レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
1位
1回
2016/04訪問 2017/05/08
★2016年4月初回訪問
この時の北九州ツアーの〆は、こちらのお店にしました。
透明度の高いスープが、この1年位ずっと気になっていた「来々軒」。
宮若に到着したのは夕方でした。
駐車場がないかお店に確認すると、目の前の「宮若コミュニティセンター」に駐車して良いとの事。
そちらに駐車して、お店に向かいます。
駐車場のツツジが見ごろで、とても綺麗でした。
外観はレトロです。
現在の屋根はトタンで覆ってありますが、あれ下は藁葺じゃないのかな?
が、お店に入ると、古いながらも清潔感のある店内。
頑固オヤジが一人で営業しているのかと思ったのですけど、店内は広いし、男女の若者スタッフも2名いらっしゃる。
30代後半~40歳前後の、昔の俳優さんのような爽やかな男性が、店主かどうかはわかりませんが、主な調理者のようです。
高齢女性のスタッフもいらっしゃいましたが、その方の母親かどうかは不明です。
イメージと違い、店の規模は予想よりも大きかったです。
ラーメン専門店という訳ではなさそうです。
オデンも煮えていましたし、チャンポンや、焼き物・炒め物などのサイドメニューもそれなりにありますし、アルコールも置いてあります。
夜からはお爺ちゃん仲間の飲み会が開催されるようでした。
勿論、俺の目的はあの透明スープのラーメンですので、そちらをオーダーします。
●ラーメン(530円)
サーブされたラーメン。
雷紋の描かれた、シンプルな白い丼に入って提供されました。
事前情報でわかっていたとはいえ、その透明度には驚かされます。
ここまで澄んだスープとは…。
全くの無色透明という訳ではなく、肉汁の生成りの色が、僅かに、仄かに、混じっているような色合いをしています。
大小の綺麗な油の粒子が浮いており、キラキラと輝いていました。
トッピングはチャーシュー、メンマ、青葱、きくらげ。
麺は細麺~中細麺の白色です。
ひと口スープを啜ると、驚きました。
美味い…。
深い…、深い旨味のスープでした。
よく出汁が美味しいお店というのは、何段階にも変化するような伸びのある旨味を、突き抜けるような上方へ感じたり、沈み込むように下方へ感じたりする事があるのですが…。
そういう数段変化のある伸びのある旨味というよりは、一段階だけなのですけれど、それがとにかく深い。
北九州の濃厚系豚骨を3軒食べた後の訪問でしたし、期待をしていたとはいえ、それでもそこそこ美味しいくらいのお店だと予想していました。
それなのに、美味しくて笑みがこぼれ、口からは自然と「うめぇ…。」と声が漏れていました。
今日食べた3軒はどこも美味しかったのに、4軒目に食べたここが一番美味しい!
普通は連食した日の最後に食べるお店は、満腹感というハンデがあるモノなのに、それを微塵も感じませんでした。
このスープには、柔らかく茹で上げられた麺が合います。
柔らかな食感の麺にも、不満ひとつありません。
どこがどう違うとは上手く言えないのですけど…、こういう白色ストレートのヤワ麺を出すお店はあちこちにありますが、その中でもこちらの麺はとても美味しいと感じます。
トッピングに至っても完璧と感じました。
青葱は新鮮なものですし、キクラゲも食感が良い。
ダシブタのようですが、薄切りでパリっとしたチャーシューも美味。
そして、特筆すべきはメンマでしょう。
薄切り角形のメンマは、珍しいと思いました。
他店のような既製品感やクセのある味などはありません。
この薄切りタケノコの、食感が素晴らしいと感じるメンマでした。
スープ・麺・トッピングの相性は完璧でした。
このスープに合うモノを、追究されたのではないでしょうか?
あまりの満足感に、1時間くらい時間潰して、もう一杯食べに来ようか?と本気で考えたくらいでした。
ゲンコツのみを数時間炊いたスープだと教えていただきました。
炊く時間は、4~5時間とも6~7時間ともとれる言い方でしたが…ある時間を超えるとやはり濁ってくるそうです。
それにしても、あのゲンコツをどう炊いたら、こんなに旨味の素晴らしい出汁が出るのでしょうか?
不思議でなりません。
飯塚市の「来来」の修行先ではないか?と思っていたのですけど、これは違うとのこと。
「よく言われますけど。向こう(来来)はうちに食べに来た事があるとは聞きます。」という返事でした。
修行先ではないのでしょうけど、相当な影響をこちらのお店に来来は受けているのではないでしょうか?
来来店主の、嗜好の変遷を聞いたことがありますので、そう思ってしまいました。
それにしてもこれ程のお店が、無名に近い状態で埋もれているとは…。
九州の地は、他にも知られざる名店が、きっといくつもあるのでしょうね。
夕方一番という、夜営業の出汁が出ている時間帯の訪問だったのかもしれません。
それにしても、とんでもなく美味しい一杯でした。
ご馳走さまでした。
また、近いうちに再訪します。
2位
1回
2016/01訪問 2016/06/19
マイレビュアーさんが帰郷された折りのこちらのレビューを、訪問前日に読みました。
以前から行きたいと思っていたお店でしたが、俄然今回の北九州遠征の候補店となるような美味しそうな内容のレビューです。
無法松を訪問した直後でしたが、ほとんど間を空けずに訪問しました。
前回の印象が良かった「一真軒」も100メートルと離れておらず、かなり悩ましかったですけどね。
この近辺が、ラーメン激戦区であることがわかります。
お店は小さな一軒家風の店舗。
カウンター席と、テーブル席が二つ程ありました。
ノーマルのラーメンを、麺の茹で加減はお店にお任せしてオーダーします。
●ラーメン(600円)
トッピングは厚切りのチャーシュー3枚、青葱、海苔、白胡麻、モヤシ、キクラゲという内容。
スープは白色で、麺は黄色みがかった中麺でした。
スープには、小さめの油の粒子が無数に浮いています。
白濁というよりは、白いスープと言っていいような色合いでした。
スープを一口啜ります。
これは、見た目だけではなくお味の方もミルキーだ…。
サラっとした飲み口のスープは、どのレビュアーさんもが使われている言葉「ミルキー」を、確かに思い浮かべてしまいます(笑)。
甘めの旨味が、豊かに感じられるスープです♪
そして後味には、仄かなチーズテイストの風味が感じられました。
…これは美味い!
