かずともくんさんのプロフィール詳細

もう十年以上の昔のはなしですがお読みください。

晩秋の北上山系の山奥で山肌を削り木材を切り出す為の林道を造成する現場を目指して行った時の話です。

未舗装のすれ違いも出来ない路肩も無く踏み外せば真っ逆さまてな悪路が続いてました。

道を誤ったのかどこまで行っても着きません。


道を尋ねるにも民家も無く車を停めて辺りを見渡すと遠くに民家の煙を発見しました。

民家の手前で運悪く泥濘にハマり脱出不能になり仕方なく車を降りて歩く事にしました。

来た道を戻るとしても数十キロは民家はなく運悪く燃料のアラームが点滅してます。

朽ち果てた茅葺きのゲゲゲハウスのような家を訪ねてみると、マンガでしたか見たことないよう山姥みたいなお婆さんが独りで住んでいました。


白髪が肩まで延び放題で腰は曲がり歯はなく色褪せたかすりの着物を着て杖をつています。

携帯は圏外でしたので電話を借りたいと言うと、無愛想にないとだけ云いました。

お婆さん頼りにならないので礼を述べて車に戻りました。

県道に出たとしてもレッカー車がくるには二日は掛かるでしょう。

車にはウインチも脱出板も積んでいないので諦めてここで野宿する事に決めました。

晩秋とは言え高地では気温が下がりました。

燃料を気にしながらエンジンを掛けたり切ったりしながら暖をとり眠れない一夜を過ごしました。

明け方に窓ガラスをコツコツする音で目が覚めました。

あのお婆さんでした。

古いトラクターがあるので貸してくれると云います。


かなりの年代物出したが、バッテリーを入れ替えするとトラクターは動くようになりました。

車の周囲の土砂を払いやっとの想いで脱出が出来ました。

トラクターを納屋に返し俺を述べると、中から入れと手招きしました。

土間の竈には薪が燃えていて飯の炊けるいい匂いが立ち込めていました。

囲炉裏の鍋にはキノコと山菜の味噌汁が炊けています。

お婆さんはご飯と味噌汁ときゅうりの古漬けを準備してくれていました。

丸一日何も食べていなかったので何回もお代わりしました。

心に沁みる美味しさでした。

涙が止めどなく流れます。

僕が食べた食事で最高の朝ご飯でした。

僕が人生で初めて人情の機微に触れた朝でした。

翌年、訪ねるとそこにはお婆さんはいませんでした…


僕は有名ではなくても慎ましく誠実に営業されている田舎のお店や被災地の食堂を紹介したいなと考えています。

人に届かない人々の思いに耳を澄まし心に寄り添うことが出来ればと思っています。

岩手は田舎なので洗練されてはいないけど誇れるものがたくさんあると思います。

このブログが新しい名店を発掘出来る可能性を信じて微力ながら貢献出来れば、なーんて思っています。


なにせ安月給の身なので高級店には縁がない大食いのB級グルメです(^^;)

あっ、でも、ミシュラン☆〜☆☆☆の一人前で三万円のお鮨やコンラッド東京やボナベンチャーやザ、リッツカールトンで食べたことだってありますよー。

実際に好きになったのはディープな路地にあるアヤシイ屋台だったりして…。


てか、僕が一番苦手なのは、自意識過剰でおもてなしの気持ちを忘れた有名店と評される店で、それをよいしょする『スノッブ』な連中のいるお店です。



死ぬまでにもう一度食べたい料理。

ＢＲＹＡＮＴ＆ＣＯＯＰＥＲのＤＡＢリブロースのブラックブルー。


マビニ市の海鮮食堂の鰻のぶつ切りのトウチ炒めと上海蟹。


九龍の呉松街の屋台の『蟹味噌の小籠包』

カールズバッドの名前は忘れたお店のベイビーバックスペアリブ。


カパウルstのHEEHINGで食べた海老と青蟹のにんにく生姜炒め。


ファンツァン街夜市の富豚脚大王の港式叉焼と魯肉飯と胡椒包。


アジア諸国とポリネシアと北中米でもちょこっと食べ歩きしました。


好き嫌いは一切有りませんが、生涯で一度も食べた事が無いのは馬肉です。

母の実家が馬を繁殖していて子供の時の夏、冬休みはずっと仔馬と一緒に過ごしていたので食べたいと思えません。


他の方の嗜好や地方の文化を否定するつもりは全くありませんが…

それと、県北大野村の生麩の味噌漬けだけはダメでした。

日本三大珍味に推薦します！

料理に関する深い知識は持ち合わせてはいませんが、

『お店や味を通して人の優しさや情が織り成す心の触れ合い』など自分なりの視点で表現出来ればと思います。



自分は喫煙者ですが、食事の際は絶対喫煙はしません。


飲みの時は別ですけど…

調理やサービスに携わる方には絶対に髪を覆う調理帽(キャップやバンダナ等)を着用して頂きたいと思います。

そういう店に限って髪の毛が混入していた経験が何度もありました。

最後になりますが、先の震災で休業を余儀なくされたお店の一日も早い再開を心よりお祈りしています。

それじゃ、今日も喰うぞ！