レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
1位
1回
2013/02訪問 2013/03/12
すっかりフォリオリーナのとりこになり、何度も訪れている友人。
軽井沢に店を出した意味をシェフに聞いてみな、心から共感するからって教えてくれた。
シェフいわく、
①東京だと、外に出たとたん現実の世界に引き戻されてしまう。
レストランという非日常の世界と外という現実を隔てているのは、1枚の扉だけ。
一方軽井沢にレストランがあるとなると、行きはちょっとずつ非日常の世界に入っていき、帰りはちょっとずつ現実に戻ることができる。レストランのシーンだけを切りだしてとらえることができる。
そして軽井沢なら東京からそこまで遠くない。
たしかに、この行き帰りがあるからこそますます気分が高まる。考え抜かれた演出。
②軽井沢なら湿度が低いのでチョコレート用の設備がなくても、作ることができる。
③子供がのびのび遊べる。
当日のスケジュールとコストはだいたいこんな感じ。
1日かけてフォリオリーナという極上リゾートを楽しむ。
これがご一緒してくださった常連さんが提案してくれたプラン。
振り返るとフォリオリーナという時間を楽しみ尽くすベストなプランだった。どうもありがとう❤
9:00-12:00 バスにゆられ池袋~中軽井沢:2500円
タクシーで星野テラスへ:700円/3人
星野テラスでのんびり散策したりお茶をしたり。
星野テラス、おしゃれで素敵な食材などのお店が多くてゆっくり楽しめる。
13:40-14:00 雪道を歩いてフォリオリーナへ。
14:00-19:30フォリオリーナで過ごす極上のひととき:料理は22000円、バイザグラスのコースは28000円
19:30- タクシーで軽井沢駅へ:2500円/3人。新幹線で東京へ:5500円。
こんな感じで1日かけてフォリオリーナを味わいつくすのが、ここの楽しみ方だと思う。
なのでレストランの枠ではもはや括れない。
エクスクルーシブな極上リゾートを半日貸し切る贅沢と思えば、決して高すぎる価格ではない。
雪道を上って行くとフォリオリーナに到着。こじんまりしたかわいらしい山小屋。
かわいいリースがお店の看板。まさに小林シェフ宅に訪れたような感覚。
たった1つしかない個室に通される。
暖炉があり、かわいらしいインテリアがあり、人目が気にならないのでくつろげる。
逆に言えば排他的な空間に長時間閉じこもることになる。一緒に行く人を選ぶ店。
料理はシェフと奥様の2人で作っている。個室に小窓があり、見たければそこから見ることができる。
実際見ようとするとタイミングしだいではお二人が談笑してるときに目が合ったりして気まずいけど^^;
料理は、私たちのペースで出してくださる。
なのでゆっくりしたければ、今回の私たちのように昼過ぎから入って6時間かけて楽しむこともできるし、ディナーの時間だけなども可能。
料理のサーブはすべて小林シェフがしてくださる。最初に長い説明がある。
どんな食材を使っているか、1つ1つ丁寧に。食べ手の疑問に応えようという誠実さ。
いかに素晴らしい素材か、素晴らしい調理かということは、食後に尋ねるとそこで始めて教えてくださる。
とくに尋ねなければ何もおっしゃらない。自分からはひけらかさない奥ゆかしさ。
調理は全体的に、とてもシンプルでアナログ。
いろいろ考え抜いた上で、この調理法がベスト判断されている。
高い技術があってこそ、シンプルな調理でここまでの高みに到達するのだと感嘆。
中目黒のトラットリアでいただいたパスタも、ごくシンプルなポモドーロなのになんでこんなにもおいしいのだろうと思った。おそらくこれが小林シェフのスタイル。
純粋に調理の基礎をひたすら追求した結果できあがった、昇華された作品。
★7 アミューズ
ひめじを鉄のフライパンで、赤粒胡椒を振って脱水して焼き上げている。火を入れるとしまる魚だそう。
塩・オリーブオイル・ピューレ・根セロリ・白カビチーズ・エシャロット・オシェトラキャビア。
ひめじが固い。多くのレストランでの経験上、ほろっとくずれるやわらかいものがよいと思ってきたので、なんで固いんだろうと思った。
これだけのシェフがなぜ固いひめじを?という疑問を抱きつつとりあえず次へ。
★9.5 前菜 仔ウサギ
腎臓・腎臓まわりの脂・レバーをピューレ状にしたものを、
骨から1枚ではがした背肉・アバラ肉を全体を包んでいる。
塩とオリーブオイルでフライパンで焼く。
うさぎは今回が2回目。1度目はパリのブノアで。そのときは固くてまずい肉だと思った。
今回いただいたものは本当においしく、同じウサギだとは到底思えなかった。鶏肉のように淡泊。
外側はつるっと厚い膜のよう、中側はやはらかく、コントラストがしっかり。
付け合わせもこれ以上ないくらいのおいしさ。
☆9 トップはパン粉(オーブンでロースト後挽いたもの)・アンチョビ・レーズンのラム酒煮込みなど
下に敷かれているのは縮緬キャベツのクロッカン&もも(写真右。オリーブオイル・野菜のスープオーブンで煮込んだもの。)
☆10 縮緬キャベツのクロッカン 素材自体の甘みが強くて絶品!!
感動の1皿。
★7.5 ズッパ キクイモとフォアグラのスープ
☆9 ピエモンテ産キクイモ(旬)・にんにく・エシャロットに野菜のスープを加えたもの。
黒粒胡椒の利かせ方。多すぎず少なすぎず絶妙にちょうどよい。
まったり重量感のあるスープに小気味よいアクセントを加えている。
お皿をさげてくださるとき、再度常連さんに促され、フォアグラについて調理法をしっかりお聞きする流れに。
フォアグラにはガス充てん・真空パック・紙巻きといった保存法がある。
ガス充てん・真空パックは3~4日持つけれど、開封時に風味・香りが飛んでしまう。
一方紙巻きは何日も持たないが、香りは失われない。
フォリオリーナでは、フォアグラ本来の香りが失われないためのこだわりの調理がされている。
香り重視で紙巻きのフォアグラを使用。鉄のフライパンに油もひかず、シンプルに塩を振るだけ。
塩も溶けないように焼く。塩が溶けてしまうと浸透圧で水が出てしまい香りが奪われてしまうから。
そのため、最初にフライパンを温めておき、フライパンの温度を下げながら焼いていく。
中で脂をゆすって何度も裏返し、しっかり火を通す。小麦粉は使わない。
塩が溶けたときの浸透圧だとか、いろんなことを考え抜いた結果たどりついた、とてもアナログでシンプルな調理(鉄のフライパンで塩のみを振って焼き上げる)。
これが成り立つのはものすごく高い技術があってこそ。もう驚嘆するしかない。
そしてこういうことはご自分からはおっしゃらない。尋ねると始めてすごさがわかる。
☆7実際いただいたフォアグラ。中が黄色。しっかり火が通った感じのパテに近い固い食感。
すごさは聞いて理解できたけど、個人的にはよく食べるとろっとしたポワレの方が好きだった。
トップのピュレはドライアプリコット+シェリー。
★6.5 小さな丸パン ういきょうの種を練りこんでいる。レーズンの天然酵母。
中が生っぽくてぎゅうっとつまってる感じ。
★8.5 パッパルデッレ
具材のスペイン産イベリコのホホ(牛頬に独特の風味を加えた感じ)・アンチョビ・サルディーナ産の栗・シチリア産のブロッコリー・ヴェネト産のチーズ(6か月熟成)とパッパルデーレ、をラディッキョで全体的にくるんでオーブンで焼いたもの。
全ての素材がそれぞれの役割を果たしている。
チーズのコクを利かせながらも、野菜がさっぱり感を加えていて、全体のバランスがとってもよい。
チーズって温度が下がると香りがなくなるはずなのに、これはしっかり香りがあってすごい、と常連さん。たしかに^^
★8.5 メイン 山うずら
山うずらにはルージュ(頭が赤い)とグリエがあり、原価はルージュが1600円、グリエが3800円ほどだそう。
今回はルージュを使用。
胸・もも・心臓・レバー・砂肝といろんな部位が一皿に。
フライパンで焼き、脂肪が溶けたら火を止める。
付け合わせには、古代米(野生のコメ、スぺルト小麦)・アーティチョーク・アニスの種。
トップにはエメンタールチーズ。
ソースは鳩の骨を焼いたものにニンニク・エシャロット。
身一片取っても、色がグラデーションになっている程に火入れが不均一。
外側はしっかりとした火入れ、内側はレアに近い火入れと両方楽しめる。
カンテサンスの1分オーブンに入れては5分休ませる、を2.5時間繰り返す見事なまでに均一な火入れも圧巻だったけど、こちらはこちらでまた、あまりにも素晴らしい!!
