は夏の間中生産されているそうです。椎茸はまだまだこれからといった感じでした。次回は秋の味覚を味わいにお邪魔しようと思います。
2016年9月
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夏の天ぷらをいただきました。
賀茂茄子、とうもろこし、ピーマン、鱧、穴子等
賀茂茄子は蒸されて、内部がトロトロ。香ばしい茄子と醤油は好相性。絶品でした。とうもろこしはカリっと揚がっており、甘味・香り・食感、いずれも申し分なし。この時期はゴールドラッシュでしたが、甘甘娘よりも甘いかもと感じました。ピーマンも香りが爽やか。外はカラリと中はホクホクに揚げられた穴子も美味。かき揚げのクオリティも他店より上だと思います。天丼でも衣の食感を楽しみたい場合には、タレを上から少量掛けてもらうように頼むと良いと思います。お盆明け頃から出始める南瓜は、名物のさつまいもよりも個人的にはオススメです。
2016年7月
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初夏の天ぷらをお好みで堪能しました。一年で一番心躍る季節です。
銀宝、鱚、女鯒、とうもろこし、賀茂茄子等
鱚、女鯒といった定番の魚介種ももちろん美味しかったですが、この季節の主役は何といっても銀宝でしょう。江戸前の銀宝はゼラチン質由来の弾力とうま味が素晴らしく、まさに絶品でした。『銀宝を食べずして天ぷらを語ることなかれ』とはよく言ったものです。
野菜ではとうもろこし(甘甘娘)と賀茂茄子が絶品でした。こちらではゴールドラッシュと甘甘娘の二種類のとうもろこしが使用されています。甘甘娘は6月下旬までしか入荷されないそうです(期間中でも売り切れの場合は、ゴールドラッシュを使用するようです)。甘甘娘は薫り高く、フルーティーな甘味が印象的でした。噛むほどに甘かったです。こちらの極薄の衣ならではのかき揚げで、カリッと揚げられていました。賀茂茄子も中がトロトロで、まさに蒸し料理。身が詰まっていて、非常に美味しかったです。アスパラの香りが落ちてしまうこの時期は姫竹も忘れられません。ピーマン等も出始めており、夏野菜が揃い始めていました。
2016年6月
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春の天ぷらを堪能してきました。
印象に残ったタネはアスパラ、筍、空豆、タラの芽、女鯒、蛤等
お好みで好きなものを好きなだけいただきました。この時期のアスパラはこれからのものと比べると瑞々しさという点ではやや劣るかもしれません。しかしながら、歯応えがあり、薫りが一番良い時期だと思います。筍は塚原の朝掘りのもの。えぐ味がなく、やはり薫りや食感を愉しめました。白魚は大葉で巻いた従来のものと、生姜と一緒にかき揚げにしたものの二種類を。前者は中心部がレアの仕上がり、後者はもっちりとした仕上がり。個人的には、工夫の光る前者の方がお勧めです。天丼はかき揚げの仕上がりよく、非常に美味しかったです。丼汁を少なめにしてもらったおかげで、食感がより愉しめました。
衣は脆いほどに薄く、油も頻繁に変えるので非常に軽い天ぷらが味わえます。どんなに混んでいても油切れが抜群に良いですし、海老を事前に剥いて置いておくようなこともしません。新しい?お弟子さんたちも頑張っていて、気持ちが良いなと。こういう一つ一つの要素が、こちらが単なる高額店ではなく高級店たる所以でしょう。
2016年4月
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紅赤を使ったかき揚げを頂きに伺いました。
椎茸、にんじん、山ごぼう、鯊、ホタテ、牡蠣等
事前に予約しておいた紅赤と野菜のかき揚げを頂きました。紅赤の自然な甘味は他の素材の味を邪魔せず、野菜のかき揚げに向いているというのも納得でした。巨大なさつまいもに飽きてしまったという方は一度試してみるのも悪くないと思います。
2015年12月
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晩秋の天ぷらを頂きました。
椎茸、山ごぼう、鯊、牡蠣(昆布森)、ホタテ等
椎茸が肉厚な季節になりました。余分な水分が無く、うま味、香り、食感全てが楽しめます。山ごぼうはかき揚げで。無駄な繊維質が無く柔らかいので、やや厚めにカットされています。そのおかげか、こちらも香り・歯応えともに楽しめる逸品でした。ジューシーな昆布森の牡蠣、中がレアの仕上がりでうま味・甘味が楽しめるホタテも美味しかったです。
2015年11月
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秋の天ぷらを頂きに伺いました。
南瓜、松茸(信州)、新いか、鱚等
野菜では南瓜が特に印象に残りました。南瓜はさつまいも同様大きくカットされ、長時間掛けて揚げられます。皮側の香ばしさと、中の甘さが堪らないものでした。松茸はあらかじめ酢橘を挟んだものを一本丸ごと揚げます。噛むほどに薫り、美味しかったです。定番のタネでは鱚が美味しかったです。初めて頂いた甘鯛もなかなか。〆の天丼、フルーツも美味しかったです。
2015年9月
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夏の天ぷらを頂きに伺いました。
とうもろこし、ピーマン、おくら、新銀杏、鱚、女鯒、岩牡蠣等
定番のタネでは鱚が印象に残りました。ふんわりと柔らかく揚げられており、非常に美味しかったです。岩牡蠣(茨城産)は6月の富山産のものに軍配が上がるかなと。とうもろこしは甘甘娘が頂けるかも?と思いましたが、ゴールドラッシュでした。種まで食べられるピーマンは皮が柔らかく、香りは爽やか。今夏は賀茂茄子が頂けなかったのが残念でした。
2015年7月
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初夏の天ぷらを堪能しました。
姫竹、いんげん、じゃがいも、とうもろこし、鱚、女鯒、岩牡蠣、銀宝等
姫竹は香り良く非常に美味しかったです。この時期のアスパラはジューシーですが、4月のものと比べると香り自体はもう一つなので、姫竹は特にお勧めです。稚鮎は粉山椒を敷いて供されました。面白い食べ方だと思いますが、肝心の稚鮎の質はもう一つだったというのが本音です。ジャガイモは白米を挟んだ変わり種です。じっくり揚げるタネなので、早めに注文した方が良いと思います。薩摩芋や南瓜がシーズンではない時にお勧めです。カリッと香ばしく揚げられた江戸前の銀宝はゼラチン質たっぷりでした。食感・旨みともに申し分なく、絶品でした。岩牡蠣も美味しい季節になりました。
直近の訪問(6月)で頂いた銀宝、岩牡蠣(富山)、トウモロコシも非常に美味しかったです。江戸前定番のタネも旬で、天ぷらが美味しい季節です。
増税された頃からでしょうか。食後に出されるフルーツが以前ほど美味しいと感じなくなってしまいました。気のせいでしょうか。
2015年5月
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春の天ぷらを頂きました。
白魚、鱚、空豆、蕾菜、タラの芽
蕾菜という新しい天種が供されました。苦みと甘みが時間差で味わえる面白いものでした。空豆はホクホクで香り良く美味しかったです。白魚は二種類の揚げ方で頂きました。一つは、大葉で何匹もの白魚を巻いたこちらの定番のもの。中心がレアに仕上がっていて、非常に美味しかったです。もう一つは、一般的なかき揚げタイプものです。こちらはむっちりとした食感が楽しめ、美味しかったです。
直近の訪問(4月)で頂いた朝掘りの筍(塚原産)は香り・食感ともに秀逸でした。筍以外にも、アスパラが一段と香りが良く、非常に美味しかったです。
2015年3月
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冬の天ぷらを頂きました。
カワハギ、ホタテ、河豚の白子、白魚、ニンジン、蕗の薹
年が明けて河豚の白子が出るようになりました。油の中で蒸された白子は中がとろとろの仕上がりです。カワハギの天ぷらは肝を身で挟んで揚げたもので、塩と山葵で頂きます。山葵が肝の味を引き立ててくれます。まだまだ寒い日が続きますが、春を感じる天種も出始めていました。
2015年1月
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晩秋の天ぷらを頂きました。
椎茸、ニンジン、山ごぼう、牡蠣、ハゼ、ホタテ
椎茸は他店とは全くの別物です。甘みが際立つニンジンは見た目にも美味しい一品です。かき揚げにされた山ごぼうは余計な繊維質がなく美味しかったです。牡蠣も前回同様非常に美味しかったです。生やフライよりも好きな食べ方です。
天種によってカットや衣の濃さが工夫されており、食感や香りが楽しめます。この辺りが他の天ぷら屋とは一線を画している所だと思っています。
2014年11月
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秋の天ぷらを頂きました。
この日はとにかく椎茸が絶品でした。こちらの椎茸は一年中美味しいですが、この日は格別でした。原木椎茸は肉厚ですが余計な水分がないので、抜群の食感と香りを堪能できます。噛むと口中にうま味が広がります。この日は房総の立派な鮑も出ましたが、それよりも美味しかったくらいです。まるで鮑のようだと感じたことは今までにもありましたが、この日はついに鮑を超えてしまいました。牡蠣も美味しい季節になりました。
2014年10月
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夏の天ぷらを頂きました。
とうもろこし、賀茂なす、ピーマン、鱚、女鯒、鱧、岩牡蠣
甘みが凝縮したとうもろこしは、相変わらず絶品です。湯葉が中心に詰まったズッキーニは何とも言えない食感です。今回は女鯒も非常に美味しかったです。おまかせ(部分的にお好みですが)では注文しないと滅多に穴子が出てきません。ただ、わざわざ追加しなくても供される穴子は非常に美味しいことが多いです。正直、全く別物を使っているのではないかと思うほどです。最近そのような穴子を頂けていないのが残念です。
2014年8月
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初夏の天ぷらを頂きました。
とうもろこし、賀茂なす、鱚、岩牡蠣、銀宝
おまかせでお腹一杯食べるのもいいですが、お好みで好きなタネを揚げてもらうのも愉しいものです。とうもろこしのかき揚げは甘みに富んでおり、非常に美味しいです。岩牡蠣、鱧、そして江戸前の銀宝、〆の天丼まで美味しく頂くことが出来ました。それにしても、こちらの櫻正宗は美味しいです。もう少し日本酒の種類があってもいいのでは?と思うこともありますが。
2014年6月
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春の天ぷらを頂きました。
アスパラ、タラの芽、こごみ、筍、空豆、白魚、鱚等
アスパラ、筍、空豆が香り良く、特に印象に残りました。白魚も非常に美味しかったです。
2014年4月
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早春の天ぷらを頂きました。
白魚、公魚、河豚の白子、カワハギ、蕗の薹等
こちらでは子連れのお客さんもちょくちょく見かけます。何かのご褒美のようでした。こういう微笑ましい光景に出逢えるのもこちらの良い所かもしれません。
2014年2月
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冬の天ぷらを頂きました。
椎茸、にんじん、山ごぼう、さつまいも、牡蠣、帆立、カワハギ、ハゼ等
甘みあふれるニンジンは目でも舌でも楽しめます。帆立は中がレアで甘みが引き立っていました。江戸前のハゼ、ジューシーな牡蠣、椎茸等も美味しかったです。
2013年12月
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天ぷらの最高峰との呼び声高い銀座の名店。こちらは江戸前定番のタネだけでなく、野菜の天ぷらも美味しいお店です。店主の近藤さんは山の上で長年にわたって料理長を勤められ、山の上を今日の地位にまで押し上げた方です。食通で知られる池波正太郎先生が贔屓にしていた職人としても有名です。
天ぷらに関しては、私は近藤が一番だと思っています。それは近藤の天ぷらがとにかく軽く、かつ素材の持ち味を十二分に引き出しているからです。素材の持つ水分を利用した加熱調理で、天ぷらは蒸し料理と言われる所以がよく分かります。揚げる際のタネの最適なサイズ等も考えられており、素材の持つうま味、香り、食感が愉しめます。
こちらで食べる以上、近藤さんに揚げてもらいたいというのが人情でしょう。そうであれば、予約時に近藤さんのカウンターを指定することをお勧めします。コースは、おまかせやお好みがお勧めです。たしかに値は張りますが、それに見合った以上ものが頂けます。そして出来立てをすぐに食べることこそ肝要です。写真を撮りたいのもまた人情でしょうが、ここは我慢。せっかくの天ぷらがもったいないです。ちなみに、看板メニューのサツマイモはコースには含まれていないので、最初に別途注文しなければなりません(夏場はさつまいもの代わりにかぼちゃが提供されます)。
サービスや雰囲気に関しては、天ぷら屋としては十分過ぎると思います。立地はもちろん、清潔感のある店内、とりわけ檜の白木のカウンターとざるに盛られた野菜は良い雰囲気を演出してくれています。ただし、席の間隔が狭いため、やや窮屈に感じることがあります。また、この狭さがてん紙の交換などの妨げになっているとも思います。しかし、いずれもそれほど気になるものではありません。
4位
22回
2023/12訪問 2024/02/10
師走の林さん。
鮃の昆布〆
八寸
焚物(大根・南瓜・人参)
唐墨大根
椀物(蛤真)
お造り1(雲丹)
お造り2(いか、湯葉)
お造り3(赤貝、鮃、鰤)
お凌ぎ1(鯵)
お凌ぎ2(鰹)
お凌ぎ3(青味大根)
鰆の西京焼き
温物(海老芋の西京仕立て)
油物(車海老)
油物(モロコ、穴子)
蟹の茶碗蒸し
蟹の酢の物
自然薯ご飯
水物(洋梨)
栗の菓子
お薄
椀物の出汁は昆布主体。食べ進めるうちに、出汁と真薯が合わさり豊かな吸い地に。いたずらにうま味を用意していないので、最後の一口までピークアウトしません。
海老芋は白味噌仕立てで。塩味と甘味のバランスが素晴らしいですし、ねっとりとした海老芋の味わいが何とも言えません。これより美味しい海老芋の料理はないんじゃないのかなと。
秋の林さん。
白和え(柿、利休麩)
八寸(栗、川海老、いか黄身焼き、ゴリ等)
いくら
鼈の卵寄せ
お造り(雲丹、海苔)
お造り(鮃)
お造り(車海老、鮪、いか)
お凌ぎ(鯵の寿司)
お凌ぎ(鱧と零余子)
焼物(甘鯛)
温物(蕪の菊花餡)
油物(車海老、小芋)
酢の物
お茶漬け
水物
水菓子
お薄
高級食材に頼るのではなく、食材の吟味に心を砕かれています。供される料理はどれも至極真っ当なもの。
鼈の卵寄せはこの時期の定番。月と鼈と銘打たれたこの椀物は、臭みがないのはもちろん、鼈のうま味の上澄みだけが抽出されています。
温物の蕪は菊花餡で。これも大変滋味深い一品。食材の味を覆わないよう、甘味を抑えた味付けも林さんの料理の特徴だと思います。
当店の料理は、侘び・寂びといった美意識に通ずるところがあると思います。派手さよりも、季節感が大事にされており、良い意味で枯れた料理です。
夏の林さん。奇を衒わない、実に夏らしい献立でした。
蓴菜とおくら
八寸(川海老、新銀杏、八幡巻き、いか黄身焼き等)
椀物(鱧)
お造り1(雲丹、海苔)
お造り2(鱧の落とし)
お造り3(あこう鯛)
お造り4(鮪、鳥貝、湯葉、車海老、いか)
焚物(賀茂茄子)
お凌ぎ1(穴子の粽寿司)
お凌ぎ2(鱧寿司)
お凌ぎ3(鯵の寿司)
鮎塩焼
油物(伊勢海老、玉蜀黍等)
あこうの煮こごり
鱧しゃぶ
鮑の酢の物
お茶漬け
梅の水物
菓子
お薄
特に印象に残った料理は椀物、焚物、そして鱧寿司。お椀の出汁は抑制的で、鱧を引き立てる黒子といったところ。鱧寿司はタレの塩梅まで素晴らしく、味わい深かったです。
高級食材を多用するのではなく、食材を一つ一つ吟味することに心を砕いており、供される料理は至極真っ当なものばかり。派手さよりも、季節感が大事にされており、侘び・寂びといった美意識を感じさせる、良い意味で枯れた料理だと思います。
春の林さん。
白和え(蕨、独活等)
蕗の薹味噌
八寸(イカ黄身焼き、八幡巻き、川海老、一寸豆等)
椀物(蛤)
お造り1(雲丹、海苔)
お造り2(車海老)
お造り3(鮃)
お造り4(赤貝、いか、湯葉)
お造り5(鰹のたたき)
若竹煮
焼物1(ぐじ)
焼物2(筍)
焼物3(鯛の白子)
油物(タラの芽、鱚等)
酢の物(鮑)
お茶漬け
蓮根の菓子
お薄
若竹煮は筍の甘味を覆わない、林さんらしい味付け。高級食材を多用するわけではありませんが、どの食材もよく吟味されたもので、至極真っ当な料理が供されます。
派手さよりも、季節感が大事にされています。侘び・寂びといった美意識を感じる料理で、良い意味で枯れた料理です。
冬のはやしさんにお邪魔しました。
先付(昆布〆)
大根、人参、南瓜の焚物
八寸
お造り1(雲丹と海苔の佃煮)
お造り2(鮃)
お造り3(赤貝、烏賊、トロ、湯葉)
蛤真薯の椀
お凌ぎ1(鮃の寿司)
お凌ぎ2(鯖寿司、酢蓮根)
鰆の焼物
海老芋の西京仕立て
茶碗蒸し
油物(車海老、鱚、銀杏)
酢の物(蟹の奉書巻き)
お茶漬け
水物(ラ・フランス)
芋羊羹
お薄
高級食材を多用するわけではありませんが、どの食材も吟味されたもの。至極真っ当な料理が供されます。
椀物の出汁は昆布主体で、一口目は淡い味わい。食べ進めていくと、出汁と蛤真薯の味わいが合わさり、吸い地が豊かなものになっていきます。二口目、三口目と徐々に照準が合ってくるように仕上げられています。
食材の味を覆わないように甘味を抑えるのも林さんの味付けの特徴だと思います。
侘び・寂びといった美意識に通ずる料理とでもいえばいいんでしょうか。派手さよりも、季節感が大事にされています。良い意味で枯れた料理です。
秋の林さん。季節感溢れる料理が楽しめました。
白和え(柿、椎茸、蒟蒻等)
八寸(八幡巻き、川海老、烏賊黄身焼き、銀杏等)
土瓶蒸し(鱧、松茸)
お造り1(雲丹、海苔)
お造り2(鯛、車海老、烏賊)
お造り3(鱧)
蕪の菊花餡
お凌ぎ1(鱧寿司)
お凌ぎ2(鯖寿司)
お凌ぎ3(鰹の寿司)
油物(鱚、鱧)
酢の物(赤貝のヌタ)
お茶漬け
水物(無花果)
菓子
お薄
土瓶蒸しと蕪の菊花餡が特に印象に残りました。どちらも滋味深い味わい。食材の味を覆わないように甘味を抑えた味付けです。派手さはありませんが、良い意味で枯れた料理です。
夏の林さん。従来、税サ別20,000円だったコースは、税サ別23,000円に値上げされました。他店と比べると値上げ幅はそれほど大きくなく、価格据え置き期間もかなり長かったように思います。
いただいたものは下記の通り。
先付(蓴菜)
八寸(川海老、八幡巻き、いか黄身焼き等)
お造り1(雲丹2種と海苔)
お造り2(車海老、鯛、鮑、剣先いか、湯葉)
椀物(鱧)
お凌ぎ1(シンコの寿司)
お凌ぎ2(鱧の粽寿司)
お凌ぎ3(鱧寿司)
焼物(鮎塩焼き)
焚物(賀茂茄子の白味噌餡かけ)
鱧しゃぶ
油物(鱚、玉蜀黍等)
酢の物(蛸)
水飯(だし茶漬け)
梅かき氷
あんこ餅
お薄
お造りは価格を考えればどれも納得のいくもの。椀の出汁は昆布主体。抑制的なうま味が鱧の味わいを引き立ててくれます。
鮎(福井県南川)はパリッと焼かれており、頭からいただけました。油物はもう一つでしたが、鱧しゃぶはGood。蛸の酢の物もなかなか美味しかったです。
食材の味を覆わないように甘味をなるべく加えないのが林さんの味付けの基本なのだと思います。地味な印象を受ける料理が多いかもしれませんが、良い意味で枯れた料理だと思います。値上げ後もCPは変わらず良好だといえるでしょう。
