レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
2位
1回
2015/04訪問 2015/08/24
こちらのお店、諸般の事情により詳細を書けないのですが、
その後中々行ける機会に恵まれない為、さわりだけ。
泣く子も黙る、金沢を代表するお店のひとつです。
近江町市場からは徒歩5分程。
ビジネス街・南町と繁華街・武蔵が辻の境目にあり、
この辺りは玉川図書館や公園のある比較的静かな場所です。
玄関をくぐると更に静かで落ち着いた空間が広がっています。
現在のご主人は2代目、大阪の味吉兆さんで修業されていたそうです。
(※3代目か4代目と勘違いしていました。何処と勘違いしたんだろう?)
先代は京都のつる家で修業された後この地に開店したそうで、
前の料理長が旧つる幸の建物で現在営業されているお店も「つる家」。
金沢に限らずでしょうけど、京都で修業された方が非常に多く、
京都からの影響をより強く感じます。
現在も京都に修業されている方もいますし、反対に京都から修業に来られた方もいます。
事情により、料理は本当に主要なものだけ。
茶碗蒸しに凍らせた蟹味噌が乗ったもの。
蟹味噌は凍らすと風味が落ちると聞いていたのですがこちらではそれは感じず、
溶け出した蟹味噌から濃厚な味わいが茶碗蒸しにプラスされます。
黄金ガニの蒸しガニ。
黄金ガニはズワイガニと紅ズワイガニの間に生まれたカニで、1,000匹に1匹なのだそうです。
こちらは禁漁期が無いのだとか。
地元の庶民はしっかり茹でたものを食べる事が多いので、
レアになったこういう食感は中々楽しめないんですよね。
っていうかズワイガニあんまり食べないし。
(※良く食べるのは雌の香箱ガニ)
ふわふわの食感がたまりません。
ちなみに別のお店で1匹注文すると10,000円オーバーの高級食材です。
結論。
一流の食材に一流の技術、流石といえるお店です。
金沢のお店の中では比較的創作的な要素もありますがオーソドックス、
しかし基本の技術のレベルの高さが素晴らしい。
目で鼻で舌で楽しませてくれる料理の数々でどれも本当に美味。
金沢に来る際には是非。
接客は付かず離れず。積極的な感じはないですが、不足もないです。
3位
1回
2015/05訪問 2015/08/22
執筆の早い某マイレビ様に触発され、やっと重い腰を上げて書きます。
琵琶湖の北端に余呉湖という小さな湖があります。
琵琶湖とは賤ヶ岳で隔てられていて、湖面が穏やかな事から鏡湖とも呼ばれます。
この辺りは手のつけられていない美しい自然がそのまま広がっています。
そんな余呉といえばこちら。
発酵食のお店としては日本でも屈指ではないでしょうか?
元々こちらで開店した当初は発酵食ではなく一般的な料理を出すだけで、
その後料理旅館の形はとったものの発酵食には手を出していませんでした。
それが今の形になったきっかけは、東京農大名誉教授・小泉武夫氏の
「余呉なのになんで鮒ずし置かないの?」
の一言だったそうです。
その後長期に渡って(2年だったかな?)お店を閉め、発酵に励んでいたそうです。
こちらは意外にも家族経営。ご夫婦と娘さん、後は男性スタッフの方。
娘さんは京都の料亭で修業ののち、こちらに入られました。ちなみにめっさ美人。
こちらの素材はほとんどが地の物で、ご主人が自ら山菜や魚を採りに行くそうです。
毎日のようにやっているかと思うとそれは大変だ。
冬場はどうやって調達するのだろうかと気になります。
こちらのお店は宿泊だけでなく、食事だけでも楽しめます。
今回は10,000円のコースを選択。
・鹿肉の胡麻和え
軽く湯引きして胡麻で和え、白髪ネギ、刻み海苔が載っています。
鹿肉の旨味が胡麻に絡んで増幅され美味。
獣臭を全然感じない美味しさです。
・子付き鮒のお造り
これは初めて食べました。
お造りとしてはやや細かめに刻まれた鮒はモチモチとした食感。
黄色い子と身との鮮やかな色合いが見た目にも素敵。プチプチとした食感も◯。
鮒ってもっと癖がある物だと思ってました。
・鯖のなれずしにトマトソース、岡山の吉田牧場のチーズ(カチュカバロだっけ?)
吉田牧場さんは最近ではよく知られていますね。
発酵物×発酵物の組合せ。お互いの癖を中和し、トマトソースが全体を纏め上げています。
・焼きもろこに飯(いい)と豆腐のソース
飯(いい)とは、鮒ずしを作った際のご飯の部分の事。要は発酵したご飯ですね。
常々、これが捨てられる事が勿体無いと感じていたそうで、
何か使い道はないかと考えられたのがこれと後述のアイスクリーム。
発酵した事で、少しチーズっぽい風味と酸味が生み出されています。
もろこはやや小さく、子持ちでは無いです。
焼きが上手く、外はパリッと、中はふっくら仕上げてあり、頭や骨までいただけます。
・余呉の天然鰻
厳密には稚魚を放流しているので完全なる天然かといえば?ですが。
身山椒が振られています。
こちらのを食べると鰻って魚なんだなあと実感。
脂こそ少ないですが、しっかりした味わい。
養殖の脂っこいものが苦手な方にはこちらの鰻はオススメ。
頭も食べられますが、骨に注意。
鰻を食べるたびに思うのですが、こんなに美味しい鰻を
イギリスの人達はゼリー寄せにしちゃうそうで。
見た目にグロくて臭いとの事ですが、一度食べてみたい。
でも蒲焼とどっちが食べたいか?というと蒲焼ですけどね(笑)。
・稚鮎の酢炊き
蕨と姫竹の漬物がそえられています。上にはエゴマを炒ったもの。
形が崩れてませんが非常に軟らかくほろほろ。骨まで軟らかくいただけます。
・山菜の天ぷら
ユキノシタ、コゴミ、ウド。
ユキノシタのプチュッていう食感、好きだなあ。
カラッと揚がっていますが、他の料理との関係か、少し油っこく感じたかな。
・鮒ずし
そしてある意味こちらのメイン。
蜂蜜をかけたもの、パンに挟んでトーストしたものの2種類、更に自家製のからすみ。
こちらの鮒ずしは比較的臭みの無いものだそうですが、それでも基本的には臭いです。
酸味を蜂蜜の柔らかな甘みで包んで中和させてあります。
パンで挟んだものは非常に食べやすい!初心者にはオススメの食べ方かも。
・スッポンと熊の雑炊
スッポンとだしがすごく効いています。
旨味、コクがじんわりと広がる美味しさ。これは堪らない。
肉は熊肉も入っています。量は多いですが、苦もなくスッと入ります。
・飯(いい)のアイス
デザートはこれまた鮒ずしの飯を使ったアイス。
少しチーズケーキっぽい独特の発酵香。それよりは酸味が強めかな。
ミントの葉で爽やかに。
地の物を使った発酵祭といった内容で、どれも満足のいくものでした。
勿論ご主人のベースの調理技術も非常に高いです。