スープには胡椒の風味もあり、良いアクセントを提供しています。
飲み干した後に判明しましたが、荒挽きの黒胡椒でした。
昔どこかで…、そう老舗系のお店でしょうが…、そういうお店で頂いた事もあるような気もするスープ。
しかし、思い出す事はできません。
このスープのオンリーワン度も相当高いんじゃないでしょうか?
訪問後に、こちらの他のレビューも読みましたが、本当に牛乳を隠し味に使っていると言われても信じてしまいそうです。
麺は少々透明がかった、淡黄色の中麺。
多加水麺で、柔らかなモチっとした食感が良い麺です。
これも美味い!
こちらのスープには、もの凄く合いますね♪
チャーシューは下味が付いていないタイプ。
煮豚と言っていいのか?というくらい綺麗な色合いをしています。
下味が付いていないため、スープとのマッチ感が余りないのですが、反面クドさ・しつこさがないのでサッパリと頂けるという長所もあります。
これはこれで有りですね~♪
たっぷりの青葱も嬉しいですし、デフォルトの白胡麻(一部擂ってあります。)も邪魔ではないです。
モヤシも、こちらのスープならば合うと言えば合いますし、キクラゲとともに食感の良さを提供していました。
美味しかった~!!
いや、マジで美味かった♪
好みのタイプかと言えば、また違うのですけど。
こんなラーメン、なかなか食べられないのではないでしょうか?
今時のラーメン店では、出会えないような美味しさでした。
本当にご馳走さまでした。
また伺いたいと思います♪
3位
1回
2016/08訪問 2016/09/26
そんなに期待しないで食べた饂飩が、衝撃的に美味しかった!!!!
★2016年8月初回訪問
三井グリーンランドで、夜まで遊んだ後。
子供がうどんが食べたいと言ったので、食べログアプリで調べて訪問しました。
ホントにたまたまの訪問だったんです。
比較的近かったですし、他にうどん屋さんってなかったですし。
現在の食べログスコアは3.12点ですけど、アルゴリズム改正前のこの時は3.30点。
この近辺では高い点数でしたけど、やはり3.5点未満のお店は目立ちませんし、ハズレる時だってあります。
然程、期待はしていませんでした。
店内は、木を多用した「和」のテイスト溢れた造り。
壁に沿って、ぐるりと備えつけられた壁付けの椅子(?)があり、それに合わせ(てなのか?)テーブルと普通の椅子が配置されています。
その内の1つのテーブルに座わり、以下のメニューをオーダー。
●肉うどん大盛(350円+120円)
●きつねうどん(300円)×2
●月見うどん(250円)
●いなり(3個/100円)×2
●かけうどん(200円)
俺は何うどんを食べるか悩みましたが、店員さんが「一番出ている」と仰った「肉うどん」を大盛でオーダー。
何故悩んだかというと、「肉うどん」って肉の味がお出汁に影響を与えることが多々あるんですよね。
素の出汁の味わいを、感じにくい事があります。
その心配は、やはり当たりました。
甘辛い牛ばら肉は美味なのですけど、お出汁への影響力は図りしれないモノがあり、配膳時から既に肉汁が出汁に混ざっています。
まぁ、それを含め楽しむモノではあるのかもしれませんが…。
妻の「月見うどん」は、ちょっと生卵が攪拌されはじめており、淡い白色に変化していましたが、お出汁を頂くと鰹節の風味が良い!
子供らの「きつねうどん」には、イイ感じに薄揚げの味がお出汁に溶け出しています。
こちらは、鰹+イリコのお出汁のようでしたが、前に出ているのは鰹節の方です。
うどんは平べったくて太い、手打ちの饂飩。
ツルツル、スベスベとした舌触り・歯触りです。
柔らかいけど、弾力のある食感で実にこれまた饂飩も美味しい!!
歯切れの時の、プッツンとでもいう食感が心地好いです♪
あまりの美味しさに、「かけうどん」をお代りしました(汗)。
いや、それなりに満腹なのですけど、もう「飩平庵」さんで食べる事もそうそうないかと思い、一期一会的にオーダー。
「かけうどん」なら、素の饂飩とお出汁を味わえるだろう、という計算もありました。
しかし、出汁の鍋が変わったのか、他の要因があったのか…。
この時のお出汁はイリコが前に出てきていました。
鰹節メインの時の方が、俺は良かったなぁ。
饂飩も、ちょっと茹で時間が短かったのか、お餅のような食感が極わずかにあります。
美味しかったですけど、一杯目の饂飩とはまたちょっと違うものでした。
それでも、とても美味しい饂飩でした。
大盛のうどんを食べて、お代りもして、家族もうどん+サイドメニュー食べたのに、お会計はたったの1720円って…(汗)。
驚愕的なCPですよ。。。
地元なら通います。
近くに行った際には、ぜひ再訪したい。
それくらい衝撃的に美味しくて安い饂飩を、ご馳走になる事が出来ました♪
4位
1回
2016/09訪問 2016/12/03
★2016年9月初回訪問
アミュプラザ鹿児島は、俺の在住時代はなかった駅ビルです。
そのため思い入れも何もない。
今までも訪問しようとした事はありませんでした。
今回はお土産の購入のために、こちらの地下1階にある「明石屋」を初訪問。
個人的に、軽羹を買うのであればダントツで「明石屋」が良いと思っています。
本店は特に雰囲気から良いお店ですし、スタッフも品が良い方が揃っているイメージがあります。
購入したのは、以下3種のお菓子。
●軽羹(8号パックタイプ/1080円)
●軽羹(8号箱入りタイプ/1188円)
●軽羹饅頭(2個入り/324円)
●一黙(2個入り/260円)
明石屋さんの商品は高いので、小分けの2個入りタイプの物は、購入しやすくて助かります。