春のはやしさん。派手さはありませんが、季節感溢れる料理を提供してくれます。税サ別20,000円のコースは下記の通り。
白和え
八寸
椀物(アイナメ)
お造り(鰹)
お造り(雲丹・海苔)
お造り(車海老、細魚、鮃)
穴子の粽寿司
焼き物(マナ鰹)
焼き物(筍)
若竹煮
土筆の玉〆
油物(鱚、アスパラ、氷魚)
酢の物(赤貝)
お茶漬け(鱸)
マンゴー、苺
桜餅
お薄
昆布主体の出汁は一口目から美味しすぎるということもなく、椀種のアブラメとの調和がGood。食材の甘味を覆わない(甘味をあまり加えない)のも林さんの特徴。筍の甘味がストレートに味わえました。
他店が値上げをすればするほど、こちらの良さを実感します。真っ当という言葉が良く当てはまるお店です。
晩秋のはやしさん。季節感溢れる料理を堪能させてもらいました。
白和え(蒟蒻、柿、椎茸)
八寸(紅葉麩、松葉素麺、銀杏、八幡巻き、チシャトウ、烏賊の蝋焼き等)
椀物(蛤・松茸)
唐墨大根
お造り1(雲丹、海苔)
お造り2(鮃)
お造り3(車海老、鰤、いか)
お凌ぎ(鯖寿司、酢蓮根、蛸等)
海老芋の炊いたん
焼物(鰤)
油物(雲子豆腐、鱚、菊花の揚げ出し)
若筍煮
酢の物(蟹の奉書巻き)
お茶漬け
水物(ラ・フランス)
菓子
お薄
早掘りの筍と炊いた海老芋が特に印象に残りました。派手さはありませんが、相変わらず堅実な料理で安定感があります。素材の味、特に素材の甘味を覆わない味付けが秀逸です。
久しぶりのはやしさん。ここまで間が空いてしまうとは思いませんでした。
白和え(柿、椎茸、蒟蒻等)
八寸(八幡巻き、唐墨大根、銀杏、川海老、栗、烏賊の黄身焼き、落ち鮎、揚げた紅葉麩等)
椀物(鼈の玉子寄せ)
お造り(車海老、いか、トロ、湯葉)
お造り1(鯛)
お造り2(雲丹、海苔)
お造り3(いくら)
お凌ぎ1(鱧寿司)
お凌ぎ2(鯖寿司)
お凌ぎ3(鰤寿司)
焼き物(甘鯛)
油物(芋)
炊合せ(蕪と菊花餡)
鱧・松茸のしゃぶしゃぶ
酢の物(鮑)
お茶漬け
水物
お薄
蕪の菊花餡と鱧松茸のしゃぶしゃぶが特に印象に残りました。派手さはありませんが、季節感あふれる献立に丁寧な仕事振りが光っていました。使用している食材も吟味されており、味付けも素材の味(特に甘味)を覆わないように気を配られています。安定感は随一だなと。
晩秋のはやしさんにお邪魔しました。派手さはありませんが、堅実で季節感溢れる料理が愉しめました。
白和え(柿、大黒寺麩、椎茸等)
八寸(もろこ、子持ち鮎煮、鰻とごぼうの八幡巻、銀杏、ちしゃとう等)
蛤の吸い物
唐墨大根
お造り1(雲丹、海苔)
お造り2(いか)
お造り3(鯛、赤貝、鮪等)
お造り4(伊勢海老)
お凌ぎ(穴子の粽寿司)
油物(車海老)
羹(海老芋の白味噌仕立て)
甘鯛の松笠焼き
酢の物(蟹の奉書巻き)
鼈の茶碗蒸し
お茶漬け
洋梨のコンポート
栗菓子
お薄
出汁は抑制的。林さんの味付けは、甘味を極力足さないことで素材の味を覆わないことを意識されているのだと思います。うま味の強い食材ばかり並べるコースや食べ疲れる料理とも対極にあります。
使っている器も良いものが多いです。立地もあるでしょうが、価格も良心的。予約も簡単に取れるので、使い勝手も担保されています。CPは非常に良いと思います。
夏のはやしさん。季節感に溢れる料理の数々でした。
先付(オクラと蓴菜)
八寸(空豆、烏賊、川海老、鰻八幡等)
椀物(鱧)
お造り1(雲丹、海苔)
お造り2(烏賊、甘鯛、トリ貝、湯葉)
お造り3(メイタガレイ)
御凌ぎ1(鱧寿司)
御凌ぎ2(鰯寿司)
御凌ぎ3(粽寿司)
焼物(甘鯛の御頭)
炊合せ(賀茂茄子の白味噌餡)
油物(車海老等)
鮑の酢の物
お茶漬け
水物
お薄
高級食材を使った派手さや創作的な奇抜さはありませんが、よく吟味した食材を丁寧に調理していることが伺えます。椀物や炊合せの安定感が非常に高いです。時期や日によるブレが少なく、いつ訪問しても高い満足度が得られます。京都に住んでいたら毎月訪問したいお店です。
晩秋から冬にかけてのはやしさん。
白和え
八寸(銀杏、鰻の八幡巻き、烏賊、川海老)
椀物(鴨)
お造り1(鰤)
お造り2(雲丹、海苔)
お造り3(剣先いか、湯葉)
お造り4(鮃、鮪等)
羹1(海老芋の白味噌仕立て)
羹2(蟹の茶碗蒸し)
焼き物(鰤)
お凌ぎ1(からすみ大根)
お凌ぎ2(穴子寿司)
お凌ぎ3(鰯寿司)
油物(車海老等)
酢の物(蕪と蟹の奉書巻き)
雑炊
椀物も美味しかったですが、この日の一番は海老芋の白味噌仕立て。白味噌の優しい味わいがねっとりした海老芋に寄り添いほっこりする味わい。〆の雑炊は蟹の出汁がたっぷり使われたもので美味。安定感抜群です。
秋のはやしさん。季節感溢れる料理を目当てに訪問しました。
白和え
八寸(鰻の八幡巻き等)
椀物(月とすっぽん)
いくら
お造り1(雲丹、のり)
お造り2(鱧)
お造り3(車海老)
お造り4(鱧、鮪、烏賊、鯛、湯葉)
甘鯛松笠焼き
御凌ぎ1(鰯の寿司)
御凌ぎ2(鰻の寿司)
御凌ぎ3(穴子粽)
油物(松茸、零余子)
羹(菊花餡かけ)
しゃぶしゃぶ(鱧、松茸)
酢の物(鮑)
酢の物(蟹)
お茶漬け
水物
お薄
吟味された食材と手間を惜しまぬ調理が愉しめます。菊花餡掛けは滋味深い味わいで、相変わらず秀逸。八寸の鰻の八幡巻き、鱧松鍋も美味しかったです。
松茸の季節だったのでいつもより高めの値段設定で願いしましたが、当店では15,000~でも美味しい料理がいただけます(私はいつもは20,000円でお願いしています)。実直さと安定感のある素晴らしいお店だと思います。
晩春のはやしさん。季節感あふれる料理の数々を堪能できました。
うすい豆腐
八寸
お造り1(伊勢海老)
お造り2(雲丹、海苔)
お造り3(鯛、とり貝、湯葉)
若竹煮
お凌ぎ1(鰹のたたき)
お凌ぎ2(穴子の粽寿司)
椀物(アブラメ)
焼き物1(筍)
焼き物2(ぐじ)
鯛の白子の茶碗蒸し
羮(鯛と筍)
油物(車海老、タラの芽、アスパラ)
鮑の酢の物
鯛茶漬け
水物
お薄
派手な食材よりも、よく吟味された食材を。奇をてらった調理よりも、素材に寄り添う味付けを。食材に手は掛けるが、決して弄り回さない。林さんの料理はそんな料理です。若竹煮、穴子の粽寿司、アブラメの椀物、茶碗蒸し、鯛と筍の羹など、どれも素晴らしかったです。
正月明けの林さん。今年はお節をいただけなかった代わりに訪問しました。
先付け
八寸(黒豆、数の子、川海老等)
このわた
白味噌椀
お造り1(雲丹、海苔)
お造り2(イカ、湯葉)
お造り3(鮃、伊勢海老、赤貝)
お凌ぎ(穴子の蒸寿司等)
焼物(真名鰹)
羹(蕪蒸し)
油物(蕗の薹、車海老、辛子蓮根、慈姑煎餅等)
酢の物(蟹)
七草粥
お薄
水物(苺)
白味噌椀はほっこり・落ち着く味わい。羹の蕪蒸しも滋味深い味わいで非常に美味。蕪の甘味や食感が何とも言えませんでした。安定感は流石の一言です。
春のはやしさん。
うすい豆豆腐
八寸
椀(鯉)
このわた
お造り1(雲丹・海苔)
お造り2(いか・湯葉)
お造り3(細魚、鯛、鮪)
お凌ぎ1(鳥貝の寿司)
お凌ぎ2(穴子寿司)
お凌ぎ3(焼き筍)
お凌ぎ4(鰹の叩き)
グジの焼物
油物(稚鮎、タラの芽、海老等)
炊合せ
葛切り
お茶漬け
菓子
お薄
記憶が曖昧な箇所もありますが、大体こんな感じだったと思います。出汁はインパクトよりも余韻を重視したもの。これは毎回変わりません。東京の和食屋ではなかなか出会うことがありません。年内にもう一度くらいは伺いたいなと思っています。
昨秋のはやしさん。松茸の土瓶蒸し、蕪の菊花餡かけ、落ち鮎の油物等、季節を映す料理の数々を堪能できました。今年はこの時期に訪問できないのが残念です。
この日は帰りにお節をお願いしていきました。お節の内容はかまぼこ、だし巻き玉子、田作り、鴨ロース、辛子蓮根、人参や椎茸の煮物などなど。お正月に美味しくいただきました。特に印象に残ったのは栗きんとん。栗がスマッシュされたもので、滑らかな舌触りと優しい甘味が愉しめました。
夏のはやしさん。
蓴菜
八寸(川海老、煮こごり、いか、空豆等)
椀(鱧)
お造り1(雲丹・海苔)
お造り2(ぐじ)
お造り3(鱧の落とし)
お造り4(車海老・鮪・湯葉)
お凌ぎ1(穴子寿司)
お凌ぎ2(鱧寿司)
炊合せ(賀茂茄子とごま豆腐)
鮎の塩焼き
油物(鮎、とうもろこし等)
鱧しゃぶ
鮑の酢の物
鰻ご飯
水物
お薄
こんな感じだったと思います。
鮎の塩焼き、鱧しゃぶ(瀬戸内)が大変好印象。次点が鱧の椀、ぐじのお造り、鱧の落とし、賀茂茄子とごま豆腐の炊合せ、鰻ご飯といったところでしょうか。
派手ではありませんが、季節感溢れる料理の数々。料理や価格はもちろん、直前でも予約が取れる真っ当な店です。
春のはやしさん
蕗の薹味噌
白和え
八寸
このわた
アイナメの椀
お造り1(雲丹、海苔)
お造り2(桜鯛、赤貝、鰹、湯葉)
お凌ぎ1(穴子寿司)
お凌ぎ2(いわし寿司)
焼物1(筍)
焼物2(グジのカマ)
若竹煮
油物1(鯛白子、タラの芽)
油物2(子持ちモロコ)
土筆玉閉め
酢の物(鳥貝)
鰻ご飯(琵琶湖)
苺
道明寺
お薄
こんな感じだったと思います。
季節感溢れる料理で、春を楽しめました。
特に好印象だったのは若竹煮と鰻ご飯。
椀(アイナメ)に関しては昨年の方が良かったかなと。
梅が咲き始めた頃のはやしさん。
ふろふき大根
八寸(いさざ、蕗の薹味噌、川海老、柚、煮蛸等)
椀(鴨と葱)
お造り1(雲丹)
お造り2(関サバ)
お造り3(赤貝、さより、鮃、湯葉)
蓮根饅頭
お凌ぎ1(カジキマグロの寿司)
お凌ぎ2(穴子の寿司)
焼きもろこ
油物(車海老、牛蒡と海老、タラの芽)
お揚げの羹
(餡掛け)おじや
苺
湯葉饅頭
お薄
こんな感じだったと思います。
もろこは竹串に刺して焼かれていました。頭を網に突き刺さずとも、しっかり焼けるようにとのことだったと思います。実際、焦げによる苦味が気にならず、美味しかったです。もちろん、もろこは良質。
もろこ以外にも、ふろふき大根、蓮根饅頭、お揚げの羹、おじや等、美味しい料理を堪能出来ました。
晩秋のはやしさん
海老芋の白味噌仕立て、グジの焼物、津居山の蟹、鯨のハリハリ鍋等をいただきました。
派手さはありませんが、とても満足度の高いお店だと思います。
2016年11月
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晩夏のはやしさん。鮎と鱧を目当てに訪問しました。
先付(茄子、南瓜等)
八寸
椀(鮑、肝の白玉)
練り雲丹
お造り(車海老)
お造り(鮪、烏賊、湯葉等)
お造り(鱧の落とし)
お凌ぎ(鰯の寿司、鱧の寿司、鮑の寿司)
鮎塩焼き(南川)
揚げ物(鮎、鱧、玉蜀黍)
炊合せ(冬瓜、新銀杏等)
鱧しゃぶ
葛の素麺
お茶漬け
水物
抹茶
一口目から主張しすぎない吸い地や素材を覆わない味付けは相変わらず秀逸でした。毎回安定しているのもさすがだなと。目当ての鮎と鱧も堪能でき、大満足でした。
2016年8月
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桜の季節の料理を味わいに。
ふきのとう味噌
白和え(独活等)
八寸(空豆、独活湯葉巻き、稚鮎等)
アイナメの椀
お造り(鯛、赤貝、湯葉)
お造り(雲丹、のり)
お造り(さより、烏賊、湯葉)
若竹煮
お凌ぎ(カラスミと大根)
焼き物(筍)
焼き物(鯛)
焼き物(田楽)
揚げ物(車海老、タラの芽)
酢の物(鮑)
土筆の玉閉め
お茶漬け
桜餅
抹茶
大体こんな感じだったと思います。特に印象に残った料理はアイナメの椀と若竹煮。出汁は鰹臭くなく澄んだ味わいで、飲み進めるうちに味わいが増していきます。派手さこそありませんが、季節感あふれる確かな料理を堪能できました。
2016年4月
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秋のはやしさんにお邪魔しました。
白和え
八寸(丹波栗、銀杏等)
土瓶蒸し(京都産松茸、鱧)
お造り(雲丹、のり)
お造り(明石の鯛、とり貝、湯葉)
蕪の菊花餡かけ
お凌ぎ(穴子、松茸の寿司等)
ぐじのかま
揚げ物(小芋等)
蟹の酢の物
葛切り
舞茸ご飯
無花果
お薄
こんな感じだったと思います。お造りの鯛、土瓶蒸し、蕪の菊花餡かけが印象に残りました。特に蕪の菊花餡は味わい深い逸品でした。いわゆる高級食材をふんだんに使用しているわけではありませんが、素材はどれも吟味されたものばかり。一切の虚飾を排した料理という感じです。秋の味覚を堪能できました。
2015年10月
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楽しみにしていた筍は、焼き物、炊合せ、そしてご飯で頂きました。
その他にも、アブラメの椀や土筆の玉締めなど、春の料理を堪能できました。
2015年3月
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三口目でビシッと合う蛤の椀、絶妙な加減でした。また、グジの蕪蒸しも絶品でした。蟹等も含めて、冬の味覚を存分に堪能できました。供される料理は真っ当なものばかりで、細部に至るまで手抜きがありません。
訪問する度に色々気付かされるお店です。それと同時に居心地の良さも増していきます。通えば通うほど良くなる、まるでお椀のようなお店です。
2014年12月
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花見には少し早い時期でしたが、料理の方で春を楽しむことができました。
蛤真丈の椀
グジの焼き物
若竹煮
土筆の玉締め
等を頂きました。
たしかに料理の説明等は基本的にありませんが、食べ方に関してはアドバイスをして下さいます。ご主人は物腰は柔らかいですが、この辺りは割りとハッキリと伝えてくれます。個人的には表面的な料理の説明よりも、こういったアドバイスの方が意味があるように感じます。
蛤真丈や若竹煮(塚原産)など、どれも美味しかったです。鯛に施された細かい仕事も見事でした。また、菓子に至っても、蕗の薹が雪の間から顔をのぞかせる姿をイメージするなど、春の訪れが感じられるものでした。
また京都に行く際にはぜひ立ち寄りたいお店です。
2014年3月
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以前よりザガットやミシュラン等で見かけたことがあり、名前だけは知っていましたが、白髪鬼様のレビューを拝読して訪問を決めました。場所は北村美術館のちょうど向かい側にあたるのですが、ご自宅を使われているようで、夜だとかなり分かりづらいです。靴を脱いでお邪魔すると、掘りごたつのカウンター席に案内されました。席の間隔は決して広くありませんが、何とも言えない独特の良い雰囲気があります。
食前酒を頂くと、先付けに蕪の煮物が出されました。淡くて優しい出汁には奥深い味わいがあります。鯛、いか、雲丹などのお造りもどれも美味しかったです。えび芋の白味噌仕立ても非常に美味しかったです。海老芋のねっとりとした食感と旨み、そして白味噌の優しい甘みが口の中に広がりました。グジの焼き物は少し塩辛かったですが、冷酒を飲みながら美味しく頂きました。〆のお茶漬けを頂いている最中にご主人が振る舞って下さった甲羅酒は、風味や香りが何とも言えないものでした。
接客は好みが分かれるようですが、誰の紹介でもない一見の私にも話を振る様に気を配って下さいました。ただし、ある程度自分から雰囲気に溶け込む努力が必要なのも事実でしょう。たしかに、東京のお店で受けるサービスとは種類が違います。こういった点も京都らしいと言えば京都らしいのかもしれません。実直なご主人の歯に衣着せぬトークも非常に面白かったです。
料理だけでなく雰囲気も含めて、色々な意味で京都を愉しむことができました。京都に行く際には、また寄りたいと思うお店です。
2013年11月
5位
8回
2020/10訪問 2020/12/13
先代の宮葉幹男氏は、もともと華屋與兵衛の流れを汲む鮨屋のご出身。ところが、跡取りのいない幸鮨(京橋)に仕事養子に出されたんだとか。そのため、宮葉の親方は華屋與兵衛の系統だけでなく、幸鮨の仕事も汲んでいるとのこと。そして、両流派の仕事を親方流に解釈して出来上がったのが、現在の宮葉の鮨なんだそうです。
宮葉の鮨は実にまろみのあるもの。酢をしっかり使用しているのに、酸味の角が上手に落とされています。頭脳労働が一般的になった現代において、酸っぱい・しょっぱい「江戸前鮨」は合わないということで、今の形にされたんだそうです。
しかしながら、これは宮葉の鮨が伝統的な江戸前鮨ではないということを意味しているわけではありません。おそらく宮葉の鮨は明治時代頃まであった御すもじにルーツがあるのでしょう。江戸前というと、酸っぱいしょっぱいというイメージが強いですが、これは屋台で供された一日中汗を流す職人さん向けの味。主として宮中や大名家に届けられた御すもじは、まろやかなものだったとか。当時からライフスタイルや嗜好に合わせて棲み分けがなされており、なにも酸っぱいしょっぱいものだけが江戸前だったわけではないようです。
伝統的な仕事を踏襲しつつ、時代の流れの中で再構築された江戸前鮨、それが宮葉の鮨なのだと思います。親方は今でも二階からお弟子さんたちの仕事を厳しい眼差しで見ていることでしょう。
久しぶりの宮葉さん。おおよそ1年半ぶりの訪問となりました。一席ごとに飛沫防止パネルが設置されており、複数人で訪問してもパネルで仕切られたままでした。
トロ、ヅケ、鯛、オオアラ、スミイカ、鰯、赤貝、メカジキ(赤身)、メカジキ(トロ)、こはだ、シャコ、鯖、ミル貝、鰤、細魚、車海老、いくら、雲丹、鰹、蛤、穴子、玉、デザート。合間に土瓶蒸し等。
だいぶ変わってしまったなと。強いて良かったものを挙げるとすれば、鯛や赤貝になるのでしょうか。
タネ質は下がっていますが、お会計も下がっているのでそこは仕方のないところでしょう。以前は使わなかったような鮨種も散見されましたが、これも時代の流れかと受け入れられないこともありません。
しかしながら、ここまで仕事が変わってしまっては、宮葉の鮨とはいえないのではないかなと。酢〆は以前よりも塩・酢ともに強めだと感じました。鰤は脂を落とす仕事が施されていませんでしたし、穴子のツメも不味くなってしまいました。土瓶蒸しは出汁がイマイチでしたし、鱧の骨切りもダメ。余計な具が多すぎだとも感じました。
親方が亡くなった直後こそ持ちこたえていましたが、この数年は訪問するたびに劣化を感じます。残念でなりません。
師走の宮葉さん。食べたいと思った時に訪問できるのがありがたいです。
鮪三種、こはだ、鯖、ミル貝、サヨリ、鰹、車海老、ねぎま、蛤、雲丹、鰤、穴子、玉。合間にネギマ汁。こんな感じだったかなと。
今回の酢飯は悪くなかったです。好印象だった鮨種は鯖と細魚。次点が鰹(紀州)でした。鰤は惜しいなと。当店の鰤は熱燗で余分な脂を落しているはずですが、ちょっとやり過ぎでしょう。必要なものまで落としてしまっていると感じてしまいました。ミル貝と穴子(対馬)はもう一つか。
秋の宮葉さん。久しぶりの訪問となってしまいました。
摘みはあん肝、カラスミと大根、穴子の白焼き(対馬)、松茸土瓶蒸し(岩手)等。
握りは鮪三種、こはだ、鰹、秋刀魚、甘鯛、鰤、ミル貝、青柳、蛤、牡蠣、雲丹、松茸、穴子、鉄火巻き等
デザートに汁粉
往時と比べるとタネ質はかなり落ちたと思います。〆る等の仕事は悪くありませんでしたが、この日の酢飯はイマイチ。山葵も疑問符がついてしまうものでした。
タネ質の低下は残念ですが、その分値段も下がっているようです。先代の頃は扱わなかった鮨種を扱ったりと試行錯誤を重ねているようです。ここ数年は人の入れ替わりが激しかったので大変だと思いますが、是非頑張っていただきたいなと。
師走の宮葉さん。
摘まみはあん肝(余市)、お造り(鯛、縞鯵)、穴子の白焼き、河豚の唐揚げ、河豚の白子。合間に蕪蒸しも。
握りは鮪三種(戸井)、こはだ、鰤、かすご、鰹、白いか、鯖、サヨリ、ミル貝、雲丹、蛤、穴子、鉄火巻き。玉、デザート(お汁粉)で〆。
一番好印象だったのは鰤。嫌な脂を感じない美味しい鰤でした。ねっとりした白いか、蛤、鰹もgood。その一方で、摘みの穴子は宮葉さんにはもっと期待したいというのが本音です。
