8回
2020/10 訪問
久しぶりの宮葉さん。おおよそ1年半ぶりの訪問となりました。一席ごとに飛沫防止パネルが設置されており、複数人で訪問してもパネルで仕切られたままでした。
トロ、ヅケ、鯛、オオアラ、スミイカ、鰯、赤貝、メカジキ(赤身)、メカジキ(トロ)、こはだ、シャコ、鯖、ミル貝、鰤、細魚、車海老、いくら、雲丹、鰹、蛤、穴子、玉、デザート。合間に土瓶蒸し等。
だいぶ変わってしまったなと。強いて良かったものを挙げるとすれば、鯛や赤貝になるのでしょうか。
タネ質は下がっていますが、お会計も下がっているのでそこは仕方のないところでしょう。以前は使わなかったような鮨種も散見されましたが、これも時代の流れかと受け入れられないこともありません。
しかしながら、ここまで仕事が変わってしまっては、宮葉の鮨とはいえないのではないかなと。酢〆は以前よりも塩・酢ともに強めだと感じました。鰤は脂を落とす仕事が施されていませんでしたし、穴子のツメも不味くなってしまいました。土瓶蒸しは出汁がイマイチでしたし、鱧の骨切りもダメ。余計な具が多すぎだとも感じました。
親方が亡くなった直後こそ持ちこたえていましたが、この数年は訪問するたびに劣化を感じます。残念でなりません。
2020/12/13 更新
2018/10 訪問
秋の宮葉さん。久しぶりの訪問となってしまいました。
摘みはあん肝、カラスミと大根、穴子の白焼き(対馬)、松茸土瓶蒸し(岩手)等。
握りは鮪三種、こはだ、鰹、秋刀魚、甘鯛、鰤、ミル貝、青柳、蛤、牡蠣、雲丹、松茸、穴子、鉄火巻き等
デザートに汁粉
往時と比べるとタネ質はかなり落ちたと思います。〆る等の仕事は悪くありませんでしたが、この日の酢飯はイマイチ。山葵も疑問符がついてしまうものでした。
タネ質の低下は残念ですが、その分値段も下がっているようです。先代の頃は扱わなかった鮨種を扱ったりと試行錯誤を重ねているようです。ここ数年は人の入れ替わりが激しかったので大変だと思いますが、是非頑張っていただきたいなと。
2018/12/31 更新
2017/05 訪問
残念
このお店はカメラでの写真撮影を禁止されています。少なくとも、先代はそのように決められていたと認識しています。カウンター席は空間を共有する所だからいう理由ではなかったかなと。何とも気持ちの良いルールではないでしょうか。
しかしながら、残念なことに、ある特定の客にはカメラでの撮影を許可してしまったようです。直接居合わせたわけではないので、詳しい状況は分かりません。もしかしたら、ハウスルールそのものを変えられたのかもしれません。
いずれにせよ、以前のハウスルールは徹底されていないようです。許可するorしないは店の自由でしょう。ただ、それをどう評するかは客の自由。宮葉さんがそのような路線に走ってしまったのは残念でなりません。しばらく訪問は控えようと思います。
摘みは稚鮎(九頭竜川)、水貝
握りは鮪三種、星鰈、甘鯛、鰯、えぼ鯛、鯵、鰹、白いか、縞鯵、平貝、ミル貝、鳥貝、蛤、雲丹、鉄火、穴子、玉、
鮪(勝浦)、雲丹(東沢スペシャル版)、ミル貝、星鰈が特に好印象でした。えぼ鯛は珍しい鮨種だと思いますが、なかなか美味しかったです。
その一方で、鰹はイマイチ。不漁が響いているそうです。穴子も食感・味わいともにもう一つかなと。
変わったという点では、蛤の相汁が以前ほど甘くなくなりました。あの甘さがちょっと苦手だったのですが、今となっては恋しい味なのかもしれません。
先代がお亡くなりになって以降、惰性気味に訪問していましたが、良いきっかけなのかもしれません。次回訪問時には元の宮葉さんに戻っていて下さったらなと。
2019/10/18 更新
2017/02 訪問
脱構築
早春の宮葉さんに。
お造り(鯛、ひらまさ、細魚)
河豚白子の焼物
真名鰹西京焼き
握りは鮪三種(勝浦)、ぐじ、鰹、春子、鯖、雲丹、ミル貝、中鮪、蛤、細魚、白魚、穴子、干瓢
玉、お汁粉
この日一番印象に残ったのは蛤。ふっくらした蛤を相汁に漬けて。宮葉さんならではの雑炊風の鮨です。蛤以外にも、脂のない鰹や東沢スペシャル版の雲丹など、宮葉さんらしいこだわりを楽しめました。ただ、以前よりお茶が薄くなったような気がするのですが、気のせいでしょうか・・・。
