1回
2021/04 訪問
最高峰☆すべてにおいて完璧
★8壱岐糸もずく
★9真鯛白子すり流し
★9.5富山湾ホタルイカ★9.5唐津のあわび
★9噴火湾の毛蟹
★9対馬ひらめ&えんがわ
★10長崎大村湾むらさきうに
★9.5北海道増毛 ボタンエビ漬け
★9.5勝浦金目鯛
★9余市あん肝★7うにの奈良漬け
★9対馬のどぐろ
★8五島あおりいか
★9桜ますの漬け
★8天草こはだ
★8宇部 赤貝
★9.5赤身
★10中トロ
★10大トロ
★8天草エビ
★9鹿児島出水(いずみ)あじ
★9はだてうに軍艦
★9.5中落ち軍艦
★8九十九里煮蛤
★9芝エビと山芋の卵焼き
★6.5かんぴょう巻き
2025/12/02 更新
博多、ミシュラン三ツ星のお寿司屋さん。
今までの人生で最高の和食店だった。格が違う。
堺大将、おだやかで腰が低い、日本の伝統美のすばらしさを体現した人間国宝のような方。
それでもお客一同、世間話などせず料理に集中する。そんな圧倒的なおいしさと雰囲気とオーラ。
お弟子さんたちに対しても決してきつくあたらない。それでも、大将の一挙一動に注意を払ってきびきび動いている。
超一流の大将は、お店の雰囲気すら作り上げてしまうと知った。
そしてそのお弟子さんたちも、サービスマンとしても超一流。客のちょっとした動きからでも何をしたいかをすぐ読み取り、こちらがお願いするまでもなく行動してくださる。
つまみもにぎりも、全体的に滋味深く繊細で上品。それでいてものすごいおいしさ。
大将、ひとつひとつ、どんな状態でどういうおいしさがあるのか、丁寧に説明してくださる。どういうおいしさかってところ、私には正直半分程度しかわからなった。お寿司ってほんと奥が深い。そんな私でも、感動は十二分。
28000円のおまかせコース、ソフトドリンク2杯、トータルで32120円。クオリティに対してありえないコスパだし、ソフトドリンクも1杯600円と良心的だった。
★8壱岐糸もずく
★9真鯛白子すり流し
上からゆずと塩。
塩分の割合が場所によって微妙に異なるので、その塩梅を楽しむ、と大将。私には差異がわからなかった。風流すぎる。。
滋味深い、ものすごく上品な白湯のよう。
次は本当に美しい黄瀬戸のお皿に、ほれぼれする美しさのほたるいかと鮑。
★9.5富山湾ホタルイカ
まるまる太ってとってもおいしそう。直径1.5センチ、頭部分の体長3センチくらい。
しかもほれぼれする美しさ。
味噌の風味濃厚で絶品。
★9.5唐津のあわび
夏に向けて状態良くなっているそう。わさびと塩で。
★9噴火湾の毛蟹
温度が大事だそう。味噌とともに。
特に出汁が甘い。
毛蟹自体は極細で超繊細な口当たり。
★9対馬ひらめ
今朝捕れた2.2キロ。
えんがわは軽く炙ってる、豚トロのよう。
鮮度が命なので、香りと歯触りを楽しむ、と大将。
甘み、やわらかさ。寝かせたヒラメもおいしいが、それとは全然違う味わい。
★10長崎大村湾むらさきうに
みょうばんを使ってない紫うに、甘酢ジュレ。
甘味が主体、最後に苦味が紫うにの良さだそう。言われてみれば最後に苦味っぽい旨みあり?
