セルジさんが投稿したカンテサンス(東京/白金台)の口コミ詳細

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移転カンテサンス白金台、目黒/フレンチ

1

  • 夜の点数:5.0

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.5
      • |サービス 4.5
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 3.0
      • |酒・ドリンク 3.0
  • 昼の点数:4.5

    • ¥10,000~¥14,999 / 1人
      • 料理・味 4.0
      • |サービス 3.5
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 3.5
      • |酒・ドリンク 2.5
1回目

2013/04 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.5
    • | CP3.0
    • | 酒・ドリンク3.0
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人
  • 昼の点数:4.5

    • [ 料理・味4.0
    • | サービス3.5
    • | 雰囲気4.5
    • | CP3.5
    • | 酒・ドリンク2.5
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

ディナーとランチ、両方伺ってみて見えたこと。

2013/4 ランチ訪問

カンテサンスでは、事前に全員の来店履歴を尋ねる。
各テーブルごとにお任せコースを作っているなか、一人でも食べたことのあるメニューは原則的には出さないっていう素晴らしいホスピタリティから。

なので前回のディナーと今回のランチ、メニューは違った。
でも基本的な流れは同じ、ポイントポイントに共通点(ミルク系のデザートにピスタチオのドラジェ入れたり)。
構成の枠は決まっていて、中の部品だけ変えてってるイメージ。
スタイルがしっかり確立されているんだなって思った。

ディナーとランチ、両方伺ってみて思うこと。
食後のイメージは、ディナーの方が断然よかった、ディナーで訪れないとカンテサンスの真価はわからない、だった。

でも今になってディナーとランチ、冷静に比べてみるとこう思う。

一品一品比べるとディナーとランチで差をつけている気がしない。
ならなんで、前回のディナーの方が断然印象が良かったのか。
①ディナーはランチと比べて、値段も品数も倍。
なので大きく感動する料理(★9をつけている料理)に出会う確率も倍。
大きく感動する料理の数が倍になれば、感動は何倍にも膨れ上がる。
②今回のランチには特有の制約があった。
・同席した6人中5人が再訪、2人は常連さん。しかもみんな訪問日がばらばら。
 なので出せるメニューにかなり制約があった。
・あらかじめ鴨を用意してくださっていたのにかかわらず、当日こちらの都合で急きょ仔牛に変更されることになり、本領が発揮できなかった可能性が高い。仔牛がいまいちだったことが、大きく印象を変えてしまった。
また、ランチは心地よい量、ディナー量が多すぎて苦しくなる。

こうやっていろいろ冷静に考えてみると、ランチ訪問の方がいいなって結果的には思った。
直感と分析結果がぜんぜん違う。

★6 温州みかんのジュース(季節もの)
かなり独特の味。酸味はほとんどなく、ねっとりとした甘さと苦みがある。

★8.5 バター、ミルキーでとてもおいしい。A.O.C.の3銘柄のうちの1つ、グランフェルマージュのもの。ポワトゥーシャラン県産発酵バターだそう。
パンは前回ディナーと同じもの。

★7 テット・ド・コションと豚足のスープ
テット・ド・コション、豚のあらゆる部位の煮凝り。コラーゲンたっぷり。
地鶏のブイヨン、細かく刻んだフランス産モリーユ茸とともに。
脂がしっかり入ってコクがある。アミューズにしてはかなり濃厚で重ため、なのでインパクトがある。

★8 塩とオリーブ油が主役 山羊乳のバヴァロア
前回ディナーでもいただいたスぺシャリテ。
素材は日々の温度などに最適なものを吟味して、日々違う産地のものを使っているそう。
ただ、記憶の限りでは前回と同じ。説明見た目も前回と同じ。

実際に食べてみると。
前回は驚きと感動が残る忘れられない一品(★9)だったのに対し、今回はとてもおいしい一品にとどまった。
なんでだろう?私のコンディションがいまいちだったのか、今日の素材のコンディションが前回ほど抜群ではなかったのか。。?