カンテサンスもフォリオリーナも、それぞれ違いはあるけれど、どちらも異次元だと思う!
★7 再度小さな丸パン 今度はシチリア産のピスタチオを練りこんでいるそう。
★7 食後のチーズ的なもの
牛・ヤギ・羊(塩味強め)の3種のチーズを合わせている。
見た目も味もフレッシュチーズの印象だけど、まわりに白カビをつけて6か月熟成したものだそう。
こちらを、私たちのいる部屋の暖炉でローストした南イタリアカラブリア産の赤玉葱で巻いている。
ストーブで灰をつけたまま蒸し焼きにして、1枚ずつはがす。
仕上げにはオリーブオイルを塗り、白いとうもろこしの粉を振りバーナーで炙っている。
カルドンチェッレというプーリア産のキノコのオーブンローストも入っている。
熟成させたせいか、独特の優しさと、ヤギや羊のクセを残したフレッシュなチーズ。
赤玉葱は驚くほどなめらかながら、しゃきしゃきした食感も残す火入れ。
宝石のようなつややかな一品ながら、正直味的には好みではなかった。
★8 マンダリンオレンジのスープ
表面の皮を薄切りにしたもの、サフランの花のめしべと一緒に煮出している。
シチリア産ドライプルーンにラム酒、ムニエル状に焼き上げている。
オレンジの香りがまずすごい。味も濃厚でとてもおいしかった。
甘みというより酸味がしっかりしたデザート。
なのでもうちょっと甘いものが食べたいなと思いつつ、最後のプティフールへ。
★ プティフール
☆7 折りパイ くりの花のハチミツ
半生っぽい独特の味がまたよかった。
☆7.5 苺をオーブンでローストしたものにチョコレートをかけたもの
こちらのパイにしても、小さな丸いパンにしても、中は生焼けのような食感だった。
まさかこのシェフが生焼けのものを出すわけないだろうと思って尋ねてみた。
生地は、らせん状になるように、少しずつ裏返して丸めている。
そうすると、外はパリっと焼け、中には水や油がひっかかってたまっていく。
この油脂が生焼けのような食感となるけれど、あえて残している。香りを閉じ込めるために。
なんで生焼けのパイやパンを出すのだろう、と誤解する人もいるだろう。
誤解をも恐れず自分がいいと思ったものを出す。そして余計な言い訳はしない潔さ。
やってらっしゃることすべてに意義がある。
最後になんでひめじを固く仕上げてるのか思い切って尋ねてみた。
これだけの技術を持って、これだけ考えてるシェフなのであれば、何か考えがあるに違いないと思って。
ヒメジ、食感がしっかりするよう、意識して固めに仕上げているそう。
やわらかいと一皿目としてはきれがないし、合わせるアルコールが、ラム・苺・スプマンテといった、キレのあるものなので。
魚にはほろっとやわらかい火入れが主流な中、あえて自分がこれと思ったものを出す姿勢・自信。
あえて軽井沢にお店を出すことだって、実力に裏付けられた自信がなければできない。
最後にも改めて、ものすごいシェフに出会えたと思った。
2位
1回
2013/04訪問 2013/04/24
2013/4 ランチ訪問
カンテサンスでは、事前に全員の来店履歴を尋ねる。
各テーブルごとにお任せコースを作っているなか、一人でも食べたことのあるメニューは原則的には出さないっていう素晴らしいホスピタリティから。
なので前回のディナーと今回のランチ、メニューは違った。
でも基本的な流れは同じ、ポイントポイントに共通点(ミルク系のデザートにピスタチオのドラジェ入れたり)。
構成の枠は決まっていて、中の部品だけ変えてってるイメージ。
スタイルがしっかり確立されているんだなって思った。
ディナーとランチ、両方伺ってみて思うこと。
食後のイメージは、ディナーの方が断然よかった、ディナーで訪れないとカンテサンスの真価はわからない、だった。
でも今になってディナーとランチ、冷静に比べてみるとこう思う。
一品一品比べるとディナーとランチで差をつけている気がしない。
ならなんで、前回のディナーの方が断然印象が良かったのか。
①ディナーはランチと比べて、値段も品数も倍。
なので大きく感動する料理(★9をつけている料理)に出会う確率も倍。
大きく感動する料理の数が倍になれば、感動は何倍にも膨れ上がる。
②今回のランチには特有の制約があった。
・同席した6人中5人が再訪、2人は常連さん。しかもみんな訪問日がばらばら。
なので出せるメニューにかなり制約があった。
・あらかじめ鴨を用意してくださっていたのにかかわらず、当日こちらの都合で急きょ仔牛に変更されることになり、本領が発揮できなかった可能性が高い。仔牛がいまいちだったことが、大きく印象を変えてしまった。
また、ランチは心地よい量、ディナー量が多すぎて苦しくなる。
こうやっていろいろ冷静に考えてみると、ランチ訪問の方がいいなって結果的には思った。
直感と分析結果がぜんぜん違う。
★6 温州みかんのジュース(季節もの)
かなり独特の味。酸味はほとんどなく、ねっとりとした甘さと苦みがある。
★8.5 バター、ミルキーでとてもおいしい。A.O.C.の3銘柄のうちの1つ、グランフェルマージュのもの。ポワトゥーシャラン県産発酵バターだそう。
パンは前回ディナーと同じもの。
★7 テット・ド・コションと豚足のスープ
テット・ド・コション、豚のあらゆる部位の煮凝り。コラーゲンたっぷり。
地鶏のブイヨン、細かく刻んだフランス産モリーユ茸とともに。
脂がしっかり入ってコクがある。アミューズにしてはかなり濃厚で重ため、なのでインパクトがある。
★8 塩とオリーブ油が主役 山羊乳のバヴァロア
前回ディナーでもいただいたスぺシャリテ。
素材は日々の温度などに最適なものを吟味して、日々違う産地のものを使っているそう。
ただ、記憶の限りでは前回と同じ。説明見た目も前回と同じ。
実際に食べてみると。
前回は驚きと感動が残る忘れられない一品(★9)だったのに対し、今回はとてもおいしい一品にとどまった。
なんでだろう?私のコンディションがいまいちだったのか、今日の素材のコンディションが前回ほど抜群ではなかったのか。。?
★9 桜と牡丹のアスパラガス・カナッペ
パートダマンド(アーモンド・卵などで作ったパイ生地のようなもの)には、24時間熟成させたコンテチーズを合わせる。そして見るからにみずみずしいアスパラガスが大きな存在感、トップには北海道産甘エビと静岡産さくらえび。
アスパラガスとえびが純粋にとてもおいしいけれど、単体だとひかえめ。
一方パートダマンドは熟成チーズがしっかり利いているのでかなり強い味。
全部一緒に食べると、絶妙なバランスで絶品。バランスを考え抜かれて作られていることを痛感。
★8.5 下田の金目鯛 黄ピーマンとバジルのソース
金目鯛。300℃で火入れ。皮はぱりっとした食感、鯛の香ばしい香りがしっかり☆
身の部分はほぼレアな火入れ。見た目も味も感動モノ!
