2回
2015/06 訪問
老舗 並木藪蕎麦|Logbook
久しぶりの上京
あれこれ考えてみた結果
新幹線を上野で降りて浅草へ
昔
駒方どぜうの帰り道
いつか行きたいと思っていた店
雨上がりの11時過ぎにようやくたどり着いた
店は新しくなってもあまり変わった感じがしない
鴨居の高さも昨今主流の6尺6寸ではない
そういう事って大切だと思う
思い入れが強すぎたのか入り口の鴨居に頭をぶつけた(汗)
スタッフの皆が心配して声がけしてくれる
愛想がよく頭は少しばかり痛いが気分はいい
「もう使わないからお店で使って」
と彼女から借りてきたビニール傘をプレゼント
赤のドットが全面に入っていたから
「かわいいかさね~ ありがたく使わせてもらいますね」
と受け取ってもらえた
小上がりのテーブルには学生たちが緊張した面持ちで蕎麦を待っていた
修学旅行生だろうか?
思い出の一ページが作られようとしている光景を横目に
行きたいお店がたくさん有るから
ぐっとこらえて「ざる蕎麦」を一枚注文した
「お待たせしました」
そう一声あって蕎麦が置かれた
盛りは少なめ
田舎の蕎麦屋でこの分量なら不平も出るだろうが
なんといっても並木藪蕎麦
750円でこの量なら納得である
何もつけずに蕎麦をひとはさみ
適度に冷やされているがキンキンに引き締まったものと違う
ビールと蕎麦の冷えすぎは好まない僕でもいい感じの締め具合だ
つるつるの麺は繊細で細く喉越しがいい
噛んでみると程よい固さ
蕎麦の温度が上がってきたのだろう
そばの味が口の中に広がってきた
飲み下した後ほんのりと蕎麦の香りもする
そばつゆは江戸前の辛口といわれる
少なめに猪口に入れ一口飲んでみる
醤油の旨みに鰹節の香りと味がふわっとあがってきた
宗田節を想像してしまうような華やかな香りだ
辛いというより甘味が少なめ醤油の旨みが生かされて
ちょっと濃縮したような強さがあると言う印象を受けた
そばつゆにつけてそばを食べると
「美味しい」
素直にそう思った
こればかりは理屈じゃない
薬味もつけずにするすると啜る
あっという間に三分の二なくなった
終わりが近づく事が少し悲しい
山葵を蕎麦の上に載せてからそばつゆをつけて食べる
繊維を感じる山葵は香りが良くてからみは比較的少ない
ここでスタッフが蕎麦湯を持ってきてくれた
大きな陶器の入れ物で
蕎麦湯の色も適度に白濁した程度
最初はそばつゆに割って飲み
次に蕎麦湯だけで飲むと蕎麦湯の香りが豊かな事に気づく
あっという間の出来事だった
もう一枚食べたい気持ちをぐっとこらえお会計を済ませる
「お帰りは頭に気をつけてくださいね」
スタッフが気を利かせてくれた
「ありがとう とっても美味しかったよ」
そういいながら笑顔で店を出た
とっても幸先のいいスタートを切った気がする
美味しい東京がようやく始まった
2015/08/07 更新
並木藪さんのそばつゆは
僕が知る限り日本一辛いw
そのそばつゆを味わいたいから
シンプルなざるそばを注文
長い蕎麦を手繰り
つゆにちょん付けしてすする
醤油のきりっとする口当たりで
だしは後から登ってくる
食べ終わったら
最後にそばつゆを蕎麦湯で割る
出汁の香りがブワッと広がって
たまりの甘さなども口に広がる
お店を新しくしても
それを感じさせない作りは心地よi
ここのざるそばは日本一だと思う