2回
2024/02 訪問
コスパ高過ぎる!中目黒の隠れ家フレンチScholaでモダンフレンチ×ワインのマリアージュ!
中目黒に昨年末12月にオープンしたばかりのまだ知る人ぞ知るモダンフレンチのお店情報を聞いて来訪しました。
お店は中目黒駅から徒歩5分程度、目黒川沿から1本中に入ったエリアにある一面ガラス張りで外階段が設置された存在感あるビルの2階にある。
扉を開くと無骨な雰囲気の無機質なコンクリの壁面と、対照的に楠の存在感溢れるカウンター天板が目に飛び込んでくる。
ちなみにこのカウンター天板は静岡から取り寄せ、店内に入れ込むのに外の手摺を一旦外したりと…
かなりの苦労があったそう。
メニューはおまかせコース1本で、ワインをペアリングしたコースもある。
ちなみにワインペアリングはお酒の弱い人にとってはボリューム的に飲みきれないかなぁ…って人向けにハーフペアリングも対応してくれる。
コースのみは9,900円、ワインペアリングは16,500円、ハーフは13,200円。
この後コースがスタートして分かるが、この金額はフレンチでこだわりの内容を考慮するとかなりお得感のあるコースになっています!
MENU
・鮟肝/柚子/あおさ海苔
スタートのAmuse bouche
鮟肝のテリーヌを柚子とあわせたもの。
柚子をフィルム状にしてテリーヌに被せていて、濃厚な鮟肝の味わいにサッパリした柚子が良い仕事をしている!
あおさ海苔の風味を挟みながら。
乾杯はあの幻脳シャンパーニュ「サロン」の姉妹的メゾン「ドゥラモット」。
上品さ溢れるきめ細かな泡立ちと、しっかりした果実感と仄かな酸味のバランスの良いキレのある味わい。
・帆立/カリフラワー/アーモンドミルク
Entrees froide
帆立は北海道産、カリフラワーは長野産を使用。
見るからにアートを感じる美しい一皿は新鮮な帆立の甘みが強く、カリフラワーを薄くスライスした食感の楽しいメニュー。
カリフラワーのピューレやクレソンの茎、春菊の茎などとアーモンドミンクの独特な味わいが全体を上品にまとめ上げている!
2杯目は「Alchymiste ROSE」
マヴロダフネなるギリシャのブドウ種を木樽で発酵、熟成させたロゼ。
独特の酸と甘みのバランスに樽香がフッと鼻を抜ける心地良い飲み口。
・ポワロー/牛蒡/チーズケーキ
Entrees chaudes
ポワローと牛蒡をあわせた食感豊かな創作性高いメニュー。
太いポワローねぎの舌に絡みつくねっとりした甘さにも驚かされ、そこに繊細な牛蒡のサクサク食感が脳内に刺激を送ってくる!
隠された林檎の食感やゴルゴンゾーラを使ったチーズケーキ、ほうじ茶パウダーと複雑な味わいが次々と襲いかかってくる味の交響楽団のような楽しさがあります。
合わせるお酒は新潟三条の福顔酒造から「ウイスキー樽で貯蔵した日本酒」
名前の通りうイスキーが貯蔵されていた空き樽(オーク樽)で貯蔵した日本酒で、ウイスキーの芳醇な香りと深い味わいが日本酒の旨みと融合した新しい味わいの1杯。
ここでメニューにない隠れメニューが登場!
ウイスキーのタルトチップで燻された黒オリーブととら豆のピューレをグレープ仕立てにしたもの。
エリンギとたくあんを忍ばせ、旨みと食感が新しい感覚。
ワインは白「ゲヴェルツトラミネール 2022」
豊潤な香りと刺激のあるスパイシーさ、果実味とミネラルのバランスの良い1杯。
・白子/バジル/カルダモン
個人的なリコメンドはこのメニュー。
一口含むとブワッと「アジア」が口一杯に広がる1品は、白子のフリット。
言ってみれば白子のグリーンカレー的な味わいで、バジルやカルダモン、レモングラス、ピスタチオ、バイマックルーなど、ふんだんにスパイスが使われた複雑な味わいが白子のトロトロの濃厚な旨みと絶妙なバランスに!