お刺身の良さを最大限引き出すために絶妙にちょっと火を入れている、というかなんというか、そういう味。
ソースは、バジル・レモンのコンフィ・魚介のダシ・パプリカ。南仏の初夏をイメージしているそう♪
スナップエンドウは食感をしっかり残している。
★6 ラングドック産仔牛の2時間ロースト
草を食む前の乳飲み仔牛。解禁後初、8年ぶりに輸入したそう。
ほどよくジューシーだけど、硬め。うまみがない。。今までいただいてきた料理の数々と明らかすぎる格差。
超一流レストランカンテサンスでこんな料理が出てくること、一同衝撃を受けた。
なんでこんなことになってしまったのか、思わず考えてしまう。
カンテサンスでは、事前にひとりひとりの食材の好みなどを聞いたうえで、各テーブルごとのおまかせコースをあらかじめ組み立てている。
にもかかわらず今回は当日急遽、肉は豚と牛以外は苦手な方がいらっしゃることが判明し、あらかじめ用意されていた鴨ではなく、仔牛を用意してくださることになった(塊で焼くので一人のみの変更は無理だそう)。
コースを事前に綿密に組んでくださっている中当日突然の変更。
さすがの岸田シェフもそこまでは対応しきれなかったのかと思う。
もしくは、岸田シェフの繊細な火入れは、鳥類のようなきめ細やかな肉質の食材には向くけれど、牛や豚といったきめの粗い食材には向かないのかもしれない。
また、フランスに住んでいたことのある同席者はこんなことを言っていた。
「仔牛って本来はもっと硬くてうまみの少ない食材。なので、仔牛をここまでやわらかくジューシーに仕上げるってすごいことだと思う。仔牛に対する概念が変わった。」
そもそも仔牛自体がおいしくない食材なのかもしれない。
つけあわせ。左上のなすは、皮が真っ黒になるまで焼いた後、中の部分だけ取りだしたそう。
小松菜の菜の花、京都産新たけのこなどとともに。
★7.5 ヌガー・グラッセ
シェフのアレンジで再構築。ヌガー・グラッセを-40℃の冷凍庫に入れ、牛乳で溶かしたそう。
前回と同じく、ピスタチオのドラジェが入っている。
全然ヌガー・グラッセっぽくない。むしろ氷の粒感を残した練乳のシャーベット。
しっかりした甘さとさっぱり感が両立してる。おいしいし量もたっぷり♪
★9 サヴァランのキャラメリゼ
もうちょっと甘いものが食べれたらなって思ってた時、絶妙なタイミングで現れた一品♪
焼き立てのサバランに、ミルク・ラム酒(軽めに)・アーモンドパウダー。
トップにはソテーしたパイナップル。
サバランっていうよりフィナンシェ。コクがしっかりあって本当においしい。
最後。クオリティの高いコーヒーが出てきて、ランチはプティフールなし。
帰り際。
ランチの最初にお願いしたメニューのコピーをいただき、岸田シェフのサインまで全員いただいた。
今回サービスしてくださったのは、マネージャー小澤氏。
細やかなお気づかいが随所に垣間見られる、スマートなサービス。
一流のプロのサービスってこういうものなのかなって思った。
いろいろと本当にありがとうございました。
2013/2 ディナー訪問
タイトル:いろいろな発見、感動、楽しい時間。かけがえのない一夜になりました。
長い間、東京で最も行きたいレストランだったカンテサンス。
2/13当日急遽、美しき女神が手を差しのべてくださった。
長年の夢が実現するチャンスは、ある日突然やってくる。
実際行ってみて、あこがれはかけがえのない思い出となった。
8年前、大阪のラ・べカスに行った時、ソムリエの方がとても親切にしてくださったことをよく覚えている。
そのときのソムリエが、こちらの市村氏。
8年ぶりなのに、あのときのあの方ですよね!?とお声がけくださった。さすが一流のプロ。
いろいろと感動する一夜だったけれど、個人的には市村氏とこんな形で再会できたことも大きな驚きだった。
料理、特にスぺシャリテのおいしさが忘れられない。
全部で13皿、私には多すぎ最後は食べきれなかったのが、今思い返しても残念すぎる。。。
今度はぜひランチで、最後まで料理を堪能してみたい。
どの料理も、最初に長い解説がある。
1つ1つの素材を厳選し、かつ絶妙な状態で出すために、ものすごく手がかけられていること、お話を伺うとよくわかる。
伺うことで、経験値が低くても料理のありがたみが理解でき、感動が一層増す。
プレゼンテーションもとても好きだった。
若干現代スペイン料理の要素も感じさせながらも、和の要素も取り入れていて。
写真が撮れないのが本当に残念だった。
最初、石のお皿のプレゼンテーション。
私は黒、相方は茶色。どちらもとっても美しく、ほどよく和を取り入れている。
最初から心をつかまれ、期待感が高まる。
★6.5 JUS de RAISIN
コニャックを作るぶどうで作っているそう。微発泡でやや甘め。
偶然傳でもビストロ間でもいただいたジュース。メジャーなのかな?
アミューズ:2品
★8 しいたけのスライスにポルチーニの粉をまぶしたもの
・原木しいたけ。岐阜県のしいたけブラザーズが栽培したものらしい。
ポルチーニの粉もしいたけも濃厚な味。しっかりきのこの味を引き出しながら遊び心もたっぷりの一品。
★7 ホウレン草ベースの冷製スープにうになどが入ったもの
・京都産ホウレンソウに魚介のダシ、焦がしバターを加えたジュレ
・函館産(橘水産)の生うに、たらのめ、こごみ、ギョウジャニンニク(希少な山菜らしい)
塩気多めのうにがアクセントに。比較的さわやか。
★7 パン
・メゾンカイザー ライ麦20%
粉の味がしっかりしてる主張のあるパン。
前菜:4品
★9 スぺシャリテ:やぎのミルクのババロア
・あくまで主役はオリーブオイルと塩、という演出。
・オリーブオイル:ブレンドする時期に合わせて最適なものを使っている(スペイン産・フランス産など)
・塩:ゲラント産の天日塩、フルール・ド・セルだそう。
・やぎのミルクのババロア:京都保津川の地域から毎朝必要量が輸送されるので、品質が安定している。
・トップにはマカダミア・ユリ根。
ババロア、フレッシュでやぎのミルク特有のくさみがゼロ。
ほんの少し酸味のあるババロアや塩・オリーブオイルと一緒にいただくと、マカダミア・ユリ根は甘みのアクセントにすらなっていた。食感のアクセントもいい感じ。
オリーブオイルと塩が主役、と伺ったけど、私にはあくまでババロアが主体に思えた。
でもこう伝えられると、オリーブオイルと塩の風味もよりしっかり感じ取ろうと思うので、より料理の深みを感じられる。さすがの演出だと思った。
やぎのミルク・ユリ根の苦手な私ですら、本当においしいと思った。機会があったらぜひまた食べたい。
★8.5 ブラウンマッシュルームのケーク・サレ
☆9 塩味のほどよいケークサレが絶品!2年熟成されているパルミジャーノ・レッジャーノを利かせているそう。
トップには、ブラウン・マッシュルーム(味のよい、中側のみを使っているそう)・北海道産アオヤギの小柱・ケッパー・ハーブ
★9 アーティチョークのベニエと焼き穴子
・南フランス産のアーティチョークを小麦とビールのベニエ
・穴子は小ぶりで味が凝縮されているもの。
1つは直火焼き・1つは蒸し焼き、味のコントラストが明確。ローズマリーのソースで。
★7.5 ブーダン・ノワールとりんごのタルト
・スぺシャリテ?
・ブーダン・ノワールのペースト。血が固まらないぎりぎりの温度でじっくり火入れしているそう。
香味野菜を入れている。甘くてやわらかいペースト。口当たりは軽いので最初は軽い印象。
でも食べ進むにつれ、ブーダン・ノワールの重さがきいてくる。
・ブーダン・ノワールに火入れした後、ブーダン・ノワールとりんごのタルトをオーブンで焼いている。
・鴨のフォアグラがソースがわり、という贅沢さ。こちらはオーソドックス。
・塩でキャラメリゼ(っていうのかな?)したピスタチオがアクセント的に添えられている。
メイン:2品
★8.5 のどぐろ
・ジューシーに仕上げるために、半身を塊で焼いている。
・トップには、ふきのとうの新芽・あさりのだし汁の泡・イタリアンパセリ・高知産フレッシュトマトのソース
・付け合わせのキャンディキャベツは、塩・バターを加えて火入れ。
のどくろ。レアに近い内側の色が美しい。いろんな映像で見た通り。やわらかくジューシー。
有名な神の火入れ、やはり圧巻だった。
☆9ポイント的に振られているほどよい酸味のトマトソースが軽くて絶品。さわやか。
★9.5 ラカン・ビジョン
☆10提供するタイミングに合わせ、1分オーブンで焼き、5分休ませる、を2.5時間繰り返したそう!!