★9 桜と牡丹のアスパラガス・カナッペ
パートダマンド(アーモンド・卵などで作ったパイ生地のようなもの)には、24時間熟成させたコンテチーズを合わせる。そして見るからにみずみずしいアスパラガスが大きな存在感、トップには北海道産甘エビと静岡産さくらえび。

アスパラガスとえびが純粋にとてもおいしいけれど、単体だとひかえめ。
一方パートダマンドは熟成チーズがしっかり利いているのでかなり強い味。
全部一緒に食べると、絶妙なバランスで絶品。バランスを考え抜かれて作られていることを痛感。

★8.5 下田の金目鯛 黄ピーマンとバジルのソース
金目鯛。300℃で火入れ。皮はぱりっとした食感、鯛の香ばしい香りがしっかり☆
身の部分はほぼレアな火入れ。見た目も味も感動モノ!
お刺身の良さを最大限引き出すために絶妙にちょっと火を入れている、というかなんというか、そういう味。

ソースは、バジル・レモンのコンフィ・魚介のダシ・パプリカ。南仏の初夏をイメージしているそう♪
スナップエンドウは食感をしっかり残している。

★6 ラングドック産仔牛の2時間ロースト
草を食む前の乳飲み仔牛。解禁後初、8年ぶりに輸入したそう。
ほどよくジューシーだけど、硬め。うまみがない。。今までいただいてきた料理の数々と明らかすぎる格差。
超一流レストランカンテサンスでこんな料理が出てくること、一同衝撃を受けた。

なんでこんなことになってしまったのか、思わず考えてしまう。

カンテサンスでは、事前にひとりひとりの食材の好みなどを聞いたうえで、各テーブルごとのおまかせコースをあらかじめ組み立てている。
にもかかわらず今回は当日急遽、肉は豚と牛以外は苦手な方がいらっしゃることが判明し、あらかじめ用意されていた鴨ではなく、仔牛を用意してくださることになった(塊で焼くので一人のみの変更は無理だそう)。
コースを事前に綿密に組んでくださっている中当日突然の変更。
さすがの岸田シェフもそこまでは対応しきれなかったのかと思う。

もしくは、岸田シェフの繊細な火入れは、鳥類のようなきめ細やかな肉質の食材には向くけれど、牛や豚といったきめの粗い食材には向かないのかもしれない。

また、フランスに住んでいたことのある同席者はこんなことを言っていた。
「仔牛って本来はもっと硬くてうまみの少ない食材。なので、仔牛をここまでやわらかくジューシーに仕上げるってすごいことだと思う。仔牛に対する概念が変わった。」
そもそも仔牛自体がおいしくない食材なのかもしれない。

つけあわせ。左上のなすは、皮が真っ黒になるまで焼いた後、中の部分だけ取りだしたそう。
小松菜の菜の花、京都産新たけのこなどとともに。

★7.5 ヌガー・グラッセ
シェフのアレンジで再構築。ヌガー・グラッセを-40℃の冷凍庫に入れ、牛乳で溶かしたそう。
前回と同じく、ピスタチオのドラジェが入っている。

全然ヌガー・グラッセっぽくない。むしろ氷の粒感を残した練乳のシャーベット。
しっかりした甘さとさっぱり感が両立してる。おいしいし量もたっぷり♪

★9 サヴァランのキャラメリゼ
もうちょっと甘いものが食べれたらなって思ってた時、絶妙なタイミングで現れた一品♪
焼き立てのサバランに、ミルク・ラム酒(軽めに)・アーモンドパウダー。
トップにはソテーしたパイナップル。
サバランっていうよりフィナンシェ。コクがしっかりあって本当においしい。

最後。クオリティの高いコーヒーが出てきて、ランチはプティフールなし。

帰り際。
ランチの最初にお願いしたメニューのコピーをいただき、岸田シェフのサインまで全員いただいた。
今回サービスしてくださったのは、マネージャー小澤氏。
細やかなお気づかいが随所に垣間見られる、スマートなサービス。
一流のプロのサービスってこういうものなのかなって思った。

いろいろと本当にありがとうございました。

2013/2 ディナー訪問
タイトル:いろいろな発見、感動、楽しい時間。かけがえのない一夜になりました。


長い間、東京で最も行きたいレストランだったカンテサンス。
2/13当日急遽、美しき女神が手を差しのべてくださった。
長年の夢が実現するチャンスは、ある日突然やってくる。
実際行ってみて、あこがれはかけがえのない思い出となった。

8年前、大阪のラ・べカスに行った時、ソムリエの方がとても親切にしてくださったことをよく覚えている。
そのときのソムリエが、こちらの市村氏。
8年ぶりなのに、あのときのあの方ですよね!?とお声がけくださった。さすが一流のプロ。
いろいろと感動する一夜だったけれど、個人的には市村氏とこんな形で再会できたことも大きな驚きだった。

料理、特にスぺシャリテのおいしさが忘れられない。
全部で13皿、私には多すぎ最後は食べきれなかったのが、今思い返しても残念すぎる。。。
今度はぜひランチで、最後まで料理を堪能してみたい。

どの料理も、最初に長い解説がある。
1つ1つの素材を厳選し、かつ絶妙な状態で出すために、ものすごく手がかけられていること、お話を伺うとよくわかる。
伺うことで、経験値が低くても料理のありがたみが理解でき、感動が一層増す。

プレゼンテーションもとても好きだった。
若干現代スペイン料理の要素も感じさせながらも、和の要素も取り入れていて。
写真が撮れないのが本当に残念だった。


最初、石のお皿のプレゼンテーション。
私は黒、相方は茶色。どちらもとっても美しく、ほどよく和を取り入れている。
最初から心をつかまれ、期待感が高まる。

★6.5 JUS de RAISIN
コニャックを作るぶどうで作っているそう。微発泡でやや甘め。
偶然傳でもビストロ間でもいただいたジュース。メジャーなのかな?

