Fisher.Lionさんが投稿したナーガルジュナ(東京/四谷三丁目)の口コミ詳細

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あんたら結局高い店ばかり美味いっていうだろ? 言えません、行けません

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Fisher.Lion (60代前半・男性・大分県) 認証済

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閉店ナーガルジュナ若松河田、曙橋、牛込柳町/インドカレー、カレー、インド料理

1

  • 昼の点数:5.0

    • ¥1,000~¥1,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 4.0
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク 5.0
1回目

2012/12 訪問

  • 昼の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気4.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥1,000~¥1,999
    / 1人

北インドクライシス、比肩なき孤高のレゾンデートル

2012.12

ランチAセット 1600円

ナーガルジュナをマイレビュアーのTO.様に紹介いただき、行きたいと思い始めて3ヶ月。10回以上ふられ続けました。ようやく、です。東京にいる間は、毎日ランチ前ににホームページで営業確認が日課になってました。

月曜日には行けなかったのですが、メニューはカジカのカレー。カジカと言えば九州なら渓流のハゼに似た美味しい小魚。これではなく、北の海にいる大きめなハゼに似た魚。根魚、ロックフイッシュ、丸い尾鰭の待ち伏せ系フィッシュイーター。食べた事はありませんが、釣り師の経験上、冬が旬の脂が乗った良い出汁の出る、煮こごりもできるお魚だと思う。保存や美味しさが長持ちするお魚でもあると思う。カレーにこのカジカですから、魚フリークにはたまりません。痺れました。食いてー!ですよ。
この日はカジカではなく、ワタリガニ。ほほう、これもなかなかに唸らせます。かなり楽しみに入店。

店内はこざっぱりした小さなレストランの風情。微かなスパイスの香りがインド料理屋を感じさせるだけ。シェフ不在のため焼き物は無く、作り置きの料理です。カレーは二種類。セットメニューか、カレー単品のどちらか。サラダ、スープ、カレー、ケーキ、飲み物のセットで1600円。カレー単品だと、1300円か、1200円。セットの方が断然良いです。

・サラダ
カレー屋、インド料理屋ではお目にかかれないヨーロッパ風盛り付け。ジュノベーゼ風ドレッシングは爽やかなハーブの香り。レモングラス、ミント、コリアンダー、のどれか複数が入っていると思います。自家製と言ってましたが、何を使ってるかは企業秘密らしい(笑)。美味しいサラダでした。

・タマネギのポタージュ
タマネギの甘みが引き出され、臭みはブラックペッパーで抑えた感じ。

・カニカレー
マングローブ蟹(ソフトシェル)、ワタリガニの甲羅詰め、小ガニの入ったカレー、と説明書きされてました。ワタリガニ、ガザミですね。九州だと有明海の竹崎蟹が有名なコク深い、冬が旬の一番好きな蟹。素材選びから好みです。ソフトシェルは脱皮直後の殻が柔らかい蟹。
クリーミーでマイルドなベースのカレー。ワタリガニの風味が染み出ています。濃厚な蟹の風味を引き立てるクローブやコリアンダー。ワタリガニの甲羅に蟹の身と味噌をほぐして詰めてます。おそらくマングローブ蟹の身も一緒に詰まっていると思います。ワタリガニの濃厚な蟹味噌とぷりぷりした蟹肉にカレーが良く絡みます。
ワタリガニの足もゴロリと入ってます。充分に炒められていて、殻も柔らかいから足は殻ごと食べます。中国の海鮮料理で食べた、ワタリガニのカレー炒めに似て、殻ごとが凄く美味しい。
ご飯は日本米で、白米と玄米が半々ぐらい。ここのカレーに良く合います。この組み合わせなら、バスマティじゃなくても良いなと。日本人好みに合わせた妥協とは感じられなかったです。日本の食材同士の組み合わせ。
油っこいわけではなく、クリーミーかつどっしりしたボディ。凄くコクがありますが、スムース。尋常一様の作り置きカレーではありません。

・デザート(ベイクドチーズケーキとマールワリチャイ)
ベイクドチーズケーキには、柚子のマーマレードが添えられてます。柚子こしょう発祥地出身の私には季節を強く感じて嬉しい。もちろん苦み甘み酸味がベイクドチーズケーキに良く合います。
マールワリチャイは、凄く美味しいチャイに鮮烈なスパイスの風味。私にとって過去最高のチャイ。飲み終わるとカップの底にレモングラス、クローブ、シナモン、コリアンダー、カレーリーフが。美味しい筈だ。コクのある料理に良いシメでした。


季節を食べさせるための北インド料理。スパイスが効いてるとか、クリーミーとか、そう言う次元ではなく、旬の素材を活かす手法での北インド料理。手法は違えどラマナイヤシェフと同じ印象です。旬の素材の良さをシヤープに引き立てる南インドのラマナイヤシェフ、旬の素材の良さを柔らかく広げる北インドのナーガルジュナ。どちらも、ずば抜けてます。

南インド料理では名店、良店が東京には割りとありますね。北インド料理で名店だと思ったのは初めてです。ありきたりな北インド料理はお店の数が飽和していて、飽きられはじめていると思います。このお店だけが、北インド料理で一歩先を行く、あるべき姿を見せているように感じました。

四季折々の季節感を大事にしてきた日本人の味覚を満足させてくれる、北インド料理の名店。日本人であることの季節感、経験、知識に問いかけて、広げてくれます。次のお料理が楽しみです。

シェフが早く全快されることを祈ります。
また必ず行きます。
ごちそうさまでした。

ナーガルジュナを教えてくれた、TO.様。月曜日にアーンドラダイニングでラマナイヤシェフのシャープな料理を食べて感動し、次に何を食べたら良いか困っていたら、ナーガルジュナしかないですよ、と。まさにその通りでした。インド料理の美味しさがまた広がりました。ありがとうございます。

  • チャイを飲んだ後のスパイスとハーブ

2012/12/10 更新

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