12回
2024/01 訪問
魔法は、いつか、解ける
渋谷のど真ん中、雑居ビルが立ち並ぶ2階に専用の階段を持った、扉を開けると渋谷の喧騒からは異空間のような静謐でしかし活気のある男子2人が回すコンテンポラリーチャイニーズがある。
…いや、あった。
え!?
サービスの男子、卒業しちゃった??
…そうですか…。
シェフが作り出す料理は最初からものすごく美味しかったし、なかでも必ず出てくる薬膳のスープと豚骨鶏ガラダブルスープのフカヒレは超スペシャル。
それは変わらない。
でも、もうひとつのあのマジカルな雰囲気を作ってたのはサービスとドリンクの彼だった。
ドリンクのチョイス、量、注ぎ方。
過不足ないトーク。
無駄のない所作。
溢れ出る育ちの良さ。
そう。育ちの良さ。
シェフの彼と一緒の種類の育ちの良さが彼にはあった。
このふたりの組み合わせがこの店をスペシャルなものにしていたことは間違い無くて。
残念だ…。
もちろん新しいサービスの女の子も頑張っている。
もちろん今後は慣れてきてそれは期待するんだけど。
いや…スペシャルすぎた。
スペシャルすぎたんだ…。
2024/04/01 更新
2023/01 訪問
はじめての北京ダック
今日はいつもスペシャルオーダーな北京ダックがコース内。
かわりに上海蟹を食べるかどうかを選ぶ。
ええ、食べますよ。
なんで北京ダックを初食。
鳥の味が濃くて皮の感じが前に出てこず。
北京ダックってここまでしなきゃ美味しくない食べ物なんだとやっぱり思う。
紹興酒漬けの上海蟹を無言でむさぼってからいつもの薬膳スープで回復。
今日の魚はカワハギ。好物が刺身で。良き。
蟹味噌豆腐。
美味いしかない。
メインは酢豚じゃなくて酢牛。
レモンサワーという名のクラフトコーラはちょっとコーラから離れてた。もっとシナモンを。
いつもの世界一のフカヒレから定番の締め。
いつか八宝菜が食べたいとリクエスト。
定番を昇華させたやつめっちゃ食べたい。
2023/02/18 更新
2022/09 訪問
強い料理には強いドリンク
今日は秋の食材ということでずいぶん和風。
鱧と松茸の春巻にスダチをかけたり。
薬膳スープが栗だったり。
チャーハンがサンマだったり。
ラーズーチー仕立ての牛肉ステーキにあわせた薔薇のお茶がものすごく薔薇で、かつびっくりする相性のマリアージュ。
「ハンバーガー食べる時ってコーラ飲んだりするじゃないですか。強い強いのマリアージュってあると思うんですよね」
なるほど。
フカヒレにレモンソーダをあわせるのもそのひとつだね。
ここのレモンソーダ。黒酢ベースなんだけど酸味にシナモンが効いてて実質クラフトコーラ。
フカヒレも本当に美味しい。
鶏ガラや豚骨ですごい濃い……。
これが楽しみすぎて。
いつか土鍋いっぱいひとりで食べたい。
締めは豆乳坦々麺とチキンカレー。
しばらく食べてない間にチキンカレーものすごい進化してる。
中華スパイスとインドスパイスが半々らしいけど印象はずいぶんインド寄り。
上質でふんだんなスパイスに噴き出す汗……。
今夜もごちそうさまでした。
2022/09/25 更新
2022/05 訪問
若き男子ふたりが渋谷で
コロナ禍を超えて再訪。
ご無沙汰です。ふたりともコロナにかかったり、ノーゲスの日があったりしましたがなんとか乗り切りました、と。
前菜のシェイクしたピータン豆腐からグッと蘇る記憶。そう。これ美味しかった……!
紹興酒漬けがホタテで少し珍しい。合う。
要所要所に顔を出す鶏出汁。
そう、ここは鶏出汁だった。
さまざまにこってりさを加えた若さ際立つ調理。
ふかひれは鶏出汁に加えて豚骨も!
こってりオブこってり!
菊の花の茶碗蒸しとか。
豚の低温調理に甜麺醤とピーマン類を添えてチンジャオロースーの再構成とか面白みも。
薬膳を薬膳らしくさせないギリギリの塩梅とか。
考えて、試して。
土地柄かリーズナブルさもあり。
少し通ってみようかと思う。
2022/05/29 更新
渋谷の予約困難中華がますます予約困難に。
場所と値段がいいのかなあ。
ついにオープンよりの前菜がリニューアル。
全体にも感じるけどなんかちょっと派手になった。
優しさ、みたいなものが薄れたような。
そうやって店も街と客に馴染んでくのか。
それとも夏が難しいのか。
夏の中華、みんかなにやら困っているような印象。
それでもフカヒレは変わらない。
どんなに開発されても、生まれた町は生まれた町なんだよね。