Redfoxさんが投稿したAZUR et MASA UEKI(東京/乃木坂)の口コミ詳細

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AZUR et MASA UEKI乃木坂、表参道、六本木/フレンチ

1

  • 夜の点数:4.2

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.3
      • |サービス 4.1
      • |雰囲気 4.1
      • |CP 3.8
      • |酒・ドリンク 4.0
1回目

2017/08 訪問

  • 夜の点数:4.2

    • [ 料理・味4.3
    • | サービス4.1
    • | 雰囲気4.1
    • | CP3.8
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

記憶に残る組合せの妙♪鬼才が創り上げる繊細フレンチ

フランスやイギリスの3星フレンチをはじめ、国内外の
レストランで食事をしてきましたが、記憶に残るお店の
1つになりました。

夫が時々ランチに行くお店やかかりつけ医の近くに素敵な
レストランができ、気になっているというので、
8月の週末に伺ってみたのがAZUR ET MASA UEKI。
広尾、六本木、乃木坂いずれからも若干距離があるので
タクシーで訪問。

2016年ベストワインメーカーに選ばれたジュリアン・
フェイヤード氏が手掛けるカリフォルニア・ナパバレーの
AZUR WINES(アズールワインズ)と、ご出身の金沢を
中心に日本の食材をフレンチのテクニックで仕上げる
「和魂洋才」がテーマのフレンチの鬼才植木将仁シェフが
コラボした西麻布にあるワイナリーフレンチレストラン。

AZUR WINESのセラーを模したウエイティングスペースや
暖炉のある洗練されたシンプルモダンな店内は温かみの
ある雰囲気。

テーブルの間隔も離れているので他のお客様がいらしていても
気にならず、くつろいで食事をすることができます。

夫は仕事上会食の機会も多いので、参考のために個室も見せて
いただきました。お忍びで来れるように裏口のある個室も♪
また個室は子供連れもOKとのこと。

オープンキッチンなのでてきぱきとお料理を創り出すシェフ
たちのお姿も拝見できます。

サービスプレートは有田焼のオリジナル。器にもこだわっていて、
有田焼をはじめ、「和」を感じる器などオリジナルでオーダーして
いるそう。ロゴを刺繍したナプキンもかわいい。

ミントを添えたおしぼりは蒸し暑い夜を爽やかにする嬉しい心遣い。

さてお料理はおまかせのコース(15,000円)1種類のみ。
予約の際にも聞かれましたが、当日もアレルギーのある
食材や苦手な食材を確認されます。

コースにはタイトルがつけられており、今回いただいたものは
【太陽に抱かれて Plein Soleil】。詩的な響きのお料理名と
ともにシェフのセンスが伺えます。

夫とフレンチレストランに伺う時は大体白、赤1本ずつ注文する
ことが多いけど、こちらはAZUR WINESをはじめとした
ペアリングがお勧めと伺い、今回はアルコールペアリング
(6900円)をお願いすることに。

まずはシャンパンからスタート。

Champagne Janisson&Fils Brut Tradition
ピノノワール70%、シャルドネ30%で、リザーブワインの
熟成感が特徴のシャンパンで、コクがあるので食前酒
だけでなく、料理も合わせやすい味わい。

盆栽が出てきた?と思ったら、木にはオリーブが!接待などの
会食や初めてのデートなら、必ずやこのアミューズで一気に
場がなごむことでしょう。

しかも単なるオリーブではなく、オリーブの中にニース風
サラダを再現したものが入っているという凝り様。
オリーブそのものもジューシーでとても美味しく、さらに
この小さなオリーブの中にじゃがいも、ツナ、卵などのニース風
サラダの世界観を詰め込むとは!のっけからプレゼンテーション
とともにその独創性に驚かされます。

【華やいだ微笑み】 
夏野菜とアワビのクリスタルジュレ

器と言い、盛り付けと言い、涼やかで彩り美しい1皿目は、
固めの透明のトマトのゼリーの上にオクラや枝豆、
ズッキーニなどのシェフのご出身の能登の夏野菜と小さく
カットされた黒アワビ。

