2回
2021/03 訪問
本格的かつ創作性のある鮨か堪能出来る!恵比寿鮨ふじまさでカウンター鮨!
恵比寿に行くとかなりかなり高い確率で立ち寄る食器やカトラリーのお店があるんですが、そのお店のすぐ近くのビル2階に昨年10月にオープンしたばかりの「鮨ふじまさ」。
西口からアトレの脇の坂を上がった先にあるんですが、チラ見していた東京カレンダーに載っていた事もあり、タイミング的に気になっていたので恵比寿で予定のある日のディナータイムに予約。
存在感のある白木のカウンターと壁面は大理石調のシックな指揮長で落ち着いた大人空間。
魚などの食材を保管する冷蔵庫は大工さんの手作りとの事で、表面は木材で彫りの入った印象的なデザインで電気で冷やすのでなく、上段に巨大な氷の塊が2つ配されている。
氷で冷やす事で湿度が上がり乾燥しないので鮮度が保てるそう。
今回いただいたのはお店の人気NO.1コース「おまかせフルコース」2万円。
コースのスタートはお店の名刺がわりの手巻きと店主推しの山口県仙崎のマグロをたっぷり使い、赤酢シャリと合わせ風味抜群のこんとび海苔で巻き上げたもの。
マグロの濃厚でなめらかな口当たりと、海苔の華やかな香り、パリッとした食感のコントラストが秀逸です。
先付は鹿児島県産の筍の若竹煮。
筍そのものの味わいを楽しめるように味付けは軽くしてあり、口に含んだ瞬間のしっかりとした歯応えと噛むと驚くほどの柔らかさは抜群!
素材の良さがしっかり全面に出ている。
ガリは春先の新生姜をぶつ切りにしたタイプ。
食感も風味も絶妙です。
続いて3日間寝かせた千葉県産の「天然トラフグ」
焼き霜でいただく天然トラフグは、身がかなり厚く臭みなどもなく風味が絶妙!
これは何とも贅沢な刺身ですね!
優しくまろやかな酸味の自家製ポン酢をたっぷり付けていただきます。
「子持ちヤリイカ」
ねっとりと舌に絡みつく旨みが抜群のヤリイカ。食感も豊かで美味い!
握りは
千葉県鴨川の「金目鯛」
輪島塗の漆黒のゲタに握りが乗ると、その艶感に反射して何とも印象的。
皮を炙っているので香りが絶妙で、口に含むと脂がしっかりと広がり頬が落ちる感覚。
「煽りイカ」
つい先程まで生きていたまさに鮮度抜群の煽りイカは表面に細かく包丁を入れ、独特の歯応えはありながらも柔らかさも表現する仕事ぶり。
塩と酢橘でさっぱりした風味、味わいのすぐ後にねっとりとした甘味が訪れ思わず目を閉じて味わってしまう1品。
「メヒカリ」
ここで焼き物を挟んで。
半干ししてから焼き上げる事で旨味がギュッと凝縮するそう。
サクッとした食感の後に脂がジュワッと溢れてくる驚き!
そして寿司屋では珍しく「春巻き」が!
下関の白子とフグの本皮を春巻きスタイルで。
フグの皮ってコリコリの印象が強いけど、ゼラチン質なので温度が高くなると溶けるそう。
それを狙った創作メニューは熱々の状態でサクサクの春巻きから齧った瞬間に白子が溢れ出す!
トロトロの白子にフグ皮の旨みが交わり、絶品でした。
再び握りに。
「真鯛の昆布締め」
4日間寝かした真鯛は旨みが凝視し、口の中で噛み締めるほどに優しい甘みと旨みがどんどん広がる!
「中トロ」
山口県産の鮪の血合いがしっかりした中トロで、味が強い部分を握りに。
「赤身」
浅漬けしたもの。
間に柚子を挟んでいるので口に含んだ瞬間フワッと柚子の良い香りが一波で訪れ、その後に鮪本来の味わいがしっかりとやってくる。
「赤みの本漬け」
柵のまま湯につけてから漬け込む調理法で、温めることで見た目はローストビーフのような見た目でコントラストが美しい。
福井のじがらしをトッピングし、鮪の風味とじがらしのピリッとした味わいのバランスが絶妙でした。
「大トロ」
言わずもがな!なしっかりとした強めの脂は噛んだ瞬間にトロトロに溶け出し、シャリと合わさり旨みを運んでくれる。
脂感は強めだけど全くしつこくなく旨さしか感じない!