大量購入する必要がある場合は、絶対に選択肢に入らないです(笑)。
自分用や、大事な人へのお土産限定でしか買った事無いです。
他にもちょっとしたお土産の品々はこちらで全て購入しました。
一箇所に色々なお店があるのは、便利ですね。
お土産を購入すると、他のフロアは観る事なく、即帰路に就きました。
自宅に戻り、家族用に購入したお菓子を頂きます。
自宅用に買った、パックタイプの棹軽羹。サイズは8号です。
箱入よりは100円程お得。
人に差し上げる軽羹は、化粧箱が綺麗な箱入りにしました。
カットした軽羹は直方体のシルエット。
ちょっと断面が不定形なのがそそります。
小分けにした、包装のタイプの竿軽羹も売ってありましたが、そちらにしなくて良かった…。
棹タイプにして正解でしたね♪
竿であっても、カットは入ってはいるのですよ。
それを手でちぎる時の感覚も楽しいです。
軽羹の触覚をも楽しめます。
ちぎった軽羹を口に入れると、米粉と山芋の生地は、もっちりとした独特の食感があります♪
モッチモッチとした食感は、結構な時間、咀嚼する間続きました。
砂糖も使っていますけど、それでも感じる甘みはナチュラルさを失っていません。
あくまで仄かな甘みに留まっています。
なんだ、これ…。
メチャクチャ美味いやん。。。
軽羹は餡が入っていないと美味しくないものと、ずっと思っていました。
が、それは俺の思い込みである事を思い知らされました。
3種食べましたけど、ダントツで美味しいのは棹軽羹。
餡入りの軽羹饅頭が次点。
数年前は、軽羹饅頭より美味しいと思っていた一黙は、一番下となっていました。
黒糖の風味が美味しいお饅頭なんですけど、生地に小麦粉が使われているためか、どうしても食感がお饅頭。
軽羹の絶品な食感が得られないんですよね。
家族には、一黙が一番美味しいと言う者もいましたよ。
先日、ネットニュースで自然薯が2005年以来の不作で、お歳暮シーズンの軽羹に影響が出ているという記事を読みました。
大変でしょうが、頑張って欲しいです。
ご馳走様でした。
メチャクチャ美味しかったので、定期的に通販購入したいとすら思ったお菓子でした。
5位
1回
2016/09訪問 2016/12/02
★2016年9月初回訪問
海乃屋を出た後は、すぐに宇宿に向かいます。
目指したのは、こちら「麺人佐藤」。
ずっと「めんじん」と読んでいましたが、そうではなく「めんびと」だそうです。
宇宿の少々高台にあるお店で、平屋一軒家風の外観。
店の前に駐車場が完備されています。
駐車場は満車でしたけど、すぐに一台出て行き入れたのでラッキーでした。
子供は上の子だけ、食べるとついてきました。
ちなみに「海乃屋」は、下の子だけ食べています。
最近は、すっかりラーメンを嫌がるようになってきた上の子ですが、つけ麺にはグイグイ反応していました。
これからも、つけ麺あるお店にならついて来てくれるかもしれないと、淡い期待を抱きますが…果たしてどうかな?
店舗入り口の軒下には、ウエイティングスペースとして長椅子までありました。
店内はカウンター席・テーブル席・座敷席までもある造り。
清潔感漂うお店でした。
ただ、トイレは暖簾がかかっていて表記もなく、わかりにくかったです。
オペレーションは笑顔がいい若い女性。
一人でテキパキと、客を案内されています。
オペレーション専門のスタッフが居ることに、ちょっと驚きます。
都会は知りませんけど、田舎ではまず観ませんからね。
カウンター席OKにしたら、比較的すぐに案内してもらえました。
俺はこのお店に来たら、動物系スープの「鶏白湯」を食べると決めていました。
「鯛あら出汁」も凄く気になるんですけど、そこは妻に注文してもらい味見させてもらう事にしました。
妻は、鯛あら出汁の「塩」をチョイス。
理由は、鹿児島は醤油が強めのラーメン店が多いので、塩ベースのスープにしたかったのだそうです。
調理は奥さんがされており、テボでの麺上げも豪快になさっていました(驚)。
男女のスタッフ3名が、奥さんのアシスタントとして働いています。
珍しいと感じる光景でした。
アシスタントの中にいらっしゃった、初老くらいの男性スタッフが作っているのが、よく見るラーメン屋ですから。
しかも奥さんが細身で美人なのも、更にギャップを生んでいます。
なんでもご主人がご病気で、昨秋から今年の5月くらいまでは、こちらは営業を休止されていたそうです。
現在も、ご主人はお店には出ていないようですね。
今年はラーメン仲間と、鹿児島のラーメンツアーを企画していましたが、4月の熊本震災で止む無く中止になってしまったという経緯がありました。
その時こちらの「麺人佐藤」には伺う予定でしたが、もし行っていたとしても、その時は食べる事は出来なかったようです。
ここらの情報も、食べログでは得られないのが痛いですね。
休業情報などを提供する、鹿児島のレビュアーさんがいらっしゃらないのでしょう。
長崎や鹿児島などの田舎県では、レビュアーの絶対数の拡大・底上げが必要だと俺は感じています。
●鶏白湯スープ・醤油らー麺(650円)
配膳されて、まず目を引くのはチャーシュー!!
ドンブリの4/5はチャーシューが覆っています。
厚切りチャーシューですが、その厚みが半端ない(驚)。
7~8ミリはあるんじゃなかろうか?という位。
端の脂身部分などは綺麗な茶色をしているのも、素晴らしい。
別のお店で頂いたホロホロ系肉質ではなく、しっかりとかみ切るタイプの肉質。
プリっとした食感が楽しめ、食べごたえがあります。
そして脂身部分は甘い脂の味わいがあります。
このチャーシューで、出汁はほとんど取ってはいないんじゃなかろうか?