「発酵人(はっこうびと)」を自称するご主人ですが謙遜して、
「調理は菌がやってくれますから」
なんて仰いますが、いやいやそんな簡単なものじゃない事はよく分かります。
季節毎に楽しめますが、やはりジビエを楽しめる冬の人気が高いそう。
4位
1回
2015/01訪問 2015/12/29
お店の気位の高さも接客も客層も一流、味は…やっぱり一流でした
2年ほど前に建て直されたダイビル本館の1階にある高級イタリアンのお店です。
書き出してはじめて知りましたが、SALONE 2007さん@横浜が本店なんですね。
店内はシンプルながらも豪華、また外の光が入るようになっていて明るいです。
でも外の景色はあまり良くないです。高速道路と高層ビル群だし仕方ないんですが。
しかしここでの自分の場違い感はレストラン ひらまつ@博多さん以来だけどそれ以上だな。
緊張感が半端ないです。何と言っても客層が一目見てわかるほどにセレブの方々大集合。
服装がまるで違う。身につけているものが違う。品が違う。
決して気後れしてそう感じるわけではないですよ。いや気後れはするけどさ。
というわけでドレスコードがあるので要注意。
まあこんなところにTシャツ短パンみたいな格好で来たら可哀想なくらい浮きますよ。
お昼のコースは1種のみ。
最初にドリンクを聞かれますが、なんとなく要らなくても
注文しなくてはいけないような気にさせられます(笑)。
最初から気負ってますね(笑)。
以下、細かく書いてられないので大雑把に。
何が旨いかっていったら全部旨いです。
・イニーツィオ
はじまりという意味だそうです。
器には石が積まれてその上に小さくひとつ、
竹炭の練り込んだシューが乗ってフォアグラのパテ、レモンのジャムが挟まれています。
爽やかなレモン、濃厚で滑らかなフォアグラが絶妙。
スタッフの方が器を持っているので直接手にとっていただきます。
石の上に乗っているのは見た目には綺麗かも知れないけど衛生的に
なんだかなあ、と思いきや実は石ではなくパンとの事。
最初から手が込んでます。
・アンティパスト(前菜)
豚バラのリエット、軽く炙ったイカ、
上にはニンジンのローストとスライスした紫ニンジンとニンジンチップス、
下にはニンジンのピューレがしかれてニンジンまみれ。
パン粉と黒オリーブを混ぜ合わせた粉を絡めていただきます。
・ペッシェ(魚料理)
スズキをふっくらと焼き上げています。
下には白い謎のピューレが。これは松の実のピューレだそうです。
さらに玉ねぎのピューレとレーズン。
ペコロス(小玉ねぎ)のフリット、ルッコラ、
ネギの香りを付けたオイルを粉末状にしたものが上にまぶされています。
言葉にすると複雑極まりないんですが、一緒に食べるとうまく一体化するんですね。
ここで真ん丸な白パンも出されます。
ふっくらとして、ピューレやソースに付けるとまた旨いんですこれが。
・プリモピアット1(メイン)
カヴァテッリという手作りのパスタ。
これに鮟鱇のラグーソース、ジャガイモのピューレを絡めてあります。
サフランで色と香りを付けてあり、
上にはホワイトセロリ、揚げたオレンジの皮。
手で押し潰して作られたカヴァテッリはモチモチな食感です。
その独特な形状からソースに絡む絡む。
・クッキアイオ
スプーンという意味だそうです。
その意味の通りワンスプーン料理で、一口でいただきます。
下にはタロ芋のピューレがしかれ、
その上には鹿肉、更にパルミジャーノが削ってあります。
トルニッションというピクルスに似た食感の赤オリーブ、
スプーンの先にはローズマリーのジェラートとこれまた極めて複雑。
口に入れるとそれぞれが混ざり合い、複雑に変化していきます。
最初は冷たいローズマリーの香りが広がり、その先にトルニッション、
パルミジャーノの深いコクと旨味、そこに鹿肉の獣チックな旨味が加わり、
タロ芋の粘り気のある食感が次々と混ざりあっていき、ドラマのように展開していきます。
プリモピアット2
カボチャのリゾット、こちらは分かりやすく美味しかった。
カボチャにサフランを効かせたリゾット、お米は芯を残してやや固め、
これにホロホロ鶏のローストを細かく賽の目に切って乗せ、
軽く胡椒を振ってあります。
皿の周りにある卵黄を燻製し、トリュフオイルを混ぜ込んだものを
絡めて頂きます。
一番上に乗せられたミントの葉も嫌みなく香ります。
仔羊のストゥファート(煮込み料理)
メインは仔羊の肩肉を65℃で12時間煮込んだものだそうです。
非常に柔らかく、特有の獣臭は丸くなってそんなに嫌味がなくなっています。
それでも少しは残っているので苦手な方は苦手なのかな。
ソースは仔羊からとったソースとオレガノを効かせたトマトソースの2種類。
付け合せのレンズ豆と芽キャベツ、ほほ肉を合わせたサラダが添えられ、
下にはレンズ豆のピューレ。
削ったペコリーノチーズ、バジル。
これらを一緒にいただきます。
・スパゲッティ サルサポモドーロ
サルサとありますがサルサソースなわけではないです。
そもそもがサルサはソースという意味ですもんね。
このポモドーロがシンプルながら素晴らしい出来。
トマト、香味野菜の旨味、酸味、塩味、香りのバランスが凄い。
火入れ、塩の強過ぎない味付けも完璧、シンプルな料理こそ一番腕の差が出るという好例ですね。
一般的なポモドーロとの一番の違いはストレートで濃厚なトマトの旨味、
油をあまり強く感じない事、酸味が強くない事かな。
量は30/60/90gから選べます。
ちなみにこちらのお客さん達は誰一人として食べるときに
「ズズズッ」
なんて音は立てません(笑)。
・ドルチェ
フランボワーズのムースにババというブリオッシュのような焼菓子を乗せ、
ハイビスカスの赤く甘酸っぱいシロップがかかっています。
凍らせたライチ、粉末状にしたハイビスカスが添えられています。
・小菓子 アーリア ディ ノッチョーラ
メレンゲで作ったマシュマロのような食感のお菓子で、
かりっと香ばしいヘーゼルナッツを入れてあります。
最後のドリンクは選択制、ハーブティーにも惹かれましたがエスプレッソを選択。
これが経験した中でも過去最高の濃さでした。
最後にシェフが挨拶に来てくれましたが、若い!
この若さでこのお店を任されているとは。
というか、こちらは支配人と含め全員若いお店です。
接客は細部にまで気を使われていて
(スプーン、フォーク等を持ってくる時のみ手袋をするとかこちらを見る時は常ににこやかにとか)、
驚く程の丁寧さを感じたのですが、反面人間味というか、
温かみはあまり感じないかな。
セレブの皆様相手なのでお邪魔しないこれくらいが丁度いい、
という事かもしれませんが。
味はイタリアンでは久々にヒット。
どちらかというと繊細でよりフレンチっぽいのかな?
