1回
2019/09 訪問
食体験を超越するNomaの世界観☆
まずは温室でアペリティフ
ダイニングへの道
☆9 Seabuckthorn Angelica
★8 flowers marinated with pollen
★7 barbecued pepper
★6.5 candied beets
★9 chilled onion bouillon
★9 chilled onion bouillon
☆9さくらんぼ、りんごのジュース
★9 mold pancake with truffle
★8 mold pie
☆9クラウドベリー
★9 berry soup
★9 flatbread with medium rare cooked vegetables
★8.5celeriac cannelloni
☆6 キウイ、グースベリー(西洋スグリ)、コリアンダーの種
★9 boiled new potato
★8.5 marigold flowers with a whisky egg-nog
★8.5 marigold flowers with a whisky egg-nog
★9 quail egg in salted ramson leaves
★9 quail egg in salted ramson leaves
☆9ストロベリー、トマト、チリのジュース
★9 wild mushrooms barbecued with pine
★7サワ―ブレッド
★9 vegetable ragout
☆7乳清など
★6.5 woodruff and birch kombucha
ここでラウンジに移動。
★7 elderflower mousse and seabuckthorn
★7 elderflower mousse and seabuckthorn
☆7乾燥させて酸化させた緑茶
★6crispy bees cooked with chocolate
まかない食堂もおしゃれ♪
最後にいただいたメニュー
2019/10/26 更新
これまでけっこうな数の国で食べ歩きをしたと思う。東京のレストランは世界一だと思う一方、外国のレストランでは日本ではない斬新な体験ができることが多くて楽しい。
そんな中でも、コペンハーゲンでの経験は、過去の体験を凌駕する超斬新なものだった。
Noma. もはや食体験は超越していた。主に料理を通じて、彼らの表現する世界観を感じ取る、そんな芸術を体感するような感覚。また、彼らは常に新しいものを追究していて、実際Laboも存在する。大きなLaboの中に招かれて、我々はその実験成果を楽しんでいる、そんな気分にもなった。
さまざまな種類の野菜や果物が多用されていた。今まで味わったことがない種類のものも多かったし、味わったことのあるものも、この野菜がこうなるのか!こんなにおいしくなるのか、という形で出てきたりした。
それぞれの組み合わせもセンス抜群すぎる。特に感動したのがジュースペアリング。メニューを聞くと、全く思いつかない組み合わせ。実際いただくと予想をはるかに上回るおいしさ&調和。しかも料理ともみごとにマリアージュしてるので、料理のみ、ドリンクのみ、料理&ジュースのペアリング、と3種楽しめるメニューがほとんどだった。
コペンハーゲンではこんな感じで、ジュース軽視の概念を覆すさまざま絶品ジュースがいただけるところが多い。
季節柄いただいたのはベジタリアンのコース、インテリアもあいまって森の中のレストランで食事をしているような錯覚に陥った。野菜中心でも満足感は非常に高く、おなかもいっぱいになった。一方で食後感や翌日の調子はとても軽く、快適だった。
機会があれば、他の季節(魚とジビエ)のコースもぜひ味わってみたい。同じベジタリアンのコースでも、数年経ったらまったく別のものに進化しているのだろう。
17時予約。まだしっかり明るい。この時間の予約、昼~夜に徐々に移り変わっていく景色を楽しめて最高の時間帯だと思う。
まずは、ザンビア出身の男性に導かれて温室へ。さまざまな緑に囲まれながら、優雅にアペリティフを楽しむ。
そしてダイニングに向かうために広いお庭を歩く。田舎の野道を歩いているような自然な風景ながら、北欧のさまざまな美しい花々が可憐に咲き誇っていて実は計算されつくされているのだと思う。コペンハーゲンでは、こちらで見かけるような可憐な花が多種あり、それがレストランの料理にも多用されていた。
そしてメインダイニング。緑の植物&木目調の柱・壁で森リゾートのロッジにいるような感覚。高級感ある快適さながら、自然とともにリラックスできる。窓は一面ガラス張りで、自然感あふれる美しい庭が望め、さらにその先には工場の煙突(これもおしゃれで絵になっている。)