出汁には使わず、食べるためだけに調理されたチャーシューのように感じました。
トッピングの茹でキャベツはざく切りタイプ。
綺麗な色合いをしています♪
少量のキクラゲは存在感が然程ありません。
逆にメンマが特徴的でした。
胡椒でスパイシーなメンマに味付けされています
スパイス感が面白い♪
後半はスープで洗われたのか、胡椒の風味はなくなっていましたけど、非常に興味深いメンマでした。
麺はつけ麺も共通ですけど、太い縮れ麺。
地元の家系の中太麺より一回り太いので、太麺と感じてしまうサイズ感です。
加水率は高めのようで、モチっとした食感と、プリっとした弾力があります♪
これは美味しい麺ですね。
太さも麺量もあり、ほんと食べ応えがありました♪
こちらの自家製麺は、客にとってもコスパがいいですね♪
スープの濃度も高いです。
鶏白湯って、もっと淡白なスープだと思っていましたが、今まで食べた鶏白湯とは全然違いました。
軽いトロミもあるように感じますけど、クドさまでは出ない位の油脂感です。
スープには揚げ葱の風味もあります。
その他、何種かの複合的な味わいも感じれるのですけれど…。
基本、高濃度となっている鶏白湯の分厚い旨味がベースとなっています。
それを醤油タレで補強してある感じなので、決して複雑系のスープとはなっていないです。
それでもこの旨味のインパクトには感嘆してしまいます。
インパクトのある旨味メインでありながら、補助的に重層的な味わいを出されようとしているのかもしれません。
スープは鶏で、チャーシューは豚ですけれど、その違和感も感じませんでした。
今まで鶏白湯のお店で、鶏モモのチャーシューが出なかったら、なんとなく不満があったのですけれど…。
スープの濃度が違和感を無くさせていたのかもしれません。
●鯛アラだしスープ・塩らー麺(650円)
味見をした、「鯛アラだしスープの塩ラー麺」。
こちらも澄んだスープではなく、混濁しています。
どれほどの量の鯛のアラを使用されているのでしょうね。
鮮烈に鯛が香ります。
ギリギリで生臭みが出ないくらいの、濃い鯛の香り。
妻は「美味しい美味しい」と食べていましたけど、俺にはギリギリのその生臭み寸前で止まった香りが、ちょっとだけ気になります。
「美味しい!…だけど僅かに臭みが気になる。」
その繰り返しでした。
●醤油つけ麺(650円)
つけ麺は、ラーメンと麺は同じのようです。
麺には刻み海苔がトッピングされています。
つけ汁も、美味しく仕上げてあります。
けれど、冷めていく麺というのに、やはり俺は馴染めないようです。
チャーシューも端切れ肉で、ラーメンのチャーシューとは比べるべくもありません。
正直な所、つけ汁はラーメンとは違って、そんなに印象には残らないですね。
同じ650円という価格設定ですし、俺はこちらでつけ麺はオーダーしないかなぁ。
初訪問の「麺人佐藤」は、満足させて頂きました。
…このお店が人気店になるのも頷けます。
コスパが良過ぎるんです。
この特大チャーシューを、デフォルトでトッピングさせて650円ですから、700円以上のラーメン店も多い鹿児島では、安い方のお店に分類されるでしょう。
鶏ガラのコストはわからないですけれど、凄い価格設定です…。
豚骨100%のお店ならば、この値段設定はまず無理なんじゃないでしょうか?
薄いチャーシューを数枚乗せても、かなりのコストになるという話も聞きます。
「600円の壁」による客離れを心配して、ラーメン一杯500円台で営業しているのが九州北西部の本格豚骨ラーメン店、という印象がありますから。
また、他の新進鹿児島ラーメン店もそうでしたけれど、丼が軽い素材で出来ていて持ち上げ易いです。
かといって、チープなプラスチック製の丼という訳でもなく、重厚さ・オシャレさもあります。
女性・子供・老人へのホスピタリティ精神を感じる丼です。
五郎家に続き、こちらの丼にも感心してしまいました。
ただ、レンゲやトッピングの配置には気をつけて欲しい所。
こちらの丼は、朱色のラインが入っているオシャレな物なのに、その部分にレンゲを置いてあります。
特に鯛アラだしの丼は、白い丼に朱のラインというコントラストがあるデザインが良いのに、それを活かせていないように感じました。
ラーメンのルックス的に勿体ない…!!
ご馳走様でした。
また再訪したいお店です。
6位
1回
2016/02訪問 2016/05/22
★2016年2月初回訪問
こちらのお店を絶賛するレビューを読み、ぜひ訪問したいと思っていた「菊鮨」。
若き店主のお店に、妻とランチ訪問することができました。
国道から何度か右左折を繰り返し、住宅街の中にあった「菊鮨」さん。
大きな一軒家風の外観ですが、玄関付近からは寿司屋さんの雰囲気が出ています。
落ち着いたカウンター席に通されました。
この日のお昼は、俺達夫婦のみのようです。
メニューは、おまかせの1択でした。
●おまかせ握り(4860円)
ショウガは細いものをブツ切りにし、付け台に置かれていきます。
この付け台は焼き物。
茶がメインで、赤や緑が混ざりあった色合いをしています。
店主さんに聞けばよかったのでしょうが、何焼きかは不明。
俺は、たまに写真などで見かける「備前焼」のようにも見えました。
好みの焼き物でした♪
爪楊枝入れだって、オシャレ。曲線が美しい入れ物です。
最初は、「タイラギのひも」。
鬼おろしと、既製品感皆無のポン酢で頂く1品。
タイラギの食感と葱、鬼おろしの食感が良かったです。
「茶碗蒸し」は梅風味の餡がかかっていて、スッキリとしています。
シメジが入っていました。
握りは「烏賊」から。
確か「アオリイカ」だったはずです。
1週間熟成させてあるネタだそうです。
シャリは白いですね。
ネットリとした食感と、噛むと広がる烏賊の風味が美味しいひと品でした。
俺は烏賊って、あんまり美味しいとは思わないタイプなんですけど、こちらのは美味しかった。
お吸い物は赤出汁の味噌汁です。
葱と豆腐入りです。
赤味噌の味わいが強めに感じる吸い物で、お出汁はよくわかりませんでした。
次は、昆布絞めした「平目」。
こちらのシャリも白です。
仄かに昆布の風味のあるネタでした。
たしかこのヒラメも、2週間くらい熟成させたと仰っていました。
「タイラギ」は、紐をとった身の部分でしょう。
シャキシャキとした食感が良かったです。
シャリの握りは柔らかめ。
口の中でほどけるようです。
シャリの炊き具合も、粒が立つようにしてあり、職人技を感じます。
ネタ・シャリは全体的にやや小振りのお店でした。
酢を、少々強めに感じるネタもありました。
酸味が好きな妻は、全くそうは思わなかったそうですが、俺は酢その物はさほど好まない人間なので、気になったのかもしれません。
ここからは、赤酢のシャリに変わります。
…スイマセン、俺はこんなに薄茶色のように酢で色が変わるものとは知らず、途中まで醤油なのかと思っていました。
が、店主の握る所作をふと見ると、醤油は刷毛で塗っているんですよね…。
この時、漸くこちらのレビューを思い出し、赤酢である事に気づきました。
赤酢になって一番目のネタは「鰤」。
豊前のブリと言ってたと思います。
美味しいです…。
が、ヒラスの美味しいのは結構食べている長崎県民なんで、感動まではしませんでした。
壱岐で一本釣りされたという「鮪」。
トロとの事でしたが、これも美味しいです。
然程、トロという程の脂は感じず、サッパリと頂けました。
「コハダ」も細身のネタです。
ほとんどコハダは食べたことありませんが、美味しいと感じます。
飾り包丁を入れた「ゲソ」。
食感が最高ですね!