イタリアンというともう少し豪快なイメージがあったので。
ともかくガッルーラさん@名古屋と共にイタリアンの評価基準になってしまいそう。
つまりここのお陰で個人的にイタリアンの美味さのハードルが上がってしまう、
それくらいのお店だという事です。
ちなみに同じビル内に旧ヤム邸さんもあり、あわよくば梯子とも考えましたが、
流石にここの後には無理だ(笑)。
折角の食後感を変えてしまいたくない思いになりました。
5位
1回
2015/05訪問 2020/02/02
祇園にある人気店です。
こちらは某タイヤメーカーの1つ星。
少し入り組んでいて分かりにくいところにあります。
具体的にどうとは説明できないのですが。
こちらは滋賀県の招福楼出身のご主人のお店で、しのはらのご主人もこちらに居たのだとか。
席は掘りごたつのカウンターと、座敷もある様子。
決して広くはないけれど、寛げる空間になっています。
料理はどれも美味しかったのでざっくりと。
うに豆腐にじゅんさいと天豆、蒸しアワビが添えてあります。
うにの味が濃厚。蒸しアワビも柔らかいです。
椀物は鱧と湯葉巻き、柚子の花が添えられています。
青菜も乗っていたけど聞き漏れ。
湯葉に巻かれてたのはなんだったっけな。
だしの味はすっきりですが旨味しっかり。
お造りはさざえの湯引き、メイタガレイ、たこ、モンゴウイカ、車海老の洗い、近海マグロ(生)の中とろ。
お好みでポン酢にマスカルポーネチーズを混ぜたもの、藻塩、だし醤油でいただきます。
ポン酢×マスカルポーネははじめてですがこれが旨い!
モンゴウイカは新鮮で少しコリっとした食感。
さざえのコリコリ感、脂は少なめですが味のしっかりした中とろも美味。
飯蒸しには穴子と海苔が乗っています。
飯蒸しには新生姜を炊いたものを混ぜこんであります。
生姜の爽やかな風味が穴子とマッチしています。
鮎の塩焼は蓼酢で。
屋形船を模した器に木板で屋根をかぶせてあります。
どこの?とまでは聞いてはいないですが、この辺だとやはり琵琶湖か?
苦味は少なめで、嫌味のない感じ。
でもこれは前に伺った神戸の植むらさんの方が印象に残ったかな。
八寸は近江牛のミスジの花山椒煮、青唐の焼き浸し、フルーツトマトに生ハムを巻いたもの、
玉子しんじょう、鰻の八幡巻、鯛のちまき寿司、鯛の白子のポン酢がけ、
キュウリと大徳寺麩の揚げ麩に松の実。
節句なので蓬、芭蕉を添えてあります。
どれも手が込んでいたし、どれも美味しかった。
ゴマペーストをたっぷり練り込んだゴマパン、こちらは太白の胡麻油をつけていただきます。
オリーブオイルをつけてバケットを食べるようなものですね。
これ、さっきのマスカルポーネポン酢でも食べてみたいなあ。
もう一回お願いしても貰えないですよね、きっと。
箸休めにメイタガレイの骨せんべい。
カリカリとした中に旨味がきっちり凝縮。
骨周りが一番旨味あるんですよね。
桜鯛の春キャベツ巻き、白アスパラの天ぷらを出汁で伸ばした白味噌でいただきます。
お好みで和からしをつけていただきます。
ふんわりとした桜鯛を春キャベツが優しく包み込んでくれています。
白アスパラは小さめですが筋張ったところもなくて食べやすく、柔らかかったです。
炊き合わせは塚原の筍、ふき、桜えびのひろうす(がんも)。
塚原の筍は最高級のものとして有名ですね。
終わりのものなので気持ち硬めでしたが、エグミも無く甘みがあって美味しいです。
ひろうすは桜えびは思った程は感じなかったけど、ただひろうすとして美味。
土鍋ご飯はご主人の地元、滋賀県のお米で琵琶湖に注ぐ川の支流の天然水で育てたお米だそう。
粒は小さいけど粒立ちがハッキリしています。
一口目はそのまま、二口目に軽く塩をふって、
それ以降はお供と共に。
梅干し、昆布、大根等お供が多いです。ご飯が止まらない。
味噌汁は八丁味噌の上澄み、しじみが入っています。
その後、じゃこをかけていただき、
更にはご飯、卵と鰻、ご飯に卵とじゃこ、海苔を順に乗せた曰くライスカルボナーラ、
鰻の佃煮でお茶漬けと、もうご飯が止まりません。
デザートはマンゴーとさくらんぼの山田錦、美味しかったけど他が良かったからか、意外と印象薄。
お茶請けはヨモギもちと、つくね芋と百合根、ヨモギを練ったもの。
最後に日本一柔らかい(自称)水羊羹。
これが本当に個体を保つギリギリの柔らかさ。
柔らかすぎて持ち運び出来ないそうです。
甘さ控え目でつるんといただけます。
どれもレベルが高くて素晴らしいです。
何よりご主人の人柄が良い!
京都のお店ってもっとお高く止まっているイメージでしたが、居心地が良かったです。
お弟子さんたちとのチームワークも良かったです。
今度はお昼にも伺ってみたいな。ああでも夜にゆったり寛いでいただくのもいいな。
とにかくまた来たいお店です。
6位
1回
2015/05訪問 2019/06/07
うどん県その⑦愛想は最悪だけど1番イメージしていた讃岐うどんに近くそして旨かった
讃岐うどんの名店は西部に多い!
という情報を元に今回、高松以東は捨て、丸亀をベースにして食べ歩きしていたのですが、
連休にお休みのお店が多く、営業中の人気店はその行列が物凄いです。
この時もよしやさんや山越うどんさんが開店前から大行列!諦めざるを得ませんでした。
ある方に勧めていただいた山内うどんさんも行きたいけど時間的に行列か休みだとアウトだな。
と、山越うどんさんに向かう途中に見覚えのあるうどん屋さんがあったな。
ん。そういえば、たむら…?
あ!ここも行きたかった有名店じゃないか。しかも思ったよりは空いている。
ラッキー!と、こちらへ行列に並びます。
開店前ですが、並んだ後ろから次々にお客さんがやってきて行列を作っています。
早めに見切りをつけてこちらに来て良かったなこれ。
店構えはなんというか、ごく普通のお宅。
物置を改造しただけ?みたいなお店です。
と、開店時間が来たのか行列が動き出しましたが、結構サクサク進みます。
こちらでは注文したら軒先の椅子に座って適当にいただき、
丼を返す時に食べたものを自己申告してお金を払うシステム。
順番が近くなると、後ろを向きながら麺を湯がいているおばちゃんが叫ぶのが聞こえます。
「小か大か言って!」
そんな脅迫のような注文の聞き方無いでしょうよ。
気分は良くないけど脅迫される前に注文。
こちらのしっかりと噛み応えのある麺は出汁でいただくか醤油の2択です。
出来合いの安っぽいあげや卵、天ぷらなんかもありますが、
今回は熱いかけと冷たい醤油をそれぞれ小(各200円)で。
やっぱり滅茶苦茶安い!