黒アワビは小さくカットされていてもコリコリとしっかりと
食感を感じられます。ソースはアメリケーヌソース。
コクはあるけど、濃すぎず、野菜とアワビの風味を消すことなく、
むしろうまく素材をひきたてていて、この最初の2品で好みの
お料理と確信。

【甘美なる憂愁】
フォアグラのコンフィ 毛ガニ マンゴーショコラシャンティ

五味を再現したという美しいお皿は下からマンゴー、
キャラメリゼしたフォアグラ、毛ガニ、そば粉のガレット、
チョコレートムース。

全てを一緒に口に入れると素晴らしいハーモニー。どれか1つが
主張するのではなく、全ての調和が取れ、それぞれの味、
美味しさ、五味を感じることができる優れたお料理。金箔を
イメージしたゴールドのお皿は有田焼。

AZUR ROSE 2013
シラーで作ったAZURのシグネチャーワイン。フォアグラには
ソーテルヌなどの甘いワインを合わせるのが一般的ながら、
このロゼを飲むと口の中でフォアグラがより香り、
フォアグラの余韻も長く感じました。

【枯山水】
天竜川放流 鮎のコンフィ シャンパンブルーベリーソース

4時間かけてコンフィにした鮎は頭からしっぽまで食べられる
柔らかさ。鮎との香りつながりでスイカのチップ、マイクロ
きゅうりを添え、緑色のソースは鮎と言えばの蓼のピューレ。
そこまではわかるけど、そこにシャンパンブルーベリーソースを
合わせるところにシェフの感性が光ります。このソースが
美味しいこと!

川を泳いでいるかのような鮎。まるで絵画のような
清涼感ある美しい盛り付けです。

NIWARINGO
ここで合わせたのはワインではなく、信州中野産の「美山錦」を
使用し、北信州の超軟水の湧き水で仕込んだ日本酒。リンゴ酸を
多く産み出す酵母を使用したことから「ニワリンゴ」と命名。
夫曰く「上質などぶろくの上澄みを飲んでいるかのよう」

【はんなり】
淡路産鱧ととうもろこしのムース 鱧と金時草のコンソメスープ

まずは素敵な南部鉄器がテーブルに登場し、目の前で
鱧と金時草のコンソメスープをお料理に注ぎます。
器は瓦を使った素材。鱧とコーンのすり身に備長炭でじんわり
温めたスープは奥深い味わい。

【奥八女茶】
このお料理には3日間(!)かけて水出しした奥八女茶を
合わせます。水出しのお茶は味がまろやかで、玄米の香りが
心地よい。冷蔵庫に常備しておきたい~!と思う美味しさ。

【海への悲歌】
日本海直送マゴチのガストロバック 蛤ペルノソース

マゴチは皮がパリッとしていて身が締まっていて、マゴチの
下にあるとても大きな蛤は火の通りが絶妙。魚好きの夫は
「マゴチを皮つきで食べさせるのは珍しく、初めての経験」と
興奮。ソースは蛤の旨味が凝縮していて非常に美味。
無農薬、オーガニックのあんがとう農園のマイクロトマトと
マイクロペコロスの酸味が全体をひきしめ、磯海苔のパウダーが
風味に広がりを持たせ、満足度の高い魚料理。

Odette Adaptation Chardonnay
典型的なクリーミーなタイプのアメリカのシャルドネながら
樽香をほどよく押さえたワインは蛤のソースにぴったり。

【ゆらめく微光】
能登湧水のジュレ アズールのレディクション

ここでまた楽しいプレゼンテーションが♪
口直しに、能登の湧水で作ったジュレをところてんの
ように自分でグラスに出すという楽しさ満載の1皿。
能登の和三盆とカルベネソーヴィニヨンの蜜が口の中を
リフレッシュ。

【饗宴の花】
京都由良川天然うなぎと短角牛テールの赤ワイン煮

「お香のような香りがしない?」と夫が話しているとやってきたのが
こちら。目の前で蓋を開けるとヒッコリーで燻されたお料理が登場。

網脂で牛テールと鰻を包み、下にはバナナとひしお、上には
短角のラム芯。

赤ワインのソースとひしおがうなぎのかば焼きに通じる風味。
ヒッコリーの香りは蓋をして運んできた時が一番強く感じ、
食べるとそれほど強くは感じません。

鰻とテール肉の赤ワイン煮にバナナ、ひしお...非常に斬新な
組み合わせのようでいて、熟す前の甘みのバナナを使用し、
甘いバナナだったら成立しない、そんな計算しつくされた素材
選びで、幾重にも重なる複雑な美味しさ、想像を遥かに上回る
組合せの妙にただただうなるばかり。