このお店はカメラでの写真撮影を禁止されています。少なくとも、先代はそのように決められていたと認識しています。カウンター席は空間を共有する所だからいう理由ではなかったかなと。何とも気持ちの良いルールではないでしょうか。
しかしながら、残念なことに、ある特定の客にはカメラでの撮影を許可してしまったようです。直接居合わせたわけではないので、詳しい状況は分かりません。もしかしたら、ハウスルールそのものを変えられたのかもしれません。
いずれにせよ、以前のハウスルールは徹底されていないようです。許可するorしないは店の自由でしょう。ただ、それをどう評するかは客の自由。宮葉さんがそのような路線に走ってしまったのは残念でなりません。しばらく訪問は控えようと思います。
摘みは稚鮎(九頭竜川)、水貝
握りは鮪三種、星鰈、甘鯛、鰯、えぼ鯛、鯵、鰹、白いか、縞鯵、平貝、ミル貝、鳥貝、蛤、雲丹、鉄火、穴子、玉、
鮪(勝浦)、雲丹(東沢スペシャル版)、ミル貝、星鰈が特に好印象でした。えぼ鯛は珍しい鮨種だと思いますが、なかなか美味しかったです。
その一方で、鰹はイマイチ。不漁が響いているそうです。穴子も食感・味わいともにもう一つかなと。
変わったという点では、蛤の相汁が以前ほど甘くなくなりました。あの甘さがちょっと苦手だったのですが、今となっては恋しい味なのかもしれません。
先代がお亡くなりになって以降、惰性気味に訪問していましたが、良いきっかけなのかもしれません。次回訪問時には元の宮葉さんに戻っていて下さったらなと。
早春の宮葉さんに。
お造り(鯛、ひらまさ、細魚)
河豚白子の焼物
真名鰹西京焼き
握りは鮪三種(勝浦)、ぐじ、鰹、春子、鯖、雲丹、ミル貝、中鮪、蛤、細魚、白魚、穴子、干瓢
玉、お汁粉
この日一番印象に残ったのは蛤。ふっくらした蛤を相汁に漬けて。宮葉さんならではの雑炊風の鮨です。蛤以外にも、脂のない鰹や東沢スペシャル版の雲丹など、宮葉さんらしいこだわりを楽しめました。ただ、以前よりお茶が薄くなったような気がするのですが、気のせいでしょうか・・・。
酢はしっかり効いていますが、酸味の角は落とされています。酸っぱい・しょっぱい鮨が苦手という方にオススメです。予約が簡単で、時間やコースに関しても、客側の自由度が高いのは嬉しい限りです。
煮蛸、茶碗蒸し、お造り(鮃、鯛、甘鯛)、あん肝、穴子白焼き、蕪蒸し、
鮪三種、小肌、春子、いか、小柱、鯖、さより、鰹、雲丹(東沢スペシャル版)、鉄火巻、穴子、玉等
合間にねぎま汁、最後にデザート
ここ最近、以前ほど美味しい穴子の白焼きが供されなくなったかなと。蕪蒸しはうま味・塩味・甘味といずれも過大気味。鮨屋とはいえ、もう少しトーンを落とした方が良いのではないかと感じました。
握りでは小肌、雲丹、穴子が好印象でした。鮪、鯖、鰹も美味しかったですが、本音を言うと、もう一押し欲しいところ。宮葉さんでは禁漁期間中を除き、夜のコースでは雲丹は東沢のスペシャル版しか供されません。そのこだわりは先代の親方がお亡くなりになった今でも変わっていません。是非、他の種もさすが宮葉さんと唸るものを期待したいところです。
2016年12月
評価は先代の宮葉幹男氏の時代のものになります。
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秋の宮葉さんにお邪魔しました。禁漁期間中ということで東沢スペシャル版の雲丹はありませんでしたが、狐と狸二種類の穴子、松輪の鯖、丹波産松茸を楽しめました。
鯖(松輪)のお造り、落ち鮎焼物、穴子白焼き、
握りは赤身、中鮪、鎧下、鮃(利尻)、勘八(尾鷲)、かすご、新子、白いか、鰹、いくら、雲丹、松茸、ミル貝、赤貝、牡蠣、鯖(富津)、鉄火巻き、穴子、玉
合間に松茸の土瓶蒸し
悪くはないのですが、宮葉さんらしくないと感じてしまう点もチラホラ。酢飯や鯖の〆具合(少々きつめ)等に少々首を傾げてしまいました。摘みをはじめ、鮨種にもいつもほどの魅力を感じませんでした。
コース一本ということもなく、お好みで握ってもらうことも可能です。入店時間を指定された上での一斉スタートという、高額店で流行りの給食スタイルでもありません。予約も難しくないので、食べたい時に食べたいものを食べることができます。
数少ない食べ手主体の鮨屋です。それだけに頑張っていただきたいなと思い、お店を後にしました。
2016年10月
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夏の鮨をいただきに伺いました。
摘みに稚鮎の焼物(九頭竜)、鱧の落とし、
握りは鮪三種、鯛、星鰈、春子、ツバス、鯵、鰹、雲丹、新子(3枚漬け)、新いか、車海老、鮑、牡蠣、蛤、ミル貝、鉄火、穴子、玉、
合間にネギマ汁、デザートに御汁粉
春子、鰹、ツバス、穴子は好印象。常に鮪が美味しいのも流石だなと。
その一方で、鱧の骨が気になったりと、残念な点も見受けられました。
2016年7月
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初夏の鮨をいただきました。
摘みは稚鮎と水貝
握りは鮪3種(那智勝浦)、真子鰈、鯛、縞鯵(江戸前)、白魚、鰹(勝浦)、こはだ、鯵、紫雲丹、カスゴ、鳥貝、さより、ネギトロ、穴子、玉
特に印象に残ったのは赤身、真子鰈、鰹、縞鯵、雲丹、カスゴ、さより、穴子、玉。
2016年5月
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お造り(鯛、クエ、鮃)、お造り(鰹、鯖)、河豚の唐揚げ、河豚の白子焼き、
鮪3種(那智勝浦)、かすご、さより、鰤、子持ち烏賊、雲丹、こはだ、赤貝、小柱、牡蠣、鰹、鯖、鉄火巻き、穴子等、
鯖、鰹、さより、雲丹、赤貝と非常に美味しかったです。
しかしながら、その一方で、今回の鰤には感心しませんでした。鰤の質がイマイチにも関わらず、質の高い鰤と同様の仕事がなされており、必要な味まで抜けてしまっていると感じました。先代は納得がいかないものには手をつけなかったと伺ったことがあります。今回の鰤なら供されなかったのではないかなと。
先代がご不在の時にもちゃんとしたものが供されていたことがあると思っています。次回に期待しています。
2016年2月
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親方に手を合わせに。
あん肝(余市)、お造り(ひらめ、鯛、かんぱち)、お造り(鰹、鯖)、穴子白焼き、河豚の唐揚げ、
握りは鮪三種(噴火湾)、こはだ、鱚、いかげそ、かすご、鯖、赤貝、雲丹、シャコ、いくら、牡蠣、ミル貝、鰹、鉄火、穴子等
2015年11月
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秋の鮨を頂きました。
お造り(縞鯵、ヒラメ、鯛)、
子持ち鮎焼物、鮑、穴子の白焼き、松茸の土瓶蒸し、
鮪三種、かすご、コハダ、鰹、鯖、松茸、いくら、烏賊、車海老、雲丹、赤貝、ミル貝、鱚、牡蠣、ネギトロ、穴子等、
お汁粉、
二種類の穴子は狐を白焼きで、狸をツメ(握り)で。非常に小さい子持ち鮎は最上川から。噴火湾の鮪、江戸前の車海老、松輪の鯖、東沢の雲丹(スペシャル)と実に美味でした。松茸(丹波)もここならではのものでしょう。
2015年9月
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初夏の鮨を頂きました。
お造り(鯛、とり貝、真子鰈)、
稚鮎、水貝、握りの途中でネギマ汁、
鮪3種、ぐじ、鱚、かすご、鰹、あじ、金時鰯、赤貝、とり貝、シャコ、シンコ、新いか、雲丹、車海老(天草)、鉄火、穴子、
ゼリーとコーヒーを頂いて〆となりました。
鯵、金時鰯、とり貝、新いか、穴子、雲丹が印象に残りました。シンコは一枚が小指の爪もあるかどうかという代物で8枚付けでした。あくまで縁起物で通常握らないサイズだとか。
2015年6月
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お造り(鯛、ぐじ、中鮪)、
稚鮎の焼物、
ぐじと新筍の焼物、
握りは赤身、中トロ、鎧下、鰹、鯖、コハダ、サヨリ、鳥貝、ミル貝、赤貝、蛤、牡蠣、雲丹、穴子、鉄火巻き等を頂きました。
待ちに待った稚鮎の季節になりました。特に美味しかったものは、お造りでは鯛、握りでは鮪、鰹、サヨリ、鳥貝、雲丹、穴子です。中でも鰹とサヨリは絶品でした。薫る鰹はますます素晴らしく、サヨリも実に繊細・上品な味わいでした。もう一貫お願いすると、立派なサヨリが細工を変えて供されました。親方の仕事で昇華された鮨は非常に美味しかったです。
2015年3月
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お造り(中鮪、ヒラメ、鯛)、
穴子白焼き、 渡蟹、河豚の白子焼き、 河豚の唐揚げ、
握りは赤身二種、中トロ、鎧下、中鮪、かすご、新いか、シンコ、鯖、鰤、シャコ、牡蠣、青柳、小柱、雲丹、 ミル貝、赤貝、蛤、穴子、干瓢巻き等
この日は色々な鮪を堪能でき幸せでした。もちろん、鮪以外のタネも充実していました。この時期のシンコ、新イカには驚かされました。鯖、鰤、穴子と最高のタネに最高の仕事が施されています。雲丹も雑味のない超一級品です。まろやかな酢飯は最高で、銀座の某有名店と違って喉が渇きません。摘みの質も最高峰と言って差し支えないでしょう。ふぐの白子は高級ふぐ専門店にも引けをとらないものでした。本当に全てが最高で、5万に迫る支払いも納得でした。
2015年1月
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お造り(赤貝、鯛、ヒラメ)、
穴子の白焼き、河豚のから揚げ、河豚白子焼き(黒七味で)、グジの蕪蒸し、
握りは鮪三種、メジマグロ、細魚、鰹、いか、こはだ、雲丹、鯖、ミル貝、グジ、鰤、鉄火巻、穴子等、
鮪、メジマグロ、鯖、鰤、細魚、どれも絶品でした。
江戸巻きを持ってお店を後にしました。親方がお疲れの様子だったのが少し気になりました。
2014年12月
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お造り(ヒラメ、鰤、グジ)、
穴子の白焼き、鰹の造り、白子のポン酢和え、河豚のから揚げ、
握りは赤身、中トロ、鎧身、鯖、鰹、鰤、雲丹、こはだ、かすご、牡蠣、穴子等、
松輪の鯖は絶品でした。穴子は摘み(狐)を白焼きで、握り(狸)はツメで頂きました。鰹は年中上りです。東沢のスペシャルが禁漁期間中でなかったのが残念でした。
日本はおろか、世界中からお客さんがわざわざ訪問されています。また、同業者のみならず、有名和食店の店主も親方の味を勉強しにくるようです。
2014年11月
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お造り(ヒラメ、カンパチ、トリ貝)、
鮑のステーキ(肝と雲丹を使ったソースで)、穴子の白焼き、松茸の土瓶蒸し、
握りは赤身、中トロ、鎧下、鯖、鰹、ミル貝、雲丹、こはだ、かすご、松茸、いくら、鰤等を頂きました。
どれも美味しかったですが、その中でも鮪と鯖(松輪)は秀逸でした。鰹はこの時期でも戻りなんて使いません。つまみでは穴子の白焼きが特に美味しかったです。
2014年10月
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お造り(鯛、グジ、トリ貝)、
稚鮎の焼物、水貝、渡り蟹、鱧の落し、
握りは鮪三種(赤身、中トロ、鎧下)、シンコ、間八、蝦蛄、鯵、雲丹、タイラ貝、赤貝、真子鰈、新イカ、穴子、牡蠣、かすご、蛤など、
冷たいお汁粉
今回の摘みは少量多皿でした。江戸前のシンコは三枚付けでした。大島の間八や江戸前の鯵も絶品でした。雑味の無い雲丹も相変わらず美味しいです。そして、何より、まろやかなシャリが非常に美味しかったです。
また、直近の訪問(8月)で頂いた早松茸(丹波)、縞鯵、マゴチも非常に美味しかったです。
2014年7月
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お造りは真子鰈、甘鯛、鰤、
摘みは稚鮎の焼物と水貝を頂きました。
握りは赤身、中トロ、こはだ、鯵、鰹、ミル貝、とり貝、雲丹、江戸前の蝦蛄のツメ、穴子等
デザートにゼリーとコーヒー
この日の稚鮎も非常に美味しかったです。水貝は育った海(海藻を使用したスープ)にしばらく戻します。ミネラルたっぷりのスープにはミニトマト、きゅうり、そしてキウィが入っています。少し置くと鮑がスープを吸って柔らかくなり、美味しかったです。江戸前の鯵、鰹、東沢スペシャルの雲丹が絶品でした。
こちらはお客に合わせてもてなして下さるので、安心して人を連れて行ける素晴らしいお店です。他の鮨屋の訪問予定がすっかり狂ってしまっています。
2014年5月
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お造り(とり貝、グジ、鰈)、鰹の造り、稚鮎の焼物、渡り蟹、
握りは赤身、中トロ、細魚、烏賊、鰹、こはだ、鯛、赤貝、車海老、かすご、グジ、ミル貝、雲丹、穴子(塩で)、玉など
お汁粉、
江戸巻きをお土産に。
鰹や稚鮎は美味しくないわけがありません。渡り蟹は今回初めて頂きました。奥までしゃぶるようにして頂いたのですが、濃厚な一品で独特の風味を堪能できました。雲丹(東沢のスペシャル版)は雑味なく、非常に美味しかったです。鰹も薫り良く絶品でした。ミル貝も甘味があって素晴らしかったです。
ちなみに、ご主人は昼夜両方やるのはきついらしく、今は夜だけにしているそうです。
2014年4月
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握りはおまかせで、つまみに稚鮎の焼物と河豚の唐揚を頼みました。この稚鮎は非常に美味しかったです。
握りは、赤身、中トロ、鎧下、鰹、鯛の昆布〆、赤貝、ミル貝、トリ貝、鯖、イカ、かすご、こはだ、さより、青柳、雲丹、穴子、玉等を頂きました。鯖や雲丹等は一貫ずつ追加しました。最後はお汁粉で〆となりました。
ランチでも夜のコースが頂け、最高のタネ質を堪能出来ました。お土産の江戸巻きも美味しく、家族も非常に喜んでくれました。
2014年3月
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今回はランチでの訪問です。ランチにはお決まりもありますが、おまかせで握ってもらいました。
赤身、トロ二種、さより、すみいか、鰹、こはだ、赤貝、鯖、鰤、かすご(鯛の子)、軽く炙った烏賊、ミル貝、雲丹、穴子等
鯖、鰹、雲丹を追加し、最後にお汁粉を頂きました。
シャリが美味しく、鮪をはじめ、タネ質も素晴らしい。素直に美味しいという言葉が出てきます。年末に脂のない鰹と言われて、この時期に?と思ったのですが、ご主人曰く、鰹は薫りを楽しむものだから、上りしか使わないんだとか。
2014年2月
――――――――――
浜松町にある知る人ぞ知る老舗の江戸前鮨屋です。割りと最近存在を知ったお店です。マイレビュアー様も高く評価されているので訪問してみることにしました。
握りはおまかせで、つまみにお造りと焼き物を少し頼みました。
お造りは鯛、ヒラメ、間八でした。どれも質が高く、美味しかったです。河豚の白子の焼物は、大きさが半端ではありませんでした。本当に一人前でしょうか?もう結構ですと思うほど、河豚の白子を食べたのは初めてかもしれません。
握りは、赤身、トロ、鰹、鯖、ミル貝、赤貝、雲丹、こはだ、鯛の子(かすご)、穴子、シャコ、牡蠣、蛤(牡蠣と蛤は追加)。
こちらのシャリは酢がまろやかで非常に美味しいです。タネ質や江戸前の仕事も秀逸でした。特に美味しかったのが鮪、鯖、雲丹、そして鰹です。今まで食べた中で間違いなく一番美味しかったです。〆具合が絶妙な鯖と脂のない鰹は絶品で、もう一貫ずつお願いしてしまいました。これ以外にも、鳥海山の旨みたっぷりの牡蠣、磯の香りのする赤貝や江戸前のシャコなども印象的でした。そして、味的には微妙でしたが、面白かったのが蛤です。握りが汁に浸って供される雑炊風でした。鮨を崩して頂き、最後は汁ごと口に流し込みます。崩して頂く唯一の鮨だそうです(今では鮨職人でも知らない人がほとんどだそうです)。タネ質が高く、シャリや仕事も私の好みに合いました。
お弟子さん達のサービスはぎこちないものの、心のこもった接客だったと思います。ご主人と常連さんとのトークは面白く、お店の雰囲気も良いと思います。ただ、きしむ椅子は座り心地が少し悪かったです。浜松町という立地なども考えると、CPの判断は難しいところです。ただ、最高に美味しい鮨でした。
2013年12
6位
23回
2023/10訪問 2023/10/21
秋の松川さん。この時期のメイン食材はもちろん松茸。岩手産のものが使用されていました。
先付(伊勢海老・零余子・栗)
渡り蟹とベルーガキャビアの飯蒸し
お造り(カワハギ・いか)
椀物(松茸と紅ズワイ蟹の真薯)
松茸と鮑のソテー
甘鯛と蓮根の蒸し物
子持ち鮎の塩焼き
近江牛のフィレ肉と針松茸・銀杏
松茸のフライ
焼き無花果
蕪と口子
そば
松茸と近江牛のしゃぶしゃぶ
松茸ご飯
ご飯、赤出汁、香の物、おかず(イクラ、海苔、唐墨、ちりめん山椒)
焼き栗
水羊羹
お薄
こんな感じだったはずです。
一品目の伊勢海老は中心部がミディアムレアの火入れ。栗や零余子の歯切れの良さとの食感の差もGood。お造りも相変わらず質が良く、美味しかったです。
椀の出汁は昆布主体で、蟹真薯と合わさると豊かな味わいの吸い地に。個人的にはもう少し淡い塩梅の方が好みですが、椀種の味わい・香りは損なわれておらずレベルは高いと思います。
今年は不作の松茸。香りは例年ほどではないと感じましたが、同時期に訪問した宮坂よりも良かったですし、上質なものを仕入れられているとは感じました。
伊勢海老と並んで好印象だったのが甘鯛と蓮根の蒸し物。甘鯛のうま味や蓮根の甘味と餡とのバランスが良好。甘鯛はしっとりと、蓮の実はサクっと。潰しきっていない蓮根はねっとり・もっちりした食感の中にもシャキシャキ感が残されており、素材の食感・香りまで愉しめました。
一皿ごとの質もさることながら、コースの構成もお見事。サービスも細かい所まで行き届いており、文句なしなのではないかなと。客席の数を考えると、料理やサービスは驚くほど高いレベルで安定していると思います。
夏の上質な料理を目当てに松川さんに。
鮑と雲丹
鱚の飯蒸し(ベルーガキャビア)
お造り(鯛・雲丹・蓴菜)
椀物(鰻・冬瓜)
玉蜀黍の天ぷら・車海老の湯葉巻き・炙りバチコ
毛ガニとオクラ
鮎の塩焼き(久多川・安曇川)
鼈のつけ焼き(牛蒡の天ぷら)
焼き無花果
鱧しゃぶ(湯葉)
冷麦
ご飯(イクラ、海苔、唐墨、ちりめん山椒)、香の物、赤出汁
鰻のつけ焼き
水羊羹
お薄
鮑と雲丹は夏定番のスターター。鮑の質・炊き方ともに秀逸。煮凝りも優しい味わいで、毎回唸らされる逸品です。
お椀の出汁は例年よりもやや濃いめとも。鰻の処理や冬瓜の炊き方は素晴らしく、完成度は高いと思います。
毛蟹とオクラは酸味の効いたジュレで。暑い日でも食べやすいですし、コースの中盤に丁度良い抑揚をつけてくれます。
鱧しゃぶの出汁は、昆布と鱧の骨を使ったしっかりしたもの。より淡く・ストイックな出汁の鱧しゃぶの方が個人的には好みですが、コース終盤に食べるなら当店位の塩梅の方が広く受け入れられる気はします。
冷麦で火照った身体を冷まして〆のご飯に。鰻のつけ焼きもGOOD。
使用される食材は非常に上質。うま味・塩味等は若干しっかりしています。そこまで薄味だとは思わないのですが、コースの構成、とりわけ酸味や味の濃淡の付け方が素晴らしく、最後まで飽きずに食べることができます。
器や盛付含め、料理のレベルは非常に高く、サービスも細かい所まで行き届いています。キャパの決して小さくないお店(個室3つにカウンター6席)でこのレベルを維持しているのですから驚きです。
初夏の松川さん。
鮑、雲丹、ずいき(煮凝り)
鱚の飯蒸し(ベルーガキャビア)
あ造り(甘手鰈、雲丹、いんげん)
お造り(鳥貝)