熱いうどんはセルフでテボで温めて出汁をかける仕組み。なのでひやあつも可能ですね。
ネギや生姜、揚げ物もセルフ。
うどんはピンとしっかり角が立っています。
ツルッとした表面に、コシもしっかりしてる!
出汁は薄味なんだけど、いりこがしっかり、あとは少し昆布もかな?
が効いていて、物足りなさは全然感じず。
ひやはよりエグいコシ、凄い力強さです。口の中で暴れる暴れる。
そういえば醤油のイメージがまるで無いなあ。
それだけうどんの印象が強烈だったのでしょうね。
今回、回った中ではイメージしていた讃岐うどんには一番近かったかな。
そして一番好みでもありました。
お土産うどんを宣伝するポスターには「素朴」とか書いてあったけどどこが素朴だと。
県外者からするとかなりエゲツないうどんです。
ところで道路を挟んだジュースの自販機コーナーには結構な台数が並んでいて、
待ち疲れた皆さんが購入していました。
田村さんの敷地のようなので、こっちでも荒稼ぎしているんだろうな。
7位
1回
2015/07訪問 2015/09/22
地元の方にどこまで行くのか聞かれこちらと答えたところ、
「なんて物好きな!」
と驚かれました。ええ物好きですとも。
さらに地元が石川だと答えると、
「わざわざこんなところまで来なくても地元でいいじゃん」
とも。
でも来ちゃうのが悲しい性。旨いと聞けば行きますよどこまでも。
とにかくそれくらい辺鄙なところにあるお店です。
しかし、現在では全国的に知られる名店の仲間入り。
金土日限定の完全予約制というハードルの高さもあってか、
地元の常連さんというよりも県外の一見さんが多いようです。
車以外の方はほぼ岡山駅から向かうと思うのですが、電車で瀬戸駅→そこから直接タクシーだと思いの外遠い!
そこで岡山駅から宇野バスでネオポリス東6丁目(または西9丁目)いきのバスに12番のりばから乗り、
下市上というところで降りると近くにタクシー会社があるので
そこでタクシーを捕まえるのが一番安上がり。
西9丁目いきの場合は赤磐市役所からタクシーを呼ぶ等。
曜日によって時刻表も変わるでしょうから要確認。
ただこちらの宇野バスさんはWi-Fiが通る等のメリットが。
帰りはお店からタクシーを呼んでもらうと駅までは少し安くなります。
丘の上のニュータウンの中、閑静な住宅街にあり、普通の一軒家のお店。
暖簾をくぐると独特な雰囲気、というか緊張感。ぴんと張り詰めた空気が伝わります。
入って左手にカウンター、右手奥にはテーブル席。
ご主人はイタリアンの後、すし豊@大阪で修業されていたそう。
物腰柔らかそうに見えて非常に眼光鋭い方です。
お客さんが揃った所で一斉スタート。
アナウンスは無いけど基本的には一斉スタートの様子。
瀬戸内海・下津井産の蛸の土佐酢のジュレがけ。
いきなり旨い!蛸がめちゃくちゃ柔らかい!
鱧しゃぶをおろしポン酢で。
こちらも上品ながら、大変味のあるものです。
吉田牧場の小さめなモッツァレラチーズのヅケにわさびとオリーブオイルで。
吉田牧場は非常に有名ですね。
有名料理人の方も数多く利用されています。
オリーブオイルも地元で作られているものなのだとか。あ、小豆島があるからか。
こちらのモッツァレラは1週間ほど醤油に漬け込んだものだそうです。
適度に水分が抜け、そこに醤油の香りと塩気がほんのりとプラスされています。
なんでも醤油だけだと塩気が強すぎるため、ホエーも加えているのだとか。
わさびの香りもすっと清涼感が鼻を抜けていきます。
本当に良いわさびなのでつんとは来ません。
聞いてはいたけど面白い。
ここで出し巻き玉子。
三つ葉、木耳が混ぜられ、上には辛味大根のおろし。しっとり、ふんわりとした焼加減。
ここからが握り。
あらかじめ醤油等で味をつけてある為、醤油をつける必要はありません。
ここで出された姫生姜のガリが柔らかく、酢がきつ過ぎなくて良い感じ。
いかは艶のある身に細かく格子状に包丁を入れてあります。
身が厚く、歯ごたえのあるもの。
とろはほんの少しだけヅケにしています。
筋張った感じが無いのでとろっと口の中で解けて生きます。
個人的には大トロの蛇腹の筋が苦手なので、これくらいでちょうど良い。
きすはきゅっと締まった身、締めてあるのかな?そんなに感じなかったけど。
赤身のヅケも醤油のきつさを感じない、丸みのあるものです。
旨みが凝縮されています。
ひらめ、これは案外印象薄。
身は綺麗だったと思うんだけど。
煮蛤はツメで。ふっくら柔らかいです、が、これは桑名の蛤には及ばず。
いくらは軍艦で。
お出汁と醤油に軽く浸けたいくらは出汁の旨みが効いています。
車えび(才巻えび)を半生にボイルして開いた後、横に巻いた珍しい握り。
手まり寿司とかでは見たことあるけど握りでは初めて。
酢橘を搾っていただきます。
ぷりぷりで海老の甘味が全面にきます。
箸休め?手休めか?あらのおすましはえぐみ0。
魚の旨みだけが出た綺麗なスープとなっています。
うにも珍しい形。
シャリ玉の上にやや小さめにカットした海苔が一枚、その上にうにを乗せています。
軍艦だと海苔が勝ちすぎるし、海苔無しは単調だし、ということかな?
これくらいでちょうど良いバランスだと思います。
煮穴子にはツメの他、山椒が乗っています。
こちらは柔らかく繊細な味わい。
青鰻は幻の鰻と呼ばれるそうで、文字通り青い身が特徴。
分類上の区別は無いそうです。
こちらは濃厚な脂ですが臭みは無いです。
かっぱ巻きは梅肉の他、地元で取れた数種の香草も一緒に巻いてあります。
香草にくせがあるのでこれは結構好みを選ぶかもしれない。
デザートはあんこ玉。
しっとりとしたあんこは上品な甘さ。
甘ったるくなく、さっぱり締められます。
ご主人は若いながらも非常に完成度が高いです。
握りは程良く口の中でほどけていきます。
硬くも無く、柔らかすぎもしないちょうど良い感じ。シャリはやや酸味強め。
赤酢が使われているそうですが、ブレンドのようですね。
色も変わっていないし。赤酢特有のキツさをそんなに感じませんでした。
ただ、つまみの印象が強く、それに比べると握りは印象に残りづらいかもしれません。
この辺りはめくみさん@野々市市とも被るかな。
いろいろ挑戦の途上でしょうが、この先時を重ねたらどういう風に形を変えるのか楽しみ。
お茶の替え等、気付きは遅め。人が少ないので仕方ないのですけどね。
ところで。
この日はお客さんにモラルの無い方が多く辟易。
それもあってご主人はピリピリしていました。
周りの迷惑考えない方とか。
そういうのは貸切でやって欲しい。
8位
1回
2015/01訪問 2016/01/24
今回の秋田旅最大の目玉。
2015年1月現在、こちらのサイトで全国トップ10に入るお店です。
順位がどうかよりも自分が旨いかどうかなのであまり気にはしませんが、
遠征時には多少参考にしてしまうのも悲しい性。
今回秋田行きを決めたとき某店にも行きたかったのですが、
スケジュールの都合上どちらかにしか行けず、悩みに悩んだ末にこちらへ。
繁華街からは少し外れた所にあり、
タクシーを捕まえたものの運転手さん、場所が分からず。
会社に連絡を取って何とか行ける状態でした。
意外と地元では知名度無いのか?