オランダでも思ったけど、北欧エリアってインテリア、建物のセンスが抜群すぎる。歴史的な建物は美しくどこか素朴でかわいらしい。新しいガラス張りなどの建物(北欧では光を取り入れるのが重要なので、ガラス・鏡を多用したデザインになるそう)はエッジが効いていておしゃれ。しかも両方がみごとに調和している。
お客さんも他国の高級レストランにはないようなカジュアルな服装。
コペンハーゲンに住んでいる方いわく、コペンハーゲンのレストランは、高級レストランのかしこまった感じからのアンチテーゼとしてこのようなスタイルになったそう。個人的には、観光の服装そのままで行けるのでありがたい。
このこなれ感。相当センスがないと出せないと思う。
以下、ベジタリアンのコースとジュースペアリング。★が料理、☆がジュースペアリング。
お会計は6万円弱。
☆9 Seabuckthorn Angelica
オレンジベリー、グースベリーというスカンジナビアのベリーだそう。最後にアンゼリカの香り。ベリーというより柑橘(というほどのフレーバーはないけど)に近い味。絶品☆料理ともみごとにペアリング。
★8 flowers marinated with pollen
蝶をさまざまな色合いのばらの花びらで作っている。下にはフラットブレッド(イーストで膨らませていない中東でよくあるパンだそう)、蝶の体の部分はハチの集めた花粉。
花粉、コペンハーゲンのレストランで多用されていた。
美しく斬新なだけでなく、しっかりおいしい。
★7 barbecued pepper
大きなししとうのようなものにーツ3種のフルーツと豆を詰めている。一口でとのこと。
ししとうの辛みが後からいい感じに来る。
★6.5 candied beets
表面の黒い昆布のようなものは、ブラックベリーのゼリー状のもの。
中にはビーツの根?のピュレ。
上にはハチの花粉とフェンネル(花)など。
★9 chilled onion bouillon
小さな玉葱まるごと一個を器として使ったぜいたくな一品。
中には玉ねぎのゼリー、ブイヨン、ぶなの種、トップにはフレッシュクリーム。
絶品☆日本人の口に合うタイプ。
☆9さくらんぼ、りんごのジュース
赤茶色の見た目どおり、赤ワインのような発酵がかなり効いている個性の強いジュース。飲めない私には、アルコール入っていないのに、アルコールが入っているように感じられるほど。
次からの発酵系の料理に本当によく合った。
★9 mold pancake with truffle
デンマーク産牛乳のアイスクリーム。シンプルに絶品☆ちなみにデンマークは乳製品がおいしそう!と思ってスーパーで牛乳を買って飲んでみたら、やはり濃厚で東京のワンランクアップのおいしさだった。
黒いのはトリュフでアイスクリームを覆っている。
これらを麦の麹で包んでいる。
発酵の味が強い。
★8 mold pie
乾燥した海藻のタルト生地。
外周の白いものは、カビ発酵した大麦。
真ん中の白いものは、卵の黄身を発酵させたもの。
トリュフのような納豆のような。これも味の記憶が10日経った今でも鮮明なインパクトのある一品。
上記最後の2品は、やや昔の和菓子っぽいんだけど、その鄙び感ゼロで超斬新な感じ。
斬新さと和の懐かしさが両立している。
全体として、なんとも表現し難い不思議な絶品料理が続く。
☆9クラウドベリー
森に実がなるそう。野生、デンマーク産。
こちらは透明感あふれる美しい赤い色通り、さわやかな酸味、でもわりと濃厚。
発酵の濃厚さを味わった後は、さわやかなものが続く。
★9 berry soup
冷製のスカンジナビア産野生クラウドベリースープ、黒い緑色のものはグリルしたレモンタイム、外皮と中の実をくりぬいたトマト、スパイス。
ベリーというよりガスパチョのようなおいしさ。
トマトが甘い!たぶんコンフィにしている。これで素材そのままだったら素材が秀逸すぎる。
ベリーも味が凝縮してるし、特別感がある。
濃厚で、わりと濃厚なジュースがさわやかに感じるほど。
★9 flatbread with medium rare cooked vegetables
クリスピー発酵させた極薄フライブレッドの上に、軽く茹でたズッキーニ、赤カブ、大根。その上にフライした野生の草。スパイスブラウンバターソースでまとめている。
ひとつひとつの野菜がこんなにおいしくなるとは!優しい甘みがあって、それぞれの野菜の味が凝縮している。
ソースも絶品で見事にマッチしている。
★8.5celeriac cannelloni
オイスターリーフをマリネしたセロリの根でくるんでいる。ホイップクリームが添えられている。