1テーブル(2人)で1羽。この作業を各テーブルごとに繰り返しているなんて、気の遠くな凝りよう。。
最高の食材を、最高の技術で味わう、あまりにも贅沢な一品。
これが芸術っていうものなんだな~とため息もの。。
鳩はもともと大好きな食材。それでも今まで食べてきた鳩とは一線を画すおいしさ。
こんなにもやわらかく、こんなにもなめらか。そして見事なまでに均一な火入れ。
・付け合わせは、サフランで味付けしたブルガー小麦・カブ・ポエム(アスパラと菜の花をかけ合わせた野菜
・ソースは、焼き汁に30年物のシェリー酒を加えたもの。
本当に残念だったのが、もうお腹いっぱいで完食できなかったこと。。
今思い返しても、無理してでも全部食べておくべきだった。。
デザート:4品
★6.5 ピチビエ
・ガレット・ド・ロワのこと。2/13にガレット・ド・ロワと呼ぶのは時期はずれで恥ずかしいそうで、ピチビエと呼んでいるそう。
・ガレット・ド・ロワをシェフ独自の解釈で、再構築したクリーム状のデザート
・クリームには、きざんだアーモンド・卵黄・バター
・トップにはクラッシュしたパイ生地
・中には半分にカットしたピスタチオのドラジェ
小さなグラスに少量だったけど、これだけたくさん食べた後だと、クリームが濃く重たかった。
★7.5 キンカンのコンポート
キンカンの皮のコンポートを飴でコーティングしたもの。中にはマスカルポーネのムース。
ちょっとさっぱり。もっとお腹に余裕があるときに食べたら、本当においしかったと思う。
★8 へーゼルナッツのケーキ
・へーゼルナッツをローストした粉末の入ったスポンジとパイが層になっている
・トップはカラメリゼ
・牛乳のジャムが添えられている
★9 スぺシャリテ:メレンゲのアイスクリーム
・メレンゲをくだいて、牛乳・クリーム・海水を加えたアイスクリーム
・テーブルごとに1ポットずつ作っている、というこだわりよう。
これも絶品。練乳のような濃厚さだけど、味はしっかりメレンゲ。
アイスクリームなのにジェラードのような軽い食感なのが不思議。
★7 レモングラスのハーブティー
★6 プティフール:DOMORI社のホワイトチョコレート 黒ケシと白ケシをまぶしたもの
DOMORI社はミラノ近郊にある。いろんなタイプのチョコレートにそれぞれ合うカカオを、それぞれに合う産地世界中で作り、収穫サイクルに合わせてチョコレートを作る、というとんでもないこだわりの会社だそう。
こちらも話を聞くとありがたみが増す。
けれど実際に味わっても、すでにこれ以上甘いものを受け付けられないコンディションだった素人の私には他のホワイトチョコレートと違った格別感はわからず^^;
最後に岸田シェフ登場。ここまで人気になっても、客ひとりひとりと挨拶してくださるなんて。。
岸田シェフ、テレビなどで見てかわいらしいイメージを持っていたけれど、実際にお会いしたら、オーラと貫録のある方だった。さすが。
友人から預かっていた質問をしてみた。
質問:
「スーシェフは軒並みミシュランの星を獲得されていますが(フロリレージュ、エクイリブリオ)、
後進育成に何かしら重要視していらっしゃることはありますか?
もしくは、センスのよさそうな方を採用していらっしゃるのですか?」
岸田シェフの回答:
「そもそも最初から才能のあるシェフを採用している。
後進育成にも力を入れている。理念がいくつかあって、それを伝えるようにしている。
カンテサンスで働くからには、独立してすばらしいレストランを持てるようなシェフになってほしいという思いで、日々育成している。 」
シェフとソムリエの方々全員が並ぶ姿を初めてここで拝見した。
印象的だったのが、全員が純粋なきらきらした目をしていたこと。
ここまでの名声を浴びながらも、これもまた凄いことだと思った。
3位
1回
2013/07訪問 2013/09/08
・創作性に富んでいて、それでいておいしい。現代感覚の和洋折衷。
・軽い料理
・いろいろと新しく知ることがある
・今風なおしゃれな内装
私はこんなレストランが好き。六雁はまさにぴったり!こういうお店ってよくありそうなのに意外とない。
なので見つけたときのうれしさといったら^^!
店内は若い料理人でいっぱい。店主は後輩の育成も自分の重要な任務だと考えているそう。
ここで修行した方々が店主の哲学を受け継ぎ、六雁のようなすばらしいお店が将来たくさん生まれること、ファンの一人として願ってやまない。
13000円のおまかせコースをチョイス。
料理は感動するほどおいしいものとそうでないものとで波をつけている感じではなく、すべての料理で同じくらいの満足感がずっと続く印象。
ほとんどの料理で、和の酸味や甘みがまろやかに、そして絶妙なアクセントになっていて、暑い夏にぴったりのおいしさ!
★8 前菜 胡麻豆腐 玉蜀黍すりながし
胡麻豆腐は葛、ゴマ、水で練ったそう。わりと硬さがあり、むっちりしている。
こんぶだしを含んだとうもろこしのすり流しは、甘味のように甘い。
茶色のパウダーはなんと、醤油の粉末!
おいしい、まったり。和洋折衷の創作料理。こういうの大好き。
最初の一品から、なんだかものすごくいい予感がして、テンションと期待が高まった。
あとから振り返ると、この予感はみごとに現実になった☆
★8 朝摘み野菜のおひたし 鯵フライ 花穂
鯵フライはすだちと塩で。
シソの花のほのかなアクセントが絶妙☆
水菜、小松菜、甘いマイクロトマトなど。
野菜の力でとっても元気になる一品。
店主は野菜に強い愛着を持ってらっしゃるようす。
スーパーの野菜、あんな状態で置かれてたら野菜がかわいそうって話をされていた。
また、使わなかった野菜などを廃棄するなんて野菜に申し訳ないので、すべてまかないにして食べるそう。
そうやって野菜をいつくしむ店主だからこそ、こんなに元気いっぱいな野菜が食べれて、食べても元気になるのかなって思った。
今度は100種もの野菜を使うという野菜のコース、ぜひ体験してみたい!
★8 今月の煮こごり 鶏そぼろと夏野菜
色とりどりの野菜の煮こごり、宝石のような美しさ☆透明感にあふれてる。
そぼろの煮こごりには実山椒のアクセント。
茶透明のゼリーはすだちで酸味と甘みを効かせ、黒いパウダーはみじん切りの塩昆布。
☆9ごま、酢、砂糖で作られた白いクリームが何気に絶品☆
★7.5 煮物椀 鱧の葛たたき椀 冬瓜
じゅんさいでとろみがついている。和のほっとする一品。
★7.5 お造り 真子鰈 煮蛤
大根、紅芯大根、かぼちゃ、きゅうりの付け合せはすべて生。こりっとした食感を楽しむ。
ポン酢、醤油で。ポン酢で食べるお刺身が斬新で、しかもとてもおいしかった!
★7.5 焼き物 天然 活け鮎の炭火焼
サーブされたとたん香り立ち昇る♪
鮎は広島太田川産だそう。
☆8.5特に頭部の苦味の中にあるほのかな甘みがたまらない。
生きたままの鮎を焼き、火入れは頭を下にして、一番硬い部分に一番火が当たるようにしているそう。
尾ひれの部分は干物になっていた。
★9 酸味と香り 和梨のソルべ マスカットを添えて
マスカットにビネガー、すだちの皮。
とろんとしたマスカットにまろやかなビネガーの酸味がマッチして、何気に絶品のお口直し^^
★9肉料理 石垣牛の炭火焼 甘長唐辛子 ほおづき
サーロイン。これまでとはちょっとだけ傾向が変わって、オーソドックスな絶品ステーキ☆
内側はレアに近くとってもやわらかい、和らしいステーキ。
★7.5 お食事 五穀米 赤出汁 香の物
じゃこごはん。〆にはオーソドックスにほっとする一
赤出汁は海草のとろみたっぷり♪味は濃い。
★7 はもの南蛮漬け こちらもオーソドックスに酸味を利かせたタイプ。
★6.5 デザート 六雁名物!かき氷
見た目どおり、とっても繊細な口当たり。
濃茶、あずき、マンゴー、白桃、ほうじ茶、しょうが。
少しずついろんなフレーバーを楽しめる。遊び心たっぷり♪
白桃は甘みと酸味のバランスがよく、個人的には一番好き。
他はちょっと甘すぎる印象。
★8 白いマカロン
いよいよ〆は名物のマカロン。ゆず味噌風味。
意外性がなかったのが逆に意外だったけど、この和マカロン、とってもおいしかった!