口の中に広がる旨味もいいです。
こちらは生ゲソって仰ってたので、熟成ネタではなかったようでした。
次はサヨリ。
卵の粕漬けが掛っているような事を、店主は仰っていましたが、魚卵だったのでしょうね。
青みがかかった銀色と、赤身が実に美しい一貫でした。
味も勿論美味しかったです。
次の「鰹」も、これまた美味しかったです。
北海道産の「雲丹」は、しっかりと冷やしてあります。
冷やす事で、甘味を強く感じる事が出来ると、店主は仰っていました。
シャリは、この一貫だけ手毬風に握ってあり、雲丹が3片乗っていました。
雲丹の風味が物凄く良かった♪
一番驚いたのは、「鰆」だったかもしれません。
こちらも2週間の熟成ネタだそうですが…。
香ばしさを感じるんですよ。
スモークされている…。
何かのチップで??
今まで、店主さんとほとんど会話をしていませんでしたが、この時は思い切って訊ねてみました。
すると藁で燻しているとの事。
藁なんだ!
藁でこんな香ばしさが出るんだ…。
本当に美味かったです。
サッとネタを網か何かで、ジュウジュウと焼いてくれた後、サッと握って刷毛でタレを塗って提供された「穴子」。
まだ温かく、タレと脂がマッチした一品でした。
旨い!
「玉」は、上下に焼き色が付いていました。
擂った海老が入っているとの事で、その風味を感じることが出来ます。
メレンゲのような、スポンジ状にされた生地も美味しかったです。
デザートは白ワインのゼリー。
白ワインの風味のしっかりと残ったゼリーです。
キウイとネーブルのカットが入っていました。
以上17品で上記のお値段です。
こんな立派なお寿司屋さんでこれだけ頂いて、4500円はコスパ良好と感じます。
久しぶりの高級寿司店に少々緊張しており、なかなか店主さんとは会話出来ませんでした。
店主さんも、仕事の合間に少々退屈そうな素振りも見せていました。
が、鰆の辺りからは少しずつ会話が始まりましたし、店主さんと妻が同い年でしたので、そのことを話すとちょっと打ち解けたように会話が出来ました。
妻は同い年の店主が、立派な寿司職人として大成されている姿に、尊敬の念を抱いた様子でした。
いや、実際ものスゴイ経歴の持ち主のようなんですよね…この人。
最後は丁寧に挨拶してくださった上、名刺もくださり恐縮でした。
俺、名刺ってほとんどもらうことの無い職業なんで、地味に嬉しかったです。
こういう「仕事」のしてある寿司は、俺は初めてのようなもの。
正直、食の経験値の低さのため、こちらの良さは本当には理解できなかったような気もします。
ご馳走さまでした。
いつか夜にこちらのお店に伺いたいとは思うのですけど、立地的に厳しいですねぇ…夜は。
7位
2回
2016/12訪問 2017/05/10
★2016年12月訪問@5回目(4.2点)
10ヶ月ぶりの来来訪問でした。
やはりこの日も連食の予定でしたので、1軒目をこちらにすると後もキツくならずに食べやすいです。
そして「来来を食べたことがない。」って連れがいる場合、インパクトを受けるのは間違いなし。
必然的に訪問の優先度は上がります。
週末の訪問だったのですが、驚いた事に行列がありませんでした。
お店が狭いってこともあって、ちょっとだけは並ぶ印象もあるお店ですので。
でも「並んで食べた!」って感じがしたのは、初回と2回目訪問だけだったかもしれない。
連れとカウンター席に着いて、頼んだのはいつもの「中華そば」。
先客が帰り、後客は1人のみで、後は連れ等で席はほとんど埋まっていました。
まぁ6~7席位のお店ですので。
しかし、その後客。
無言で店内をスマホで数十枚の連続撮影をしています…(-_-;)
最近はSNSなどに食事の写真などを載せる人が多いから、写真を撮影するのなんてお店側もそう気にしないとは思うのだけど…。
これはやり過ぎで恥ずかしい…。
俺もああはならないようにしておこう。
●中華そば(600円)
トッピングはチャーシューのみという、相変わらずの光麺タイプの一杯。
今回は脂身付きの小チャーシュー2枚と、肉質部分だけのもの1枚という構成。
スープは、底の部分がわずかに濁っている感じはあるものの、半透明の金色。
スープからは紛う事無く、豚の香りが漂ってきます。
臭み皆無の時もあるので、その時と比較したらこちらにしてはニオイの有るスープといえるのかもしれません。
スープを啜って、そのじんわりとした旨味を堪能しました♪
柔らかな麺も、やはり来来のラーメンには合います。
個人的には後ほんの僅かだけ硬めで良い気もしましたが。
小カットチャーシューの甘い脂身の旨味が、満足感をプラスしていました。
正直こちらの当たりの日ではなかったですけど、間違いなく美味しかったです。
連れも一口啜った瞬間に喜色が顔に広がる人もいれば、無言で食べていても食後に感想を聞くと「めっちゃ美味しかった。」と言う人もいる等、評判は上々でした♪
ご馳走様でした。
が、この日の個人的なハイライトは、ラーメンではありませんでした。
前回から10ヶ月ぶりの訪問。
忘れられていると思っていましたし、少々残念ではありますがそれが当然と思っていました。
しかし、入店して数分後には「お久しぶりですね。」と声をかけて来られます(驚愕)。
俺のこと覚えていたよ、この店主さん…。
本当に記憶力がいい人だ。
おそらくは会話をしながら、徐々に思い出されるのだと思いますけど。
それでも、前回訪問時に俺がオススメした、地元の食堂系ラーメン店の名前なども出して来られる。
言ったっけ?と思ったけど、帰宅して妻に確認すると「君の家食堂のこと、言ってたよ。」との事。
…凄いな。
しばらくラーメン談義に花が咲きました。
同時に連れにラヲタと思われそうなのが、気になります…。
話題がマニアックすぎるんだよな…。
あそこの店のスープの色の変化がどうとか、麺はどこそこのを使っていて以前と比べてどうだとか…。
なんとなく、周囲がスーっと引いてないか?と気になってしまっていました(苦笑)。
それでも、とても楽しかったです。
相変わらず店外までお見送りしに来てくださるなど、頭が下がりますね。
ああ、前回お勧めして下さったマル幸ラーメンに、近々行く予定がある事をお伝えするのを忘れていたな…。
…あ、お持ち帰りラーメンがあるのかどうかを聞くのを忘れた…(汗)。
★2016年2月訪問@4回目(4.2点)
前回訪問から1週間と間を空けず、妻と再訪しておりました。
この日のハイライトは福岡のお寿司屋さんだったのですが、その前にこちらも頂きたい。
強行軍になりますが、仕方ありません。
マイレビュアーさんの、セカンドブランド店のオープン日でそちらも狙っていたのですけど、所用がある事を思い出し訪問できませんでした。
今年のGWも、福岡市街地に行ったのですが、子供にスパイスはわからないでしょうしね…。
オープンして間もない、11時頃だったと思うのですが…。