椀物(虎魚、賀茂茄子、梅肉)
毛ガニともずく
鱧の焼霜、炙りバチコ、トウモロコシの油物
鮎(美山)の塩焼き
焼き賀茂茄子
鰻の付け焼きと揚げ牛蒡
トマトと蓴菜
鱧しゃぶ(湯葉)
そば(オクラと鶉卵)
ご飯(ちりめん山椒、いくら、海苔、生の唐墨)、赤出汁、香物
水羊羹
お薄
さくらんぼ、マンゴー
鮑と雲丹は当店の定番料理ですが、炊き方・味付けが高いレベルで安定しています。お造りではアマテカレイが特に美味しかったです。
椀物の出汁は昆布主体で、終盤のピークアウトも特に気になりませんでした。鱧しゃぶの出汁は若干しっかり目ですが、コース終盤なのでこれ位の濃淡の塩梅も心地よく感じられます。
単に一皿ごとのクオリティが高いだけでなく、コースを通しての味の濃淡の付け方や酸味の利かせ方が秀逸。構成がとにかく素晴らしいと思います。
松茸の時期の松川さん。この日の松茸は信州産でした。
先付け(伊勢海老、栗、零余子)
蟹とベルーガキャビアの飯蒸し
お造り(鯛、雲丹)
椀物(松茸と紅ズワイ蟹の真薯)
お造り(カワハギ)
松茸と鮑のソテー
ぐじと蓮根の蒸し物
落鮎の塩焼き
鼈のタレ焼き
松茸のフライ
焼き無花果
おろしと鰹節のそば
松茸と和牛のしゃぶしゃぶ
松茸ご飯
ご飯(ちりめん山椒、いくら、海苔、生の唐墨)、赤出汁、香物
焼き栗の菓子
お薄
食材はどれも上質で、味付けも素材の味を覆わないもの。洗練された料理だと思います。
特に好印象だったものはお造りの鯛と蒸し物。お造りの鯛(淡路)は非常に上質。食感、うま味、香りと全てがハイレベルでした。
出汁は昆布主体で、椀種の味わい・香りを損ないません。食べ進めるうちに吸い地と椀種が合わさり豊かな味わいに。究極の引き算との印象こそ受けませんが、終盤のピークアウトはそれほど気になりません。
蒸し物の餡は淡すぎず濃すぎずの塩梅で、甘鯛のうま味・塩味や蓮根の甘味とのバランスが秀逸。甘鯛はしっとりと、蓮の実はサクっと。潰しきっていない蓮根はねっとり・もっちりした食感の中にもシャキシャキ感が残されています。素材の食感・香りまで愉しめる料理です。
個室まで含めると20名前後のお客さんを相手にすることになります。それでいて、料理・サービスともに常に高いレベルで安定しています。私が知る限りでは、こうしたお店としてのトータルの能力は当店が一番なのではないかなと。
夏の松川さん。紹介制にも関わらず、長きにわたって予約困難店として人気を集めています。私が東京の和食屋で唯一リピートしているお店です。
鮑と雲丹
鱚の飯蒸(ベルーガキャビア)
お造り(鯛、いか、雲丹)
アコウと新銀杏のすり流し
毛蟹ともずく
焼き鱧、炙った口子、玉蜀黍の天ぷら
鮎の塩焼き
鼈のタレ焼き
焼き無花果
冷や麦
鱧と湯葉のしゃぶしゃぶ
鰻の付焼き
ごはん、赤だし、香物
いくら、生の唐墨、海苔、ちりめん山椒
水羊羹
お薄
鮑と雲丹は煮凝りや鮑の肝のソースと一緒に。暑い日でも食べやすいこの時期定番のスターター。鮑の炊き方も良いですし、煮凝りが鮑はもちろん雲丹の味わいも妨げません。
お造りも毎回上質なもの。新銀杏のすり流しは滋味深く、アコウの味わいに寄り添うもの。梅肉が程良いアクセントになってくれます。
鮎の塩焼きはパリッと焼かれており、身のしっとり感もそれなりに感じられます。当店の鮎は骨ごといただけるサイズのもの。
鱧しゃぶは終盤でも美味しいと感じる絶妙な塩梅。コースの組み立ても含め、素晴らしいと思います。
食材はどれも上質で、味付けも食材の味を覆わないもの。万人受けする料理だと思いますが、決して没個性的ではありません。非常に洗練された料理です。
そして料理以上に感心するのがサービス。細かい所まで行き届いており非常にハイレベルです。このハコの大きさで常にこのクオリティを維持しているのは本当に凄いと唸らされます。
春の松川さん。
先付(鮑、雲丹)
渡り蟹の飯蒸し(ベルーガキャビア)
お造り(鰈、伊勢海老)
椀(虎魚、茄子)
ミル貝、半生バチコ、蕗の薹天ぷら
桜鱒の昆布締め
炊合せ(筍、蛤)
稚鮎の焼物
筍の焼物
近江牛の焼物(花山椒、トマト)
サザエ壺焼き
鮑と若布のしゃぶしゃぶ
そば(叩いたオクラ、ウズラの卵)
筍、熊、花山椒
ごはん(じゃこ、いくら、海苔、生の唐墨)、赤出汁、香の物
水羊羹
お薄
苺のゼリー
お造りの伊勢海老は非常に上質で美味。椀の出汁は程よく抑制的。椀種に寄り添うもので、食べ進めるうちに虎魚の味わいと一体となって豊かな吸い地に。
焼き筍は香りよく美味。定番の筍と蛤の炊合せ、鮑と若布のしゃぶしゃぶもGood。こちらでサザエの壺焼きをいただいたのは初めてでしたが、このような料理でも品のあるものに仕上げるのは流石の一言でしょう。
冷酒をちょっといただいて支払額は60,000円強。絶対額は高いですが、上質な食材を使用しており、調理・サービスともにハイレベル。予約困難なのも納得です。
冬~早春にかけての松川さん。間人蟹や河豚がまだメインの時期でした。
間人蟹の飯蒸し
焼き蟹(脚)
柚子釜(河豚の白子と雲丹)
お造り(鯛、伊勢海老、サヨリ)
椀物(帆立真薯、口子、木耳、木の芽)
てっさの白子和え
蟹刺身(爪)
唐墨餅・大根おろし
焼きモロコ
甘鯛の菜の花餡掛け
鮑のしゃぶしゃぶ
白魚・蕗の薹の天ぷらそば
ご飯(いくら、唐墨、海苔、じゃこ)、赤出汁、香の物
黒豆羊羹
苺、レモン、シャーベット
お薄
出汁はインパクト重視ということもなく、ホタテ真薯の甘味・うま味に寄り添うもの。口子は吸い地に程良い塩味を与え、木の芽の爽やかさが椀の味わいを引き締めてくれます。
お造りもどれも上質。中でも海鼠腸で食べる鯛と味噌でいただく伊勢海老は特に好印象でした。間人蟹や河豚も良いものなのは間違いないでしょう。相変わらず高いレベルで安定していると思いました。
その一方で、活モロコはそれほどとも。松川さんはどの食材も良いものを使っていると感じるのですが、モロコは私の嗜好とは合わないようです。
サービスも実に行き届いています。和食屋の高額化が止まりませんが、使用している食材の質や量、サービスの水準、立地といった諸々の要素を考慮すれば、価格も妥当なのでしょう。
10月の松川さん。この時期のメイン食材である松茸がふんだんに使用されていました。
先付(伊勢海老、ムカゴ、栗)
渡り蟹の飯蒸(キャビアと)
お造り(鯛、はりいか、塩雲丹)
松茸と蟹真薯の椀
お造り(カワハギ)
松茸と鮑のソテー
落ち鮎の塩焼き
蒸し物(甘鯛、加賀蓮根、蓮の実)
近江牛のステーキ(針松茸、銀杏)
松茸のフライ
焼き無花果
蕪と口子
そば(鰹節と辛味大根)
近江牛と松茸のしゃぶしゃぶ
松茸ご飯
ご飯、赤出汁、香の物、おかず(いくら、海苔、唐墨)
栗菓子
水羊羹
お薄
高いだけあって、良い食材を使われています。松茸も良かったですが、それ以上にお造り(鯛)と蒸し物が好印象でした。
蒸し物の餡は淡すぎず濃すぎずの塩梅で、甘鯛のうま味・塩味、蓮根の甘味とのバランスが良好。上質な甘鯛はしっとりと、蓮の実はサクっと、潰しきっていない蓮根はねっとり・もっちりした中にもシャキシャキ感が少し残されています。素材の食感・香りまで愉しめます。
昨年同様、椀の吸い地は魚介系のインパクトが気持ち強めだと感じました。ピークアウトするほどではありませんでしたが、個人的には一昨年のものの方が良かったかなと。
万人ウケする味わいでありながら、洗練された奥深い料理だと思います。この席数でこの味・サービスを維持していることにも驚かされます。
再度、夏の松川さんにお邪魔しました。訪問の間隔が詰まっていたこともあり、虎魚のお造り、アコウと新銀杏のすり流し、焼き鰻以外は前回とほぼ同じ内容でした。
料理は一品ごとのクオリティはもちろん、コースの組み立てもGood。特にこの時期の鱧しゃぶには毎回感心させられます。過大な味わいということもなければ、物足りなさも感じません。供される終盤のタイミングでは丁度良い塩梅だと思います。非常に美味しかったです。
夏の松川さん。
先付(鮑と雲丹)
鱚の飯蒸(ベルーガキャビア乗せ)
お造り(鰈、雲丹)
椀(鰻・冬瓜)
炙りバチコ、鱧、玉蜀黍の油物
焼き賀茂茄子
鮎の塩焼き
焼き鼈
鱧しゃぶ
笹の冷や麦
ご飯(いくら、海苔、生唐墨)と赤出汁
水羊羹
お薄
書ける範囲ではこんな感じでした。
カウンター6席と個室3部屋が常時満席ながら、味・サービスどちらも細部に至るまで気が配られており、誰もが納得する高級店だと思います。全てが非常に高いレベルで安定しており、お見事の一言に尽きます。
早春の松川さん。周年祝いの花が沢山届けられていました。
蟹の飯蒸し
焼き蟹
柚子釜(河豚白子と雲丹)
お造り(鯛、赤貝)
椀物(ホタテ真薯、口子、木耳、木の芽)
炊合せ(筍、蛤、蕗)
蟹刺し
甘鯛の菜の花餡かけ
焼きモロコ
焼き鼈
鮑とワカメのしゃぶしゃぶ
白魚と蕗の薹の天ぷらそば
ご飯、赤出汁、おかず(ちりめん山椒、いくら、海苔、唐墨)
水羊羹
お薄
お土産にちりめん山椒と筍ご飯
冬の名残りの食材だけでなく、春の食材もチラホラ。特に好印象だったのが、この時期の定番料理である筍と蛤の炊合せや甘鯛の菜の花餡かけ。どちらも素材の味を覆わない塩梅に仕上げられており、非常に美味しかったです。
椀物もこの時期定番のホタテ真薯。出汁は魚介のインパクトがそれほど強くなく、ホタテ真薯のうま味・甘味に寄り添うものでした。吸い口の木の芽が、香りや味わいを引き締め整えてくれます。お造りの質も高いレベルで安定しており、鯛(淡路)、赤貝(閖上)とどちらも美味しかったです。
その一方で、間人蟹や河豚といった冬の高級食材は他の方が褒めるほどでもないのでは?というのが本音。また、活モロコは今年もイマイチだと感じてしまいました。
この箱の大きさで料理・サービスともに高水準を維持しているのは本当にすごいことだなと。人気なのも頷けます。
端境期の松川さん。
伊勢海老と栗
渡り蟹の飯蒸し(キャビアと菊花)
お造り(鯛・カワハギ)
椀物(松茸と紅ズワイ蟹の真薯)
河豚のお造り
唐墨餅(大根おろしと)
車海老、マナガツオ、銀杏、零余子
鼈タレ焼き
蕪とバチコ
なめこおろしそば
ご飯・赤だし
栗菓子
水物(グレープフルーツのゼリー、柿、ざくろ)
お薄
こんな感じだったと思います。椀の吸い地はインパクト重視ということはありませんでしたが、昨年の方が抑制的で美味しかったかなと。紅ズワイ蟹の甘味は印象的でしたが、松茸は時期もあってかあまり良いものだとは感じませんでした。
お造りの鯛は上質で非常に美味しかったですが、それ以外はやはり端境期との印象も拭えませんでした。この手の高額店では端境期にはどうしてもそれほど良い印象を受けません。訪問の時期をあまり自由に選べないのが悲しいところです。
サービスは行き届いて入り非常に良好。味・サービスともにこのキャパでこのクオリティを維持しているのは凄いと思います。食べログでの高評価も頷けます。
秋の松川さん。松茸が出始めていました。
伊勢海老と栗
渡蟹とキャビアの飯蒸し
お造り(鯛、雲丹)
椀(アコウと新銀杏すりながし)
鱧背ごし
焼き松茸
落ち鮎の塩焼き
鮑と口子
甘鯛・蓮根・蓮の実
鼈のタレ焼きとごぼう天
焼き無花果
鱧・松茸のしゃぶしゃぶ
そば(鶉と叩いたオクラ)
ご飯(ちりめん山椒、生唐墨、いくら、海苔)・赤出汁
栗菓子
水羊羹
お薄
岩手の松茸は焼物やしゃぶしゃぶでいただきました。お造りの鯛は相変わらず上質。鮑も香り・うま味と芳醇でしたし、炙った口子の香りが食欲をそそる料理でした。しっとりとした甘鯛も非常に美味。味付けはもちろん、蓮と蓮の実の食感のコントラストが見事な料理でした。この日一番印象に残った料理だったかなと。コロナ禍でも予約が埋まってしまうのは、さすがは人気店・予約困難店といったところでしょう。
夏の松川さん。鮎、鱧、鮑、鰻等々、夏らしい食材が勢ぞろいしていました。
鮑と雲丹の先付
鱚の飯蒸し(ベルーガキャビア)
お造り(鰈・雲丹)
鮎の背ごし
椀物(鰻・冬瓜)
毛蟹(噴火湾)とキクラゲ
炙り車海老・炙りバチコ・玉蜀黍の揚物
鮎の塩焼き(上桂)
すっぽんタレ焼き
焼き無花果
鱧しゃぶ(瀬戸内)
冷や麦
鰻の蒲焼き
ご飯(ちりめん山椒、生唐墨、いくら、海苔)・赤出汁
水羊羹
お薄
鰻は椀物と蒲焼きで。野趣ある鰻を品の良い椀種に仕上げていました。吸い地も椀種を引き立ててくれます。蒲焼きはパリッとジューシーな仕上がりで、非常に美味しかったです。上桂の鮎は塩焼きとせごしで。塩焼きはねっとり濃厚な蓼酢と、背ごしは山葵と一緒に美味しくいただきました。鱧しゃぶも終盤に食べても物足りなさを感じない塩梅でした。
松川さんの料理は万人受けする味わいながらも、没個性的ではないところが魅力なのかなと。味の抑揚はもちろん、煮凝りやジュレをちょくちょく使用しているため、品数やボリュームに比して食べやすくなっています。この席数でこのクオリティを保っているのは凄いことだと思います。
初夏の松川さん。夏の食材が出始めていました。
鮑と雲丹の先付
鱚の飯蒸し(ベルーガキャビアと)
お造り(鰈・雲丹)
お造り(とり貝)
椀物(虎魚と賀茂茄子)
噴火湾の毛蟹と黒もずく
鱧・炙った口子・玉蜀黍の天ぷら
鮎の塩焼き(一匹は美山、もう一匹は失念)
賀茂茄子の焼物
鰻(宍道湖)とごぼう
箸休め(トマトと蓴菜)
鱧しゃぶ(瀬戸内)
オクラとウズラのそば
熊と花山椒
ご飯(ちりめん山椒、生唐墨、いくら、海苔)と赤出汁
水羊羹
お薄
お造りは相変わらず上質で素晴らしいものでした。椀の吸い地も魚介系のインパクトに頼っておらず、虎魚の味わい・賀茂茄子の甘味を引き立ててくれていました。ここの塩焼きは焦げ目がしっかり目の焼き加減ですが、この日はさすがに少し焼きすぎだと感じました。熊は品よく、野暮ったさを感じない仕上がりでした。
いつも落ち着いて食事をいただくことができるのもgood。給仕の方々は、目配り・気配り・心配りが揃っていますが、それを客に気付かれるように振舞ったりしないのも好印象です。
秋の松川さん。松茸のシーズンに訪問しました。
先付(伊勢海老と零余子)
渡り蟹とキャビアの飯蒸
お造り(鯛・雲丹)
椀物(松茸と蟹真薯)
お造り(かわはぎ)
落ち鮎の焼物
甘鯛と加賀蓮根
近江牛と松茸
松茸のフライ
御凌ぎ(無花果)
なめこおろしそば
熊と松茸の鍋物
松茸ごはん
ご飯(いくら、生唐墨、海苔、ちりめん山椒)と赤出汁
栗のお菓子
お薄
信州産の松茸がふんだんに使われていました。椀物はこの時期定番である松茸と蟹真薯。何度かいただいたことがありますが、今回の吸い地は従来より抑制的で好印象でした。食材の質は以前ほどではないと感じることもありますが、良いものが使われているのは間違いないと思います。
晩春の松川さんを訪問しました。食材的にはまさに端境期。
鮑と雲丹の先付
とげくり蟹の飯蒸し(キャビアを掛けて)
鰈と雲丹のお造り
鳥貝(舞鶴産)のお造り
椀物(虎魚)
鮎の塩焼き
焼き筍
焼物(鰻)とごぼうの油物
鱧、炙ったバチコ、玉蜀黍の油物
甘鯛と豆腐
おくら蕎麦
鍋物(近江牛と花山椒)
ご飯
水羊羹
お薄
もちろん美味しかったのですが、この手のお店は食材的に端境期だとどうしても満足度が下がってしまうかなと。花山椒を喜ぶ方も多いようですが、鮎や鱧等は良いものが期待できる時期ではないでしょう。本音を言うと積極的に訪問したいシーズンではないのですが、予約が一杯過ぎて訪問時期を自由に選べないのが辛いところです。
冬から早春にかけての松川さん。蟹、河豚白子、もろこ、ジビエ等を堪能しました。
飯蒸し(間人蟹)
焼き蟹
蟹刺し
河豚白子と雲丹の柚子釜
お造り(鯛と伊勢海老の昆布〆)
椀物(帆立真薯、口子、きくらげ、木の芽)
もろこ
大根と唐墨餅
真鴨
甘鯛の菜の花餡掛け
そば(白魚天ぷら)
牡丹肉
ご飯(ちりめん山椒、唐墨、いくら、海苔で)
水物
インパクト重視ではない出汁が、ホタテ真薯のうま味・甘味を引き立ててくれます。甘味を強く感じますが、口子が塩味を付加し、木の芽が味を引き締めてくれます。口子が香りという点でプラスに働いているのかは少々疑問ではありますが、味わい深い椀物です。
どの料理も美味しかったですが、特に好印象だったのがお造りと真鴨。その一方で、間人蟹、河豚の白子、もろこといった食材は唸るほどではなかったというのが本音です。また、以前と比べると、お土産のちりめん山椒の質が下がったとも感じています。
シャンパーニュのハーフボトル等を頼んで二人で11万円台半ば。3月を前に年内の夜の予約が埋まってしまっているそうです(苦笑)。細かい気配り含め、良いお店であることは間違いありませんが、さすがに過熱しすぎでしょう。予約の難易度を考慮すると、CPは悪いと思います。
夏の松川さん
鮑と雲丹
鱚とキャビアの飯蒸
鳥貝
鰈、雲丹
虎魚と冬瓜の椀
バチコ、揚げとうもろこし
焼き賀茂茄子
鮎の塩焼き(美山)
鱧しゃぶ
笹の冷麦
ごはん
水羊羹
マンゴー・サクランボ
大体こんな感じだったと思います。訪問日やその前日なども含め、天候に恵まれなかったと思いますが、良い食材が供されました。出汁や味付けはギリギリの線という印象こそありませんが、鰹が前に出すぎた出汁ではありませんし、素材の味を覆うような味付けでもありません。
人気の過熱ぶりには驚く限りです。良いお店だとは思いますが、さすがに使い勝手が悪すぎかなと。
秋の松川さん。
この時期のメインである松茸はソテー(鮑と)、フライ、しゃぶしゃぶ(近江牛と)、松茸ご飯等でたっぷりといただきました。松茸以外では蟹の飯蒸、落ち鮎の塩焼き等も供されました。食材の質が高く、調理も万人受けするものだと思います。
また、サービスも高いレベルで安定しています。この日は久しぶりに個室でいただきましたが、カウンター同様行き届いたサービスは健在でした。人気が出るのも納得です。
その一方で、CPという点では疑問符も。松茸の価格が高騰していたとはいえ、支払額はさすがに高すぎるのではないかと感じました。予約困難なのもCPという点ではマイナスでしょう。
夏の松川さん
鮑と雲丹
鱚とキャビアの飯蒸し
お造り(鰈、雲丹)
鰻と冬瓜の椀
毛蟹ともずく
伊勢海老の焼き霜・炙りばちこ・とうもろこしの揚物
鮎の塩焼き(美山)
賀茂茄子の焼物
焼きすっぽんと揚げごぼう
鱧しゃぶ(淡路)
冷や麦
ご飯(ちりめん山椒、唐墨、いくら、海苔で)
デザート
塩味や甘味は過剰すぎず、素材を覆わない味付け。素材も上質。随所に使われる煮凝りの口当たりの良さも食欲を刺激してくれます。
この日最も印象に残ったのは鱧しゃぶ。淡路産らしい鱧の身質や皮で、非常に美味しかったです。
また、キメの細かいサービスにも毎回感心させられます。予約の手間なども考えると、お世辞にもCPが良いとは言えませんが、さすが予約困難店だなと。
まだまだ寒い時期でしたが、春の訪れを感じに松川さんに。
河豚白子と雲丹の柚子釜
蟹の飯蒸し(焼き蟹と蟹味噌も)
鯛のお造り(醤油か海鼠腸で)
保立真薯の椀(口子、きくらげ、木の芽)
赤貝のお造り
伊勢海老と餅の菜の花餡掛け
炙りミル貝と蕗の薹の天ぷら(味噌を射込んで)
焼きもろこ
すっぽんのタレ焼き
炊合せ(筍、蛤、蕗)
白魚の天ぷらそば
ご飯(いつものおかずで)
黒豆羊羮
お薄
苺のゼリー寄せ
吸い地はインパクト重視ということはなく好印象。抑制的との印象はもう一つ受けませんが、木の芽の爽やかさがホタテの強いうま味・甘味を引き締めてくれます。炊合せも、素材の味を覆わない上品な仕上がり。素材は上質ですが、河豚の白子、間人蟹、もろこには多少疑問も感じました。
高級食材中心の構成ということもあり、コース全体の濃淡という点では、少々しっかり目かなと。しかしながら、決して嫌らしい味付けということはありません。誰もが美味しいと思える着地点でしょう。これだけの客数相手に、このクオリティを保つのは流石の一言。
冷酒を少しいただいて、4万円台半ば。立地を考えれば、価格は妥当な範囲と言えなくもないでしょう。依然として予約困難ですが、一時よりはマシになったように感じました。次回訪問が楽しみです。
松茸の季節の松川さんにお邪魔しました。この日は岩手の松茸が大量に使用されていました。使用量は昨年同時期よりも多かったのではないかなと。
伊勢海老
渡り蟹の飯蒸し
鯛と鱧焼霜のお造り
松茸と紅ズワイ蟹の椀
烏賊のルイベ
落ち鮎の焼物
カワハギのお造り(肝醤油)
グジと加賀蓮根
無花果
近江牛と針松茸
焼松茸
鱧と松茸のしゃぶしゃぶ
松茸ご飯
ご飯(いつものおかず+α)