私は普通の洋のマカロンよりずっと好き。
4位
1回
2013/05訪問 2013/05/19
★10 クロワッサン
今まで食べたことのないタイプのクロワッサン。
クロワッサンって香ばしい焼き色でさくさく軽いのがいいっていうのが一般的だと思ってたけど、こちらは違う路線で絶品☆
私の中でおいしいクロワッサンの概念が広がった。
見た目は何の変哲もない素朴さ。スーパーに袋売りされているクロワッサンみたい。
でもこの袋、持つとかなりの重量感に驚き。
発酵バターがぎっしりつまってるからだと思う。
さわってみると硬め。これもきっと、発酵バターがつまってるから。
まずはそのまま食べてみる。バターの香りがかなり広がる。バターを食べているのに近い感覚。
見た目からは想像がつかないおいしさに驚き。
今度は焼いてみる。すると外側と内側の違いがくっきり。
外側はパリッと。クロワッサンというよりむしろパイ生地。
中はバターがしっかり練りこまれてるからか、生の生地みたいにもっちもち。
手でさくと、生地が独特の伸び方をする。これが絶妙な食感の秘訣なのかも。
焼いても焼かなくてもそれぞれの良さがあるので、どちらが好きかは好みで分かれると思う。
初めて食べるならぜひ両方試すのがおすすめ☆私は焼いた方が好き♪
★8 ロールパン
これもかなりバターたっぷり。優しい味。
買ってから一日たってもこんなにおいしいなら、出来たてはどんなにおいしいことか(ため息)。
クロワッサンはまた食べたいし、他のパンも食べてみたい。
配送もしてくださるそうだし、こんなにおいしいならお店に行ってみるのもいいかも♪
5位
1回
2013/11訪問 2013/11/24
米清あら川の店主がまだ東京に住んでいたころ、このお店に行きたくて富山に通った、といちおしされていた名店。
東京の某著名料理人(あまり知られたくないそうなのでここで書くのは控えます)はあまり弟子をとらないそうだけど、こちらの店主は数少ないお弟子さんの一人だそう。その某著名料理人のお店(売名行為が先行し、名ばかりの形骸化した店となっていると私は感じた)より、ずっと誠実で、満足度が高い料理を出していらっしゃると思った。
どの料理もとっても美しく、そして絶品続き。
今回いくつか富山市で行ったほかのお店とは明確に一線を画す。
なのに値段は他店のほんの一割り増し程度なことも驚き。
東京で食べたらきっと倍くらいの値段すると思われる。
東京の和食と比べると、直球勝負でわかりやすい印象。
私はなるべくたくさんのお店に行ってみたいと思う性格。それでも、滞在期間が限られる中、あまり満足できないリスクを取って他のお店を回るより、またここに来たいと思った。
滞在最終日に行ったので、富山の地のものはだいぶ食べてしまったけれど、そんな中からなるべく地のもの・食べたことないものにトライしてみた。メニューは毎日変わるそう。
もしまた富山に行くことがあれば、必ずまたここに来て、未知の地の幸を中心に堪能したい。
★5 グリーンアップルモヒート
ソフトドリンクでモヒートがあったので飲んでみた。
ミントがあまり好きではない私にとっては歯磨き粉のようにも思えてしまい。。
甘みが強めなのも口に合わず。
★7 おでん
富山ではとろろ昆布を入れたおでんが有名だけど、こちらは昆布なしのノーマルなおでん。
★9 かわはぎの丸ごとカルパッチョ ¥800
ポン酢ベースのたれで。見た目どおりの絶品☆肝もたっぷり!
★8.5 香箱がに(魚津)甲羅詰め ¥1500
秋らしい美しい一皿。
外側から見える身の中には、ほぐした身・たまご・みそがおしげもなくびっしりとつまっている贅沢さ。
上に乗っているポン酢のジュレとの相性も抜群。
香箱がには人生2度目。1度目はくろぎで食べた。
くろぎの香箱と比べてしまうと、ちょっと硬かったりで見劣りするけど、値段を考えると十分な満足感。
★8.7 あんかんと車鯛の昆布〆
あんかん(写真左)ときも、車海老(写真右)、そしてかぶと昆布を巻いたもの。全部昆布〆(昆布〆も富山の名物)。
どちらも昆布締めが強すぎず弱すぎずいい感じ。
あんかんも車えびも煮たような味、ねっとり感、硬さ。
肝は何かに似てるけど思いつかないふしぎな味。食感はうにに近く、魚くささとクリーミーさがあわさったような味。
★9 きじはた(塩焼き又は煮付け) ¥1500
店主が煮付けの方がおすすめとおっしゃったので、煮付けをチョイス。
とろっとやわらかい白身魚。上品な淡白さ。優しい味でほっこり幸せになる絶品☆
富山には他にもげんげ、のどぐろ、白えびなど、とろっとした白身が多い印象。
富山湾は水深が深いので魚が種類も含め豊富で、天然のいけすと呼ばれているそう(現地のひと談)。
おいしい魚にあふれたすばらしい土地。
特にこの時期は魚に恵まれているそう。
★9.5 能登産牡蠣の燻製 ¥600
味付けはおそらくバジルマヨネーズとオリーブオイル。
下に敷かれた甘いトマトも絶品。
牡蠣の燻製、バジルマヨネーズ、どちらも味が強く相性抜群な中、トマトがさわやかさを加えている。
★8 霜降り氷見牛とトマトと生うにの朴葉焼
富山では魚ばかり食べていたけれど、ここではじめて肉をオーダー。
脂がそれなりに乗ったおいしい肉だった。
火の通った朴葉味噌をちびちび食べるのもいい。お酒のあてによい。
最後にはかなりアーモンドチョコレート大のお米が供されて、味噌と一緒に食べる。
★7 かぼちゃのブリュレ吟醸アイス添え
ブリュレはかぼちゃそのものに近い濃厚さ&甘さひかえめ、とろっとしている。
吟醸アイスはすっきりさわやかなミルクアイス。
6位
2回
2017/01訪問 2017/01/17
4年ほど前に伺ったディナー、とてもおいしかったのでお祝いランチに利用。
お祝いだってことで、ソムリエ店長さんがホスピタリティ溢れるサービスをしてくださったおかげで、とてもいい会になった。
今回の料理は全体的にクミン等の独特のスパイス使いが多く、個人的にはあまり口に合わなかった。このレストラン、最近こういう方向に転身したのか、それともランチはこういうスタンスなのか?