これはメニューチェンジせずに定番にして欲しい(笑)
甲州まるき葡萄酒の「ラフィーユ 樽甲州 2022年」
フレンチオーク樽で発酵、熟成させたシャープな辛口は、軽やかな柑橘のアロマと後から来る心地良い仄かな苦味がバランス良い。
・鮟鱇/ラウス昆布
オーブンで火入れした後、わら焼きで薫香を纏わせた鮟鱇の存在感が抜群です!
鮟鱇の下には押し麦ともち麦を潜ませ、春菊やセリの茎、カリカリ梅の食感と味わいがたのしい一皿。
羅臼昆布の上品な味わいも印象的。
ワインは「プリミティーヴォ・リゼルヴァ 2020」
しっかりしたボディ濃いめのルビーレッドが美しい。
熟した果実とスパイシーさと独特の香りはアーモンド感を感じる1杯。
・吉田さんの本州鹿
Viande
吉田さんとは実はScholaの運営会社が料理教室も展開されているそうで、その教室の卒業生が吉田さんとの事。
秩父で猟師とレストランを展開されているそうで、そこから仕入れている鹿を使っているとの事です。
独自の解体法と自社の解体所を持っているので、兎に角仕留めてからの処理が早く新鮮な鹿が手に入るそう。
それは調理を見れば一目瞭然!
火入れが何ともレア感溢れる仕上げで、まずそこに驚きを覚える。
そしてナイフを入れると何とも柔らかさが尋常ではない触感でダブルで驚きを感じたかと思えば口に含むと何とも言えないミルキー感なような甘さと臭みなど無縁の味わい。
これは鹿が苦手…なんて人にも間違いなく受け入れられる鹿じゃないかなぁ?
鹿の骨を10時間煮詰めたソースサルビも味わい深く、添えたジャガイモとサツマイモのミルフィーユも美味い!
味変には黒ニンニクのピューレを添えればまたパンチが加わる1品。
・???
Something Special
秘密のメニューは何とラーメン!
シェフの好きが高じて産まれたメニュー。
手打ち麺を使い丸鶏の祖を使ったスープはあっさりしながらもコクのある味わいでたっぷり添えた白髪ネギの食感も良い。
シンプルながらこのタイミングで提供されるラーメンが良い!
ここでまたメニューにはないデザートが!
ブンタンを使ったアイスクリーム。
その場で出来立てを作るので食感が驚く程滑らかで、ブンタンの爽やかさが食後にピッタリ。
デザートには「シャトー・ヴィラン ヴァン・キュイ」を。
ヘーゼルナッツのような香りとキャラメルのようなしっかりした甘みがチョコなどのしっかり目のデザートに良く合うデザートワイン。
・カカオ/発酵ブラックベリー
Dessert
濃厚なカカオのタルトは、カカオニブのほろ苦さと発酵ベリーやゴールデンベリーがふんだんに使われた苦味と甘味のバランスが絶妙なデザート。
お皿に添えられたピメントバスク(バスク地方で採れる唐辛子)をアクセントとして!
・カモミール/エルダーフラワー/林檎
Digestif
カモミールやエルタフラワー以外にもセージやシナモンなどスパイシーで身体が温まるティー。
林檎はスライスしてオーブンでカリカリに焼き上げ砕いているそう。
内容の濃いコースで、メニュー表では表し切れない様々な食材を創造性溢れるアイデアで形にしていてシェフとの会話も楽しいお店。
まだまだオープン仕立てで知られてないけど、認知度が上がったら予約取りにくくなりそう…
3/7からメニュー変更があるそうなのでどんなラインナップになってるか気になるところです!
2024/03/12 更新
中目黒エリアから徒歩10分弱程度のロケーションで、この時期だとギリギリ桜が終わるタイミングですかね?
川沿いをゆったりと歩きながら向かうと10分程度なんてあっという間!