栗の和菓子
抹茶
吸い地はインパクト重視ではなく好印象。お造りをはじめ、食材は相変わらず良いものを使われていると思います。昨年は焼き加減が強すぎると感じた落ち鮎も今年は美味しかったです。
誰でも美味しく食べられる料理で、出汁や味付けはギリギリというより最大公約数的という印象を受けます。冷酒を少々いただいて、5万円台半ば。雰囲気、サービス、そして一見不可という特別感も相まってか、予約がかなり詰まっているようです。この過熱振りには少々驚いてしまいます。
2016年10月
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晩夏の松川さん
鮑と雲丹の先付け(鮑とすっぽんの煮こごりで)
鱧と新銀杏の飯蒸し
鰈と雲丹のお造り
毛蟹真薯の椀
伊勢海老の焼霜(ジュレ掛け)
鱚、バチコ、玉蜀黍、キャビア
鮎の塩焼き(上桂川と安曇川)
甘鯛の兜焼き
焼き無花果
鱧しゃぶ(瀬戸内)
おくら蕎麦
ごはん(いつものおかずと)
水羊羹
抹茶
グレープフルーツのゼリーとマスカット
椀は食べ進めるうちに蟹のうま味・甘味が濃くなります。ことさらインパクト重視ということもなく、好印象でした。素材・調理どちらも隙なく、美味しかったです。細やかな心遣いには、料理以上に感心させられてしまいます。
2016年8月
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夏の松川さんにお邪魔しました。
鮑と雲丹(煮こごりで)
鱚とキャビアの飯蒸し
鰈と雲丹のお造り
鰻(宍道湖)と冬瓜の椀
毛蟹ときくらげ(ジュレで)
鱧の焼霜・バチコ・とうもろこしの揚げ物
鮎(美山)の塩焼き
賀茂茄子の焼物
すっぼんの焼物
トマトの箸休め(ジュレ)
鱧しゃぶ
冷麦
ご飯(ちりめん山椒、いくら、海苔、からすみ)
水羊羹
抹茶
この日のお椀は一口目からややハッキリとした味わいと感じてしまいました。昨年頂いたものの方が好印象でした。鱧の焼霜、鱧しゃぶ、鮎の塩焼きと満足の内容でした。
甘味や塩味等は過剰すぎず、素材を覆うということはありません。ジュレ等がちょくちょく使われているので、口当たり良く、食べやすいとは思います。今夏も美味しかったです。
2016年7月
――――――――――
春の松川さんにお邪魔しました。
鮑、雲丹(煮凝り、鮑の肝のソース)
トゲクリ蟹の飯蒸(キャビア乗せ)
鯛のお造り(醤油かこのこ)
帆立真薯の椀(キクラゲ、バチコ、木の芽)
炙ったミル貝とタラの芽の天ぷら
焼き筍
甘鯛の菜の花餡掛け
そば(ワサビ菜)
鮑とワカメのしゃぶしゃぶ
和牛と筍の炊合せ(花山椒)
ご飯(ちりめん山椒、いくら、海苔、からすみ)
水羊羹
抹茶
等をいただきました。
椀種の帆立真薯は繋ぎを使っていないもの。序盤の甘味やうま味は昨年いただいたものより控え目でした。今回いただいたものはホタテの甘みが徐々に加わってくるもので、バチコの塩味や木の芽の爽やかさが味を調えてくれました。粗さを残した帆立真薯、きくらげ、バチコの組み合わせは食感も愉しめました。個人的には今年の方が好みでした。
ことさら淡い味付けとは感じませんが、素材を覆うということはありません。ワサビ菜や花山椒が効果的に挟まれるので、さっぱりして食べあきませんでした。出汁も鰹臭くなくて良いです。素材の良さばかりフォーカスされがちですが、確かな調理が施されていると思います。レアな日本酒に手を出したこともあって、お会計は5万円弱。CPには疑問を感じてしまいますが、素晴らしい内容でした。
2016年4月
――――――――――
松茸を目当てに松川さんを訪問しました。
伊勢海老(ミソと)
渡蟹とベルーガ・キャビアの飯蒸
鯛のお造り(淡路)
蟹真薯と松茸の椀
カワハギのお造り
鮑と松茸のソテー
子持ち鮎の塩焼き(安曇川)
ぐじと蓮根
近江牛と細く裂いた松茸
(焼き松茸)
なめこおろし蕎麦
淡路産鱧と松茸のしゃぶしゃぶ
ご飯(ちりめん山椒、いくら、海苔、からすみで)
抹茶
栗の和菓子
グレープフルーツゼリー等
松茸は信州と岩手のものを。量に関して言えば今年一番のお店で、多くの料理に松茸が使用されていました。椀の吸地は紅ずわい蟹の甘み・うま味が加わり、優しい味わいに。蟹のしっかりしたうま味と松茸の香りを楽しめました。今回特に印象に残ったのはお造り二種、焼き松茸、鱧と松茸のしゃぶしゃぶ辺りです。食材の質は上。味付けもむやみに素材の味を覆いすぎないものかなと。
日本酒を少々飲んで、お会計は一人当たり約5万円。松茸はもちろん、ご飯も沢山頂いて満足の夜となりました。カウンター・個室ともに満席で人気のほどがうかがえます。
2015年10月
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鮑、雲丹、叩いたオクラ
鱚とキャビアの飯蒸
鰈と雲丹のお造り
鰻の椀(宍道湖)
毛蟹とキクラゲ
鮎の塩焼き(上桂川と安曇川)
とり貝のお造り
ぐじのカマ焼き
焼き賀茂茄子
鱧のしゃぶしゃぶ(韓国産)
氷の器に入った冷や麦(蓴菜入り)
ご飯(ちりめん山椒、いくら、海苔、カラスミで)
水羊羹
抹茶
初体験の鰻の椀は上品に仕上げられており、嫌味のないものでした。鮎は上桂川と安曇川のものを頂きました。蓼酢はねっとり濃厚なもの。韓国産の鱧はしゃぶしゃぶで。余った出汁まで頂きました。どれも非常に美味しかったです。上質な食材に少々しっかり目の味付けなので、誰でも満足できるでしょう。いうなれば、最大公約数的な味だと思います。
しかしながら、その一方で、高級食材を無理に詰め込みすぎとの印象も受けてしまいました。個人的には日本酒がいまいち進みませんでした。日本酒よりもシャンパン等を合わせるお客さんが多いのもこういう味付けに合うからなのでしょうか。
冷酒を少々頂いて、3万円台半ば。昼の訪問ですが、夜とでは終盤の炊き合わせが供されるか否か等の違いがあるようです。高級食材の使用をどう捉えるかでCPの感じ方が変わるように思います。過去の訪問も振り返ると、価格ありきという感も否めません。おまけに雰囲気は運次第ときています。よりにもよって、同行者がいる時に「撮影会」に遭遇したことがあるのですが、運が悪かったで済む値段でもないでしょう。ますます予約困難になっていることも併せると、CPは悪いと思います。
2015年7月
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赤坂にある高級和食店です。店主の松川さんは招福楼出身だそうです。そもそも、こんなことが名誉なことなのか甚だ疑問ですが、2014年のベストレストランでは東京ブロックで堂々の1位でした。いわゆる一見不可のお店ですが、幸運にも訪問する機会に恵まれました。
頂いた料理は以下の通りです。
炙ったミル貝と蕗の薹の天ぷら(味噌入り)
伊勢海老と餅(菜の花餡かけ)
鯛のお造り(このこか醤油で)
帆立真薯の椀
河豚白子和え
間人蟹
すっぽんの焼き物
甘鯛の九条ねぎ餡かけ
そば
焼き白子と蕪の炊き合わせ
ごはん(ちりめん山椒、いくら、海苔、からすみで)
菓子
抹茶
印象深かった料理は椀です。吸地は椀種のホタテの甘み・うま味が強く、濃厚な味わいでした。最初はかなり甘めに感じたのですが、木の芽やバチコとの調和が取れていました。色々な味が楽しめる面白い椀でした。
濃い目に感じる味付けの料理も見受けられましたが、単に濃いというわけではないと思います。組み合わせの妙を感じさせる、よく計算された味という印象を受けました。食材の質も上の部類で、非常に美味しかったです。
繁盛しているようで、ご主人含め皆さん忙しそうでした。結構一杯一杯のようでしたが、サービスは非常に丁寧でした。ご主人の性格なのか、プレゼンテーションは控え目なものでした。基本的にシャイな方のようです。同じくシャイボーイの私は綺麗な黒服の女性をチラチラ見ていたので退屈しませんでした。
お店は広々としていていいのですが、なぜかお手洗いだけは非常に出入りしづらい構造になっています。無理でしょうけど、是非改善していただきたいところです。それとも私の入り方が悪いのでしょうか。
冷酒を2合ほど頂いて、お会計は4万円台半ばでした。日本酒の値段は高めに感じました。たしかに絶対額は高いですが、内容や場所等も考慮すれば高すぎるということはないと思います。いわゆる東京価格といったところでしょうか。ただ、一見不可に加えて予約も割りと困難、訪問までに掛かる手間も馬鹿になりません。これは立派なコストなので、CPは多少下げざるを得ません。この値段でカード不可というのも不便としか言いようがありません。しかし、こういったコスト要因を考慮しても、十分ペイしたとは思いました。
2015年2月
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以下は直近の訪問で頂いたものです。
鮑、雲丹(ジュレ)
トゲクリ蟹の飯蒸(キャビア入り)
鯛(白子か醤油で)
赤貝(肝付き)
おこぜの椀
炙ったミル貝、このこ、空豆
ぐじの菜の花餡掛け
ヒレ肉、筍、花山椒
そば
鮑とわかめのしゃぶしゃぶ(筍入り)
ごはん(ちりめん山椒、からすみ、いくら、海苔で)
羊羹
小夏ゼリー
抹茶
2015年4月
7位
62回
2024/01訪問 2024/03/10
大寒の深町さん。山菜類も少しずつ供されるようになっていました。
おまかせのコース(28,600円)は汲上湯葉とカラスミから。
天ぷらは口子、河豚の白子、車海老×2、空豆、鱚、蕗の薹、雲丹、筍、蛤、女鯒、山独活、太刀魚、白魚、牡蠣、椎茸、グリーンアスパラガス、穴子。
追加で人参。〆に天茶。デザートはデコポンのゼリー。
河豚の白子は臭みがなく、大変クリーミー。白魚はピークはもう少し先なのでしょうが、ムッチリ感が十分ありました。蛤や牡蠣もジューシー。
野菜では筍、椎茸、アスパラが美味しかったです。筍はトウモロコシのような甘味と香りが印象に残るもの。椎茸はうま味・香りともにGood。アスパラも、この時期のものとしてはかなり美味しい方に入るものだったのではないかなと。
派手な演出等はありませんが、どれも丁寧に卒なく揚げられています。魚介・野菜ともに一年を通してここまで高いレベルで安定しているお店は、他にはないのではないでしょうか。
冬の深町さん。
おまかせのコースは汲上湯葉から。
天ぷらは口子、河豚の白子、車海老×2、銀杏、ヒメコダイ、慈姑、玉ねぎ、鱚、雲丹、女鯒、蓮根、墨烏賊、椎茸、穴子。
追加で蛤、牡蠣、百合根。
〆に天茶。洋梨のコンポートとアイス。
晩秋の深町さん。冬らしい食材もチラホラと。
おまかせのコース(税込28,600円)は汲上湯葉から。
天ぷらは唐墨、牡蠣、車海老×2、銀杏、鱚、栗、雲丹、蓮根、甘鯛、百合根、グリーンアスパラガス、墨烏賊、椎茸、穴子。
〆に天茶。デザートにアイスクリーム。
最も印象に残った天種は百合根。月光という糖度が極めて高い品種でした。月光自体は何度か食べたことがあるのですが、この日食べたものは過去一番でした。甘味はもちろんですが、食感・香りも良く、非常に美味しかったです。
次点は栗や蓮根。渋皮のついた状態の栗は甘味・香りと良好。蓮根も水分が抜けてきて粘りと甘味が増してきたなと。当店が使用しているひかり蓮根は瑞々しい時期でも、寒くなって水分が抜けてきた時期でも美味しいと思います。それ以外の野菜では椎茸もうま味・食感・香りとまずまず。
魚介で好印象だったものは鱚、穴子、牡蠣。鱚は衣はサクッと、身はしっとり・ふわりと。鱚は淡いうま味にふわりとした食感、そしてそれらと同時に鼻に抜ける香りが魅力の天種だと思います。たまに鱚の身を閉じて揚げるお店を見かけますが、うま味を強調するだけでは鱚の本当の魅力は引き出せないように思います。
牡蠣(三陸)は以前よりもジューシーな仕上りになったように感じました。もっとジューシーでも良いくらいですが、十分美味しいといえる水準。
太白胡麻油100%で揚げており、油が疲れてきたら適宜交換しています。油が切れる温度帯で揚げていますし、非常にキレイな味の天ぷらです。客側の食べやすさに配慮した供し方にも当店の気遣いが伺えます。派手さこそありませんが、野暮ったいわけでは決してありません。お店の雰囲気含め、侘びの中に洗練も感じる、そんな天ぷらだと思います。
秋の深町さん。この日の主役は何といっても松茸。
おまかせのコース(税込28,600円)は汲上湯葉から。
天ぷらは口子、車海老×2、松茸(岩手県)、鱚、銀杏、雲丹、蓮根、すみいか、椎茸、女鯒、グリーンアスパラガス、穴子、南瓜。
追加で舞茸。〆に天茶。デザート。
松茸は香り・食感・うま味といずれも高水準。この秋に食べたものの中では一番だったかなと。南瓜は9月にいただいたものほどではありませんでしたが、甘味・香りともに好印象でした。
江戸前の鱚や女鯒もGood。鱚はサクッとした衣の食感の中にホロリ・しっとりとした身が現れます。仄かなうま味が舌の上に残り、鱚の香りが鼻に抜けていきます。スミイカもまだまだ柔らかいものでした。
使用している油は太白胡麻油のみ。量をケチらずにしっかり使っているので、キレイな仕上りです。天種によってはもう少し香ばしさがあってもと感じるものもありますが、個々の天種の味わいだけで評価するのは間違いでしょう。胡麻油に苦手意識のある方でも受け入れやすいと思います。しっかり食べても翌朝にはお腹が空きます。
秋の深町さん。この日の主役は何といっても南瓜。
おまかせのコースは汲上湯葉から。
天ぷらは口子、鮑、車海老×2、銀杏、万願寺唐辛子、鱚、松茸、雲丹、女鯒、蓮根、すみいか、グリーンアスパラガス、穴子、カボチャ。
追加で栗、すみいか。〆は天茶。デザートに無花果のスイーツ。
南瓜は糖度の高い品種(Ikka)を追熟させたもの。南瓜の品質のお陰もあるのでしょうが、揚げ方も考えられています。文字通りキャラメリゼされており、甘くて香ばしい逸品に昇華されていました。
南瓜以外では、スミイカ、蓮根、松茸が好印象でした。スミイカはまだまだ新いか。蓮根は8月と比べると少し水分が抜けてきていましたが、まだまだシャキシャキ。甘味が強いので瑞々しさと合わさると口の中に甘いジュースが広がります。松茸も今年の不作を考えれば十分なクオリティだったのではないかなと。
晩夏の深町さん。この日のおまかせのコースの中で特に印象に残ったものは鮑と蓮根。
当店の鮑は一度蒸したものを揚げています。鮑の食感のグラデーションは弱いですが、柔らかく仕上がっています。味的には昨年までよりも美味しくなったような気がします。ただ、肝で作ったソースは少々塩気が強いとも。
蓮根は茨城のひかり蓮根。瑞々しくシャキシャキの食感ながら、甘味が強い蓮根です。
鱚はしっとり・ふわりと揚げられています。身を開かずに揚げるお店や厚めの衣でハードに揚げるお店もありますが、そういったお店では軽い食感やそこから漏れる鱚の香りは味わえないような気がします。
夏の深町さん。この日もおまかせのコースは汲上湯葉から。
天ぷらは口子、鮑、車海老×2、トウモロコシ、万願寺唐辛子、鱚、水茄子、雲丹、蓮根、鱧、稚鮎、グリーンアスパラガス、穴子。合間に鱧の子の煮付けも。
追加で種無しピーマン、いんげん、新蓮根。〆に天茶、デザートにメロンのシャーベット。
好印象だったものは鮑、鱚、穴子。深町さんの鮑は一度炊いたものを揚げています。炊き方なのか、揚げ方なのか、鮑の質の差なのかは分かりませんが、この日の鮑はここ最近当店で食べた鮑の中では食感・味わいともに一番だったかなと。
鱚はふんわり・しっとり揚げられており、淡いうま味・甘味とともに心地良い香りが鼻に抜けます。穴子は衣はサクッと中の身はホクホクに揚げられており、こちらも美味しかったです。穴子はもう少しメリハリの利いた揚げ方が私の好みではありますが、これ位の塩梅もいいなと。
〆のかき揚げの出来も素晴らしかったです。無駄な衣がありませんし、余計な油も吸っていません。小柱は硬化しておらず、食感も良好。お茶漬けの中で心地よく解けてくれました。
太白胡麻油だけを使って揚げているので、焙煎したごま油特有の癖のある香りがありません。ごま油に苦手意識のある方でも抵抗なく食べられると思います。油の交換も適切に行っているので、油には劣化が見られず、揚げる力は最後まで強いまま。蘊蓄や口上を好む(情報を食べる)方には向かないかもしれませんが、純粋に天ぷらを味わいたいという方にはオススメです。
初夏の深町さん。天ぷらのハイシーズンです。
おまかせのコースは汲上湯葉から。天ぷらは口子、鮑、車海老×2、トウモロコシ、万願寺唐辛子、鱚、雲丹、水茄子、太刀魚、蓮根、稚鮎、グリーンアスパラガス、穴子 。
追加でアオリイカ、女鯒。〆に天丼、デザートはグレープフルーツのシャーベット。
最も好印象だった天種は女鯒と鱚。次点がアオリイカ、太刀魚、グリーンアスパラガス、蓮根といったところかなと。
太刀魚はタネ質自体はそこそこ程度なのかもしれませんが、しっとり・ふんわりと揚げられており、太刀魚の良い所を引き出せていました。アオリイカは中が半生の仕上がり。柔らかさの中にもムチっとした食感があり、甘味もまずまず。
野菜では、蓮根が甘く、アスパラガスも香りよく美味しかったです。上記以外の魚介・野菜も外れが無く、ハイアベレージ。
派手さこそありませんが、提供方法方は食べやすさ等も意識されています。ご主人の実直な性格をよく表した天ぷらだと思います。
初夏の深町さん。天ぷらが美味しくなってくる季節です。
おまかせのコースは汲上湯葉から。
天ぷらは口子、鮑、車海老×2、トウモロコシ、鱚、空豆、雲丹、椎茸、稚鮎、万願寺唐辛子、女鯒、グリーンアスパラガス、穴子。
追加でアオリイカ、新蓮根(熊本)。
〆に天茶、デザートにシャーベット。
最も好印象だった天種はムッチリ・ホクホクに揚げられた江戸前(竹岡)の女鯒。定番の天種では鱚(富津)と穴子も美味しかったです。次いでアオリイカといった感じかなと。
野菜ではグリーンアスパラガスが香り良く美味しかったです。〆のかき揚げのクオリティも流石。
派手さはありませんが、実直で丁寧ね仕事振りが魅力の天ぷら屋です。物珍しさであったり、食材や揚げ方に関する蘊蓄や屁理屈で誤魔化すような単なる高額店とは一味違います。
春の深町さん。山菜が最盛期。
おまかせのコース(税込28,600円)は汲上湯葉から。
車海老×2、タラの芽、空豆、鱚、雲丹、こし油、鮑、椎茸、甘鯛、稚鮎、グリーンアスパラガス、穴子。
追加で女鯒、蛤、山独活。
〆に天丼、赤出汁、香物。デザートに蓬のアイス
特に好印象だったものは女鯒と蛤。次点が鱚でしょうか。女鯒は身がむっちり・ホクホク、蛤も非常にジューシーでした。鱚はしっとり・フワフワに揚げられており、上品なうま味と風味が味わえました。穴子も含め、定番の魚介種は高いレベルで安定していると思います。
野菜ではタラの芽、こし油が好印象。椎茸やアスパラも香りよくジューシーで美味しかったです。
かき揚げの仕上がりもGood。きれいな状態の油で揚げているので最後までカラッと揚がっています。太白胡麻油だけを使用しているので、胡麻油の焙煎した香りが苦手という方にもオススメです。
早春の深町さん。山菜等の春らしい天種が増えてきました。
おまかせのコースは汲上湯葉から。
天ぷらは河豚の白子、口子、車海老、タラの芽、鱚、蕗の薹、雲丹、筍、甘鯛、椎茸、稚鮎、グリーンアスパラガス、穴子。
追加でホワイトアスパラガス、蛤、白魚、女鯒。
〆に天茶、デザートに桜のアイスクリーム。
白魚、蛤、グリーンアスパラガスが特に好印象でした。白魚は均等に火が入っており、むっちりとした食感と仄かな甘味が楽しめました。鱚、女鯒、穴子といった定番の天種も美味しかったです。ホワイトアスパラガス以外はどれも高水準。
食材の質や揚げる技術はハイレベル。使用している油は太白胡麻油のみなので、(焙煎した)胡麻油の香りが苦手という方でも抵抗がないのではないかなと。価格は安くありませんが、若手・中堅の派手なお店と違って、質相応の価格です。予約難易度も常識の範囲内だと思います。
厳しい寒さが続いていた頃の訪問記録。
おまかせのコースは汲上湯葉から。
天ぷらは口子、河豚の白子、車海老、タラの芽、筍、鱚、雲丹、空豆、甘鯛、蕗の薹、墨烏賊、グリーンアスパラガス、穴子。
追加で白魚、蛤。
〆に天茶。デザートにデコポンのゼリー。