エントランスのアプローチ。4年前ディナーで伺ったときはなんて素敵な、とテンション上がったけど、今はなんだかくたびれて見える。ランチだと明るいからっていうのもあるかもしれない。
いただいたのは3900円のおまかせコース。ランチはおそらくこのメニューのみ。コスパがいい。
★7ナツメヤシのベーコン巻き 人参のインサラータ添え
ナツメヤシのベーコン巻き、中にはナツメヤシとアーモンド。ナツメヤシの甘味、ベーコンの塩気、アーモンドの食感のアクセント、とバランス最高☆
☆6人参 クミンで味付けしたマリネ
★7 フォカッチャ 表面にまぶしている岩塩ががっつり効いている、しょっぱい仕上がり
★6.5里芋のポレンタ 有機春菊のソース
中央には里芋と葛粉を使ったポレンタ。葛餅のような弾力があり、味は里芋で、すっかり和食化したポレンタが斬新でおもしろい。
濃厚に春菊をきかせたソースがまた和の斬新さ。
★9サーモンのパート焼き ブロッコリーとカリフラワーのソース
まず、モダンアートのような美しいプレゼンテーションにやられる。
そして、サーモンのパートフィロが絶品☆うすくてぱりぱりのパートフィロ。絶妙なレア感で焼きあがったサーモン。焼き目もみずみずしくて美しいし、なめらかな食感&味も最高。
ブロッコリーのソース。添えられている手前の温野菜は、ロマネスコ、カリフラワー。
★7白魚と芽キャベツのアーリオ・オイリオ スパゲッティーニ
白魚は一本一本衣をつけて揚げている。自家製からすみがわずかにかかっている。
このへんですっかりおなかいっぱい。
★6牛ホホ肉の赤ワイン煮込み 五香粉の香り
牛ほほがおどろきのやわらかさ。金時人参のソースで。
★8温かなショコラータ
特に少し溶けだして滑らかになっている部分がおいしかった。
ココアの粉をかためたようなクランチもおいしかった。
★7プティフール
☆6喜界島さとうきびの汁かためたオリジナルのお菓子
濃厚な黒砂糖のかたまり的な味。疲れて甘いもの食べたいときにこれ食べたら、本当においしいと思う。この満腹状態ではtoo much
☆7ブルドネージュ、ガナッシュ
★7コーヒー
★7.5ハーブティー
カモミール、ミント、ドライフルーツ。ほのかに甘い香り&味がいい感じ。
エントランスのアプローチ。イタリアの片田舎のようなとってもいい感じで期待感高まる♪
シンプルな内装の店内。奥の部屋は、席が広くて超快適。
エントランスもメニューもトイレも。手作り感にあふれててカフェみたい。ここならではの良さが印象的。
黒板メニュー。見慣れないカタカナの料理が並ぶ。お聞きすればソムリエの方が丁寧に説明してくださる。
イタリア全土の郷土料理を並べているそう。
特に前菜が本当においしくて大満足^^!
メニューが大きく変わるのはシーズンごと。あとは仕入れによって毎日ちょこちょこ変わるそう。
ぜひまた行って、いろんな地方のさまざまな料理に挑戦したい。
★7 突き出し
「バッカラディマンティカート」という干し鱈を牛乳などで練ったものをシュー生地に詰めた料理。
★9 リコッタ・ディ・ブッファラとトマトのパーネ・カラザウ \1800
美しく洗練された盛り付けにまず、心奪われる♪
サルディーニャ島の料理だそう。
パーネ・カラザウ:サルディーニャの伝統的なパンだそう(Wikiの説明)。
今回いただいたものはコーンフレークに近い感じにアレンジされていた。
本場ではコンソメに浸して食べるそう。それにならって、下に隠れているトマトのクーリに浸して食べるように言われた。
雪の結晶のように散らしているのがペコリーノ。フレッシュでぜんぜん臭みがない。
☆9下に隠れている生トマト:甘くて絶品
生ハムもたっぷりと。
いろんな素材が入っていて、ひとくちひとくち違う楽しさを味わえる。しかも本当においしかった☆
★9 ホワイトアスパラガスの温玉添え サルサヴェルデ \2200
ホワイトアスパラはフランス産。
サルサ・ヴェルデ(作り方)。ヴィネガーの強めの酸味が利いてて絶品☆
前菜、2品続けて絶品だった^^!
★7 生ウニのトマトクリームソース タリオリーニ
タリオリーニ。卵を使った平打ちパスタ。ピエモンテ州で人気のパスタだそう。
少量のバジルのソースが絶妙なアクセントになって、この一皿を少し軽めにしている。
★8 米沢牛イチボのビステッカ レモンのモスタルダ添え
内ももから腰にかけてのメス肉。低温調理。70~80℃で1時間オーブン出し入れを繰り返したそう。
イチボ、厚さ2センチくらい、たっぷりの量を贅沢に。
内側はきれいなピンク色。見た目通りレアに近いおいしさ。
☆9 モスタルダ
写真左上のソース。マスタード、レモン、松の実でつくったソース。軽い酸味でとてもおいしかった。
☆6 のとむすめという大根 写真右のピンクの野菜。硬くて味気ない。
最後のイチボががっつりで、ここでおなかが重くなったのでドルチェはパス。
ドルチェメニューにもイタリアの代表的な郷土菓子が並んでいた。
7位
1回
2013/05訪問 2013/05/17
渋い木目調の厳かな店内。
いかにもおいしそうな、洗練されたスイーツが並んでいてテンションがあがる♪
サダハル・アオキをはじめ、高級感があって洗練されたおいしいスイーツのお店の多くが放ってる雰囲気。
★9 キッシュオニオン \380
飴色玉ねぎが甘くて絶品☆
ごく薄のさくさく生地。
計算しつくしてこの薄さにしたんだろうなってくらい、飴色玉ねぎとのバランスが抜群。
★8 タルトシトロン \330
「濃厚かつ爽やかなレモンタルト シェフおすすめ」
小惑星のような見た目が芸術作品みたい。
焼き色のついたメレンゲには金色の粉がかかっているのがまた美しい。
メレンゲ・レモンクリーム・タルト生地。文字通り濃厚かつ爽やか。
★9 キャラク \150
「カカオマスのほろ苦さにサワークリームの酸味を加えてV.S.O.P.を染み込ませて」
ふわっふわなチョコレートのスポンジのようなお菓子。
口に入れたとたんV.S.O.P.の高貴な香りが広がる。
ふわふわな食感。きめ細かくて絹のような口どけ。
ショコラも濃厚で甘さ控えめ、サワークリームが入ってるのはよくわからなかった。
最寄りの都立大学駅から900メートルくらいあるけど行ってよかった♪
(目黒駅などから出てるバスがこの辺を通っている。)
8位
1回
2013/04訪問 2019/01/25
素材の味を引き出すシンプルな料理に徹している。
春の草は独特の苦み・えぐみはきれいに抜き取られて、素材のうまみだけが引き出されている。
味付けは、素材のおいしさを一番いいところで引き出す、絶妙な薄味。
すべての料理、一皿一皿に春を感じる素材が入っている。
料理とは季節を味わうものであり、旬のものしか使わないからだそう。
派手さはないが、シンプルで滋味深い純正統派日本料理。
こちらを訪れる前に、お弟子さんのお店、星野、くろぎに訪れた。
くろぎでは、西氏の教えを受け継ぎながらも独自性を加えている一方、星野では、西氏の教えを忠実に受け継ぎ、京味の料理を忠実に再現していると思った。
京味。料理の素晴らしさだけでなく、背後にある歴史の重み、西氏やお店自体のオーラなどもどっしりと伝わってきて、その重みが京味の魅力を何倍にも膨らませているように感じた。
この重みの背後のある何かの正体はなんだろう、と京味について、西氏について、もっといろいろ知りたくなる。
私はあえて、まっさらな状態で伺った。
逆にもっといろいろ調べてから行ったら、今回とはまた違う感動があったと思う。
重鎮西氏。
西氏の料理を味わえたこと、そしていろいろと会話ができたこと、非常にありがたく、得難い経験。
今回の代金40000円程度は料理のみでなく、同時代を生きる人間国宝のような方と時間を共にする経験、今走っている和食史に立ち会うことへの対価も含まれている感覚。
私たちが伺ったお話、こちらのインタビューにもわかりやすくまとまっている。
オーラや怖そうなイメージに反して、辛口ながら笑いのセンスあふれる方。
他の料理人の皆さま(5人弱)の監修をしたり、ちょこちょこご自身も料理したり、お客と話をしたり、そして洗いものまで!!
オーラに反して偉ぶったところがなく、超一流の人はこうあるのかって改めて頭が下がった。
だんだん慣れて怖くなくなってくると、おそれ多くもかわいくすら見えてくる茶目っけもある方^^
★ 3種盛り
☆9 ふきのとう
えぐみ・苦みが完全に取り除かれ、風味だけが残っている。ものすごい技術に最初から驚愕!
