1回
2013/06 訪問
真実の良さが此処にある。
ビール
先附(汲み上げ湯葉)
海老パン
活車海老
椎茸海老詰
鱒
稚鮎・姫もろこし
こしあぶら
伏見唐辛子
穴子
圓堂特製サラダ
鱧
鱧
空豆
卵黄
かき揚げ
かき揚げ・ご飯・赤だし・香の物
水の物(グレープフルーツのシャーベット)
水の物(グレープフルーツのシャーベット)
御礼状
京都祇園 天ぷら八坂圓堂
2013/06/08
先日は京都祇園「天ぷら八坂圓堂」へお越しいただき誠にありがとうございました。
日々、従業員一同お客様を心を込めてお迎えさせていただいております。
今回、貴重なお時間をお使いいただき、弊店の設えから器、お料理の一つ一つにいたるまでご丁寧なご感想いただきまして、お心遣い恐縮でございます。日頃の私どものお客様への思いをお伝えすることができ、一同本当に嬉しく思っております。
しかし、ご指摘がありましたようにまだまだ改善すべき課題も見つかりました。
今回頂きましたご感想に甘えることなくこれからも日々精進していく所存でございます。
今後ともご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。
従業員一同
2014/03/09 更新
六月初旬。梅雨の最中──。
宇治市の花寺で有名な三室戸寺、一名「花の寺」にて露滴る紫陽花を愛でんが為に訪れた京都。
時期尚早か...花は、まだまだ小さく可愛く、慎ましい。
何処かに京の匂いは、落ちてやいまいかと模索中...食で風情を頂こうと決め、
伺わせてもらったこちらのお店。
『京都祇園 天ぷら 八坂圓堂』さん。
事前に電話にて予約を済ませてからの訪問。
趣ある数寄屋造りの店先に着物姿の女性が佇み、我々を優しく出迎えてくれた。
既に京の匂いが仄かに感じられる。
細い路地──。
砂利に敷石を詰め、打ち水の跡...傍らに青もみじ、足下には石に苔山──。
陽が落ちれば、また様相も違うのだろう。
案内された、カウンター席。
茶系の御影石のカウンターに飾り気のない店内。
料理に集中せんが為の舞台かと思われる。
何組かの客人は、既に舌鼓を打ちながら思い思いに愉しんでいる様。
では、我々も.....。
お昼の天ぷらコース「葵」を。
いい頃合いで、注いでくれるビールを頂く。勿論、ラベルは正面を向けて置かれる。
〈先附〉汲み上げ湯葉。滑らか且つ軽いコクと、大豆の甘みと香り。
涼しげなガラスの鮑の貝殻風の小皿にて。
〈とうもろこし〉名物の品を一番に出すところが、心憎い。流石の食感と甘さである。
米塩で頂くも、塩なのに後からくる甘みがある。
〈海老パン〉まるでフレンチかと見紛う二品目。
〈活車海老〉美しく眼前で盛られ、天つゆで頂く。出汁がよく出ており、キレの良い甘さと旨味。
温かければ尚、良いのだが.....。車海老は、歯応えが実に良い。当たり前に美味しい。
〈南瓜〉薄めに切られた南瓜だが、実に良い甘みを出している。
〈椎茸海老詰〉肉厚の椎茸に海老の擂り身を併せている。どちらが、抜きん出る事なく丁度良い。
〈ズッキーニ〉カボチャ属だが、食感は茄子である。私的な事だが、茄子が嫌いなのである。
始めに言付けたのだが...。
〈鱒の塩焼き〉サーモンピンクの締まった身に大葉が巻かれており、レモンがかかっている。
淡泊ながらふんわりしていて、大葉でリズム感がある。
〈稚鮎〉この鮎が美しい。正しく泳いでいる。目で頂く天ぷら。感嘆──。
ほろ苦く、何とも新鮮さが窺える。
〈姫もろこし〉初めて食すのだが、薄皮が付いており独特の食感で繊維質が強い野菜。
〈こしあぶら〉こちらも初めてである。苦みなど感じず、食しやすい山菜。
〈伏見唐辛子〉元々苦みの無い唐辛子なのだが、独特の風味と甘さがある。若干、尾を引く感がある。
〈穴子〉天つゆで食すも抹茶塩で食すも良し。幾分淡泊さがあるが、最後に頂くからか...余計に美味しく感じられる。
〈圓堂特製サラダ〉このサラダは絶品である。料理として確立している感がある。
大根・水菜・人参の細やかな千切りに梅ドレッシングと白胡麻、さつまいもの素揚げをかける。
あっさり軽い天ぷらではあるが、それはそれ、天ぷらである。余計な油分だけを優しく拭い去る感じが実に良い。
──追加──
〈鱧〉淡路島産の鱧。油の乗りは、まだまだこれからだが、身は締まっており弾力もある。
梅肉の味付けも旨い。と言うか、上手い。
手前味噌ではあるが、徳島産の鱧も是非とも仕入れて欲しい.....。
〈空豆〉青々しさが、既に空豆である。食して尚、空豆。美味である。
〈卵黄〉圧巻──。の一言である。素晴らしい逸品である。
〈ご飯とかき揚げ〉かき揚げも見事である。最後にまだ仕掛けてくる様が小気味よい。
〈赤だし・香の物〉最後まで;心打たれる料理でした。
〈水の物〉グレープフルーツのシャーベット。器も見事。
「天麩羅は、蒸し料理」とは、よく言ったものである。
ただ揚げるのではなく、タネによって揚げ方も変える。折角の素材を損なう事なく、包み込む。
成る程と思える、こちらの料理である。
京都は、感覚で味わうものだと思っていたが──。
本来の京都がこちらには、あった気がする。
遠方より此度の初訪であったが、十分初夏の京都を満喫し、持て成しの心を感じ取れた一時でした。
《追伸》
後日、御礼状が手元に届きました。
いやはや何とも、心くすぐる演出である。悔しいくらい.....。
来訪しない訳には、いくまい──。