前回に続き、河豚の白子、白魚、蛤、空豆が好印象。白魚のむっちりとした食感と仄かな甘味が何とも言えません。トロッとクリーミーな白子もGood。もちろん、鱚や穴子といった定番のタネも美味。その他のタネも高い水準で安定していました。
冬の深町さん。寒さが特に厳しくなりだした時期でした。
おまかせのコースは汲上湯葉からスタート。
天ぷらは口子、河豚の白子、車海老、空豆、鱚(淡路)、筍、雲丹、蕗の薹、スミイカ、椎茸、甘鯛、アスパラ、穴子。
追加で山独活、白魚(宍道湖)、蛤、生牡蠣(厚岸)。〆に天茶、デザートにデコポンのゼリー。
最も好印象だった天種は白魚。次点は河豚の白子、鱚、蛤。その一方で、牡蠣はジューシーさに欠けるとの印象を受けました。
野菜では空豆、椎茸が美味しかったです。筍も玉蜀黍のような甘味があってなかなか。
晩秋の深町さん。移り行く季節が天種から感じられました。
この日のおまかせのコースは汲上湯葉から。
天ぷらは口子、河豚の白子、車海老×2、銀杏、鯊、栗、雲丹、蓮根、甘鯛、女鯒、椎茸、すみいか、グリーンアスパラガス、穴子。
〆に天茶、デザートにリンゴのシャーベット。
最も印象に残った天種は鯊。野菜では栗と蓮根が特に好印象でした。次点が女鯒、穴子、椎茸。これらも美味しかったです。
鯊は質が良く、火入れも良好。カラリ・ホクホクに揚げられており、非常に美味しかったです。当店の女鯒や穴子は一年を通して質が安定しています。
栗は渋皮ごと揚げたもので、甘味・香りが印象に残るもの。蓮根も水分が抜けてきてホクホクしており、甘味がしっかり感じられました。
タネ質だけでなく、油も上質。太白胡麻油しか使っていないので、胡麻油に苦手意識のある方でも食べやすいと思います。もちろん、油のコンディションも良好です。
6月や7月も非常に良かったですが、この日の天ぷらも大変印象に残るものでした。秋に訪問した天ぷら屋の中では当店のパフォーマンスが頭一つ抜けていたかなと。
最近ほとんど見かけないお好みにも対応してくれる数少ない高級天ぷら専門店です。初見でもお願いできるどうかは不明ですが、コースは食べきれないという方にはお好みもオススメです。
おまかせのコースはこの日も汲上湯葉からスタート。
天ぷらは唐墨、鮑、車海老、銀杏、鱚、栗、雲丹、椎茸、甘鯛、蓮根、スミイカ、グリーンアスパラガス、穴子で一通り。
追加で椎茸、蓮根、女鯒。〆に天バラ。ピオーネのゼリー。
特に印象に残った天種は椎茸、蓮根、女鯒。次点が鱚、栗。この日の椎茸は押し返すような食感があり、噛むと香りが鼻に抜け、口の中にはうま味が広がるものでした。
蓮根も、夏のシャキシャキの新蓮根と比べると水分が抜けてきてホクホク。食感だけでなく、甘味の感じも夏とは違ったものでした。この時期の蓮根をここまで美味しいと感じることは少ないだけに驚きました。
栗はここ2、3年ほどは渋皮ごと揚げられています。この方が甘味や香りが強く感じられます。昨年ほどではないものの、甘くてホクホクでした。
〆には天バラを。塩で味を調えた混ぜご飯です。個人的には天丼や天茶の方がお勧めですが、たまの変化球にはアリだと思います。
秋の深町さん。松茸を目当てに訪問しました。
この日もおまかせのコースは汲上湯葉から。
天ぷらは口子、車海老×2、鮑、銀杏、鱚、万願寺唐辛子、雲丹、舞茸、甘鯛、子持ち鮎、蓮根、グリーンアスパラガス、穴子。
追加で女鯒、松茸。〆は天茶。デザートにピオーネのゼリー。
特に印象に残ったものは岩手産の松茸。香りが良く、非常に美味しかったです。
次点が鱚、女鯒、穴子。この辺は一年を通して本当に高いレベルで安定していると思います。蓮根も美味しかったです。
晩夏の深町さん。最近減ってきたお好みにも対応してくれる数少ない高級天ぷら専門店です。おまかせのコースは食べきれないという方はお好みで揚げてもらうのがオススメです。
この日のおまかせのコースは汲上湯葉から。
天ぷらは口子、車海老、新銀杏、鮑、万願寺唐辛子、鱚、トウモロコシ、雲丹、蓮根、稚鮎、葉しょうが、穴子。
追加で女鯒、水茄子。〆に天丼、無花果のデザート
富津の鱚や竹岡の女鯒といった江戸前の物を仕入れる努力には感心してしまいます。鱚はフワッとしっとり、女鯒はホクホクに揚げられており美味しかったです。
野菜では蓮根が最も好印象。前回ほどではありませんでしたが、瑞々しくて甘味にも富んでおり、食感はシャキシャキ。今年の当店の新蓮根は非常に美味しかったです。次点がトウモロコシかなと。
〆のかき揚げのクオリティもGood。塩梅良く揚がっており、美味しかったです。
天ぷら屋としては難しい季節に入りつつあるタイミングでしたが、相変わらずの安定感でした。流行りに乗らず、真摯に仕事と向き合われているのが良く分かります。
夏の深町さん。おまかせのコースは汲上湯葉から。
天ぷらは口子、鮑、車海老、新銀杏、玉蜀黍、鱚、万願寺、鱧、葉しょうが、雲丹、松茸(岩手)、新蓮根、鮎(郡上)、穴子。
追加で新蓮根、新銀杏、女鯒。
〆に天茶、デザートはわらび餅とシャインマスカット入りのシャーベット。
最も印象に残ったものは新蓮根と松茸。蓮根は瑞々しくシャキシャキで、甘味も申し分なし。ここまで美味しい蓮根はちょっと記憶にないかなと。
松茸は一本丸ごと揚げて、軸の中央部まで蒸された仕上り。軸の食感も少し残っており、ジューシーで香りも素晴らしかったです。食べやすいように切れ込みが入れられているのも当店らしいところだと思います。
上記以外では新銀杏も好印象でした。サクッとした食感と秋の銀杏にはない香りがGood。鮎、鱚、女鯒、穴子といった定番種もさすがの安定感でした。ただ、鮎は良い鮎ならしっとり仕上げてみても面白いのではないかなとも感じました。
何にせよ、この時期の天ぷら屋でここまで満足するというのは初めてかもしれません。
天ぷらのハイシーズン、初夏の深町さん。魚介、野菜ともに充実している季節です。
おまかせのコースは汲み上げ湯葉と唐墨餅からスタート。
天ぷらは口子、鮑、車海老、鱚、とうもろこし、女鯒、新玉ねぎ、鱧、万願寺唐辛子、雲丹、水茄子、グリーンアスパラガス、穴子。
追加で細いんげん、新蓮根、銀宝。
〆に天茶とデザート。
鱚はふんわり・しっとりとデリケートに揚げられており美味。女鯒もホクホク。
穴子は外のサクッとした食感と中のホクホクの食感のコントラストが楽しめる揚げ方。以前はこのコントラストがもっとハッキリしていたような気もしますが、気のせいでしょうか。銀宝はムチっとした食感と上品な味わいがGood。もう少し皮目のゼラチン質が感じられれば尚可かなと。
天ぷらのハイシーズン序盤の深町さん。おまかせのコースは汲上湯葉と唐墨餅から。
天ぷらは口子、車海老、鱚、万願寺唐辛子、鮑、水茄子、雲丹、新玉ねぎ、女鯒、蓮根、稚鮎、グリーンアスパラガス、銀宝、穴子。追加で空豆。〆に天丼、アイス。
主役の銀宝(松島)は皮目のゼラチンはそこそこといったところですが、身の締まりや弾力は十分にあり、銀宝特有のうま味・食感を味わえました。穴子は外はサクサク、中はホクホクに揚げられており、心地よい食感のコントラストがありました。
定番種である鱚(淡路?)はふんわり、しっとりと揚げられています。香りも飛んでおらず、鱚の上品な味わいが楽しめました。女鯒もタネ質は良かったかなと。
魚介も野菜も外れと感じるものがないのが当店の良いところ。もちろん、かき揚げの出来栄えもGood。常に全てが高いレベルで安定しています。ただ、実直すぎるというか、もう少し遊び心や個性を出しても良いのでは?という気もしなくはありません。
春の深町さん。おまかせのコースは汲上湯葉と唐墨餅から。
天ぷらは口子、蝦夷鮑、車海老、タラの芽、空豆、鱚、筍、甘鯛、雲丹、蕗の薹、稚鮎、グリーンアスパラガス、穴子。追加で山独活、こし油、女鯒。
〆に天茶、かき氷とわらび餅。
特に好印象だったのが魚介では鱚、野菜では山独活、こし油、グリーンアスパラガス。次点が筍(物集女)や穴子(対馬)といったところだったかなと。
ここは稚鮎は必ずしも天然物にこだわっていないようですが、活きを使用していますし、揚げ方もGood。天ぷら屋の中では上位に入るのではないかなと。
弥生の深町さん。この日のおまかせのコースも湯葉と唐墨餅から。
天ぷらは口子、車海老、河豚の白子、タラの芽、鱚、筍、雲丹、蕗の薹、稚鮎、そら豆、甘鯛、アスパラ、穴子。
追加で白魚、蛤、女鯒、椎茸。
〆に天茶、デザート。
魚介、野菜ともに高いレベルで安定しており、外れと感じるタネは一つもありませんでした。特に好印象だったものを挙げるとすれば白魚でしょうか。ムチムチ、もっちりの食感で、火入れは完璧。非常に美味しかったです。
鱚、筍、蛤も美味しかったです。鱚はしっとり・ふわりとした仕上がり。江戸前のものではなかったと思いますが、鱚らしい上品なうま味と香りが感じられました。筍も香り・甘味ともにまずまず。蛤は海苔を巻いて揚げたものを、塩とレモンでいただきます。蛤と海苔の強い磯の香りとうま味に、レモンの爽やかさが良く合います。
にい留、成生、たきやといった、ここより高く、予約の取りづらいお店がありますが、そういったお店と比べてもこちらの方が総合力は上でしょう。もっとも、口上を愉しみたい方向けのお店ではありませんが。
早春の深町さん。この日のおまかせのコース(税込23,000円)は汲上湯葉と唐墨餅から。
天ぷらは口子、車海老、河豚白子、タラの芽、鱚、筍、かんざし人参、雲丹、蕗の薹、甘鯛、山独活、そら豆、すみいか、アスパラ、穴子。
追加でホワイトアスパラ、白魚。〆に天茶、デザートは苺のアイス。
特に印象に残った天種は山独活、筍(鹿児島)、白魚(宍道湖)。山独活と筍は香りが非常に良かったです。バラで揚げた白魚はムッチリとした食感。こちらも非常に美味しかったです。次点はそら豆、スミイカ、ホワイトアスパラ。
油は太白のみなので、良くも悪くも癖がありません。ごま油に苦手意識のある方でも大丈夫でしょう。油切れも良好。魚介・野菜ともに高水準でアベレージが高く、価格も常識の範囲内に収まっていると思います。
大寒の深町さん。おまかせのコースは汲上湯葉から。
天ぷらは口子、車海老、河豚の白子、筍、鱚、空豆、雲丹、蕗の薹、すみいか、タラの芽、女鯒、アスパラ、穴子。
追加で白魚、蛤、鱚。
〆に天茶、デザートにデコポンのゼリー。
河豚の白子はトロトロ・クリーミーで美味しかったです。鱚や女鯒もこの時期でも良いものを使われていると思います。筍、スミイカ、蛤、筍なども好印象。
この日の白魚は大葉で巻いたものを揚げて。中まで火が入りきっていたのですが、この揚げ方であれば、中心部に生の部分も残した方が良いのではないかなと。
天茶はかき揚げとご飯を別々にして。かき揚げのサクサクとした食感が最後まで損なわれないので、これはこれでアリなような気がします。最後まで食感を残したいという方にはピッタリだと思いました。
年末の深町さんにお邪魔しました。冬らしさが増したラインアップでした。
おまかせのコースはカラスミと汲み上げ湯葉から。
天ぷらは口子、車海老、銀杏、鱚、慈姑、河豚の白子、蓮根、雲丹、万願寺唐辛子、甘鯛、アスパラ、穴子。
追加で鯊、蛤、京人参、牡蠣。
〆に天茶、デザートはラ・フランスのコンポートとバニラアイス。
最も印象に残った天種は蓮根。香り・甘味が素晴らしかったです。鱚もふんわり・しっとり揚げられており、美味しかったです。鯊をいただくことが出来たのもラッキーでした。次点が蛤だったかなと。
この日は、穴子やアスパラがもう一歩のように感じましたが、車海老の頭は香ばしかったです。牡蠣も前回よりジューシーでした。
かき揚げのクオリティは相変わらず秀逸。外れと感じる天種がなく、安定感抜群だと思います。
晩秋の深町さん。お任せのコースは汲上湯葉から。途中で蒸し鮑も。
天ぷらは口子、河豚の白子、車海老、銀杏、鱚、ユリ根、雲丹、栗、甘鯛、 加賀蓮根、すみいか、アスパラ、穴子。
追加で椎茸、栗、牡蠣、女鯒。
〆に天丼、デザート。
前回に続き、栗が非常に美味しかったです。香り・甘味が深く印象に残るものでした。やはり渋皮を残した方が美味しいのだなと。ゆり根もGood。
車海老は前回同様(従来とは異なり)、二本目も中心部まで火の入れきっていない仕上がり。穴子のクリスプ感も従来よりは気持ち弱めか?鱚は従来の仕上がりと差を感じませんでした。
車海老はレア気味のものを喜ぶ方が多いようですが、私は中まで丁度火の入った揚げ加減というのも好きです。どちらが良いというより、それぞれの良さがあると思っています。したがって、お店が美味しいと考えている方で二本とも出していただいて一向に構いません。ただ、もし二本を異なる火入れで出されるのであれば、メリハリはしっかりしていた方が良いのではないかなと。
穴子はクリスプ感があり食感のコントラストがはっきりしていた方が、鱚はしっとり揚がっているのが自分の好みなのだと再認識できました。前回食後に伺った話と揚げ加減の感じ方が結び付いたような気がして少しスッキリしました。
秋の深町さん。おまかせのコースは汲上湯葉からスタート。
天ぷらは口子、車海老、松茸(カナダ)、鱚(富津)、銀杏、雲丹、栗、蛤、蓮根、甘鯛、アスパラ、穴子。
追加で舞茸、牡蠣。
〆に天丼。デザートはシャインマスカットとピオーネに紅茶のゼリーを掛けたもの。
好印象だったタネは鱚と栗。鱚はいつもよりしっとり、デリケートな仕上がり。栗は渋皮を残してあり、香りよく甘味に富んでいました。
車海老は基本的に一本目はレア気味で、二本目はジャストの火入れ(中心部まで丁度火が入った状態)で提供されることが多いのですが、この日は二本目もレア気味。穴子もクリスプ感というより、ムッチリと跳ね返ってくるような食感でした。食後に伺った話とこの揚げ加減の話がすぐには結び付かなかったのですが、なるほどとも。
晩夏の深町さん。コロナの影響もあって、平日の夜は予約が取りやすくなっているようです。
おまかせのコースは汲上湯葉から。天ぷらは口子、車海老、鮑、新銀杏、鱚、万願寺唐辛子、鱧、茄子、雲丹、蓮根、女鯒、アスパラ、穴子。追加でアオリイカ、オクラ、茗荷。
〆に天茶、デザートは蕨餅と抹茶のかき氷。
魚介・野菜ともに高い水準で安定していました。ここより高額な若手・中堅のお店でもここより上質なものを使用しているとは言い難いのが現実でしょう。油のコンディションもgood。驚きは少ないのかもしれませんが、堅実です。
一組ずつ大き目のパーテーションで客席を区切っていますし、高額天ぷら専門店らしく換気も問題ありません。他の業種よりもずっと快適だと思うだけに、ここまで空いているのが意外でなりません。
夏の深町さん。久しぶりに銀宝をいただくことができました。
おまかせのコースは汲上湯葉から。天ぷらは口子、鮑、車海老、玉蜀黍、鱚、万願寺唐辛子、女鯒、水茄子、雲丹、鱧、稚鮎、蓮根、グリーンアスパラガス、穴子。追加でアオリイカ、銀宝(宮城)。〆に天丼、デザートは蕨餅と抹茶のかき氷。
銀宝は押し返すようなゼラチン質はなく、うま味もそれなりといったところ。久しぶりに食べられたという喜びは大きかったです。魚介種・野菜種どれをとっても高額店の一定水準以上です。油もきれいですし、食後にもたれたりしません。バランスの良いお店です。
初夏の深町さん。天ぷらの美味しいシーズンでしたが、コロナの影響もあって予約は取りやすくなっています。
この日のおまかせのコースも汲み上げ湯葉とカラスミ餅からスタート。天ぷらは口子、鮑、車海老、万願寺唐辛子、鱚、玉蜀黍、雲丹、水茄子、女鯒、蓮根、アオリイカ、グリーンアスパラガス、穴子。追加で鱚、女鯒。〆に天丼。デザートにシャーベット。
特に好印象だったものは鱚、女鯒そして穴子。次点がアオリイカといった感じだったかなと。ふんわり・しっとりとした鱚、ふっくらとした女鯒、外はカラっと中はホクホクの穴子とどれも非常に美味しかったです。
イカは中心部は生の風合いを残した火入れ。塩のみで半分、塩とレモンで残りの半分をいただきましたが、うま味・甘味が素晴らしかったです。その他の天種も外れなく美味しかったです。
春の深町さん。
おまかせのコースは汲上湯葉と唐墨餅から。
天ぷらは口子、鮑、車海老、タラの芽、鱚、空豆、雲丹、筍(京都)、女鯒、蕗の薹、稚鮎、アスパラ、穴子。
追加で白魚、イカ、山独活。
〆に天茶、デザートは桜のアイス。
好印象だったものは女鯒。ホクホクで美味しかったです。次点がタラの芽、蕗の薹、白魚だったかなと。
筍は出汁を含ませたものを揚げて供されました。筍の旨煮唐揚のような感じでしょうか。悪くありませんでしたが、筍の味わい、食感、香りが少々犠牲になってしまっているようで勿体ない気もしました。
早春~春の深町さん。
おまかせのコースは汲上湯葉と蒸し鮑から。
天ぷらは河豚白子、口子、車海老、こしあぶら、タラの芽、鱚、空豆、雲丹、筍、白魚、蕗の薹、女鯒、アスパラ、穴子。
追加でさつま芋、ホワイトアスパラ。
〆に天茶、デザートにアイス。
空豆が香り良く美味しかったです。筍の香り・甘味も好印象でした。山菜類も充実し始めていました。
この日はサツマイモを久しぶりに注文。深町さんのサツマイモは、しっとり・ねっとりとした食感で甘みが強いもの。昔ながらのホクホクした素朴な甘さのサツマイモも美味しいですが、こういうしっとり系もアリだと思います。
冬の深町さん。春を感じる食材もチラホラ。
おまかせのコースは汲上湯葉と唐墨餅からスタート。
天ぷらは口子、河豚白子、車海老、空豆、鱚、タラの芽、女鯒、筍、雲丹、蕗の薹、白魚、アスパラ、穴子。
追加で椎茸、すみいか。〆に天丼、デザート。
好印象だったものは白魚、空豆、筍(合馬?)。筍は例年同時期のものよりも甘みが強いように感じました。歯応えや香りもgood。
次点はイカ。中央に程良くレアの部分を残した揚げ加減。食感のグラデーションがイカの味わい引き上げてくれます。塩と柑橘の酸味でいただくとイカの甘味をより感じられました。
初冬の深町さん。さすがにちょっと遅いかなと思っていたのですが、運よく鯊に出会えました。
この日のおまかせのコースは汲上湯葉と唐墨餅からスタート。天ぷらは河豚の白子、クチコ、車海老、銀杏、鱚、慈姑、雲丹、加賀蓮根、女鯒、グリーンアスパラガス、穴子。追加で鯊、甘鯛、蛤。〆に天茶、デザート。
最も好印象だったものは鯊(浜名湖)。今年は一度しか食べられませんでしたが、良質なものをいただくことができました。鯊は骨の天ぷらやカラスミという形でも供されました。次点が鱚(淡路)といった感じでしょうか。その他のタネに関しても外れというものは一つもありませんでした。
急に天ぷらが食べたくなって深町さんに。天ぷらにとっては必ずしも良い時期とはいえないでしょうが、さすがの安定感でした。
おまかせのコースは汲上湯葉から。天ぷらは口子、河豚の白子、車海老×2、銀杏、鱚、椎茸、すみいか、栗、雲丹、蓮根、甘鯛、グリーンアスパラガス、穴子。追加で松茸、舞茸、〆は天丼。デザートはシャーベット。
好印象だったものは鱚と甘鯛。鱚は一年を通じてハイレベルで安定しています。身のしっとり感が味わえ、味や香りも飛んでいません。甘鯛は鱗をパリッと、身はふっくらと。食感のコントラストはもちろん、甘鯛のうま味もgood。次点が穴子(対馬)。トロ穴子のような感じもありましたが、しっかり揚げて外はカラリと中はホクホクに。
それ以外のタネも松茸を除き一定水準以上でした。松茸は香り・食感ともにもう一つでした。松茸終盤の時期ということを考えると仕方ないかなと。
客足は完全には戻っていないようで、直前でも予約が取れました。予約がちょっと取りにくかった位のお店が狙い目なのかもしれません。
夏の深町さん。秋の食材も少しずつメニューに載り始めていました。
おまかせのコース(税別20,000円)は汲上湯葉でスタート。天ぷらは口子、車海老、玉蜀黍、鮑、水茄子、鱚、万願寺唐辛子、鱧、雲丹、蓮根、稚鮎、グリーンアスパラガス、穴子。追加で松茸、新銀杏、女鯒。〆に天茶。蕨餅と抹茶のシャーベット。
最も好印象だったのは鱚。次点が松茸かなと。当店の鱚はふんわり柔らかく揚げられており、味が飛んでいません。松茸は岩手のものだったはずです。今年初めての松茸は香りよく非常に美味しかったです。
鱚と松茸以外では、穴子と女鯒が美味しかったです。いずれもタネ質が良く、揚げ方もgood。穴子は衣と身の食感のコントラストが感じられる仕上がり。女鯒は鱚よりもしっかり揚げられており、身のホックリ感が楽しめました。当店の鱚と女鯒は通年でクオリティが高いのが素晴らしいと思います。