☆8 氷魚(ひうお) あゆの稚魚
お酒のつまみ風に味の濃い発酵食品になってる。チーズみたい。
☆7 ぐじのお寿司
ぐじ、ほのかにピンク色。酢をしっかり利かせた硬めの米で。手鞠寿司風。
★8.5 豆腐田楽 木の芽の味噌
箱のような器に入っていて、風流なピクニックみたい。
木の芽の入った緑色の味噌。春を感じる。
木の芽独特のえぐみは見事に取り除かれ、すっきりと甘い仕上がり。
★8 グリーンピース
1センチ弱のつぶがたくさん。大きさがみんなそろっている。
テーマは、豆のまったりした味を存分に楽しむことにあるように思えた。
透明なすっきり甘い出汁に入っている。
★6.5 たけのこ
ぱっと見太さ15センチ、長さ40センチほどありそうな大きなたけのこを、2時間ほど直火焼きしたそう。
皮は真っ黒、中から見るからにジューシーなたけのこが切り分けられて、シンプルにいただく。
ちょうど今だけは、新たけのこが出てきてえぐみがない時期なのでシンプルな調理でOKだそう。
自然の恵みを堪能する幸せ。ただ、正直私にはうまみがそれほど感じられず味気なく思えた。
★8 しらうおとこしあぶらのフリット
個体の大きな白魚のフリット。軽くさくさく。
西氏の愛弟子(若干32歳)のお店、星野でも同じものをいただいた。
私には差は感じられなかった。
こしあぶら。いかにも春の草っぽい味。こちらもえぐみは取り除かれている。
★刺身
☆10 鯛と塩昆布
塩昆布を鯛のお刺身で巻いたもの。シンプルに、ものすごくおいしかった。私の中では今日の一番。
☆8.5 かつおのたたき
軽く、素材の良さを引き出す絶妙な塩梅でづけにされている。
ありえないくらい細かく刻まれた、繊細な口当たりのネギを上に乗せて。
★7 おこぜの唐揚げ 塩と天つゆで。
先ほどの軽いフリットとはうってかわって、硬い衣がしっかりついているのでざくざくした食感。
おこぜ、鱧のような見た目、味。
ししとうとウドのきんぴらが添えられている。
★7.5 おこぜの肝焼き 鶏レバーをさっぱりさせたような味。しょうゆベースのタレで。
★7 たけのこの直火焼き、鯛のたまご、蕗
たけのこ、再び。あり得ないくらい繊細に細かく削られた鰹節、木の芽とともに。
☆8.5鯛のたまご。ほのかなピンク色。しっかり焼かれたたらこのような食感。甘みの強い優しい味。
★7 海老真丈 ふわふわ。
★7 蓮根饅頭のあんかけ
蓮根、でてきたばかりの新物だそう。もともとの素材は見たこともないほど真っ白。
表面だけかる~く揚げた饅頭の中にはちょこっとウニが入っている。
蓮根だとは言われないとわからない。じゃがいもに近い甘さ、なめらかさ。
★9 ひしがに(=わたりがに)の身と卵
やわらかい身は酢漬けで。卵は硬いけれどコクがあり、たっぷりなのがうれしい!
身の方はくろぎの香箱蟹にそっくり!
添えられたわらびのわさび酢づけ。わらびがこんなにもおいしくなるのかとびっくり。
わさび酢づけ、こちらも素材の良さを絶妙に引き出す薄い味付け。
わらび本来の粘り気がしっかりあるのもいい。
★7.5 たけのこの炊き込みごはん
今日3回目のたけのこ^^たけのこはごく薄切りで細かくたくさん入っている。
この炊き込みごはんで食べたたけのこが、今日一番ジューシーでやわらかくておいしいと思った。
★7 木の芽と塩のごはん
超シンプル。木の芽のみじん切り(こちらもありえないくらい細かい)と塩を白米に。
この木の芽。山でつんできて、香りの強い部分(花の周り)のみを使っているそう。
材料の木の芽自体の香りもはんぱなかったし、ごはんを口に含んだ時も木の芽の香りがふわっと広がった。
私は木の芽があまり好きではないけど、この香りごはんはいいなと思った。
いいもの、新鮮なものを使っているからかも。
★7 つけもの こちらも絶妙な薄づけ。
☆9きゅうりが絶品。
甘味はくずきり、わらびもち、ぜんざいから選べる。
くずきりはくろぎで、わらびもちは星野で、とすでにお弟子さんのところでいただいていたので、今回はぜんざいをチョイス。
★7 ぜんざい
あずきの豆の味をしっかり感じさせようとしているのかなっていう一品。
冒頭のグリンピースと同じ思いを感じる。
お会計は掛け。後日請求書が予約者のところに送られるしくみ。
完全紹介制ならではの、古来の伝統を受け継いだスタイル。
帰り際。豪雨だった。西氏とお弟子さんは、今どき撮影などでしか見ないような伝統的な日本傘をさしながら、私たちが見えなくなるまで見送ってくださった。
なんだか大正時代にトリップしたかのような不思議な満足感で、私の京味体験は締めくくられた。
西氏、素晴らしい和の文化を体現されている方だと思う。人間国宝のように。
そしてその文化は32歳の星野氏が忠実に継承されている。
一人の日本人としてこの時代に生き、西氏の料理とお話を楽しめたこと、星野氏・黒木氏に受け継がれていく過程を楽しめたこと、なんともいえない感慨深さ。
9位
1回
2013/03訪問 2013/04/01
ずっと行ってみたかったあこがれのお店。
またとない幸運、常連さんが焼き場をしっかりと見ることのできる特等席を押さえてくださった!!
店主、時間をかけてじっくり丁寧に焼いている。
まるで1つ1つの作品を丁寧に作っているような、1つ1つ大切に育て上げているような、まごころのようなものがこちらにも伝わってくる。
焼き場は店主のみが担当。
串打ちは基本的に、真ん中が大きく、端にいくにつれ小さくなる。
真ん中が一番火が強いので、均一に火を入れるために計算してこの大きさにしているのだそう。
火入れ、たしかにどの串も均一、外側はしっかり&内側はレアに近い絶妙な火入れ。
全体的にやわらかい食感に出来上がっている。
すごい技術。。
焼き鳥のようなシンプルな料理、差がつくのって素材と技術のみに思える。
なのにここまで他を圧倒する仕上がりになるって、本当にすごいことだと思う。
サイドメニューはお弟子さんが作っているようす。サイドメニューまでもが、どれもぬかりなくおいしかった。
今回は、ぜひ食べてみたかったちょうちんと合鴨を入れた上で、希少部位もあるお任せコースで。
★7 お通しのお漬物 優しい味。
★8 正肉
最初は正統派のこちら。奇をてらわない、オーソドックスな絶品。
最初からのかなりのレベルの高さに期待が相当高まる♪
★7.5 ささみ
表面はきっちりあぶって、中はレアに近い感じ。
わさびをかなり利かせている。
★8 白玉
うずらの卵。外側の白身はぷりっと、中の黄身は半熟の部分と火の通った部分と。
程よい塩加減。
★7 つくね こちらも中はレアに近い火入れ。
★7 はつもと 心臓の付け根の大動脈の部分。
管の部分、やわらかくてぷりっとしていておいしい。
脂が乗っているような味だけど、管なのでそんなことはないはず!?
★6.5 ぎんなん 苦味をのこしている。ぷっくりした食感。宝石のような色合い。
★8.5 血肝 見た目どおり、血とレバーの味が濃い。インパクトがある。
★7 軟骨 軟骨にくっついた皮の部分が香ばしく焼きあがっていておいしい。
塩をしっかり利かせているのが合う。
★7.5 腰の皮 脂がしっかりと乗って、もっちり。
★合鴨
☆8.5 塩コショウで
☆7.5 わさびで
鴨ってなんでこんなにおいしいんだろうって改めて思わせる。鴨のおいしさを堪能できる一品。
★10 ちょうちん
最後の串が最高!!ここにクライマックスを持ってきてる☆
串の上から、卵、レバー、卵管。
卵は見た目どおりの濃厚さ。表皮がかなり厚くかたく、口の中でぷっちん、ってはじける。
卵管もぷりっと厚めの食感。
★9 親子丼(ハーフ) 鳥スープつき。
いつのまにかお弟子さんが作ってくださっていた。
卵は濃厚でとろとろ。肉はやわらかくレアに近い火入れ、と鳥しきの特徴を集大成したような絶品親子丼。
今までの人生で食べた親子丼の中で、一番おいしかったかも♪
ご飯の上、具の下にたっぷり敷かれたのりまでがとてもおいしい。鳥の脂などをしっかり吸っているからだそう。
店主のキャラもいい。人見知りそうに見えて笑いのセンスのある方^^
話しかけにくい雰囲気だけど、質問すると誠意を持って丁寧に答えてくださる。
これだけの感動があって、お会計はたった24900円/4人。最後にまた感動する。
ここまでの人気店でありながらこの良心的な価格、店主の人柄が表れている気がする。
お弟子さんが5月頃2号店を開くそう。
そちらでは、ここではできなかったことをしたいということで、鶏レバーのパテ、カルボナーラなど、洋の要素を取り入れていくそう。
行くしかない♪サイドメニュー、こんなにも絶品なのだから^^!