移転してそんなにたってないそうで、
店内は高級感漂う綺麗で落ち着いた雰囲気。
カウンターと調理場の間に空間があり、
ここから料理を提供できるようになっています。
で、いきなり結論から。繊細でレベルが高く、美味しい。
タクシーの運ちゃんに
「こんなお店くらい覚えとけよ!」
って言いたくなるほどに美味しい。
どれも美味しかったので抜粋しながら記載。
・前菜
男鹿の赤ナマコをほうじ茶に潜らせて柔らかくした茶ぶりなまこ、
天然の子持ち昆布、椎茸の南蛮漬けの上には菜の花の昆布締めが乗っています。
卵黄の塩漬け、丹波の黒豆、梅貝の旨煮、海老、山芋を練り込んだ玉子焼き。
聞いただけで仕事振りが伝わるような内容、味も勿論美味。
特にびっくりしたのは肉厚で弾力あるナマコ、
天然の子持ち昆布の旨さ。卵の層の分厚さは半端無いです。
・牡蠣の味噌漬け
柚子釜(柚子の中身をくり貫いて作った入れ物)に入っています。上には針生姜。
一晩漬けたそうですが、味噌のつけ具合が丁度良い案配。
味噌は旨味たっぷりで優秀な反面、やり過ぎると素材の味をぶち壊してしまうこともある
調味料だと思うのですが、旨味を引き出す見極めがお見事。
牡蠣は宮城産で、小さめですが非常に身のしまった濃厚なものでした。
仄かに香る柚子、針生姜まで計算された味の組み立てです。
・河豚の白子を軽く焼き、生のりのあんをかけたもの。
白子は下関のトラフグのもの、上には五色あられがかかって色鮮やか。
とろっとした白子に生海苔の香りがフワッと拡がります。
白子としては真鱈の方が味は濃厚な気はするものの、
こちらも舌触りが良く、クリーミー。
・椀物
車海老と京人参、牛蒡のはなびら餅仕立て。
はなびら餅は京都の伝統的な和菓子ですが、
実際に餅の生地でくるんだのではなく、薄く輪切りにした蕪で包んでいたはず。
他に芹とチンゲン菜っぽい青菜、ともうひとつ黒っぽい食材が乗っていたような。
具が意外と印象薄。
ただしっかりめの出汁が美味しい。やはり、こういうお店では出汁の旨さは絶対条件。
・お造り
秋田のキジハタ、男鹿のミズタコ、シャコ(産地失念)。
醤油と男鹿の竹炭の塩でいただきます。
ミズダコやシャコも良かったですが、とにかくキジハタ。
全身オレンジの斑点だらけで不細工だけど超旨い憎いやつです。
本当に良いキジハタが揚がったとテンション高く話されていました。
3キロ近い大物で、これだけのものがとれるのは極めて稀だそうです。
これだけ大きいと味が別格だとか。
ハタ系は寒い北の方が良いそうで、身の締まり、脂の乗り共に抜群でした。
地味にすだちの種を取ってあったことに好印象。
・比内地鶏のモモの焼物
お好みで特製七味でいただきます。日本三大地鶏ですね。
身の締まりが良く濃厚。
流石に比内地鶏って旨いな。
焼き具合もちょうどよいというか、こちらのご主人、焼きが上手いな。
七味は山椒が強めのものでこちらとも良く合います。
・真鯛の西京焼き
山椒の実と山桃、蓮根の甘酢漬けが添えられています。
真鯛は男鹿で揚がったもの。
味噌だれに漬けて焼く西京焼きですが、味噌は控えめ。
その分、鯛の旨さは良く伝わりました。
付け合わせの山桃も美味。
・鶏大福
餅の中には鶏の皮が入り、上にはからすみと金箔が乗せてあります。
美味しいですが、金箔は余り好きじゃないです。下品で。味には関係無いんですけどね。
・香箱がにのガレット
秋田県産の蕎麦粉を混ぜたクレープ(ガレット)で香箱がにを外子、内子ごとくるんでいます。
上には干し柿のジャムが乗っています。
多分日本一高いガレットじゃないかな。
でもそんなに蕎麦粉の香りはしませんでした。作り置きだからか?
小さいけど中身の香箱がには濃厚。
更に高知の徳谷トマト、秋田の三関のせりのお浸しの上には錦ゴマ。
これらも高級食材。しっかりと太くシャキシャキとした食感とほんのり苦いせりがたまりません。
・蛤の磯辺揚げ
山葵塩とすだちでいただきます。
蛤は九十九里産。
春先が旬なのですが、この時期の方が旨みが詰まっていてえぐみもなくちょうど良いそう。
揚げ具合も中がレアで美味しかったのですが、衣も少しレアだったかも(汗)。
・食事
締めの食事はたかむら特製の麺を比内地鶏とすっぽんのだしでとったつけ汁で。
麺はぎばさという海藻を練り込み、1年かけて作った麺だとのこと。
ぎばさは秋田で一般的に食べられている海藻なのだそうです。
ワカメやもずくの仲間で、粘り気のある海藻です。そういえば地元でもたまに食べるなこれ。
ベースは稲庭っぽい仕上がりで、ツルッとしたのど越しとモチッとした食感、
その奥から仄かにぎばさ特有の香りが。
そしてつけ汁の旨さったらもう。
比内地鶏×すっぽんでとった出汁に吉野葛でとろみをつけてあり、
どちらかというと少しだけラーメン寄りなつけ汁です。
総じてレベルの高い素晴らしいお店でした。
秋田って美味しいんだなあ。いや、ここだからか。
秋田再訪は決めましたが、他のお店があってもこちらをまた選んでしまいそう。
ご主人は東京の太古八さんで修業されたとのこと。江戸料理の流れを汲むんですね。
こちらの出汁もその太古八時代のものだそう。
接客は丁寧で、皿を下げるとき等気付きが早い…けど、早すぎる!