〆は久しぶりに天茶をお願いしました。男なら天丼という方もいらっしゃるでしょうが、この日は天茶の気分。かき揚げのタネは硬化しておらず、天茶として食べるのに丁度良い成形具合。美味しい天茶でした。当店の天ぷらは良い油を使って適温で揚げているため、油切れも良好です。
初夏の深町さん。天ぷらのハイシーズン真っ只中に訪問しました。
おまかせのコースは口子、車海老、鮑、玉蜀黍、鱚、雲丹、万願寺唐辛子、女鯒、水茄子、稚鮎、グリーンアスパラガス、穴子。追加で鱚と女鯒。〆に天丼。デザート。
特に美味しかったのが鱚、女鯒、そして穴子。この日の穴子は大変良質でした。外はカラりと香ばしく、中はホクホクに揚げられていました。食感、味わいともに素晴らしいもので、他店含め今期一だったのではないかなと。ふんわりとした鱚、ホクホクの女鯒も非常に美味しかったです。天丼のかき揚げも小柱が硬化しておらず、素晴らしい仕上がり。丼汁はやや甘辛いものですが、甘すぎるということはありません。かき揚げは丼汁を上からかける食感重視タイプです。
上記以外の天種もどれも一定水準以上です。野菜は強烈な印象を受けるものこそありませんが、不満を感じるようなものは一つもありません。アベレージが非常に高いお店だと思います。もちろん、天ぷらの油切れは非常に良好です。
天ぷらのハイシーズン序盤の深町さん。野菜は春のものと夏のものが混在していました。
おまかせのコースは汲上湯葉から。天ぷらは口子、鮑、車海老、タラの芽、鱚、こしあぶら、雲丹、そら豆、女鯒、水茄子、稚鮎、グリーンアスパラガス、穴子。追加で茗荷。〆に天丼。デザート。
特に好印象だった天種は鱚、女鯒、こしあぶら。次点が穴子と鮑だったかなと。鱚と女鯒はタネ質もさることながら揚げ方もgood。鱚はふんわりデリケートに、女鯒はよりしっかりホクホクになるよう揚げられていました。こしあぶらも香りが良く、非常に美味しかったです。
この日はコロナの影響で空席がチラホラと。おまかせのコースは下記の通り。
口子、車海老、蝦夷鮑(肝のソースで)、タラの芽、鱚、筍(鹿児島)、雲丹、空豆、稚鮎、女鯒、グリーンアスパラ、ホワイトアスパラ、穴子。追加ですみいか、山うど。〆に天丼・赤出汁。デザートは桜のアイスクリーム。
印象に残ったものは女鯒と穴子。女鯒はこの時期にこのクオリティは流石。穴子はカラリ・ホクホクの仕上がり。トロ穴子っぽさを少し感じますが、衣と身のコントラストが楽しめます。
野菜種では山うどと空豆が印象に残りました。空豆はいつもと違ってかき揚げで。香り良く美味しかったです。〆の天丼も芝海老・小柱ともに硬化せずに火が入っており、技術の高さが伺えます。
魚介種・野菜種どちらも高水準です。特に鱚と女鯒は一年を通じて高いレベルで安定しています。安定感という点ではこちらが一番かもしれません。
この日のおまかせのコースは下記の通り。
唐墨、車海老×2、タラの芽、鱚、空豆、河豚の白子、筍、雲丹、蕗の薹、太刀魚、アスパラ、穴子。追加で白魚。〆は天丼、デザートに桜のアイスクリーム。
この日も最も好印象だったのは白魚。次点が鱚と穴子。白魚はムッチリ。鱚はふんわりと揚げられており、香りやうま味が飛んでいませんでした。
野菜も全てが一定水準以上。この日は筍(鹿児島)と蕗の薹が良かったかなと。当店では、蕗の薹はガクを閉じたまま揚げられます。個人的には、苦味・えぐみが籠ってしまっていると感じるのですが、この苦味と天汁の甘味は良く合っていますし、天汁が蕗の薹の香りを引き立たせているというのも分からなくはありません。この揚げ方には塩より天汁でしょう。
本年最初の訪問。おまかせのコースは下記の通り。
口子、河豚白子、車海老×2、タラの芽、蕗の薹、鱚、空豆、白魚、筍、烏賊、雲丹、ホタテ、アスパラ、穴子。追加で蛤、甘鯛、〆に天丼と赤出汁。
最も好印象だったのは白魚。次点が鱚、蛤、河豚の白子。白魚はムッチリしており、美味しかったです。産地に固執せず仕入れを行っているからなのか、鱚はいつ来てもハイレベルを保っています。揚げ方ももちろん素晴らしかったです。野菜類は感動するものこそありませんが、どれも一定水準以上。
冬の深町さん。増税後初訪問です。おまかせのコースは20,000円(税別)に値上がりしていました。
おまかせのコースは、汲み上げ湯葉でスタート。天ぷらは口子、河豚の白子、車海老、銀杏、鱚、慈姑、雲丹、椎茸、女鯒、加賀蓮根、すみいか、アスパラ、穴子。追加で舞茸、サツマイモ、鯊。〆に天茶。デザート。
この日最も好印象だったのは鯊。質はもちろん、衣の付け方も適正で火入れ良好。カラりホクホクと揚げられており、非常に美味しかったです。次点が鱚でしょうか。椎茸は食感・香り・うま味と上々。久しぶりに注文したサツマイモもねっとり甘くて美味しかったです。サツマイモは蒸すのに時間がかかるので、早めに注文されることをお勧めしておきます。
決して安くはありませんが、内容や立地を考量すれば、価格は納得できるものだと思います。予約もそれほど大変ではなく、使い勝手も悪くありません。
夏の深町さん。前回訪問時の内容が素晴らしかったので、都合の付く日にランチでもお邪魔しました。
夜と同じおまかせのコースでお願いしました。先付の汲み上げ湯葉から始まり、天ぷらは口子、鮑、車海老×2、玉蜀黍、鱚、万願寺唐辛子、雲丹、蓮根、女鯒、水茄子、稚鮎、アスパラガス、穴子。追加で鱧、アオリイカ、ズッキーニ。〆に天丼。デザート。
鱚、女鯒、鱧が好印象でした。次点が穴子、白い玉蜀黍、水茄子。魚介・野菜ともに高水準で、優等生的で外れの無い天ぷらでした。
天ぷらのハイシーズンである初夏。おまかせのコースは汲み上げ湯葉からスタート。天ぷらは口子、鮑、車海老、そら豆、鱚、雲丹、万願寺唐辛子、女鯒、水茄子、稚鮎、アスパラ、穴子。追加で銀宝、アオリイカ、新蓮根。〆に天丼。デザート。
この日の女鯒は、他店含め2019年最高の質でした。カラりと揚げられており、身もホクホク。非常に美味しかったです。鱚も一、二を争う上質なものでした。衣は軽いサクッとした食感に、身はしっとりとなるように、ふんわり揚げられていました。味や香りが飛んでいませんでした。こちらも非常に美味しかったです。穴子は強めの揚げ加減で、クリスピーな衣とホクホクの身のコントラストが楽しめました。追加の銀宝もゼラチン質を感じるもので悪くなかったかなと。
この日の満足度は、当店の訪問歴の中では過去最高だったのではないかなと。素晴らしかったです。
春の天ぷらを満喫しに深町さんにお邪魔しました。
おまかせのコースは先付の汲み上げ湯葉からスタート。天ぷらは口子、鮑(肝のソースで)、車海老×2、タラの芽、蕗の薹、鱚、雲丹、筍、女鯒、さしぼ、稚鮎、アスパラ、穴子で一通り。追加で女鯒、アオリイカ、うど。〆に天丼。デザート(蓬のアイス)。
鱚とメゴチは相変わらず好印象。この日の野菜類は唸るものこそありませんでしたが、どれも高額店の水準を上回るものだったと思います。魚介・野菜ともに高水準で、外れの無いお店だと思います。
早春の深町さん。
この日のおまかせのコースは汲み上げ湯葉からスタートし、天ぷらは口子、河豚の白子、車海老、タラの芽、蕗の薹、鱚、筍、雲丹、空豆、白魚、甘鯛、アスパラ、穴子。追加で蛤、赤蓮根、薩摩芋。〆は天丼、デザートは苺のアイス。
特に好印象だったのは鱚、甘鯛、薩摩芋。鱚は質が良く、揚げ方もデリケートで味が飛んでいません。甘鯛はふんわりとした身が美味しく、皮目のパリッとした食感とのコントラストも愉しめました。薩摩芋も、甘みの強いタイプが好きな方にはお勧めです。揚げるのに時間が掛かるので、コースの序盤のうちに注文された方が良いでしょう。
上記にシャンパーニュのハーフボトルをいただいて、お会計は3万超。安くはありませんが、予約はそこまで難しくないですし、納得できる範囲ではないかなと。魚介種・野菜種ともにハイレベルで安定しているのが素晴らしいと思います。
冬本番の深町さん。
この日のおまかせは口子、河豚の白子、車海老、タラの芽、蕗の薹、鱚、雲丹、そら豆、慈姑、女鯒、白魚、筍、穴子。追加で唐墨、蛤、ユリ根も。〆に天丼、デザート。こんな感じでした。
高い次元で安定していると思います。特に鱚や女鯒は毎回感心するクオリティです。今回は別格だと感じる天種こそありませんでしたが、やはり全てが高水準。外れだと感じる天種は一つもありませんでした。技術や油ももちろんgood。
冬の深町さん。おまかせのコースは汲み上げ湯葉でスタート。
口子、河豚の白子、車海老、銀杏、くわい、鱚、雲丹、加賀蓮根、女鯒、甘鯛、椎茸、アスパラ、穴子。追加で鯊、舞茸、むかご。〆は天丼、洋梨のコンポート。
魚介・野菜いずれも外れなし。特に好印象だったのが鯊。他店も含め今期最高のもので、非常に美味しかったです。次点が鱚。甘鯛や穴子も美味しかったです。野菜では加賀蓮根とむかごがgood。椎茸もうま味・食感・香りを十分堪能できるものでした。
これまでの当店への訪問歴の中で最高の満足度でした。魚介・野菜どちらもハイアベレージでした。もちろん、天丼のかき揚げのクオリティも素晴らしかったです。
夏の深町さん。ハイシーズン終盤での訪問でした。おまかせで車海老、鱚、女鯒、雲丹、鮑、穴子、とうもろこし、水茄子、蓮根、アスパラ等。追加で鱧。〆は天丼で。
印象に残った天種はこの日も鱚と女鯒。繊細な鱚は味が飛ばないように、女鯒はカラリと揚げられていました。当店の鱚や女鯒は、時期を問わず本当に高い水準で安定していると思います。質・揚げ方ともにgood。野菜類は記憶に残るような逸品こそないものの、どれも上質です。油切れも良好ですし、かき揚げもハイレベルです。
バランスや総合力という点では当店は最高ランクのお店だと思います。良く言えば優等生、ちょっと意地悪な言い方をすれば強烈な個性はないのかなと。もちろん、私は優等生の当店を非常に好意的に評価しているので気になりませんが。
初夏の深町さん。天ぷらのハイシーズンに突入していました。
この日もおまかせで。先付けは蒸し鮑と湯葉。天ぷらは口子からスタート。その後の魚介種は車海老、鱚、女鯒、穴子、雲丹等。野菜はとうもろこし、タラの芽、空豆、水茄子、アスパラ等。〆に天丼、デザート。
この日印象に残ったものは鱚、女鯒。次点が穴子。鱚はフワッとデリケートに、女鯒は外はハードに中はふんわりと。タネ質だけでなく、揚げ方もgood。穴子は衣と身の食感のコントラストが強調されています。野菜も夏のものが出始めていました。トウモロコシは例年よりも香りや食感が良いと感じました。
シャンパーニュのハーフボトルを頼んだせいでお会計は3万円強。決して安いとは言えないと思いますが、十分納得のいく内容でした。
春の味覚を求めて深町さんに。ランチでもおまかせのコースでお願いしました。魚介は車海老、鱚、女鯒、穴子、銀宝、雲丹、鮑、稚鮎等。野菜は筍、蕗の薹、タラの芽、空豆、アスパラ等をいただきました。
鱚・女鯒は大変好印象。稚鮎も天ぷら屋の中では上位に入るのではないでしょうか。銀宝はゼラチン質に乏しく、味わいもそれなりという程度。鮑は率直に言ってイマイチでした。野菜類はどれも上質ですが、大当たりというタネはなかったかなと。
もう少しと思う部分もありましたが、魚介・野菜どちらも高水準です。本当に外れが少ないお店だと思います。
早春の深町さんにお邪魔しました。おまかせのコースに白魚や蛤等を追加。印象に残った天種は鱚、白魚、ホワイトアスパラ等。
鱚はふんわり・デリケートに揚げられ、味が飛んでいません。白魚はムチッとした食感でやはり美味。海苔で包んで揚げた蛤はレモンと塩で。磯の香りがレモンの香りと好相性ですし、海苔に包まれた蛤のうま味は塩味と酸味でより引き立てられます。立派なホワイトアスパラもgood。空豆、筍、山菜といった春らしい食材も増えていました。
2018年最初の深町さん。
この日のおまかせで供された天ぷらは口子、白子、車海老、タラの芽、蕗の薹、鱚、雲丹、空豆、甘鯛、蓮根、イカ、アスパラ、穴子。
追加で白魚、筍、蛤、椎茸。〆に天丼。
山菜類も増え始めており、春の訪れを感じる内容でした。最も印象に残ったのは白魚。ムチっとしており非常に美味しかったです。すぐに火が通ってしまう白魚は揚げるのが難しいと聞きますが、さすがの腕前でした。
こちらではトロ穴子が供されることが多いように感じますが、サクッとした衣と穴子の食感のコントラストが愉しめます。個人的にはこの手の穴子は好みではありませんが、万人受けしやすいとは思います。野菜類も悪くなく、外れの少ないお店と言えるでしょう。
2017年最後の訪問。
おまかせのコースは汲み上げ湯葉からスタート。
天ぷらは口子、河豚白子、車海老×2、銀杏、鱚、玉ねぎ、雲丹、椎茸、女鯒、加賀蓮根、すみいか、アスパラ、穴子。追加で鯊、〆は天丼、デザート。
深町さんの椎茸は歯応えや香りという点で物足りないと感じることが多いのですが、この日の椎茸は前回に引き続きgood。魚介種では女鯒が最も印象に残りました。こちらの女鯒は質が安定していると思います。その一方で、シーズンのはずの鯊がイマイチだったのは残念でした。
深町さんで晩秋の天ぷらを。この日のおまかせのコースは下記の通り。
まずはお通しの湯葉。
天ぷらは口子、車海老、銀杏、鱚、栗、白子、甘鯛、椎茸、雲丹、スミイカ、加賀蓮根、アスパラ、穴子(対馬)。
追加で舞茸、〆に天丼、デザートという構成。
強烈な印象を受けたものこそありませんでしたが、鱚と椎茸は美味しかったです。この日の椎茸は食感・うま味・香りいずれもなかなか。
穴子は身が厚いので、サクッとした衣の食感とフワリとした身の食感のコントラストが楽しめます。トロ穴子が好きな方には良いと思いますが、嗜好の差は出るでしょう。残念だったのは鯊が欠品だったことでしょうか。
秋の味覚を求めて深町さんに。この日のおまかせのコースは下記の通り。
お通しの湯葉、蒸し鮑。
天ぷらは口子、車海老、銀杏、雲丹、万願寺唐辛子、鱚、丹波栗、女鯒、鮎、加賀蓮根、アスパラ、穴子。
追加で松茸、舞茸、新いか。〆に天丼、デザート。
女鯒、新いか、舞茸がまずまず好印象。女鯒の質は本当に安定していると思います。外はカラリと中はフワッとしており、揚げ方もgood。新いかは丁度良い火の入り方で、滑らかな柔らかさと甘味が愉しめました。
松茸が高かったことも影響して、お会計は3万円強。高いとは思いますが、納得できる内容でした。
この日のおまかせは鮑、湯葉、うるかでスタート。
天ぷらは口子、車海老、とうもろこし、鱚、万願寺唐辛子、雲丹、蓮根、女鯒、水茄子(泉州)、稚鮎、いんげん、穴子(小柴)
追加で鱧
〆に天丼、デザート
この日の一番は文句なしに江戸前の穴子。他店も含めて今季一だったと思います。外はカリッと中はホクホクに揚げられており、非常に美味しかったです。次点は鱚。こちらはふんわりと揚げられていました。
野菜では万願寺唐辛子と蓮根がgood。とうもろこしやいんげんも前回訪問時より美味しかったです。
天ぷらのハイシーズンに深町さんに。
おまかせのコースは湯葉と蒸し鮑から。
天ぷらは口子、車海老、空豆、トウモロコシ、鱚、雲丹、万願寺とうがらし、女鯒、水ナス、稚鮎、アスパラ、穴子(長崎)
口子の後に口子の酒粕漬けも。
追加でいんげん、新蓮根、銀宝(浜名湖)
〆に天丼、デザート(ヨーグルトのシャーベット)
好印象だったのは稚鮎、女鯒、穴子。野菜ではアスパラ。穴子はそこまでトロ穴子っぽい脂の乗り方ではありませんでした。外はカラリと、中はホクホクに揚げられていました。アスパラは瑞々しく、うま味がしっかり。香りもGood。
その一方で、物足りなかったのは銀宝、いんげん、とうもろこし。銀宝はこの時期のものにしてはゼラチン質に乏しく、味が弱かったです。いんげんは筋が気になりましたし、トウモロコシも食感・香りともう一押し欲しいところ。
かき揚げは小柱が硬化している部分をあまり感じず、仕上がりは上々。美味しい天丼でした。どの種も一定水準以上で、油切れも良好。バランスの良いお店だと思います。
晩春の深町さんに。
この日のおまかせは、先付けの湯葉と蝦夷鮑(三陸)から。
天ぷらは口子、車海老、タラの芽、蕗の薹、鱚、雲丹、筍(物集女)、女鯒、稚鮎、空豆、アスパラ、穴子(韓国)
合間に口直しの浦里
追加で白魚、蛤、銀宝(江戸前)、
〆に天丼、デザート
最も印象に残ったのは白魚。今年は宍道湖のものが遅くまで入ったそうです。次点は稚鮎か。こちらも天ぷら屋の中では上位でしょう。江戸前の銀宝もゼラチン質には欠けますが、なかなか。野菜ではアスパラが好印象。瑞々しく、香りも感じられました。
その一方で、残念だったのが物集女産の筍。硬く、えぐ味を感じてしまいました。香りもイマイチ。朝掘りではないのかなと。穴子はトロ穴子でした。
息子さんたちもメインの揚げ手となりつつあるようです。今回は弟さんの方に揚げていただきました。高温と低温のメリハリはもう一歩かなとは思いますが、小柱のかき揚げは硬化させることなく上手く揚げられていました。そのうち複数の種を使ったより難易度の高いかき揚げもいただいてみたいと思いました。
春の天ぷらをいただきに伺いました。
おまかせのコースは先付けの湯葉でスタート。
天ぷらは、からすみ(大根おろしで)、車海老×2、蕗の薹、空豆、鱚、白子、筍(合馬?)、女鯒
口直しの浦里を挟んで、
雲丹、椎茸、アスパラ、穴子(対馬)
追加でホワイトアスパラ、蛤、白魚
〆に天丼、デザートに桜のアイス
白魚、ホワイトアスパラが好印象。天丼は小柱のみでしたが、硬化しておらず火入れはGood。欲を言えば複数の種で作っていただきたかったですが、無駄な衣も感じず、美味しかったです。対馬の穴子はぶよぶよですが、癖もなく万人受けするとは思います。
魚介・野菜ともに外れが少なく、美味しい天ぷらでした。胃がもたれることもありません。立地を考えると安いとまでは思いませんが、予約は常識の範囲内で取れます。使い勝手は特に問題ないでしょう。
冬の天ぷらをいただきに深町さんへ。
おまかせのコースは先付けの湯葉でスタート。
天ぷらは口子、河豚の白子、車海老×2、空豆、蕗の薹、鱚、雲丹、筍(鹿児島)、女鯒、椎茸、蓮根、すみいか、穴子(対馬)
追加で白魚、百合根、
〆に天丼、デコポンのゼリー
この日のベストは白魚。むっちりとしていて、揚げ加減も申し分なし。非常に美味しかったです。
上記以外では鱚、女鯒もgood。デリケートな鱚は味を飛ばさずに、女鯒はカラリと揚げられていました。深町さんは江戸前のものにこだわらずに仕入れているので、一年を通して安定したクオリティを保てるのでしょう。お口直しのうらさとが供されるタイミングも、癖の強い女鯒の後というのは丁度良いかなと。野菜ではゆり根が印象的。甘くてホクホクでした。
その一方で、かき揚げの小柱はやや硬化気味だと感じました。弘法にも筆の誤りか。車海老も少々疑問。穴子はカラリと揚がっているのは流石ですが、ぶよぶよ感の気になるものでした。どれも美味しいには美味しいのですが。
2017年1月
晩秋の天ぷらをいただくために訪問しました。
この日のおまかせのコースもスタートは湯葉から。
天ぷらは口子、河豚の白子、車海老、銀杏、鱚、栗、雲丹、万願寺唐辛子、甘鯛、椎茸、烏賊、アスパラ、穴子
追加で女鯒、舞茸
〆に天丼、デザート
鯊を目当てに訪問したのですが、まさかの欠品。今年は不漁とは聞いていますが・・・。この日一番良い印象を受けたのは鱚。ワーストは車海老かなと。その他の魚介種は総じてGood。鯊の代わりの甘鯛は鱗をパリパリに、身はふっくらと。不満というほどのことではありませんが、雲丹を包む大葉が以前より硬くなったような気がします。食感的に少し違和感を覚えました。
野菜類は特筆すべきものこそありませんでしたが、外れというのもありませんでした。
〆のかき揚げもさすがの仕上がり。コースの合間に供された浦里も食欲が刺激され、良いアイデアだと感心しました。もっと序盤に供されると尚良いのではないかと思いました。
2016年11月
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夏の天ぷらを堪能しました。おまかせのコースにいくつか追加で。
湯葉と蒸し鮑、
天ぷらは口子、車海老×2、万願寺唐辛子、トウモロコシ、鱚、雲丹、水茄子、稚鮎、蓮、女鯒、アスパラ、穴子、
追加でアオリイカ、鱧、茗荷、
〆に天丼、
デザートにわらび餅と抹茶のアイス、