酢はしっかり効いていますが、酸味の角は落とされています。酸っぱい・しょっぱい鮨が苦手という方にオススメです。予約が簡単で、時間やコースに関しても、客側の自由度が高いのは嬉しい限りです。
2019/10/18 更新
2016/12 訪問
脱構築
煮蛸、茶碗蒸し、お造り(鮃、鯛、甘鯛)、あん肝、穴子白焼き、蕪蒸し、
鮪三種、小肌、春子、いか、小柱、鯖、さより、鰹、雲丹(東沢スペシャル版)、鉄火巻、穴子、玉等
合間にねぎま汁、最後にデザート
ここ最近、以前ほど美味しい穴子の白焼きが供されなくなったかなと。蕪蒸しはうま味・塩味・甘味といずれも過大気味。鮨屋とはいえ、もう少しトーンを落とした方が良いのではないかと感じました。
握りでは小肌、雲丹、穴子が好印象でした。鮪、鯖、鰹も美味しかったですが、本音を言うと、もう一押し欲しいところ。宮葉さんでは禁漁期間中を除き、夜のコースでは雲丹は東沢のスペシャル版しか供されません。そのこだわりは先代の親方がお亡くなりになった今でも変わっていません。是非、他の種もさすが宮葉さんと唸るものを期待したいところです。
2016年12月
2019/10/18 更新
2016/10 訪問
脱構築
評価は先代の宮葉幹男氏の時代のものになります。
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秋の宮葉さんにお邪魔しました。禁漁期間中ということで東沢スペシャル版の雲丹はありませんでしたが、狐と狸二種類の穴子、松輪の鯖、丹波産松茸を楽しめました。
鯖(松輪)のお造り、落ち鮎焼物、穴子白焼き、
握りは赤身、中鮪、鎧下、鮃(利尻)、勘八(尾鷲)、かすご、新子、白いか、鰹、いくら、雲丹、松茸、ミル貝、赤貝、牡蠣、鯖(富津)、鉄火巻き、穴子、玉
合間に松茸の土瓶蒸し
悪くはないのですが、宮葉さんらしくないと感じてしまう点もチラホラ。酢飯や鯖の〆具合(少々きつめ)等に少々首を傾げてしまいました。摘みをはじめ、鮨種にもいつもほどの魅力を感じませんでした。
コース一本ということもなく、お好みで握ってもらうことも可能です。入店時間を指定された上での一斉スタートという、高額店で流行りの給食スタイルでもありません。予約も難しくないので、食べたい時に食べたいものを食べることができます。
数少ない食べ手主体の鮨屋です。それだけに頑張っていただきたいなと思い、お店を後にしました。
2016年10月
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夏の鮨をいただきに伺いました。
摘みに稚鮎の焼物(九頭竜)、鱧の落とし、
握りは鮪三種、鯛、星鰈、春子、ツバス、鯵、鰹、雲丹、新子(3枚漬け)、新いか、車海老、鮑、牡蠣、蛤、ミル貝、鉄火、穴子、玉、
合間にネギマ汁、デザートに御汁粉
春子、鰹、ツバス、穴子は好印象。常に鮪が美味しいのも流石だなと。
その一方で、鱧の骨が気になったりと、残念な点も見受けられました。
2016年7月
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初夏の鮨をいただきました。
摘みは稚鮎と水貝
握りは鮪3種(那智勝浦)、真子鰈、鯛、縞鯵(江戸前)、白魚、鰹(勝浦)、こはだ、鯵、紫雲丹、カスゴ、鳥貝、さより、ネギトロ、穴子、玉
特に印象に残ったのは赤身、真子鰈、鰹、縞鯵、雲丹、カスゴ、さより、穴子、玉。
2016年5月
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お造り(鯛、クエ、鮃)、お造り(鰹、鯖)、河豚の唐揚げ、河豚の白子焼き、
鮪3種(那智勝浦)、かすご、さより、鰤、子持ち烏賊、雲丹、こはだ、赤貝、小柱、牡蠣、鰹、鯖、鉄火巻き、穴子等、
鯖、鰹、さより、雲丹、赤貝と非常に美味しかったです。
しかしながら、その一方で、今回の鰤には感心しませんでした。鰤の質がイマイチにも関わらず、質の高い鰤と同様の仕事がなされており、必要な味まで抜けてしまっていると感じました。先代は納得がいかないものには手をつけなかったと伺ったことがあります。今回の鰤なら供されなかったのではないかなと。