AZUR Cabernet Sauvignon 2013
パワフルなカベルネソーヴィニヨンではなく、メルローのように
なめらかなタイプでお料理に寄り添います。

【幸いなる出会い】
天橋立天然すっぽんとサマートリュフのリゾット。

ゆでたまごの下にはサマートリュフがたっぷり。すっぽん
スープを目の前で注いでくれます。

白身を開けると中にはリゾットが入っている楽しい仕掛け。
柔らかく優しいサマートリュフの香りにすっぽんの出汁が
調和し、繊細な味のハーモニーを奏でます。まるで和の
出汁のような旨味で、お椀に通じる滋味深さ。夫は「サマー
トリュフがお椀にかけた削り節のような仕事をしている」
と感じたとのこと。これも計算しつくされ完成度の高い1品。

A Cote Pinot Noir 2013
繊細な風味のリゾットには穏やかなタンニンで清楚なアロマの
ピノノワールをあわせて。

【爽涼】
白桃のコンポート レモングラスのヨーグルト 赤パプリカと
プラムのソルベ

香り高い白桃のコンポートにレオングラスの香りが清涼感を
与えます。タピオカの食感がアクセントに。

アルカブランカドース
日本固有の葡萄「甲州種」を使用した勝沼醸造の甘口アイス
ワインとともに。

【南島に粉雪を】
シークヮーサーと和梨のソルベ 泡盛のサヴァイヨン 
黒糖のクランブル

夏の沖縄に降る雪をイメージしたデセール。泡盛や黒糖の中に
シークヮーサーがふわっと香り、口の中で南国に降る雪を感じます。

KISHU 紀の司 紀州産南高梅 梅ワイン
最後は爽やかな梅で作ったワインを合わせて。

田無 新倉農園のハーブティー
ポットでサーブされるハーブティーですっきり。

小さな宝石たち プティフール
かわいらしい木製のお裁縫箱を開けると中にはプティフールが!
最後までいろいろな形で楽しませてくれます。

チョコクッキー、レモンケーキ、ラベンダーマカロン、食用花、
紫芋ケーキ。袋入りのワインゼリーはお持ち帰りできるように
なっています。

マカロンもこうして棒がついていると表情がかわりますね。
童心に戻った気分でぱくり。

「いかがでしたか?あたりが出ましたか?」と聞かれ、よく見ると
私の棒に「アタリ」の文字が!アタリが出た人にはクランベリーと
ジン、ジンジャービアのジュレカクテルをいただけるサプライズ。
最後の最後まで楽しませてもらいました。

植木シェフのお料理は、メニューと素材からの想像を遥かに
超えた美味しさ、完成度で、冒頭にも書きましたが、非常に
記憶に残る素晴らしいお料理でした。

最後にシェフがテーブルまでご挨拶にきてくださり、夫が
「足し算ではないアッサンブラージュの料理に感動した」と
申したところ、「素材の足し算ではなく、料理の完成形の
イメージが先にあり、素材をどう組み合わせて完成形に
持って行くかを試行錯誤しながら作り上げていきます」
とのこと。一般的にフランス料理は足し算の料理と言われますが、
シェフのお料理は引き算の和食に通じるものを感じました。

全体的に軽やかなお料理なので、フレンチなのに、そして
これだけの品数を食べているのにも関わらず、身体に負担が
かからない点も魅力的です。

季節を感じる和の素材、情緒ある盛り付け、器、おもてなしの
心を感じるサービス、ワインのみならず日本酒や日本茶との
マリアージュなど全てに「和」を感じることができ、海外からの
お客様にも喜んでもらえるフレンチレストランだと思いました。

記念日や大切な方との会食にも最適で、季節ごとに伺いたい
レストランです。

2017/08/27 更新

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