アミューズ:2品
★8 しいたけのスライスにポルチーニの粉をまぶしたもの
・原木しいたけ。岐阜県のしいたけブラザーズが栽培したものらしい。
ポルチーニの粉もしいたけも濃厚な味。しっかりきのこの味を引き出しながら遊び心もたっぷりの一品。

★7 ホウレン草ベースの冷製スープにうになどが入ったもの
・京都産ホウレンソウに魚介のダシ、焦がしバターを加えたジュレ
・函館産(橘水産)の生うに、たらのめ、こごみ、ギョウジャニンニク(希少な山菜らしい)
塩気多めのうにがアクセントに。比較的さわやか。

★7 パン 
・メゾンカイザー ライ麦20%
粉の味がしっかりしてる主張のあるパン。

前菜:4品
★9 スぺシャリテ:やぎのミルクのババロア
・あくまで主役はオリーブオイルと塩、という演出。
・オリーブオイル:ブレンドする時期に合わせて最適なものを使っている(スペイン産・フランス産など)
・塩:ゲラント産の天日塩、フルール・ド・セルだそう。
・やぎのミルクのババロア:京都保津川の地域から毎朝必要量が輸送されるので、品質が安定している。
・トップにはマカダミア・ユリ根。
ババロア、フレッシュでやぎのミルク特有のくさみがゼロ。
ほんの少し酸味のあるババロアや塩・オリーブオイルと一緒にいただくと、マカダミア・ユリ根は甘みのアクセントにすらなっていた。食感のアクセントもいい感じ。
オリーブオイルと塩が主役、と伺ったけど、私にはあくまでババロアが主体に思えた。
でもこう伝えられると、オリーブオイルと塩の風味もよりしっかり感じ取ろうと思うので、より料理の深みを感じられる。さすがの演出だと思った。
やぎのミルク・ユリ根の苦手な私ですら、本当においしいと思った。機会があったらぜひまた食べたい。

★8.5 ブラウンマッシュルームのケーク・サレ
☆9 塩味のほどよいケークサレが絶品!2年熟成されているパルミジャーノ・レッジャーノを利かせているそう。
トップには、ブラウン・マッシュルーム(味のよい、中側のみを使っているそう)・北海道産アオヤギの小柱・ケッパー・ハーブ

★9 アーティチョークのベニエと焼き穴子
・南フランス産のアーティチョークを小麦とビールのベニエ
・穴子は小ぶりで味が凝縮されているもの。
1つは直火焼き・1つは蒸し焼き、味のコントラストが明確。ローズマリーのソースで。

★7.5 ブーダン・ノワールとりんごのタルト
・スぺシャリテ?
・ブーダン・ノワールのペースト。血が固まらないぎりぎりの温度でじっくり火入れしているそう。
 香味野菜を入れている。甘くてやわらかいペースト。口当たりは軽いので最初は軽い印象。
 でも食べ進むにつれ、ブーダン・ノワールの重さがきいてくる。
・ブーダン・ノワールに火入れした後、ブーダン・ノワールとりんごのタルトをオーブンで焼いている。
・鴨のフォアグラがソースがわり、という贅沢さ。こちらはオーソドックス。
・塩でキャラメリゼ(っていうのかな?)したピスタチオがアクセント的に添えられている。

メイン:2品
★8.5 のどぐろ
・ジューシーに仕上げるために、半身を塊で焼いている。
・トップには、ふきのとうの新芽・あさりのだし汁の泡・イタリアンパセリ・高知産フレッシュトマトのソース
・付け合わせのキャンディキャベツは、塩・バターを加えて火入れ。
のどくろ。レアに近い内側の色が美しい。いろんな映像で見た通り。やわらかくジューシー。
有名な神の火入れ、やはり圧巻だった。
☆9ポイント的に振られているほどよい酸味のトマトソースが軽くて絶品。さわやか。