食べ終わったらすぐ持っていかれる感じです。
追い立てられている気がして、あまり気持ち良くはなかったです。
★は投稿してから何度か悩んだ末、今の点数に落ち着きました。
他のお店と並べて考えた時、食べログの点数は正直若干高い気がしないでもないですが、
過大評価という程でもないです。
9位
1回
2015/07訪問 2016/11/19
2015年7月再訪。
北陸の無化調ラーメンの雄として全国的にも有名になったこちらですが、
ご主人の体調等々の問題により自家製麺をやめ、その替わりにスープの旨みを30%増にしたそうです。
お店の体制も変わりました。営業時間は要確認。
メニューは坦々麺が無くなり、普通の中華そばが「並そば」という名前になりました。
注文は神楽そばの醤油味。
金額はさらに上がったようです。
ラーメンとしてはトップクラスの高さ。
現在強く感じるのは昆布、煮干、節系といった魚介系、その後から鶏がやってきます。
何かが尖っているわけでなく、全体でバランスを取られています。
いわば濃醇系といえるスープ。
塩分は少ないのですが、その分天然素材由来の旨みがしっかり。
旨みが口の中で洪水のように押し寄せます。
確かに旨みはぐっと上がりました。
バランス的には少し渋味が増したかな。
以前の何かが全く尖っていない球体のようなバランスからすると少し崩れた印象。
麺は製麺所からの仕入れ。
ストレートの平打ち麺で、国産小麦のみを使用しているのは以前通り。
全体的にはもちっとした麺ですが、中は芯が通っています。
これを柔らかいという方は結構いるかもしれませんね。
しかし、あの以前の自家製麺に比べると弱いです。
こればかりは仕方ないんだけど、でも惜しい。
具の構成は変わらず。ただしメンマは穂先メンマから普通のメンマに替わりました。
煮卵だけは少し弱いかな。
スープに対しても少し味が薄く感じてしまうんです。
スープの旨みは確かに上がりましたが、その分、全体のバランスは少し崩れたか。
スープ自体もそうですし、麺との絡みもそうですし。
うーん、やはりあの自家製麺で頂きたかったな。。。
あの自家製麺をこのスープで頂いたらどうだったんだろう。
豚骨のガツンと利いたラーメンなどの濃厚好きには全く向かないラーメンです。
「普通」「味しない」という方もいるかも知れません。
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2014年8月再訪。
(タイトル:最高峰の中華そば、総合:★×4.7.、味:★×4.8、サービス:★×2.6、雰囲気:3.5、CP:★×3.8、酒・ドリンク:3.0)
今年の夏の限定は冷やし坦々と鴨冷やしラーメンです。
注文は冷やし鴨ラーメン。
炭火焼チャーシューが釜焼きに変わった今、貴重な炭火焼トッピングです。
(たまに炭火焼きチャーシューもやるようです。気分次第?)
今年の冷やしは一番バランスが取れていて好きかも?
旨味が増した分塩分を控えめにしてあるのか、くどさを感じません。
スープの一滴まで美味しくいただける秀逸なバランスです。
5枚並んだこの日の鴨は珍しく少し獣臭さが残ってしまったか。
それでも炭火の分、随分緩和はされています。
溢れ出る肉汁、旨味が広がり素晴らしいです。
こちらのトッピングは冷やしにピッタリだと実感。
平打ちのちぢれ麺も冷やしたことでプリプリ感がより鮮明に。
口の中で麺が暴れること暴れること。
ネックは金額。
ラーメンとしては脅威の1200円!
高級料亭の椀物のような味わいなのでそう考えればそれほどなのですが、
ラーメンと考えるとやはり高いことは間違いありません。
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2013年6月再訪。
木曜日限定でプリンが加わっていました。
すぐに売り切れになるようで、
お昼の早めの時間帯でないと食べられないようです。
ただし、個人的にはやや外れ。
滑らかさもバニラビーンズの香りも、
カラメルとのバランスも良いのですが、
上の部分で舌に残る部分がありました。
ケーキを翌日まで置いた時に、
生クリームの舌にざらっと残るあれです。
1日寝かしているのでしょうか?
生クリームを使っているからでしょうが、
あれだけ緻密な計算をされているご主人らしからぬ、という印象です。
中華そばは相変わらず流石。
チャーシューはこれまでの炭火焼きの他の、低温調理のチャーシューも加わっています。
低温調理チャーシュー(名前が付いていましたが失念)はややにんにくが効いていて、
やはりレアでしっとり柔らかくこちらもまた美味。
スープで火が通る前に早めに食べるのが理想です。
本人が飽きっぽいのか限定メニューがすぐ変わりますが、
お客さんも基本的には飽きっぽいのでちょうどいいのかもしれません。
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2012年12月再訪。
季節・数量限定の鴨しゃぶ釜あげを注文。
鴨は別皿で供されます。
炭焼の香ばしい香りがしっかり効いて、さらにそれによって鴨の獣臭さも和らげられています。
肉質は全体がレアで肉汁が溢れてきます。
そのまま食べてもつけ汁でしゃぶしゃぶして少し暖めてから食べても良いそうです。
つけ汁はわずかに酸味と辛味を効かせたもの。
優しい味わいですが旨味が強いので、しっかり麺に乗ってきます。
麺は湯に浸かったいわゆる釜あげの状態。
プリっとした平打ちのちぢれ麺は非常に美味しいです。
現状におごらず常に進化しようとしている姿勢は素晴らしいと思います。
接客はもう少し良くなっても良いのにとは思いますが。
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2012年9月訪問。
金沢でもこだわりの無化調ラーメンで有名なお店です。
店構えは優しい木の造り。ラーメン屋っぽくはありません。
お店には行列がつくほどの人気です。
店内はカウンターとテーブルが3席ほどで、ジャズの流れる落ち着いた雰囲気です。
入った瞬間に良い香りがします。
ここでは全部入りの神楽そばを注文。
出来上がった姿はとても綺麗なつくりです。
スープは魚介ベースの清湯ベースの醤油味。
最初口に入れると薄いかと思わせるくらいなのですが、食べ進めるに従って
どんどん旨み、香りが洪水のように広がっていきます。
高級な碗もののような感じで、少なくともラーメンでは味わったことはなかったです。
音楽でいうとクレッシェンド(段々強く)のような感覚です。
普通、どんな濃い味のものでもそれに舌が慣れて段々薄く感じるようになっていく
(デクレッシェンド)はずなんですが。
魚介ベースとは書きましたが何かが突出している訳ではありません。
様々な素材の旨みが重奏的にやってきて、口いっぱいに広がります。
麺は平打ちのちぢれ麺。
少し喜多方~白河っぽいですが、どれとも似つかない味わったことのない麺です。
小麦のいい香りもして、少しだけうどんっぽさも感じる作りです。
プリプリで、絡み付くようにスープを持ち上げます。