訪問すると、店主さんはすぐに思い出してくださいました。
●中華そば(600円)
朱色の受け皿に乗った、白い桂林丼。
チャーシュー4枚のみの、シンプルなトッピング。
今回のチャーシューは小振りで、形の違うモノが2枚ずつでした。
今回のスープはわずかに混濁があるようです。
前回が澄み過ぎていたのかもしれませんが。
僅かに豚の脂・ゼラチン質のニオイも漂ってきていました。
やはり、この日もジンワリとした旨味がありました。
美味しいです。
それでも、十分に満足できるレベルの味ではあるものの、豚のニオイがありまして、前回ほどの出来栄えではない印象。
旨味の深さも、前回よりは出ていないかな?と。
店主もそう思っていらっしゃたのか、「変なスープで…」みたいな事をおっしゃっていました。
柔い白色中細麺とこのスープは、やはり合いますね。
チャーシューは、特筆する程美味って訳でもないのですけど、問題なく美味しいです。
初回訪問時の、あの柔らかな美味チャーシューに、もう一度出会いたいとは思っていますが…。
ただ食べログの採点と好みは、また別問題。
自分なりの主観が大分入った物差しであっても、それを基準に採点していますので。
同じ採点の他のお店とは、「好き」の感覚が全然違いますね。
初訪問の妻も大絶賛でした。
「これは美味しいよ…。」とかなんとか言ってましたね。
御馳走さまでした。
また近々訪問します。
ちなみに今回わかったのですが、トイレは隣の美容室と共用だそうです。
店内に客が俺ら夫婦しかいないのに、トイレが空いてなかったので発覚。
もう一点。
宮若の「来来軒」さんとは、無関係だとの事。
ラーメンが似ているので、修業先か?と思ったのですが(ちなみに先日伺った「来来軒」でも、「来来」とは無関係と聞きました)。
ある人にちょっと教しえてもらっただけで、ほぼ独学だそうです。
センスなんでしょうね…。
★2016年1月訪問@3回目(4.4点)
ふと思い出す度、無性に行きたくなるラーメン店がこちらです。
兎に角、出会いが衝撃的でした…。
普通のラーメン屋とは違う店舗も、接客も、全てがスペシャル。
他に似たようなお店は見当たりません。
今回は早めに長崎を出発。
来来が10時台に営業しているのを見越しての訪問です(笑)。
連れに、来来の駐車場の場所を知っている方がいたので、助かりました。
札には、駐車場のナンバーとともに「ラーメン 剛力」と…。
剛力彩芽好きなんでしょうね。
…タダなのは助かるけど、天気によっては確かにベチャベチャになりそうな駐車場です。
お店の前に行くと、まだ営業の看板(といってもライターサイズ)は、出ていません。
「無」だけ書かれた、段ボールの紙片がぶら下がっていましたが、店内には電気がついています。
扉を開けると、店主さんが厨房に立たれており、もうすでに営業はされていたようです。
「知っているお客さんは勝手に入ってきますからね。」との事(笑)。
●中華そば(600円)
前回は大盛を頂きましたが、今回は連食の予定があり、普通のラーメンを注文しました。
相変わらず、お喋りをしながらラーメンは調理されています。
スープは羽釜でとっているようですが、一杯一杯は雪隠鍋のような小鍋で加温している様子。
麺は平ざるで茹でているようです。
カウンターに隠れて今までは見えていませんでしたが、今回道具を見せてもらえました。
平ざると言っても、久留米ラーメンで使われる、ざると持ち手が直線になったタイプではありません。
ざると持ち手が垂直になっているモノです。
つまりは佐賀ラーメンのお店でよく使われるタイプの平ざる。
こちらが、どのタイプのラーメンに影響を受けているのかがわかる1シーンでした。
しばらくしてからサーブされたラーメン。
来来の屋号の入った白い丼は、縁は朱色で、形は「桂林丼」です。
これまた縁と同色の受け皿に乗せられて提供されます。
が、朱色の受け皿が足りない時は、アルマイト製のモノにもなるようです。
ビジュアル的には断然前者。
トッピングはチャーシュー4枚。
唯それだけ。
葱と海苔は無くなっていました。
個人的には糸唐辛子を、見た目要員として欲しいところ。
味は兎も角、ちょっとだけラーメンのルックスが華やかになりそうです。
極細の葱ならばいいかもしれませんし、マイレビュアーさんの柚子という意見も賛成できます。
しかし、以前の葱と正方形の海苔のコストなんて、たかが数円でしょう。
何か考えがあって、このような超シンプルなラーメンにされているのかもしれません。
上のような事を言ってはいますが、現在の臭みがあまりないラーメンが多い現状、臭み消しとしての青葱に必然性を俺は感じません。
来来の素ラーメンのようなシンプルさは、逆に斬新と感じ、好感が持てます。
チャーシュー4枚は、2枚ずつ肉の部位が違いました。
肉質がシッカリしたパサっとした食感のモノと、柔らかめのモノと。
脂身はどちらもありません。
スープは淡々黄色の清湯スープ。
うーん、金色と言いたい。
いや、言っていいでしょう。
地元にもそう表現できるお店がありますが、美しさは断然来来に軍配があがります。
キラキラとした、大小の綺麗な円形の油の粒子が、スープの表面に無数に浮いています。
ホントに正円なんです。楕円ではない。
スープからは、実に良い香りが立ち昇っています。
来来は鶏も使うと聞いていたので、てっきりその香りだと思っていました。
が、実際は豚骨100%だったよう。
恥をかきましたが、このスープが豚骨100%とはにわかには信じがたいくらいです。
でもピュアな香りなんですよね。
良くも悪くも、混ぜたスープでこんな香りが出せるのかな?というのはあります。
こんな繊細な香りが豚骨から出るのは、ただただ驚くしかありません。
それくらい臭み皆無の、香しい香り。
よく「臭みのない豚骨」というスープの表現がありますけど…。
そんなレベルの臭みの無さではないでしょうね。
麺は白色の中細くらいのサイズの麺。
柔らかな食感の良い麺ですので、こちらでバリカタなんぞをオーダーしたら、無粋とすら感じます。
店主に茹で加減をお任せする普通麺オーダーの良さも、カタメン好きの人にもちょっとは知ってもらいたいですね。
この柔らかな食感の麺を噛みながら、この絶品清湯スープを啜るのは至福のひと時です。
正直、初回訪問時のような、突き抜ける超重層型の旨味がある訳ではなかったです。
それでも美味しい。
じんわりと美味しいのです。
この味を、出汁スープと塩と醤油のみで出しているんです。
一人のラーメン好きとして、驚愕するばかり…。
塩の塩梅は俺的には絶妙。
人によっては薄いと感じるかもしれません。
が、しょっぱさがないのに、出汁の旨味を引き出す塩梅での使用量。
さすがと思うのですが、最近はしょっぱいと言われ、量を減らしているのだとか。
いや、丁度良かったです!!