先代がご不在の時にもちゃんとしたものが供されていたことがあると思っています。次回に期待しています。
2016年2月
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親方に手を合わせに。
あん肝(余市)、お造り(ひらめ、鯛、かんぱち)、お造り(鰹、鯖)、穴子白焼き、河豚の唐揚げ、
握りは鮪三種(噴火湾)、こはだ、鱚、いかげそ、かすご、鯖、赤貝、雲丹、シャコ、いくら、牡蠣、ミル貝、鰹、鉄火、穴子等
2015年11月
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秋の鮨を頂きました。
お造り(縞鯵、ヒラメ、鯛)、
子持ち鮎焼物、鮑、穴子の白焼き、松茸の土瓶蒸し、
鮪三種、かすご、コハダ、鰹、鯖、松茸、いくら、烏賊、車海老、雲丹、赤貝、ミル貝、鱚、牡蠣、ネギトロ、穴子等、
お汁粉、
二種類の穴子は狐を白焼きで、狸をツメ(握り)で。非常に小さい子持ち鮎は最上川から。噴火湾の鮪、江戸前の車海老、松輪の鯖、東沢の雲丹(スペシャル)と実に美味でした。松茸(丹波)もここならではのものでしょう。
2015年9月
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初夏の鮨を頂きました。
お造り(鯛、とり貝、真子鰈)、
稚鮎、水貝、握りの途中でネギマ汁、
鮪3種、ぐじ、鱚、かすご、鰹、あじ、金時鰯、赤貝、とり貝、シャコ、シンコ、新いか、雲丹、車海老(天草)、鉄火、穴子、
ゼリーとコーヒーを頂いて〆となりました。
鯵、金時鰯、とり貝、新いか、穴子、雲丹が印象に残りました。シンコは一枚が小指の爪もあるかどうかという代物で8枚付けでした。あくまで縁起物で通常握らないサイズだとか。
2015年6月
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お造り(鯛、ぐじ、中鮪)、
稚鮎の焼物、
ぐじと新筍の焼物、
握りは赤身、中トロ、鎧下、鰹、鯖、コハダ、サヨリ、鳥貝、ミル貝、赤貝、蛤、牡蠣、雲丹、穴子、鉄火巻き等を頂きました。
待ちに待った稚鮎の季節になりました。特に美味しかったものは、お造りでは鯛、握りでは鮪、鰹、サヨリ、鳥貝、雲丹、穴子です。中でも鰹とサヨリは絶品でした。薫る鰹はますます素晴らしく、サヨリも実に繊細・上品な味わいでした。もう一貫お願いすると、立派なサヨリが細工を変えて供されました。親方の仕事で昇華された鮨は非常に美味しかったです。
2015年3月
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お造り(中鮪、ヒラメ、鯛)、
穴子白焼き、 渡蟹、河豚の白子焼き、 河豚の唐揚げ、
握りは赤身二種、中トロ、鎧下、中鮪、かすご、新いか、シンコ、鯖、鰤、シャコ、牡蠣、青柳、小柱、雲丹、 ミル貝、赤貝、蛤、穴子、干瓢巻き等
この日は色々な鮪を堪能でき幸せでした。もちろん、鮪以外のタネも充実していました。この時期のシンコ、新イカには驚かされました。鯖、鰤、穴子と最高のタネに最高の仕事が施されています。雲丹も雑味のない超一級品です。まろやかな酢飯は最高で、銀座の某有名店と違って喉が渇きません。摘みの質も最高峰と言って差し支えないでしょう。ふぐの白子は高級ふぐ専門店にも引けをとらないものでした。本当に全てが最高で、5万に迫る支払いも納得でした。
2015年1月
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お造り(赤貝、鯛、ヒラメ)、
穴子の白焼き、河豚のから揚げ、河豚白子焼き(黒七味で)、グジの蕪蒸し、
握りは鮪三種、メジマグロ、細魚、鰹、いか、こはだ、雲丹、鯖、ミル貝、グジ、鰤、鉄火巻、穴子等、
鮪、メジマグロ、鯖、鰤、細魚、どれも絶品でした。
江戸巻きを持ってお店を後にしました。親方がお疲れの様子だったのが少し気になりました。