印象に残ったのは鱚、女鯒、穴子。特に鱚と女鯒は絶品でした。どちらも今年食べたものの中では間違いなく一番でしょう。稚鮎も天ぷら屋の中では上位だと思います。魚介ではお陀仏の車海老が唯一微妙かなと。野菜は特筆すべきものこそありませんでしたが、どれも標準以上。玉蜀黍は香りや食感が物足りませんが、甘味はまずまず。和食屋と大差ないとも感じましたが、美味しいとは思います。
2016年7月
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初夏の天ぷらをいただきに訪問しました。
おまかせのコースは湯葉、蒸し鮑でスタート。
天ぷらは口子、車海老、空豆(串に刺して)、万願寺唐辛子(通熟した赤いもの)、鱚、雲丹、水ナス(泉州)、女鯒、稚鮎、椎茸(山形)、アスパラ二種(ホワイト半分、グリーン半分)、穴子
追加でグリーンアスパラ、鱚
〆に天丼、ヨーグルトのシャーベット
特に印象に残ったのは鱚、女鯒、穴子(穴子は揚げが少し甘かったですが)。野菜ではグリーンアスパラです。ホワイトアスパラや椎茸は高額店としてはイマイチでしたが、それ以外の野菜は一定水準以上の美味しいものでした。
定番の魚介種が美味しく、野菜や油切れも常に一定水準以上。ソツのない天ぷらで、超高評価にも納得です。
2016年5月
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おまかせのコースに少し追加で。
湯葉、蒸し鮑(肝のソース)、口子の先付け
天ぷらは口子、車海老、タラの芽、蕗の薹、鱚、雲丹、筍(物集女)、ホタテ、椎茸、スミイカ、アスパラ2種(グリーンの上半分、ホワイトの下半分)、穴子。
追加で空豆、蛤。〆に天丼、ヨーグルトのシャーベット。
良い意味で印象に残ったのは空豆。悪い意味で印象に残ったのは蛤とアスパラ二種です。
相変わらず魚介種の質が高く、美味しい天ぷらでした。残念だったのは蛤くらいです。蛤は生臭さを感じてしまいました。野菜類では空豆が香り良く、美味しかったです。しっかりした衣でかき揚げになっているので、食感的には空豆より衣の方が主役といった感じかなと。もちろん、空豆以外の野菜も標準以上だと思います。筍は朝堀りではないものの、状態の良いものを使っているようです。椎茸もこれまでの訪問の中では一番良かったと感じました。ただ、二種類のアスパラはそれほど薫らず、もう一つという印象を受けました。
薄めながら存在感がしっかりした衣で、非常にバランスの良い天ぷらだと思います。油切れは前回よりは良かったかなと。混んでいるとはいえ、車海老等の剥き置きが目立ったのは残念でした。お酒を少し飲んで2万円台半ば。京橋ということを考えると、CP的には良いとはいえないでしょう。
2016年4月
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先付けに汲み上げ湯葉、
くちこ、河豚の白子、車海老、タラの芽、鱚、蕗の薹、生雲丹、筍(合馬産)、女鯒、稚鮎、椎茸、アスパラ、穴子、
追加で白魚、空豆、ホワイトアスパラ、
〆に天丼、アイスクリーム
白魚はむっちりしていて、非常に美味しかったです。白魚や天丼のかき揚げといった技量が問われるものの揚げ加減が素晴らしかったです。穴子はカラリと中はホクホクに揚げられており、美味しかったです。野菜は全てが一定水準以上で美味しかったです。ただ、やはり野菜の香りは物足りず、最高と感じるものは1つもありませんでした。アスパラ、ホワイトアスパラは美味しかったですが、タラの芽や蕗の薹にはあまり感心しませんでした。
混雑のためか、油切れの良さをもう一つ堪能できませんでした。タネの事前処理も目立ちましたし、混んでいる時はパフォーマンスが落ちるという印象があります。
2016年3月
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夏の天ぷらを頂きました。
先付けに汲み上げ湯葉、蒸し鮑(胆ソース)、
魚介類の天ぷらは口子、車海老、鱚、雲丹、稚鮎、女鯒、穴子、
野菜類が蓮根、新銀杏、とうもろこし、万願寺唐辛子、アスパラ、
追加で鮑(胆ソースで)、
〆に天丼、無花果のゼリー寄せ、
定番のタネはさすがで、穴子とメゴチが印象に残りました。車海老は、一匹目はレア気味に、二匹目は中まで火を通す感じで揚げていると思っていたのですが、今回はほとんど差のない仕上がりでした。一匹目が非常に中途半端な加減で、少々残念でした。鮑は中心部までしっかり火を入れています。天ぷらならではの味わいとは感じませんでしたが、美味しかったです。野菜はアスパラ以外はそこそこ程度でした。アスパラは香りよく、美味しかったです。とうもろこしは甘味が弱く、新銀杏も香りがもうひとつという印象でした。
野菜の質に満足できるならば、定番の魚介種の質高く、お勧めできるお店です。2万円台前半は京橋にしては少々高めと感じなくもありませんが、予約はそこまで難しくなく、使い勝手は悪くないと思います。
2015年8月
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冬の天ぷらを頂きました。
おまかせの内容は以下の通りです。
先付けに湯葉、
天ぷらはくちこ、車海老、烏賊、銀杏、慈姑、鱚、雲丹、蛤、加賀蓮根、メゴチ、椎茸、アスパラ、穴子、
追加で鯊、河豚の白子、〆には天丼、デザート、
江戸前定番の魚介に安定感があり、野菜はマチマチという印象を持っています。衣は薄めながら、その食感がしっかり感じられるものです。天汁は少し甘めで個人的にはあまり好きなタイプではありません。
女鯒、蛤そしてハゼが美味しかったです。特に、ハゼと蛤(レモンで)は非常に美味しかったです。しかしながら、穴子には少し臭みを感じましたし、烏賊や雲丹も火入れに関して疑問を感じる仕上がりでした。安定感があると思っていただけに少々残念でした。野菜では加賀蓮根と慈姑が美味しかったです。椎茸は無駄な水分が多く、食感・香りともに物足りませんでした。かき揚げを成形する技術はさすがで、天丼もなかなか美味しかったです。今回はもたれることなく帰ることができました。
2014年12月
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久しぶりの訪問です。
先付けは湯葉と蒸し鮑でした。頂いたおまかせの内容は以下の通りです。
くちこ、車海老、烏賊、タラの芽、蕗の薹、鱚、雲丹、万願寺唐辛子、メゴチ、椎茸、アスパラ、穴子、
雲丹をもう一つ追加して、〆は天茶、デザートはヨーグルトのシャーベットでした。
鱚、女鯒、穴子といった定番の魚介のタネ質は高いレベルにあると思います。その一方で、椎茸、蕗の薹やアスパラといった野菜はイマイチでした。特に椎茸は無駄な水分が多く、香り・食感ともに良くありませんでした。
衣の主張がしっかりしている(衣の存在感が強い)天ぷらです。バランスが良いとも言えますが、突き抜けたものを感じないというのも率直な感想です。何より残念だったのは胃がもたれてしまったことです。隣席の女性客もかなり残していました。
2014年4月
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山の上出身の深町さんのお店です。
おまかせで〆には天茶をお願いしました。頂いた天ぷらは下記の通りです。先付は湯葉と鮑でした。
車海老、いか、キス、メゴチ、雲丹、白魚、稚鮎、ギンポ、
タラの芽、蕗の薹、筍、アスパラ、椎茸等
天ぷらは衣が薄めで、いかにも山の上出身といった感じです。野菜は素材の風味を生かすように揚げられています。タラの芽は山菜特有の風味があり、なかなか美味しかったです。しかし、蕗の薹や椎茸等はイマイチで、野菜には注文が付く部分もありました。魚介は総じてタネ質が良く満足出来ました。天茶も一流店に恥じない一品だと思います。
内容を考えれば、CPは悪くないと思います。天ぷらを食べている女性の浮世絵を飾るなど、雰囲気作りにも凝っています。サービスは家族経営らしいもので、好き嫌いが分かれるかもしれません。個人的にはアットホームさがあり、居心地は良いと思います。
8位
2回
2017/02訪問 2019/07/13
早春のさわ田さんに。
摘みは鮃・縁側、アオリイカ、赤雲丹、鮑(煮凝りと)、煮蛸、中トロと大トロの間、炙り〆鯖、鰤のベーコン、中トロ、炙り大トロ、バチコ、
握りは鯛、細魚、蛤、鮪4種、小肌、小柱軍艦、烏賊印籠、車海老、紫雲丹、鰆、穴子、さわだスペシャル(追加)、〆に玉
大体こんな感じだったと思います。
摘みはどれも一定水準以上ではあるでしょう。個人的には炙り〆鯖は酸味が立ちすぎだと感じましたが、それ以外には特に不満を感じませんでした。
鯛はある程度寝かせてあると思うのですが、うま味と食感のバランスはまずまず。酢飯との相性も悪くないかなと。鮪(勝浦だったはず)も前回ほどではありませんでしたが、十分満足できるものでした。穴子の仕上がりは前回より良好。
酸っぱい・しょっぱい鮨で、全体的にもう少し丸い味の方が好みではあります。摘みからスタートしたせいもあってか、食べ疲れてしまいました。
日本酒を少々いただいて、4万円台後半。場所を考えれば、許容範囲内でしょうか。撮影禁止・同業者お断り・香水禁止等、細かいルールを設けていますが、店主は決して気難しい職人ではありません。客との距離感はこれ位でも良いように思います。
銀座五丁目あづま通りにあるミシュラン2つ星の鮨屋です。10年ほど前に中野坂上から移転し、今や銀座を代表する有名店となりました。食べログでも4.47(2017.01.02)と超高評価店です。
ランチは2.5万円のおまかせ一本。追加でさわ田スペシャル(鮪の全部巻き)をいただきました。
鮃、すみいか、細魚、鰤、赤貝、鮪4種(赤身、中トロ、中トロと大トロの間、大トロ)、こはだ、蛤、車海老(富津)、紫雲丹、鯖、蝦夷鮑、鰹(富山)、炙り大トロ、ミル貝、烏賊の印籠、馬糞雲丹、穴子(塩とツメで)、さわ田スペシャル、玉
鰹の後にマイクロトマト、途中でベッタラ漬け、最後に鬼灯も。
とにかく印象に残ったのは鮪。大間の200キロ台後半のものだそう。宮葉さんでいただく鮪と似た味わいでした(赤身は宮葉さんの方がネットリしているかなと)。トロの筋が気になるところもありましたが、最近いただいた鮪の中では一番美味しかったです。
その一方で、鮪以外では拍子抜けしてしまう部分も。穴子に臭みを感じたり、酢〆がきつすぎるものがあったのは残念。赤貝、蝦夷鮑、鰹などもあまり良い印象を受けませんでした。
鮪が非常に美味しく、その他のタネはまちまちといったところでしょうか。酢飯は米酢を使用したもの。もう少し丸い味の方が好みですが、非常識な固さや口触りの悪さ等は感じませんでした。修行のバックボーンが希薄との意見も耳にしていましたが、握り自体も別に悪くなかったかなと。
雰囲気・サービスともに良好だと思います。全てにおいて、行き届く範囲内でやっていらっしゃるのだと感じました。高いという意見もあるのでしょうが、立地や内容を考えれば、高すぎるとまでは感じませんでした。予約を取るのが少々大変ですが、何か月も先のスケジュールを抑えずに済みます。予約困難を売りにしているようなお店よりはマトモでしょう。
2016年12月
9位
2回
2017/12訪問 2018/12/28
定期的に購入している、一番好きなパン屋です。百名店に選ばれていないと知って驚きました。
やはりオススメはザクザクの食感が印象的なクロワッサン。中がバターロールの様になっていたこともありましたが、偶然か季節的な要因なのでしょう。夏場以外は大丈夫なのではないかなと。頬張ると薄い皮がめくれてしまうので、ちゃんとお皿の上で食べましょう。もっとも電車の中や路上で食べるような変態はいないでしょうけど(笑)。
当店が丸香のようになれば、高級クラブでの接待&高級ワイン&ブルガリの腕時計という"主食三点セット"も夢ではないかもしれません。是非皆さんにも食べていただきたい、否、高評価していただきたいですね(笑)。
武蔵境駅から徒歩3分ほどの所にあるパン屋です。基本的にショーケース内に陳列されているので、私でも安心して購入できます。何度か利用しているのですが、夕方に伺うとほとんどのパンは売り切れてしまっています。
店内はすれ違うのも困難なほど狭い。ショーケース内の撮影に夢中になれば、他のお客さんに迷惑を掛けかねないでしょう。ここはいっちょ迷惑を掛けて、写真撮影禁止のお店を増やすのも「パンが主食」の役目なのでしょうか(苦笑)。
店から高級ワインを奢ってもらい、パンをプロデュースする・・・。食する幸せ・料理する幸せならぬ、奢られる幸せ・プロデュースする幸せのためには越えなければならないハードルなのかもしれません。弱ったね(´・ω・`)
当店のクロワッサン(税込180円)はオススメ。サクサクを通り越してザクザクといった感じ。こちらも層を少なくしているのかな?と。薄くパリッとした生地が剥がれるというか、めくれるというか。芳醇なバターの香りも楽しめます(*´∀`*) やや小ぶりな気もしますが、CPも良いでしょう。
ただ、日によって結構ムラがあるのかな?とも。直近の訪問では中心部分がバターロールみたいになっていたのが気になりました。時季によるものなのか、初訪問時には気付かなかっただけなのかは不明です。いかんせん初めての時は無心で食べたので(笑)。
直近で購入した苺のジャム入りクロワッサン(190円)や250円のパン(無花果のジャム等が入ったものだったか)も好印象。ジャムまで手抜きなしでした。まさか甘いパンを美味しいと感じる日が来ようとは・・・。パンも奥が深い♠
その一方で、ピザ系のパンはやたらと硬く、ちょっとナンセンス。セミドライのバナナを使用したパンやカスタメロンも試しましたが、特段感心する要素は見出だせなかったです。
立地を考えれば価格も控えめで、売り切れるのも納得です。確実に購入するためには、電話で取り置きしてもらうのもいいでしょう。
しばらくの間、パンは当店がベンチマークとなりそうです。∞東日本最強のクロワッサンとなれるかどうか・・・。って丸香かΣ\( ̄ー ̄;)
('・c_,・` )プッ
10位
3回
2017/06訪問 2022/08/15
久しぶりのすぎはらさん。
以下を注文。
せいろ(900円)と天ぷらそば(1900円)
烏龍茶(250円)
この日のそばは茨城産、つなぎ5分。そばの風味・味わいが実に鮮烈。当店にしては繋がりは悪い方だったかもしれませんが、それでも十分ハイクオリティ。そば汁の甘辛のバランスも良好。
天ぷらそばを注文すると、お時間頂きますが~とのこと。温かいそばの方はやはりもう一つかなと。天種は海老、かぼちゃ、茄子、スナップえんどう等。タネ質はかけそばとの差額1000円ということを考えれば、こんなものかなと。海老は火の通しすぎで硬化しきっていました。
烏龍茶は商売っ気を感じない価格設定。立地や撮影禁止等の制約が気にならない方にはオススメです。お店には申し訳ありませんが、空いているのもありがたいかぎり。
年末か年明けにでも再訪をと思っていたのですが、間隔が空いてしまいました。
せいろ汁なし付き(1600円)、とろろそば(1100円)と計3枚のそばをいただきました。
この日のそば(茨城県)はつなぎなし。実に綺麗に打たれており、水切り等も丁寧。のど越し・香りともに秀逸。
そば汁は辛め・濃い目のもの。当店で辛めと感じるのは初めてだと思います。少々鰹が強すぎるとは思いましたが、これまでの訪問歴の中では最も好みに近いものでした。
とろろそばは、とろろと卵を溶いたそば汁でいただきます。卵ととろろの味わいがそばに絡むと、これも美味しいです。卵の味が結構濃厚なため、あまり付けすぎるとそばの味を覆ってしまいます。食べる際には注意が必要でしょう。
毎回味には満足していますが、やはり量は少ないです。そば前の種類がかなり限られていたり、だし巻き玉子は二人前からという縛りがあるのも少々つらい。呑めるような立地でもありません。使い勝手という点では、どうしても疑問符が付いてしまいます。
写真撮影、喫煙、騒ぐことの全てが禁止されています。良識ある大人には上質な空間が用意されているといえるでしょう。いわゆる洗練されたサービスではありませんが、接客は低姿勢・丁寧です。店内はチリ一つ落ちていないほど掃除が行き届いています。こういった点を評価できるかどうかは、もはや感性の問題でしょう。
2017年2月
今回は冷たいそばだけでなく、温かいそばも試しました。初訪問時同様、食感が落ち気味なのが気になりました。茹で加減は悪くないのですが、温かいそばはもう少し太打ちの方が私の好みではあります。
楽しみにしていた新そばはまだとのこと。いつからとは明言できないそうですが、これに懲りずにまた訪問してみようと思います。
2016年11月
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何度か再訪しようと思ったものの、アクセス難が響き、2年半ぶりの訪問となってしまいました。
だし巻き玉子(1100円)と汁なし付き(1600円)を注文。だし巻き玉子は二人前(550円×2)からの注文になるので、一人でも二皿サーブされました。もちろん、注文時にその旨確認してくださいました。汁なし付きは、お代わり付きのせいろです。
この日のそば(茨城県)は五分だけつなぎを使用したものだそう。非常に綺麗に打たれており、ほぼ完璧なビジュアルでした。水切り等にも丁寧な仕事ぶりが光っていました。香り・喉越しともに秀逸。二枚目も丁度良いテンポで供されました。この数年間で食べたそばの中では、完成度は最高峰だと思います。ただただ、素晴らしいものだなと。僻地で量が少ないというマイナスを補って余りあるクオリティでした。ただし、甘めのそば汁はそばの味を覆うと感じるので、あまり好みではありません。
店内はチリ一つ落ちていないほど清潔。独りでの訪問であれば、そばが出来上がるまで本でも読んで待つと良いでしょう。
そばを食べて、このお店、ちょっとやばいかもと興奮したのは、○0年前の車家訪問以来でしょうか。わざわざ食べにくる価値があると安易に評したくありませんが、近くに来たら寄らなければ損だとは言えるでしょう。もう少し秋が深まったら再訪問したいと思います。現在の3.54(2016.10.16)というスコアは完全に過小評価でしょう。
2016年10月
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味や雰囲気は良いですが、僻地×量が少ないと、ある意味そば屋の悪しき慣習を体現したお店です。ちなみに、食べログでの評価は3.73(2014.05.06)と高評価店です。
天せいろ(1900円)とかけ(900円)を注文しました。
そばは香り・喉越しともに良かったです。そば汁は少し甘め・濃い目のもの。甘めのそば汁はあまり好みではありませんが、ぎりぎりセーフかなと。甘さは玉笑ほどではないでしょう。天ぷらは、海老2本、かぼちゃ、しし唐、椎茸。タネ質・揚げ方ともに凡庸です。また、天汁なし、塩もなしです。要するに、そば汁で食べろということなんですが、この対応はあまり評価できません。追加注文したかけそばは食感が悪かったです。
量は竹やぶ系ならではの少なさ。辺鄙な土地でアクセスが悪いことも考えると、CPは悪いと思います。メニュー数が少ないのも難点でしょう。
その一方で、雰囲気は非常に良いです。閑静な住宅街に位置しており、店内も清潔に保たれています。また、騒ぐ子供禁止・店内撮影禁止・禁煙というルールがあるようです(私はこのルールをお店では見かけませんでしたが・・・)。ブロガー、騒ぐ子供、喫煙者を並列に扱うスタンスは食事を摂る環境や雰囲気を保つ上ではプラスでしょう。
2014年5月
私の2017年の漢字は「変」。とにかく環境が変わり、昨年の後半は大忙しでした。色々な悩みや葛藤も。この変化が良い方向に出てくれれば、苦労した甲斐があったと思えるのでしょう。否、そうなるよう頑張ろうと思っています。もっとも、いくら環境が変わったといっても、うどんが主食さんには負けますけど(笑)。
その一方で、食の方は変化に乏しい一年だったなと。後半は再訪ばかりになってしまい、レビューを上げないお店も激増しました。そんな中での今年のベストレストランは日本料理から4店、鮨と天ぷらから各2店、そば、パン屋から一店ずつ選びました。