間違い無く、出汁重視タイプのお店。
それも最強クラスの出汁重視型ラーメンでしょう。
会話をするうちに、俺が初回訪問した時のことも思い出してくださいました。
なんとなくかもしれませんけどね。
それにしても、記憶力がかなり良い店主さんです。
他のレビュアーや麺ブロガーでも、一回の訪問で顔や名前を覚えられている事もあるようですし。
やはり俺にとって、スペシャルなお店。
顔を忘れられない内に、近日中に再訪しようと思っています。
そうだ、今度は妻を連れていこう。
ご馳走様でした。
★2015年5月訪問@2回目(4.0点)
あの衝撃から4カ月少々。
「来来」に再訪する機会を得ました♪
案の定、駐車場はわからないので、近所の30分無料のコインパーキングに駐車。
今回は遅れることなく、営業時間開始に間に合いました。
それでもすでに営業は始まっていたようです。
カウンター席は結構埋まっていたので、奥の小上がり席に通されました。
ここ使ってたんだ…。
小窓があるので、見ようと思えば調理風景を見ることができたのかもしれません。
小振りの羽釜が3つ並んで置いてあります。
麺茹で用・ベーススープ用でしょうけど、ベーススープは2種取っているのかもしれませんね。
調理風景は見てませんので、なんとも言えませんが。
●中華そば大盛(700円)
あの絶品スープを沢山頂きたいと思い、大盛を注文しました。
麺は茹での指定はなし。
朱色の受け皿に乗せられた丼は、白がベースながらも受け皿と同じ朱色の縁取りのあるもの。
「来来」の小さな文字が印象的な、シンプルな丼です。
ラーメンは、薄茶に色づいたチャーシューが3枚、細かく刻まれた青葱というシンプルなトッピング。
今回は正方形の海苔は無し。
大盛の麺は、前回と同じく綺麗に折りたたまれるように入れられています。
スープは、「底まで見える」というほどではないものの、相変わらずの透明度。
羽釜の数からの推測ですけど、鶏ガラを使っているのかもしれませんね。
スープ表面に浮かぶキラキラとした油の粒子は、豚の油という料理は、鶏のように見えます。
デジイチで、会心のアングルで写真を撮ったつもりでしたが、それは保存されてませんでした(苦笑)。
初訪問以来、待ちに待った「来来」のラーメン。
一口スープを啜ると、じんわりとした旨味が口の中に広がります。
まさしく淡麗と表現したいスープです。
ただ残念ながら、前回のような口腔内で5段階変化するような、「伸び」のある旨味は無し。
こういう淡麗スープのお店でも、「スープのブレ」というモノはあるようです。
チャーシューも、なんだか薄切りで残念。
端切れでも、しっとりとした食感で美味だった前回のチャーシューとは違います。
ツルツルムチっとした食感の中細麺は、このスープに合うと思えるものでした。
大盛で注文しましたが、スープはさほど増量されている訳ではなく、麺ばかりが多くなっている印象。
結果論ですが、並盛りで良かったです。
当然この日は連食してますので、麺が多いというのはちょっと都合も悪かった。
初めて「来来」を食べた連れは満足してましたが、俺は残念でしたね。
前回があまりに良すぎたため、ハードル上がってたのかもしれません。
また、そのため今回の採点は辛くなっているかもしれません。
それでも、こちらが美味しいお店であることに疑いはありませんし、今後も定期的に訪問するお店だと思っています。
御馳走さまでした。
★2015年1月下旬初回訪問(4.8点→5.0点)
400件目のレビューは、飯塚のラーメン店「来来」さんにさせていただきました。
今まで、節目のレビューには、お気に入りのお店を選んで書いてきておりました。
しかし最近はそういうお店がなく、過去ログを掘り起こして400件目を書こうかと思っていたところでした。
が、そんな事をする必要はなくなったんですよね。
こちら「来来」に行っちゃったもんで。
ある日、地元のお気に入りのラーメン店店主から、「来来って知ってます?」と尋ねられました。
なんでも最近、その来来の店主が、はるばる長崎の片田舎のこのお店まで食べに来たのだとか・・・。
帰宅して調べてみると、清湯スープのラーメンが高評価され、近頃食べログ上で有名店の仲間入りをしたように見えるお店でした。
辛口と思われるマイレビュアーさんもが、このラーメンには高得点をつけています。
「これは食べないといけない」と思い、飯塚まで遠出をしてきました♪
1日30杯のラーメン店で、日曜日には行列が出来ているとのこと。
開店前には並ぶつもりでいたのですけど…。
初めての飯塚訪問で、時間がかかってしまい、到着は正午過ぎ。
本当にラーメン屋・飲食店には見えない外観のお店の前に着くと、店主がライターサイズの小さな看板を替えています。
まだ営業していると安心したのも束の間。
その看板には「おしまい」と書かれていました…。
慌てて、店主と交渉。
「スープと麺だけなら出せます。具無しでよければ・・・。」と言って下さったので、即OK。
是非もありません。
店内はカウンター席数席と小上がり席1卓の、狭いお店です。
先客らがラーメンを啜ってらっしゃるので、しばらく待ちます。
その後、カウンター席に着席し、中華そばをオーダー。
通常ならば600円です。
●中華そば(具無し)
お一人で営業されているため、サーブ時間はしっかりとかかります。
しかし、退屈などはしません。
店主がラーメンを作りながら、話しかけてこられます。
鬱陶しいという事はない、柔らかな物腰と口調。
某芸人に似ているとかなんとか、俺にはどうでもいいです。
店主の格好からもそう思ってしまうのかもしれませんが、所作がラーメンではなく和食を作っているのかと勘違いをしてしまいそうです。
豪快に平ザルやテボを振って麺を茹でているという動作もなし。
高めのカウンターに隠れて調理風景は見えませんが、いつの間にか麺を茹で上げておられます。
こちらの綺麗なラーメンが届くまでの時間も素晴らしい。