「小肌」
1日置きの小肌は一般的に酸味が強めの小肌に比べて逆にフレッシュで存在感が強い印象。
大将曰く、小肌本来の味わいを楽しむ為、敢えての1日置きにしてるとの事。
なるほど!と思った!
北海道長万部の「ホッキ貝」
片面だけを炙り、もう片面は生のまま。
食感のコントラストと口の中風味もう華やかになり、個人的にあまり貝類って苦手な部類なんだけど生臭さが全くなく、シンプルに美味しかった。
これ他の鮨屋でも書い類出す時にやって欲しいなぁ…
箸休めの「べったら漬け」
軽く柚子を振って口の中をリフレッシュ。
「茶碗蒸し」
これは器でシンプルに出てきたな…と思ったらまだまだ完成形ではなかった!
あおさのり餡の茶碗蒸しの上にまずはシャリが乗せられ、続けて脂ののったのどぐろが!
わさびを添えた後、これを自ら混ぜ合わせリゾットのような状態にして完成。
これ創作性も抜群で、味わいがまた最高でした!
茶碗蒸しの優しい甘さとあおさの風味、のどぐろの脂とフワッとした身とわさびが軽くきいた贅沢なリゾット風茶碗蒸し!
「沖縄県の車海老」
味噌もしっかり一緒に楽しんで欲しいという事で身の大きさを大将が検証し、決めて仕入れているそう。
一口で納めるぎりの大きさ?(かなり大ぶりだと思います!)
プリプリの海老と濃厚な味噌が口の中に至福をもたらします!
「根室の馬糞ウニ」
大将の「雲丹好きですか?」のセリフが印象的。
「はい、好きです!」と答えると雲丹を増し増しに盛ってくれます(笑)
溢れんばかりの雲丹はトロッととろけて甘みがグッと襲ってきて思わず自然に笑顔に…
やはりこんとび海苔の風味と食感がここでも抜群の仕事ぶりを発揮していた!
「対馬の穴子」
あーーー、穴子が来るとそろそろ終焉かぁ…という気分に…
煮穴子はフワフワで柔らかさが抜群です。
1貫を半分にして塩柚子と甘ダレで。
巻物は2種類。
まずは「干瓢」
栃木県の干瓢はしっかりとした濃いめの味わいで、しっかりとした食感のあるこだわりのもの。
「かっぱ巻き」
太めの水分がしっかりある胡瓜を鬘剥きにし水分量の強い真の部分は使わず、鬘剥きした部分を細かく千切りにして巻き上げたもの。
胡瓜が艶があってシャキシャキの食感と丁度良いみずみずしさでシンプルに美味かった!
最後の〆に「赤出汁」
ホッと思わずココロ落ち着く優しい味わい。
やっぱ鮨に赤出汁は欠かせない。
玉は蒸したタイプで表面をキャラメリゼしたまさにスイーツ代わりの1品。
これまた優しい甘さで甘味なくて全然良かった。
駅からのロケーションの良さと、しっかりした握りの中にメニューに創作性がある楽しさが感じられる技術と創造性の融合がとても心地良い空間でした。
何より大将のおもてなしの気持ちがサービス面に表れていて、1つ1つの鮨に対する食材への仕事ぶりやその背景などのお話も面白く美味しく楽しい時間が過ごせました!
2021/03/19 更新
久々の友人とディナーの約束の際にリクエストが鮨が食べたいとの事で、場所が恵比寿エリアだったので以前に伺ってサービスもネタやメニューの創作性も良かった「鮨ふじまさ」さんを思い出し再訪しました。
今回3部制のおまかせコースの中で2部の19:00〜参戦しました。
相変わらずの凛とした雰囲気のカウンター10席の存在感、カウンター越しに見える圧倒的なネタを冷やす冷蔵庫と趣きが感じられます。
鮨ふじまさの代名詞であり、名詞変わりとしての1品目は安定の鮪の手巻きです。
鮪の質の高さ、口に含んだ時のなめらかな口当たり、こんとび海苔の風味とパリパリの食感は相変わらず美味いですね!