2014年12月
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お造り(ヒラメ、鰤、グジ)、
穴子の白焼き、鰹の造り、白子のポン酢和え、河豚のから揚げ、
握りは赤身、中トロ、鎧身、鯖、鰹、鰤、雲丹、こはだ、かすご、牡蠣、穴子等、
松輪の鯖は絶品でした。穴子は摘み(狐)を白焼きで、握り(狸)はツメで頂きました。鰹は年中上りです。東沢のスペシャルが禁漁期間中でなかったのが残念でした。
日本はおろか、世界中からお客さんがわざわざ訪問されています。また、同業者のみならず、有名和食店の店主も親方の味を勉強しにくるようです。
2014年11月
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お造り(ヒラメ、カンパチ、トリ貝)、
鮑のステーキ(肝と雲丹を使ったソースで)、穴子の白焼き、松茸の土瓶蒸し、
握りは赤身、中トロ、鎧下、鯖、鰹、ミル貝、雲丹、こはだ、かすご、松茸、いくら、鰤等を頂きました。
どれも美味しかったですが、その中でも鮪と鯖(松輪)は秀逸でした。鰹はこの時期でも戻りなんて使いません。つまみでは穴子の白焼きが特に美味しかったです。
2014年10月
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お造り(鯛、グジ、トリ貝)、
稚鮎の焼物、水貝、渡り蟹、鱧の落し、
握りは鮪三種(赤身、中トロ、鎧下)、シンコ、間八、蝦蛄、鯵、雲丹、タイラ貝、赤貝、真子鰈、新イカ、穴子、牡蠣、かすご、蛤など、
冷たいお汁粉
今回の摘みは少量多皿でした。江戸前のシンコは三枚付けでした。大島の間八や江戸前の鯵も絶品でした。雑味の無い雲丹も相変わらず美味しいです。そして、何より、まろやかなシャリが非常に美味しかったです。
また、直近の訪問(8月)で頂いた早松茸(丹波)、縞鯵、マゴチも非常に美味しかったです。
2014年7月
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お造りは真子鰈、甘鯛、鰤、
摘みは稚鮎の焼物と水貝を頂きました。
握りは赤身、中トロ、こはだ、鯵、鰹、ミル貝、とり貝、雲丹、江戸前の蝦蛄のツメ、穴子等
デザートにゼリーとコーヒー
この日の稚鮎も非常に美味しかったです。水貝は育った海(海藻を使用したスープ)にしばらく戻します。ミネラルたっぷりのスープにはミニトマト、きゅうり、そしてキウィが入っています。少し置くと鮑がスープを吸って柔らかくなり、美味しかったです。江戸前の鯵、鰹、東沢スペシャルの雲丹が絶品でした。
こちらはお客に合わせてもてなして下さるので、安心して人を連れて行ける素晴らしいお店です。他の鮨屋の訪問予定がすっかり狂ってしまっています。
2014年5月
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お造り(とり貝、グジ、鰈)、鰹の造り、稚鮎の焼物、渡り蟹、
握りは赤身、中トロ、細魚、烏賊、鰹、こはだ、鯛、赤貝、車海老、かすご、グジ、ミル貝、雲丹、穴子(塩で)、玉など
お汁粉、
江戸巻きをお土産に。
鰹や稚鮎は美味しくないわけがありません。渡り蟹は今回初めて頂きました。奥までしゃぶるようにして頂いたのですが、濃厚な一品で独特の風味を堪能できました。雲丹(東沢のスペシャル版)は雑味なく、非常に美味しかったです。鰹も薫り良く絶品でした。ミル貝も甘味があって素晴らしかったです。
ちなみに、ご主人は昼夜両方やるのはきついらしく、今は夜だけにしているそうです。
2014年4月
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握りはおまかせで、つまみに稚鮎の焼物と河豚の唐揚を頼みました。この稚鮎は非常に美味しかったです。
握りは、赤身、中トロ、鎧下、鰹、鯛の昆布〆、赤貝、ミル貝、トリ貝、鯖、イカ、かすご、こはだ、さより、青柳、雲丹、穴子、玉等を頂きました。鯖や雲丹等は一貫ずつ追加しました。最後はお汁粉で〆となりました。