★9.5 ラカン・ビジョン
☆10提供するタイミングに合わせ、1分オーブンで焼き、5分休ませる、を2.5時間繰り返したそう!!
1テーブル(2人)で1羽。この作業を各テーブルごとに繰り返しているなんて、気の遠くな凝りよう。。
最高の食材を、最高の技術で味わう、あまりにも贅沢な一品。
これが芸術っていうものなんだな~とため息もの。。
鳩はもともと大好きな食材。それでも今まで食べてきた鳩とは一線を画すおいしさ。
こんなにもやわらかく、こんなにもなめらか。そして見事なまでに均一な火入れ。
・付け合わせは、サフランで味付けしたブルガー小麦・カブ・ポエム(アスパラと菜の花をかけ合わせた野菜
・ソースは、焼き汁に30年物のシェリー酒を加えたもの。
本当に残念だったのが、もうお腹いっぱいで完食できなかったこと。。
今思い返しても、無理してでも全部食べておくべきだった。。

デザート:4品
★6.5 ピチビエ
・ガレット・ド・ロワのこと。2/13にガレット・ド・ロワと呼ぶのは時期はずれで恥ずかしいそうで、ピチビエと呼んでいるそう。
・ガレット・ド・ロワをシェフ独自の解釈で、再構築したクリーム状のデザート
・クリームには、きざんだアーモンド・卵黄・バター
・トップにはクラッシュしたパイ生地
・中には半分にカットしたピスタチオのドラジェ
小さなグラスに少量だったけど、これだけたくさん食べた後だと、クリームが濃く重たかった。

★7.5 キンカンのコンポート
キンカンの皮のコンポートを飴でコーティングしたもの。中にはマスカルポーネのムース。
ちょっとさっぱり。もっとお腹に余裕があるときに食べたら、本当においしかったと思う。

★8 へーゼルナッツのケーキ
・へーゼルナッツをローストした粉末の入ったスポンジとパイが層になっている
・トップはカラメリゼ
・牛乳のジャムが添えられている

★9 スぺシャリテ:メレンゲのアイスクリーム
・メレンゲをくだいて、牛乳・クリーム・海水を加えたアイスクリーム
・テーブルごとに1ポットずつ作っている、というこだわりよう。
これも絶品。練乳のような濃厚さだけど、味はしっかりメレンゲ。
アイスクリームなのにジェラードのような軽い食感なのが不思議。

★7 レモングラスのハーブティー
★6 プティフール:DOMORI社のホワイトチョコレート 黒ケシと白ケシをまぶしたもの
DOMORI社はミラノ近郊にある。いろんなタイプのチョコレートにそれぞれ合うカカオを、それぞれに合う産地世界中で作り、収穫サイクルに合わせてチョコレートを作る、というとんでもないこだわりの会社だそう。
こちらも話を聞くとありがたみが増す。
けれど実際に味わっても、すでにこれ以上甘いものを受け付けられないコンディションだった素人の私には他のホワイトチョコレートと違った格別感はわからず^^;

最後に岸田シェフ登場。ここまで人気になっても、客ひとりひとりと挨拶してくださるなんて。。
岸田シェフ、テレビなどで見てかわいらしいイメージを持っていたけれど、実際にお会いしたら、オーラと貫録のある方だった。さすが。

友人から預かっていた質問をしてみた。
質問:
「スーシェフは軒並みミシュランの星を獲得されていますが(フロリレージュ、エクイリブリオ)、
 後進育成に何かしら重要視していらっしゃることはありますか?
 もしくは、センスのよさそうな方を採用していらっしゃるのですか?」
岸田シェフの回答:
「そもそも最初から才能のあるシェフを採用している。
 後進育成にも力を入れている。理念がいくつかあって、それを伝えるようにしている。
 カンテサンスで働くからには、独立してすばらしいレストランを持てるようなシェフになってほしいという思いで、日々育成している。 」

シェフとソムリエの方々全員が並ぶ姿を初めてここで拝見した。
印象的だったのが、全員が純粋なきらきらした目をしていたこと。
ここまでの名声を浴びながらも、これもまた凄いことだと思った。

  • ★7 テット・ド・コションと豚足のスープ

  • ★8.5グランフェルマージュの発酵バター&★7メゾンカイザーのライ麦パン

  • ★8 塩とオリーブ油が主役 山羊乳のバヴァロア

  • ★9 桜と牡丹のアスパラガス・カナッペ

  • ★8.5 下田の金目鯛 黄ピーマンとバジルのソース

  • ★6 ラングドック産仔牛の2時間ロースト

  • ★7.5 ヌガー・グラッセ

  • ★9 サヴァランのキャラメリゼ

  • ★7.5 コーヒー

2013/04/24 更新

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