2回
2014/03 訪問
江戸前とは違う魅力
一年ぶりの訪問です。
海老のサンドウィッチから始まり、サツマイモ、天茶、アイスクリームで〆るのは前回と同様でした。また、途中に海老を三匹ほど挟むのも前回と同様でした(この才巻は、どこから仕入れているのか不思議なほど、とにかく小さい)。これが京星さんのスタイルのようです。
今回、他に頂いたのは空豆、蕗の薹、グリーンアスパラガス、さやえんどう、百合の蕾、ニンジン、ヤングコーン、蓮根、グジ、鰆、キス、氷魚です。
海老のサンドウィッチ、ヤングコーンや天茶は今回も美味しかったです。
その一方で、アスパラガスは瑞々しさや香りがもう一つでした。前回ホワイトアスパラガスが良かっただけに、余計残念に感じてしまいました。蕗の薹ももう少し風味が欲しかったです。キスや桜の葉で巻いた鰆も悪くはないものの、こういった魚介類はこちらの揚げ方には不向きなようにも感じてしまいました。
前回はまさかのマンツーマンでしたが、今回は他の団体さん(5、6人)と一緒でした。このお客さんの人数が前回ほどの完成度を感じなかった最大の要因かもしれません。前回と比べると、格段に油切れが悪かったです。
たしかに幾つか気になる点はあったものの、全体を通して大きな外れもなく、非常に満足出来ました。日本酒三種類(早瀬浦、李白、純、純だけ半合)とロイヤルブルーティーを一杯飲んで、お会計が15000円強と相変わらずのCPの良さでした。
2014年3月
――――――――――
京都を一人で旅した際に訪問しました。平日の18時という時間のせいか、なんとお客は私一人でした。東京でマンツーマンで揚げてもらうことなど滅多にないので、かなり得した気分でした。同時に自分一人のためだけに申し訳ないなぁという気持ちにもなりました。接客は丁寧ながらも気さくで、東京の天ぷら屋とは違った、まったりした雰囲気でした。
こちらの天ぷらの特徴は、衣に卵を使わない点と入念に油を切る点にあるでしょう。そのため、天ぷらはとにかく軽く、天紙の交換が終始必要ないほどです。ややジューシーさに欠けるのでは?とも感じましたが、とにかく軽い天ぷらがお好みという方にはピッタリだと思います。また、江戸前との違いという点では、天汁がなく、塩とレモン汁で頂くというスタイルであったり、江戸前ではあまり扱わない食材を取り入れているのも特徴的です(その一方で、江戸前の定番であるアナゴ等のタネはありません)。
コースの構成は、エビをパンで挟んで揚げた物から始まり、天茶で締めるというもの。コースの随所で供される才巻は小ぶりで美味しく、締めの天茶も塩加減が絶妙で美味しかったです。天茶の前に供されるサツマイモは、ブランデーと砂糖をまぶすという一風変わった頂き方をします。面白い試みですし、コースの中の一品という意味では成立していると思います。ただ、サツマイモの美味しさを引き出す方法としてベストだとは思いませんでした。
料理や雰囲気など、江戸前のお店にはない魅力を持っているお店だと思います。天ぷらのコースは良心的な価格ですし、京都を訪れる際には、また立ち寄りたいと思います。
2013年2月
2020/01/01 更新
祇園の天ぷら専門店。ミシュランで星を獲得していることもあって、外国人観光客も多いようです。5年ぶり3度目の訪問です。店内は2年ほど前に改装されたそうで、ちょっとモダンになっていました。
天ぷらのスタイルは従来と変わらず。衣は卵を使用しない薄めのもので、入念に油を落としてから供されます。揚げる温度は比較的低温の部類に入るでしょう。天汁はなく、塩/レモン汁でいただきます。
海老のすり身のサンドウィッチ、鱧、車海老×3、スナップえんどう、ホウレン草の根、蟹とアボカド、白魚、細魚、金目鯛、鰆、ヤングコーン、アスパラ、獅子唐、サンドマメ、銀杏、さつまいも(ブランデーと砂糖をまぶして)。〆に天茶、デザート。
天ぷらのコースは、海老のすり身をパンで挟んだものから始まり、さつまいもの後に天茶で〆る従来通りの構成となっていました。極小の才巻3匹をコース中に分散して供するのも以前と同様でした。かき揚げの成形はお見事の一言。油切れも、初訪問時ほどではありませんでしたが、前回訪問時よりも良かったと思います。大した揚げる技術もないのに高級食材を盛り込んでいるだけの高額店とは一線を画していると思います。
ハーフボトルのシャンパーニュを頼んでお会計は22000円。一品ずつのポーションは小さめで、少々物足りませんが、女性には丁度良い量なのではないでしょうか。低温で揚げるスタイルのお店は他にもありますが、トータルの満足度は当店が頭一つ抜けていると思います。見えない心配りも非常に素晴らしいお店です。