ランチでも夜のコースが頂け、最高のタネ質を堪能出来ました。お土産の江戸巻きも美味しく、家族も非常に喜んでくれました。
2014年3月
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今回はランチでの訪問です。ランチにはお決まりもありますが、おまかせで握ってもらいました。
赤身、トロ二種、さより、すみいか、鰹、こはだ、赤貝、鯖、鰤、かすご(鯛の子)、軽く炙った烏賊、ミル貝、雲丹、穴子等
鯖、鰹、雲丹を追加し、最後にお汁粉を頂きました。
シャリが美味しく、鮪をはじめ、タネ質も素晴らしい。素直に美味しいという言葉が出てきます。年末に脂のない鰹と言われて、この時期に?と思ったのですが、ご主人曰く、鰹は薫りを楽しむものだから、上りしか使わないんだとか。
2014年2月
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浜松町にある知る人ぞ知る老舗の江戸前鮨屋です。割りと最近存在を知ったお店です。マイレビュアー様も高く評価されているので訪問してみることにしました。
握りはおまかせで、つまみにお造りと焼き物を少し頼みました。
お造りは鯛、ヒラメ、間八でした。どれも質が高く、美味しかったです。河豚の白子の焼物は、大きさが半端ではありませんでした。本当に一人前でしょうか?もう結構ですと思うほど、河豚の白子を食べたのは初めてかもしれません。
握りは、赤身、トロ、鰹、鯖、ミル貝、赤貝、雲丹、こはだ、鯛の子(かすご)、穴子、シャコ、牡蠣、蛤(牡蠣と蛤は追加)。
こちらのシャリは酢がまろやかで非常に美味しいです。タネ質や江戸前の仕事も秀逸でした。特に美味しかったのが鮪、鯖、雲丹、そして鰹です。今まで食べた中で間違いなく一番美味しかったです。〆具合が絶妙な鯖と脂のない鰹は絶品で、もう一貫ずつお願いしてしまいました。これ以外にも、鳥海山の旨みたっぷりの牡蠣、磯の香りのする赤貝や江戸前のシャコなども印象的でした。そして、味的には微妙でしたが、面白かったのが蛤です。握りが汁に浸って供される雑炊風でした。鮨を崩して頂き、最後は汁ごと口に流し込みます。崩して頂く唯一の鮨だそうです(今では鮨職人でも知らない人がほとんどだそうです)。タネ質が高く、シャリや仕事も私の好みに合いました。
お弟子さん達のサービスはぎこちないものの、心のこもった接客だったと思います。ご主人と常連さんとのトークは面白く、お店の雰囲気も良いと思います。ただ、きしむ椅子は座り心地が少し悪かったです。浜松町という立地なども考えると、CPの判断は難しいところです。ただ、最高に美味しい鮨でした。
2013年12
2019/07/13 更新
先代の宮葉幹男氏は、もともと華屋與兵衛の流れを汲む鮨屋のご出身。ところが、跡取りのいない幸鮨(京橋)に仕事養子に出されたんだとか。そのため、宮葉の親方は華屋與兵衛の系統だけでなく、幸鮨の仕事も汲んでいるとのこと。そして、両流派の仕事を親方流に解釈して出来上がったのが、現在の宮葉の鮨なんだそうです。
宮葉の鮨は実にまろみのあるもの。酢をしっかり使用しているのに、酸味の角が上手に落とされています。頭脳労働が一般的になった現代において、酸っぱい・しょっぱい「江戸前鮨」は合わないということで、今の形にされたんだそうです。
しかしながら、これは宮葉の鮨が伝統的な江戸前鮨ではないということを意味しているわけではありません。おそらく宮葉の鮨は明治時代頃まであった御すもじにルーツがあるのでしょう。江戸前というと、酸っぱいしょっぱいというイメージが強いですが、これは屋台で供された一日中汗を流す職人さん向けの味。主として宮中や大名家に届けられた御すもじは、まろやかなものだったとか。当時からライフスタイルや嗜好に合わせて棲み分けがなされており、なにも酸っぱいしょっぱいものだけが江戸前だったわけではないようです。
伝統的な仕事を踏襲しつつ、時代の流れの中で再構築された江戸前鮨、それが宮葉の鮨なのだと思います。親方は今でも二階からお弟子さんたちの仕事を厳しい眼差しで見ていることでしょう。
2017/04/26 更新