具も見事。チャーシューはモモ肉の炭火焼きで、中はレアで肉汁がしみ出します。
ローストポークのようなハムのような凄い味わいです。
メンマは少しニンニクの効いた歯応えのあるタイプ。
ワンタンも凄いです。ちゅるんと吸い込まれていくワンタンは舌触りが抜群、
中のあんも肉のクセが無く美味しいです。
唯一、煮卵だけが他の具に比べるとやや平凡だったかもしれません。
強烈な印象を残した中華そばでした。
「中華そば」としては最高峰かもしれません。
そもそもこれを中華そばと呼んで良いのかどうかも既にわかりません。
値段もラーメンとしては高いですが、むしろ安いとすら感じます。
基本的なことでも徹底的にやりきると、逆にここまで尖ったものになるんですね。
濃厚なスープ、濃い味に慣れている方には向かないかもしれません。
そういう方の中には味がしないとさえ感じる方もいるかもしれません。
そういう方はきっと濃厚なスープが向いていると思います。
完全に作り手も開き直って作ってますよね、「わかる人だけわかればいい」的な。
10位
1回
2015/08訪問 2015/10/17
北海道出身のご主人が北海道食材をメインとしたネオ・ビストロ。
こちらは高級店を自称せず、あくまでアットホームに食べて欲しいというコンセプトのようです。
そのためホームページには
「高級な服は着てこなくて大丈夫です!」
なんて書いてあったりします。
場所は大体新栄駅と千種駅の間くらい。1本地下鉄のある通りとはずれているので要注意。
店内は明るく清潔感のある雰囲気、牧歌的なアコーディオンのBGMが大衆的な印象を与えてくれます。
どちらかと言うとイタリアとかスペイン的な印象。
この日はファミリーのお客さんで埋まっていましたが、いつもは女性客がほとんどなのだとか。
お一人様の女性のお客さんもいました。それだけ気軽に楽しめるお店なのでしょうね。
ランチのメニューは3,800円、5,000円、12,000円(各税別)の3コースがある模様。
気軽にとはいっても決して安いわけではありません。
この日は5,000円のコースで。
豊田市佐久間養鶏場 濃厚卵とフランス産フォアグラのムース
オーストリア産冬トリュフの香り。
いきなり超長いネーミングです。
鳥の巣をイメージしたビジュアルで、卵の殻を器にしています。料理の見せ方が上手。
3層のムースで、下からフォアグラのムース、真ん中はスクランブルエッグ、上がトマトのフォンデュ、
さらに冬トリュフが乗っています。
カリカリに焼いたパンでいただきます。
濃厚なフォアグラに同じく濃厚なスクランブルエッグ、トマトの旨みだけが凝縮されたフォンデュ、トリュフも良い香り。
それぞれが喧嘩することなく交わります。
一品目から好印象。
自家製のフォカッチャは黒オリーブが練りこまれています。
パンにはスペイン産アウボカッサオリーブオイル・北海道音更産発酵バター、
フランス産フルールドセル(塩)とこちらもこだわりの素材が。
先のムースをつけても美味しいんです。
と言うか、後の料理のソースのどれをつけても美味しかった。
北海道厚岸産仙鳳趾産牡蠣の冷製 ホワイトピュアのムース シークワーサーのアルギン産ソース。
北海道は岩牡蠣はなく、夏にはもう冬牡蠣が出回るそうです。
昔、「どっちの料理ショー」にも特選素材として出たそう。
ご主人は「クリームチーズのよう」とおっしゃっていましたが、
確かにそれを連想させる濃厚でクリーミーな味わい。
中にはピュアホワイトという白とうもろこしのムース、さらに爽やかで甘酸っぱいシークワーサー。
アルギン酸を使い、ソースを人工いくらの要領で丸く固めてあります。液体に入れてゲル化させて作られています。
凝ってるなあ。凝っているだけでなくちゃんと美味しい。
無駄に凝っていても味が伴わなかったら意味無いし。
地味に牡蠣が食べやすく切り分けられていたのも好印象。
瞬間燻製のミーキュイサーモン トマトバジルと共に。
サーモンのまわりを瞬間的に燻製にし、中はレア。
下にはバジルのピューレ、上にはトマトのソース、いくらも乗せてあります。
更にサフランのマヨネーズ、下には長野のグリーンアスパラ。
このサーモンがレア加減が程よい感じで好み、薫香も良いです。
ここでスタッフの方が目の前でバーナーで炙り、タルタルを作ってくれます。
今は生のままだと駄目なので、という事で炙りでの提供。
仙台牛の黒毛和牛で作ってくれます。杉の板でやる事で香りもつくのだそう。
フレンチドレッシング、サフラン、揚げたエシャロット、味噌、シナモン、ナツメグ、卵黄等々を混ぜていきます。
カリカリに焼いたバケット、葉野菜とともにいただきます。
レバノン風は定義は良くわからないのですが、オリエンタルでスパイシーな味わい。
ナツメグが結構効いていました。
北海道噴火湾産アイナメと山芋蓮根のムースポワレ 北海道噴火湾産毛ガニのビスク仕立て。
このビスクのソースが毛がにの風味が非常に強く、とても美味しかった!
ふわっとしたムースとアイナメの滑らかな舌触り、上品な脂も美味しいです。
メインの肉料理は牛、鴨、豚の選択制。この日は牛を選択。
どれにもフォアグラのポワレがつきます。
宮城県産仙台黒毛和牛 A5等級ランプ肉のローストと鴨フォアグラのポワレ。
上には甘味のあるポルト酒のソース。
…あれ、美味しかった筈なんだけど、これが一番印象に残っていなかった不思議。
ボリューム的な問題かな。
デセールには山梨県産白桃のコンポート 蜂蜜のアイス添え フランボワーズのエスプーマ。
フランボワーズのエスプーマが帽子を被っている様で可愛いです。
そのフランボワーズの酸味に甘味強めの蜂蜜アイスでバランスを取っています。
全体的にレベルが高く、内容に対してコスパも良いです。
高級なサービスはしませんとのことですが、十分気持ちの良い接客でした。
席数に対してスタッフの方も多いですし、少なくとも不足は感じず。
ご主人も忙しそうでしたが、ひょうきんな人柄も窺い知れました。
これは人気店になるのも当然だわ。おススメ。
2015年11月再訪。
長くなるので書く気は無かったのですが、
今年のマイベストレストランのアップに必須なため、さわりのみ。
素晴らしい料理人であるご主人ですが、ここに来てまた腕に磨きがかかっているような。
この日はあん肝とタラの白子が抜群。
そうそう味わえるような代物ではないです。
安定感というか貫禄も感じられるようになってきました。
あまり持ち上げ過ぎるのも癪ですが(笑)、このままいったらどこまでいくのか。
努力する天才程手に負えないものはないです。
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2014年9月初訪。
今年のうちにどうしても書いておきたかったお店です。
竜王ICやアウトレットモールの近く、田んぼの真ん中、かなり辺鄙な場所にありますが、名店です。
まずは結論から。
とにかく素晴らしい。この先どうなっていくんだろうと末恐ろしいです。
ご主人はたん熊さんや招福楼さん、山玄茶さんで修行された後、
お父さんが鉄板屋を営む場所で一緒に始めた、でしたかね?