表通りからは川沿い寄りに入るので、ひっそりとした佇まいが上品さを漂わせている。
螺旋階段を登って扉を開くと1本の古い楠から作った印象的なカウンターテーブルが出迎えてくれる。
完全なるオープンカウンターで、カウンター内でテンポ良くシェフやスタッフさんが料理の数々を創り上げる様を愛でながら食事が出来ます。
以前も触れましたが、ここScholaは調理学校も運営されていて、カウンター内にはスタジエと呼ばれる生徒さんが働かれていて、将来の開業&独立に備えてお客様との対峙や対応を学ぶ場にももなっているのが特徴的。
以前はコースのみのメニュー設定でしたが、コースはショートコースとして残しながら、新たにアラカルトメニューを充実させお客様の選択肢を増やすという形で新生Scholaとして生まれ変わったんですね。
メニューを拝見し、さっそくアラカルトメニューをオーダーしました。
「山菜と白魚のサラダ」
春らしさご満載の1皿は、食感の良い白魚とこごみなどの新鮮な野菜をふんだんに使い、これまたこの時期から美味しくなる蕗の薹で作ったマヨネーズを絡めて頂く海と山の幸が一度に楽しめる瑞々しさ溢れるメニュー。
「仔羊のカルパッチョ」
仔羊のカルパッチョって初めて頂く気がする!
氷温熟成させたラムロースを使っていて、赤身のさっぱりした味わいの中に、程良い脂感がありおてもバランス感が良い。
食感は物凄く柔らかく、臭みとは無縁。
食感と香りがポイントのカシューナッツとヨーグルトのソースがまた仔羊にベストマッチなんですよね!
ラムが美味しかったのでこちらも。
「ラムオブタスマニアの春巻き」
とろけるような脂と上品な味わいの
オーストラリアはタスマニア島の仔羊肉がギッシリと詰まった、サクッ&カリッという食感が心地良い揚げ春巻きスタイルで。
フレンチだからって肩肘張らずにこちらは直接手でつまんで頂きます。
「鹿と穴熊の自家製ソーセージ」
これまたお初の食材「穴熊」が使われたメニュー。
穴熊って気になりませんか??
鹿と穴熊を挽肉状にして、腸詰したソーセージ。
ナイフでカットすると肉肉しいジューシーな旨みの脂がじわりと!
粒マスタードをたっぷりと添えてスパイシーな味わいを!
そして穴熊が美味しくてこちらもオーダー。
「穴熊じゃがバター」
穴熊単体の味わいを確認したく(笑)
お皿に添えられている白っぽい塊が穴熊の肉から作られたバター。
ポテトはミルフィーユ状になっていて食感がとても良い。
脂の濃厚な旨みがポイントになるバターをたっぷりと塗って口にするとクセになる味わいでもっとボリューム感があってもペロリ食べれる美味しさ!
「白子のフリット」
白子ってフリットで食べるのが1番好きかも。
激熱なのは言わずもがな!
食べる際は十二分に意識して口にして下さい!
サクサクのフリットの中からねっとりと絡みつくクリーミーな白子…
もう美味しいしかない!
面白かったのはグリーンカレー風味のソースと合わせて頂く点。
一気にエスニックな世界に誘ってくれます!
「吉田さんの鹿ローストと春野菜」
こちらは前回も頂いた契約猟師の吉田さんから取り寄せるジビエの「鹿」。
肉の焼き色の断面美と口にした時の柔らかさで絶妙な火入れの素晴らしさが分かる。
部位は内もも肉を使用していて、柔らかさは勿論ですが、口にした際の程良い弾力のある歯応えと噛むごとに広がる旨みが素晴らしい!
濃厚な旨みと赤ワインを合わせたソースがまた良い仕事をしていて、ここは間違いなく赤ワインと合わせるべきところですが、この日は体調的にノンアルで我慢(泣)
コースの時のお皿が提供される度に驚きのある新鮮さも捨てがたいですが、メニューをじっくりと拝見して自分で好きなものを好きなだけ、アラカルトでオーダー出来るスタイルも良かったなと。
カジュアルなビストロやバルとは一味も二味も違った、所謂フレンチスタイルをアラカルトで頼めるのは珍しく、満足度の高い食事が出来ました!