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味玉焼豚塩蕎麦 1,350円(税込)
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炙り焼豚丼 350円(税込)
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味玉焼豚塩蕎麦 黄金色に輝くスープ
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味玉焼豚塩蕎麦 綺麗に折り畳まれたストレートの細麺
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味玉焼豚塩蕎麦 黄身にまで出汁の味が良く染みた味玉 断面
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勿論スープの最後の一滴まで完飲完食 ご馳走様でした
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初めに出された冷水
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開店後の店舗外観
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JR高円寺駅北口を出て右へ
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芸術館通り
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ニッポンレンタカーの先を左に入ります
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あづま通りに入りました 商店街は未だ少し先です
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そろそろ高円寺あづま通り商店街が始まります
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途中、あづま通り沿いの右側にあった入利弁天
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お店に着きました もう少し先が早稲田通りです
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この日は高円寺へ。
多くのファンに惜しまれながら今年4月末をもって店じまいした、ミシュランビブグルマン3年連続掲載、食べログラーメンTOKYO百名店4年連続選出の名店「神保町 黒須」さんのスタッフだった男性が、今年7月26日に開業したばかりという「中華蕎麦 一心」さんに伺いました。
JR高円寺駅北口を出て、JR高架沿いに右の環七方向に伸びる芸術館通りを暫く進み、日本レンタカーの先を左折。高円寺あずま通り商店街に入ります。そして、ずっと奥へと歩いて行き、商店街が尽きる早稲田通りの少し手前右手にお店があります。
11時25分頃お店に辿り着いたところ、外に行列は全く無く、丁度食べ終えて退店する客を見送るために女将さんらしき女性が扉を開けました。店内を覗いたところ、カウンター席には先客4人。席に十分余裕があります。
すると、女将さんから「いらっしゃいませ。どうぞ中にお入りになって食券をお求めになって下さい」と声を掛けられ、外の傘立てに手持ちの長傘を立て、店内に入りました。
未だオープンして3ヶ月足らずということもありますが、清潔感に溢れて明るく整った店内。まるで高級寿司店か日本料理店のような雰囲気です。
また、厨房にはご店主、女将さん、そして東南アジア或いは南アジア系と思しき男性スタッフの3人が居られたのですが、ご店主と男性スタッフは左胸に店名が刺繍されたお揃いの白い割烹着、女将さんは他所行きの洋装です。
入口を入って直ぐ左にある券売機で食券を購入している間に更に3人が相次いで退店。時間的にみて恐らくこの方たちが開店1巡目後半の客だと思いますが、この時点で店内の客は私ともう1人の先客のみとなりました。
私の少し後にまた相次いで数人来店したので、結果的には絶妙なタイミングでした。
予め決めて来た通り、味玉焼豚塩蕎麦 1,350円と炙り焼豚丼 350円(いずれも税込)の食券を買い終えて、ふと券売機の脇に視線を落とすと、こちらにも傘を入れるポリバケツがありました。目の届かない店外に置いたままで万が一のことがあると困るので、傘を店外の傘立てから店内のポリバケツに移動。ところが、バケツのサイズに対して私の傘が重くて長過ぎ、傘を立てようとしても倒れてしまいます。それを見た女将さんが、すかさず「こちらでお預かりしましょうか?」と助け舟を出して下さいました。
更に、女将さんに食券を渡し、案内されるままに奥から3番目の席に向かうと、座りやすいように椅子が後ろに引いてありました。
こうした何気ない気配りは素晴らしいの一語に尽きます。
注文品を待つ間、カウンター越しに厨房内の様子を拝見していたところ、お三方とも張り詰めた感じは無くゆとりのある雰囲気。でも、無駄な動きは一切ありませんし、余計な物音を立てることも雑談を交わすこともありません。ですので、客の側もとてもリラックスして静かに食事をすることができます。
途中、何度かご店主が男性スタッフと言葉を交わすことがありましたが、命令調ではなくとても丁寧な言葉遣い。スタッフを大切にし、上下関係を振り翳すことなく敬意を持って接している様子が窺われ、このことからもご店主のお人柄が察せられます。
待つこと数分で、カウンター上にご店主自ら味玉焼豚塩蕎麦を置いて下さいました。
味玉焼豚塩蕎麦は、艶やかで透き通った黄金色のスープの中に三河屋製麺さん製造のストレートの細麺が綺麗に折り畳んで入れてあり、その上にピンク色の焼豚3枚、薄茶色の味玉、穂先メンマ、刻み青ネギがトッピングされています。更に、焼豚の上にはペースト状のトリュフが載せてあります。
その直後に客席側から炙り焼豚丼を運んで来て下さった女将さんから、「トリュフは少しずつスープに溶かしながらお召し上がり下さい。」とアドバイスがありました。
味玉焼豚塩蕎麦は、何と言っても先ずスープの味が素晴らしいです。塩気は控えめで薄味なのですが、その分天草大王の旨味とコクが全開。これに蛤や鯛などの魚介を使った塩ダレの風味や柚子の皮の香りが加わって、更にパワーアップ。このスープなら、ラーメンではなくて洋風の料理に添えても合いそうな感じ。その意味で味変用にトリュフペーストが添えられているのもぴったりだと思います。
トッピングの焼豚がまた絶品。鮮やかなその色だけでなく、肉の柔らかさも旨味も焼豚というより洋風のローストポークのようです。
更に、穂先メンマと味玉も手抜き無し。特に、味玉の黄身は私好みのトロトロ状態で、しかも出汁がしっかり染みていて、正に「味玉」と呼ぶに相応しい出来です。
炙り焼豚丼は、賽の目に切った炙り焼豚が濃厚な甘ダレを掛けたご飯を完全に覆い隠すようにたっぷり盛ってあり、更に白ごまと刻み青ネギが振りかけてあります。タレだけでも美味しいのですが、これに更に塩蕎麦のスープを掛けていただくと、これがまた最高。
塩蕎麦とセットで注文するなら、炙り焼豚丼がオススメです。
10分程で食べ終えて席を立つ際、丼などをカウンターの上に上げた方が良いか尋ねたところ、ご店主が「そのままで大丈夫ですよ。お心遣いありがとうございます。」と丁重なお答え。退出する際も「ありがとうございました。また、お待ちしております」と声を掛けていただきました。そして、女将さん自らが扉を開け、雨が降っているのをみて先に傘を広げてから表に出るよう気遣いながら、退店する私を見送って下さいました。
そう言えば、3年半前に一度だけ神保町 黒須さんにお邪魔したときには、ご店主の黒須さんが厨房から腰を深く折り曲げてお辞儀をされ、退店する私を見送って下さいました。ラーメンの味だけではなく、そうした心のこもった接客姿勢までも確かに受け継がれていることに感銘を受け、とても満ち足りた気分で次のcafe & gallery HATTIFNATTさんへと向かいました。
今後、このお店の素晴らしさが益々人口に膾炙し、平日でも長蛇の列が日常風景になるかも知れませんが、何とかそうなる前に再訪し、今度は是非とも醤油蕎麦をいただきたいと思います。