琵琶湖鱒の漬けは脂が乗って葱生姜と和辛子で楽しかったスタイル。
煮ダコは大根で叩く事で柔らかくなるそうです。
黒むつは炙る事で風味と甘みが立つそうで柔らかな食感が絶妙です。
煽りイカに至っては5日間寝かせているそうです。
濃厚に絡みつくねっとりした口当たりは細かな包丁しごとが施される事でショックが豊かに。
塩と酢橘が良き仕事してます。
かますは塩焼きで。
身がキュッと丸くなり旨味が凝縮された感覚。
フワッとした歯応えも抜群です。
鱧尽くしの揚げ出しは、プチプチ食感の鱧の卵まで入ってます!
削った本山葵と一緒に風味も楽しめます。
鱚は塩〆めで。
握りのシルエットが美しい。
程良い脂と甘み、歯応えのある食感が良い。
鮪は赤身から。
柔らかで香りも良い。
漬け鮪は漬け具合が絶妙で好みです。
徐々にテンション上げてくる感じも良いですね。
地がらしでいただく中トロ。
美しい照り感と見るからに脂が乗った中トロはゆっくりと舌の上でとろける感覚が抜群ですね。
そしてボスキャラの大トロ登壇!
ボリューム感あり過ぎの圧倒的存在感の大トロ。
脂はしっかりとあるけど、しつこくなく爽やかでジューシーさが上品。
マグロの脂をスッキリと活かす感じで出てくるのが
鯵。
葱生姜で爽やかに頂けて脂のバランスも良いです。
甘みが抜群の帆立は分厚いです!
多少包丁を入れたあとは手で割いているそうです。
手で割く事で甘くなるんだとか。
「次は茶碗蒸しです。」と言われたら何ともビックサイズな鮑が出てきました!
そういえば前回も茶碗蒸しは創作性が高く、ノドグロを使い目の前で完成させるパフォーマンスを感じるものだと思い出しました。
今回は酢飯の上に鮑を細切りにし、アワビの肝ソースを合わせたもの。
食べる時は全体をしっかりと混ぜ合わせて旨みの饗宴を楽しむ感じです。
鮑は贅沢に日本酒で3〜4時間蒸してるそうです。
その手間が柔らか食感を生んでるんですね。
これ丼で食べたい位に美味かった!
車海老はボリューム感と味噌の旨みが堪らない!
生きたままボイルする事で味噌が流れ出ず身に残るそう。
雲丹は今仕入れるのもなかなか大変と聞いてましたが、疑う位に雲丹を贅沢に使う軍艦でした。
前回もどれだけ雲丹乗せるの??という感じでしたが、このご時世でも、ふじまさの雲丹軍艦は変わらず大盤振る舞い!
雲丹軍艦というよりも雲丹タワーと呼ぶ方が相応しい?
濃厚ない甘み、とろける食感、海苔の風味…文句のつけようのない美味さです!
穴子はふわふわの上品な味わいを塩酢橘、ツメの2種類を楽しむスタイルです。
干瓢巻きもかっぱ巻きも目の前で仕上げるスタイルで、干瓢の食感は食べ応えがあり程良い甘さが印象的。
かっぱ巻きは特に手が混んでいて、胡瓜を芯は使わず残すように桂剥きのように包丁を入れ、それを食感が残るように千切りに。
コレが食べた時に物凄く心地の良い食感でかっぱ巻きを侮るなかれ!という存在感ある1品に。
この日お店で使った魚の端材で出汁を取ったあら汁も美味。
贖罪に無駄を出さず余す事なくいただくスタイルも良いですよね。
デザート変わりにもなる玉は表面をキャラメリゼしてるので甘みとほろ苦さが一体化した〆に相応しい1品に。
変わらずネタの新鮮さ、握りの質、サービス面が素晴らしく友人も満足していてここを選んで間違い無かったな!と思いました。
シーズン毎にメニュー変更がありワクワク感も感じられて再訪して良かったと思いました!