お父さんは亡くなられましたが、思い出の鉄板を無くすのは惜しいと今でも残してあります。
なので実は鉄板焼も出せるお店だったりします。
素材も日本料理では使わないような素材や調理法にも果敢にチャレンジ、若さというか勢いを感じられます。
その上で、懐石としての芯は外さないのだからバランス感覚にも優れています。
コースはこの時は\6,500~だったかな?
\13,000のコースを選択、これに税・サービス料込みで\14,000でしたが、これでも確実に安いと思わせてくれます。
以下、内容ですが覚え切れていない上、何が旨いかとか書き出したら全部旨いので書ききれる範囲で。
・八寸
落ち葉を拾う籠を模した器に盛られきます。
琵琶湖の本もろこの揚げ物、イカのしんじょう揚げ、帆立・フカヒレ・鮎の春巻、
たこと赤ずいきの生姜酢がけ
カマスの棒寿司
さんまの有馬煮
自家製の玉子しんじょう
大徳寺麩のクリームチーズサンド
坂出芋のきんとん
有機栽培の玉葱を巻いた鴨ロース
自然農法で作られた枝豆
いきなり高級食材のオンパレード。
どれも美味しく外れが無いです。
ふにゃっとしながらもしゃくしゃくとしたずいきの食感がいいんですよね。
実山椒を使った有馬煮も見た目に反して上品な味付け。
・お造りは皮目を炙った長崎のどぐろ、すずき、境港の鰤のカマトロ、気仙沼の鰹、北海道の秋刀魚、同じくウニ、
北海道のボタン海老はそのままと長崎のやりいかで巻いたもの、ヒラメは産地の違うものを2晩寝かしたものを食べ比べ
スダチの果汁に塩を加えた塩酢、おろしの入ったちり酢、土佐醤油でいただきます。
ヒラメの食べ比べが良かったですね。同じヒラメでも旨み、食感と違ってくるものです。
うにの粒立ちもハッキリしていて美味。
のどぐろも勿論美味しいし、肉厚に切られた鰹も、ええと、いやもうどれも美味しいや。
・ジャガイモを混ぜた飯蒸しにいくらと海苔が乗っています。
ジャガイモはグランドペチカという品種だそうです。芋の味が濃い!
新物のいくらも負けずに主張してきますが、
けんかすること無くうまく調和しているんですよね。
・おこぜと大黒しめじ、蓮餅の椀物
おこぜには梅肉が添えられています。
大黒シメジはいわゆるホンシメジですね。
肉厚で美味。旨みが豊富で「香りマツタケ、味シメジ」といわれるくらいですしね。
・とらふぐの焼物
10日間ほど熟成させてポン酢浸けにしたもの。
上にはアサツキ。
・蒸し鮑とゴマ豆腐の揚げ物の煎りだし
瀬戸内の鮑は小さめで柔らかさ、香りともに中々。
でも飛びぬけているかといえばそれほどでも。
飛びぬけたのを食べたことがあるからかなあ。
・フォアグラの羹と梅を米粉の最中で挟んだもの
自然栽培で作られた米粉だそうです。
もっちりとした最中に濃厚なフォアグラが絡みつきます。
・鮎は塩焼きと生姜醤油で。
塩焼きには木の芽酢がかかっています。
骨まで柔らかく、中の腸は苦味がほとんど無かったです。
これを是ととるか非ととるかは人それぞれでしょうか。
・ジャガイモ饅頭のなめこの餡がけ
上に永源寺まいたけと生姜が添えられています。
・松茸と伊勢海老のフライを塩とソースで。
松茸は中国産だったかな?でも香りが良いです。
イセエビは中がレアでぷりぷりです。
エビは揚げ物との相性が半端無いですよね。
中の水分と旨みが逃げないから。
塩がベターでしょうが、ソースも案外いけました。
・鰻の飴焼き
木の芽と茗荷が添えられています。
琵琶湖のもの。稚魚を琵琶湖で放流して生簀の中で育てる為、厳密には天然ではないとのこと。
この辺りの地理に詳しければ構造上本来天然では有り得ないのは分かるのですけどね。
どこも天然だと言っているのに素直なものです。
飴でパリッと香ばしく焼かれていました。
鰻の脂の乗り、香りは控えめ。
・毛がに、オクラのたたき、ウニ、アワビタケの紅梅煮、石垣貝をポン酢のジュレで。
これらを混ぜていただきます。
・アグリドリームトマトの浅漬け
糖度9以上の非常に甘いフルーツトマトの浅漬けです。
これが瑞々しく甘い!ほのかな塩味も良い!
実はこれが一番印象に残りました。
・子持ち昆布と万願寺青唐のおひたし。
プチプチと良い歯ごたえで香りも良く、
青唐の香りも○。
・まる鍋(ミニ)
上にはねぎ、にらが浮いています。
人生初のすっぽんです。
いやあ、すっぽんって、旨いんだなあ。
臭みも無いし柔らかいし。
すっぽんが旨いのか、ここだから旨いのかは分かりませんが。
エンペラ(甲羅の縁のやわらかい部位)のコラーゲンたっぷりのプルプルとした食感もたまりません。
・食事は土釜で炊いた松茸ご飯。
ここまでくると流石にお腹いっぱい。
こちらは握って頂いて持ち帰ることも可能です。
・デザートはブラマンジェ
葡萄が添えられています。
甘さ控えめでお腹いっぱいでもすっと入ります。
デザートは別腹って、本当だ。
・締めに葛切りまで。
いやー、本当に凄いです。
ボリュームは大変多く、とにかく盛りだくさん。
女性には結構大変な量かもしれません。
が、それがいい。
懐石で盛りだくさんに感じることってほぼ無いですから。
むしろありがたいです。
もろこ、フカヒレ、のどぐろ、うに、いくら、とらふぐ、あわび、フォアグラ、鮎、松茸、伊勢海老、鰻、すっぽん等々
書ききれないほどに高級食材がこれでもかと使われていますが、下品に感じさせない凄みがあります。
普通これだけ使われると下品に感じるはずなんですが。
というか一度のコースで出る内容か?これ(汗)
土地柄、どこからも近いので色んな所良い素材が入ってくるのだそうです。
量はかなりたっぷり。女性は勿論男性でも大変な方もいるかも。
また、料理はちょうど良いタイミングで出てきます。
接客も付かず離れずで程良く、料理説明はおぼつかないところもありましたが、
まあ、こんなの覚え切れないわな・・・と。
後からご挨拶に来てくれたご主人も物腰柔らかで人柄を感じさせます。
金額はこの内容ならとても安いと思わせてくれます。
10000円オーバーで安いと思うことはほとんど無いのですが。
レベルが極めて高く、しかも研究熱心。
今まさに変わりゆくお店です。
今度来たときはまた違う姿になっているでしょう。
ずっと見守っていたいです。
唯一の心配は東京や大阪に行ってしまわないかどうか、それだけ(苦笑)。