そろそろ紫うには終わりで、これから赤うににとってかわるそう。
北九州の名店では、赤うにをすでにちょこちょこいただいていた。赤うにはむらさきうにのワンランク上と聞いていた。しかし、他の名店でいただいたどこの赤うに以上に、鮨さかいのむらさきうにが絶品だった。
目の前で中トロを切る大将。
機械のように、同じ速度、同じ厚さ。難易度がとても高そうな、筋の入った大トロ以外、すべてそうだった。
★9.5北海道増毛 ボタンエビ漬け
ねっとり甘い。過去最高のえび。
わさびもフルーティーでまろやかながら、しっかりつんとくる、半端ないフレッシュさ。
御殿場わさび(真妻?)採るのが難しい四大わさびだそう。
★9.5勝浦の金目鯛
私に、千葉からいらしたのにごめんなさい、と大将。
辛み大根、たしかポン酢、芽ねぎとともに。
一年中良いが4-5月の産卵期特に旬だそう。
★9余市あん肝
余市はあん肝の一番のブランド産地だそう。
きめ細かい味わいが特徴、と大将。
驚きのなめらかさ。ものすごく濾してこのクリームのようなきめ細やかさなのかと思いきや、大将曰く素材だそう。
個体で出すと個体差出るので、潰して混ぜて安定させているとのこと。
★7うにの奈良漬けとともに。
★9対馬のどぐろ
下に少し敷かれている酢飯との相性を楽しむ。
半分以上脂なのではっていうとろけるジューシーさ。
数々の美しい器はほとんど唐津焼。行商の方が定期的にいらっしゃって、見ると思わず買ってしまうので、来ないでくださいと言っているとのこと笑。
ここから握り。
全体的に、置かれた途端、ネタがふわっと沈む。
端正で見とれる美しさ。
シャリがふわふわなので、崩れないように気をつけながら口に運ぶ。
★8五島あおりいか
3.2キロ。2.5キロ超えると味だいぶ変わるそう。
5日寝かせてねっとり。
咀嚼と一緒に溶かすのが大事なので、包丁の切れ目をそこまで細かくしてない。
スミイカと真逆のタイプとのこと。
ふんわりやわらかい食感が独特。
★9桜ますの漬け
ます系は初夏が良いそう。
あり得ないくらいの柔らかさ。
はだて生うにを拝見する。体長7センチくらいの巨大なうにがこんもりと。
★8天草こはだ
厚めでしっとり。
捕れてから2日で届き、締めて一日寝かせている。
なかずみとこはだの中間くらいのものだそう。
★8宇部 赤貝
赤貝の食べている海藻の香りが特徴だそう。
昆布醤油のよう。昆布締めとはまた全然違うフレッシュなおいしさ。
宇部から大分中津にかけての海峡は貝が良いそう。工場地帯のイメージだったので意外な発見。
次からは怒涛の、那智勝浦本鮪216.6キロ3連発。
こんなすごい食材もさらっと出してくるすごみ。
今日はすごく状態がいいです、とは繰り返しおっしゃっていたけれど。
★9.5赤身
まず見た目がきめ細やかで美しすぎる。
金目鯛がえさらしく、金目鯛の味がする。香り、甘み、余韻を楽しむそう。これも私にはハイレベルすぎてよくわからなかった。
さっぱりしてるけど旨味も凝縮してて、驚くほど柔らかい。感動を通り超してしみじみ驚いている。
★10中トロ
融点の低さと柔らかさ。麻薬的なおいしさと大将。
酢飯があってこそのネタで、お刺身で食べても酸と脂が多く全然おいしくないトロですと大将。私は全力で否定するけど。
最後に甘さ抜けるのが、餌の金目鯛。
見た目も味もものすごくきめ細やか。
★10大トロ
やわらかいまぐろは筋が逆に美味しいと大将。
繊細で脂たっぷり乗ってとろける。やわらかい筋が楽しむタイプと聞いたが、筋すらいつのまにか口の中でとろけてなくなってしまった。
マグロは、春の太平洋側は甘い。大間はうまみが特徴だそう。
あり得ない美味しさで私の人生最高のまぐろ。ここまでおいしいものをいただくと、恍惚としてもう何も話したくなくなる。場内もかなり静か。
★8天草産エビ
頬張った時に香りがいいので、できるだけ一口で召し上がってくださいと。それでも一口は難しいかもしれない女性のためには、美しいお皿に乗せてくださるサービス。
温度との相性を楽しむ、とのことで熱い仕上がりだった。
養殖。天然は個体差大きく、かつ見た目からは良否判断難しいので今年から養殖にしたそう。
おっしゃるとおり、一口でいただいて、口中に広がる風味がいい。
★9鹿児島出水(いずみ)あじ
この時期の鯵は強烈なインパクト。ずっと浅瀬にいてプランクトンを食べて育つ。
柔らかくて旨味強い。優しいおいしさ。
★9はだてうに軍艦
そしてついに、先ほど拝見した大粒のはだてうに、なんと4粒も!
三河湾のり、状態が良い。青のり数%混じっている。言われてみればたしかに。
★9.5中落ち軍艦
香り強いネギとともにこんもりと。
とても状態の良い三河湾海苔とのことだが、中落ちがおいしすぎ、華やかすぎて霞んでしまうほど。
★8.5ボタンエビ頭の出汁のお味噌汁
えびが濃厚でビスクに近い。それでいて上品な味。
★8九十九里煮蛤
かなり大きくて薄い。
★9芝エビと山芋の卵焼き
甘い仕上げで、絶品カステラ。山芋の効果でふわとろ。こんなにおいしい卵焼きも初めて。
★6.5かんぴょう巻き
以上で一通り終了。2時間ちょっと。一同興奮冷めやらぬ様子で誰も立ち去ろうとしない中、飛行機の時間が迫っていたのでさっさと席を立つ。このあと、みんな追加を頼んだり、いったいどんな展開だったのだろう。一生にまたとない貴重な機会だったのにちょっと残念。
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