配膳されたラーメンは、受け皿に乗せられた、白いドンブリの一杯。
レンゲは朱色です。
「麺とスープのみ」という話だったのですが、細くカットされたチャーシューと、正方形の小振りの海苔一枚、細切りにされた太めの青葱が、綺麗にトッピングされています。
スープは本当に澄んでいます。
もっとも無色透明という訳ではなく、やや黄みがかったような透明感です。
細かな油の粒子が浮いていますが、全体的に油膜が張りつつあるスープ。
もう少しスープの温度が下がれば、油膜が張ってしまうでしょうね。
本当に綺麗です。
麺は白色ストレートの中細麺。
綺麗に折り畳まれたかのように、ドンブリ内に入れられています。
立ち上る香りも上品で、豚骨臭など無い、香しさ。
そのスープをひと口啜った瞬間、驚愕しました・・・。
その澄んだスープは秀逸。
心の中では「うぉ!!なんだこれ??」と叫び、口からは呻き声が漏れました・・・。
口の中に広がったスープの旨味は、「伸び」「奥行き」のあるものだったんです。
「ぐいーん」と口腔内で伸びていく旨味は、軽く3~4段階くらい味わいが変化してました。
もしかしたら、5段変化してたかも・・・。
2段階の旨味の変化のあるお店はたまにありますし、3段階くらいのお店も名店の当たりの日のスープでは味わったこともあります。
しかしそれ以上となると、初めてです。
「深み」のあるスープというのは、ジンワリとした旨味が、下方に向かっていくような感じがありますが・・・。
こちらのように旨味に「伸び」があるスープは、上へ上へと突き抜けるかのようです。
中細麺はヤワく茹でられてあります。
多加水麺のようですが、こちらのスープにはよく合います。
近くに製麺所が一軒しかないようで、そう麺にはこだわっていないようだ、という話も聞きます。
青葱の鮮度は良いです。
細切れのチャーシューは、しっとりとした柔らかさの白っぽいチャーシュー。
脂身の付いた部分などは、本当に美味しかったです。
これ普通のチャーシューで頂いたら、相当美味しかっただろうな・・・。
ああ、ノーマルの中華そばを頂きたかった・・・。
スープの旨味は最後まで飽きることがありませんでした。
味の多層性や奥行き、伸び、立体感も、これだけのものは滅多に味わえないのではないでしょうか?
本当に美味しかった・・・。
こりゃ、「黒門以上」と辛口のマイレビュアーさんが評価する訳だ・・・。
全く異論ありません。
澄んだ豚骨スープのお店や、塩ラーメンの有名店も何軒か食べたことがありますけど。
どれもピンと来なかったんですよね。
でもこちらは違いました。
レベルが高すぎます。
まだ1月ですけど、「今年一番のラーメンを食べてしまったかもしれない」と、食後に思ってしまいました。
食後は、店主と少々盛り上がりました。
俺が長崎から来たことを告げると、「長崎といったら、あそこ食べたことあります?」と店主が言うので「げんこつ家でしょ?」というと、ビックリされていました。
げんこつ家の常連であること、その店主に勧められて訪問したこと、KALAの店長もこちらを褒めていたこと、等を伝えました。
来来店主「あそこ美味しかですよねぇ。ラーメン食べて久しぶりにお代わりしました(笑)。」
お代わりしたんかいww
なんでも「一竜軒に似ている」と感じたようです。
まぁ、そんな風に思う日もあるなぁ・・・。
たまにだけど・・・。
「一竜軒」や「もとむら」「黒門」を好んで食べるあたり、げんこつ家の店長とは好みが、かなりカブってますし・・・(笑)。
その他にも、諫早の老舗ラーメンの話題で会話が弾みました。
俺が評価していなお店を美味しいと言ったり、老舗名店が閉店したことなどをお伝えしました。
楽しい時間でしたが長居するのも失礼ですし、また来ると言い残し、店を出ました。
うーん、心底旨かった!
次回は通常の「中華そば」を食べたいと思っています。
ご馳走様でした!!
ちなみに今回、お会計は500円にして下さいました♪
1位 来々軒
4軒目に食べたにもかかわらず衝撃的な美味しさの清湯豚骨。
2016年のトピック的ラーメンでした。
2位 海乃屋
正直に言うと、お味としては一番イマイチだったかもしれません。
しかし、おそらく最期の一杯。
20年前から食べてきたラーメン。
思い出が詰まったお店での、ラストイートでした。
3位 五郎家
鹿児島ラーメンのニューウェーブ的なお店なのでしょう。
美味しい醤油ベースの鹿児島ラーメンでした。
そしてこんなに大きなチャーシューが乗っていて500円台とは…。
食べログスコアはあまり伸びていませんが、過小評価されすぎでしょ。
4位 一番星
牛乳をスープに使っているという話ですが。
こんなラーメンは初体験でした。
まさにミルキー豚骨です。
ブラックペッパーのアクセントも良かった。
5位 飩平庵
何気なく入ったうどん屋でしたけど、とんでもなく美味しいお出汁♪
しかも家族で食べておかわりもしても2000円行かないという高CP.。
素晴らしかったです。
6位 明石屋
大好きな明石屋でしたけど、今回は軽羹の本来の美味しさを堪能することが出来ました。
年1回くらいは通販で買わないといけませんね。こんなに美味しいのなら。
7位 麺人佐藤
どデカいチャーシューも、プルップルの食感の自家製麺も衝撃的ですね。
これで650円とは恐れ入ります。
8位 菊鮨
ここ1年以上、ラーメンばかり食べるようになりましたが。
唯一、高級店とも言えるお店に行ったのはコチラくらいだった気がします。
美味しかったです。
9位 来来
もう定番の1軒になってしまった感じもあるお店。
何から何まで、スペシャルなお店。
アベレージ採点していいのなら、現在一番好きなお店かもしれません。
10位 げんこつ家
こちらも定番中の定番のお店。
2016年も休業を繰り返し、やきもきさせてくれました(笑)。
春先の透明な清湯系豚骨も楽しませてくれましたけれど、呼び戻しスープですので、やはり濃度の高い茶系混濁のスープになった秋以降が楽しめました。