10位
1回
2013/04訪問 2013/04/14
通された個室はプライベート感たっぷり&ゴージャス。束の間、ヨーロッパの貴族になった気分♪
やっぱり個室って最高☆
サービスも丁寧。他にお客様がいらっしゃらなかったせいもあり、手厚いおもてなしをしてくださった。
支配人相澤氏、とってもおしゃべり。サローネグループのことなどいろいろお話くださった。
芝先シェフもしょっちゅう来てくださってよくしゃべる。料理のこと、食材のこと、いろいろ教えてくださった。
女性も親切。ズッパなんでこんなにおいしいの?って疑問を投げかけたら、わざわざシェフにお聞きになって、メモまで作ってくださった。
どの料理も上品でおいしい、そして美しい。お店の雰囲気とマッチして料理も貴族的。
2012年5月から芝先シェフ。今のシェフになって何より特徴的なのが、盛り付けの美しさだそう。
さすがフレンチ(ミクニ)出身のシェフって相澤氏がおっしゃっていた。
サローネグループにはこんなしばりがあるそう。
イタリア郷土料理の組み合わせ以外は×。
郷土料理をベースにシェフのアレンジで再構築したものを出す。
なので例えばしいたけなど、日本独自の食材は使わない。
いただいたのは5000円のランチコース。ランチだねって言われてしまうものは作らない。
むしろ5000円だからこそできるものを(おいしくても安価な食材は、値の張るコースでは出せないので)っていうコンセプト。
コースは月替わり。蛸のロートロ(パスタ)とストゥファート(メイン)は定番で毎月出しているそう。
★7.5 定番のシチリア産の塩とオリーブオイルの焼き立てのパン
シチリア産オリーブオイルは柑橘の香り。まず最初に香りを楽しむためだそう♪
塩がもう少し弱かったら、もっとオリーブオイルと小麦の香りを楽しめたと思う。
パンは白パンのようなやわらかさ、やさしさ。
自家製フォカッチャっておっしゃってたけど、フォカッチャとは別物に思えた。おもしろい^^
★6 浅野ファームからの野菜の一品
野菜に哲学を持つ浅野氏のファーム。
シェフたちも現地で実際に食べてみてるそうで、採れたての野菜のおいしさは格別だそう。
たぶん素材本来の味を楽しんでほしいってことで、生でそのまま出しているものがほとんど。
なので野菜本来の硬さ・苦みなどをしっかり残しているものも多く、口に合わないものも。
印象に残った野菜:
☆5 クリーム人参(写真手前)
いかにも甘そうなネーミングに期待大。でも実際は硬くて甘みやジューシーさの少ない野菜だった。
☆7.5 アランカブ、ムラサキシキブっていう菜の花の茎(写真中央でくるっとなっている緑の茎)
ジューシーでおいしかった!
調味料は、ヒマラヤのピンクソルトの厚めの板・パンにも使われていた柑橘風味のオリーブオイル・黒オリーブのパウダー・バルサミコのゼリー。
ピンクソルトの板の上に野菜を置き、オリーブオイルを上からかける。
2分くらいすると、岩塩の味が野菜に移っていい感じの調味料に^^
☆7.5 黒オリーブのパウダー いい感じのアクセントになって一番おいしかった。
★9ズッパ以降はゴールドのお皿で。イタリアのブランドIVVのものだそう。
きらきらしててかなり好き。もう1つの部屋(2組収容)では赤、カウンターでは黒を使用しているそう。
★8.5 本日のZuppa
ひよこ豆のスープに、ミルクの泡・カリカリのパンチェッタ(ベーコン)・黒いのはローズマリーのオイル。
「混ぜずに召し上がってください」と相澤氏。
たしかに混ぜない方がずっといい♪いろんな味の組み合わせを楽しめる。
ひよこ豆はあまり好きではない食材。でもこのスープはものすごくおいしかった。って女性スタッフに伝えたら、わざわざシェフに聞いて作り方と材料をメモしてくださった!
そのメモを見ると、おいしさの秘訣は香味野菜(玉ねぎ・人参・セロリ)、生クリーム・鶏のダシ・オリーブオイルにありそう♪
★8 蛸のロートロ
蛸のボロネーゼ・ズッキーニのソテー・ベシャメルソースをパスタで巻いている。
下には白いんげん豆のソース、トップにはオレンジピールを揚げたもの。
蛸のボロネーゼとオレンジピールの相性が本当によい。
★9 本日のパスタ
ラガーネ、という幅広め、厚めのパスタ。
具材は、黒キャベツ・へーゼルナッツ・コイアリーナ?(豚を白ワインビネガーで煮込んだもの)・バルサミコに漬けたレーズン・スペック(生ハムの燻製)など。
下にはキクイモのピューレ。
ズッパと同じで、どの部分を食べるかで、口に入る食材が変わってくるので、味の変化を楽しめる。
しかもどの食材の組み合わせも相性がよくて、本当においしい。
私の中では今日の一番。
★7 豚のストゥファート
仔羊のストゥファート、こちらの定番料理だそう。
☆8トマトのソースで。
トリッパ・パルミジャーノレッジャーノ・イタリアンパセリなどとともに。
65℃で8時間蒸し煮。
豚は低温で火を入れると甘みの出る素材。なのでこの調理に向いている。
でもディナーだと、仔羊に比べて原価を落としたと感じる人もいるので出しにくい。
なのでランチコースならではの貴重な一品だそう。
ストゥファート。蒸し煮。もとは石油ストーブの上で作った郷土料理だそう。
焼きとも煮込みとも違う食感を楽しんくださいっておっしゃってた。
とろっとろでやわらかく、脂がしっかり乗っていておいしかった。
家庭でも炊飯器に65℃のお湯を入れて保温しておけば、限りなく近いものができるそう。
★8.5 本日のデザート チョコレート・ゴマ・コーヒー
2層のチョコレートムース(硬さ・軽さ・味の濃さの違いはくっきり)・チョコレートの薄い板・ゴマのアイスクリーム・ゴマのチュイル・斜めに引かれた直線はエスプレッソのソース。
幾何学的な盛り付けがモダンアートみたい。
口当たりは軽いのに、味はしっかりとした濃さがありきりっとしていて、甘さは控えめ。
とても上品でレベルの高いスイーツ。
★5 プティフール パローネ
フルーツタルトをフードプロセッサーで砕いて、丸めて冷凍したもの。
一瞬これなんだろう?って思う楽しさはあるけど、私はおいしいとは思わなかった。
なので個人的には無い方がよかった^^;
★7 コーヒー
毎月前月メニューの料理教室をやっているそう。
シェフが作っているところを見ながら質問し、最後に試食、レシピもいただけるスタイル。
毎月やってきて勉強なさっている若い料理人の方もいるそう。
サローネグループは、QUINTOCANTO(クイントカント) という新しいリストランテを大阪に近々開くそう。大阪のお客様の要望にこたえて。
大阪ってイタリアンが強い街だと私は思う。
サローネグループがどう健闘していくのか、とっても楽しみ♪
2013年度前半は、自力ではなかなか行けない貴重なお店にマイレビュアーさんに連れて行っていただき、充実した食べログライフを過ごした。
後半は食べ歩きからも食べログからも遠ざかった生活スタイルになった。
食べ歩きと食べログは、今後も細々と続けて行きたい。