オイスターリーフ、たしかにオイスターの風味。
感動したのはセロリの根。本当にアルデンテのカネロニのようのような食感に仕上がっている。根菜の良さを活かして仕上げた濃厚だけどさわやかな、ペッパーの効いたカネロニ。
こんな感じの料理がちょこちょこ出てくるので、ベジタブルコースながらもの足りなさがない。むしろ食材自体、食材の使い方双方バラエティに富んでて超充実している。
☆6 キウイ、グースベリー(西洋スグリ)、コリアンダーの種
香りからしてコリアンダーが強く、味もそんな感じで、淡い桃色とはうらはらすごいパンチ。
好き嫌いがわかれる個性の強さ。
★9 boiled new potato
デンマーク産新じゃがの上に、植木鉢の土のようなもの。水分を飛ばしたマッシュルームの粉。赤オレンジのゴージャスな花は、ナスタチウム。
マッシュルームのパウダーはうまみ凝縮。
ポテトとマッシュルームがこんなにおいしくなるとはっていう感嘆☆
★8.5 marigold flowers with a whisky egg-nog
マリーゴールドの天ぷら。ソースはスモークした卵黄。
衣のサクサク感とうまみが絶妙☆コーンフレークのような濃厚さ。
★9 quail egg in salted ramson leaves
スモークしたウズラの卵。昆布だしに漬け、ワイルドガーリックの葉っぱで包んでいる。
和食的なおいしさ。ビネガー系の酸味絶妙で大好きなタイプ。
☆9ストロベリー、トマト、チリのジュース
まずストロベリーの香りでテンション上がる♪ストロベリー、トマト両方の味をしっかり感じ、後味でチリがくる。何かの出汁も入っている。斬新な組み合わせの絶品ジュース☆
★9 wild mushrooms barbecued with pine
焼き鳥からインスピレーションを得て、ワイルドマッシュルームを焼鳥仕立てに仕上げている。メキシコのモレとチリ、ハチの集めた花粉。
これも先ほどのカネロニと同様味が凝縮して、肉のような感覚。辛みがペアリングドリンクとリンクする。
★7サワ―ブレッド
コペンハーゲンのレストランではたいていどこでも絶品サワ―ブレッドが出てくるが、Nomaのサワ―ブレッドはあまり記憶がない。他の料理がすごすぎたのかも。
★9 vegetable ragout
夏のお祝いと題したメイン。すべてのものが成長し茂っていく様子を表現。
真ん中には焦がしほうれん草を蒸したもの。
茹でた、蒸した、焼いたさまざまな野菜、フルーツ。
☆9ソーストリュフと海藻ベースのバターソース
現地時間19:21。ここで急に真っ暗になった。
どれもおいしいし、一つとして同じ種類の野菜はない。特にソースとホウレン草がおいしかった。
以降デザート。
☆7乳清
酸味が強めでさわやか。かりん、エルダーフラワー?
★6.5 woodruff and birch kombucha
Woodruff車葉草のアイスクリーム。スカンジナビアのハーブだそう。
ブルーベリー、松の実、パイン、ブナの樹液のジェル。
森のデザートって感じ。
昆布茶はまったく気づかなかった。コペンハーゲンでは昆布茶をどこのレストランやカフェでも見かけた、結局一度も頼まなかったけど。
ここでラウンジに移動。
★7 elderflower mousse and seabuckthorn
マリーゴールドの花のムース、中には花粉ゼリー、seabuckthornの実?
花粉と植物の味のムース。
☆7乾燥させて酸化させた緑茶 特に特別感はない
★6crispy bees cooked with chocolate
キャラメライズした蜂の子がたっぷりのったホワイトチョコレートの上に、可憐な色とりどりの花びら。
花びらは乗せているだけなので簡単に剥がれ落ちる。そうすると蜂の子がうじゃうじゃいて食欲が失せる。味自体は、、キャラメリゼしているせいか甘く、よくわからなかった。できれば二度と食べたくない、というか見たくない。
全体的にデザートは森の実、植物系でフランス系の重めの定番デザートはない。なので、ちょっとものたりない。コペンハーゲンのレストランはどこもそんな感じだった。
最後にキッチンツアー、ラボで働く日本人トップシェフの方とお話させていただいた。
まかない食堂もセンスあふれるインテリアだった。
奥のキッチンでは数人のシェフが次のジビエシーズンのための仕込み、というか細かな雑物を取り除く地道な作業を、おしゃべりしながらのんびりやっていた。デンマークの自由な感じが現れている、いい雰囲気だった。こういった多くシェフの長く地道な作業があってこその感動のステージなんだなーと改めて感じた。
全体12、2、11 料理828 ドリンク403