2回
2018/12 訪問
東京を代表する老舗おそば屋さん
この日はお庭の隣の席をあてがってくれた
鮨屋が捨て去った気楽さがまだ蕎麦屋には健在で
花番さんの都会的だけど気位を感じさせない接客が大好き
日本酒を一本と玉子焼きを注文してみた
程なくすっきりした徳利に杯そして箸休めの梅くらげが届けられた
しみったれて梅くらげを舐めながらちびちび杯に口を当てる
打ち水されしっとりした庭を見て和む
この数坪の庭だけで僕の家より固定資産税が高いことを考えると
日本橋の室町に庭を設える心意気を感じた
花番さんが玉子焼きを届けてくれる
付け合せは大根おろしに醤油がたらしてある
大きめに切り分け口元へ
もっと甘いのを想像していたら
蕎麦つゆをたっぷり含んで柔らかい口当たり
予想外にからくちでごま油の香りが香ばしく鼻から抜ける
この玉子焼きには樽香がある冷酒がよかったかと思いつつも
普通のお酒でも楽しめた
老舗は酒の味まで変えてしまうマジックがある
玉子焼きの皿が空いてしばらくするとお皿を取りにきたとき
さりげなく次の注文の水を向けられる
これ幸いと天もりを注文
忙しくとも花番さんはそこかしこに目を光らせているようだ
「もりそば」のほうが「ざるそば」より細い
細いけど噛み応えがある
蕎麦つゆが濃い目でからめそしてみつばの香りが意外と強い
ここのかき揚はつゆに浸してあっても
そこそこの固さがありぶわぶわしていないし油にじみも少なめで
これを見て「日清の天そばはこれを目標にしている」と感じた
ここのざるでももりでも
蕎麦の香りが濃厚という記憶がない
その代わりいつも安定した美味しい蕎麦を提供してくれる
だから刻みねぎを使う事もなければ
上質な山葵もつゆに溶かず箸先につけて食べるのが楽しい
100点を目指すけど80点の日もあるし95点の日もあった
なんていうのは新参者でチャレンジャーの姿勢
90点以下の日が一日たりともあってはならないのが老舗
暖簾を受け継ぎ守るものの使命であり難しさだと思う
「ざるを二枚」なんて頼むのが当たり前なほど蕎麦の分量は少ない
ぼくは3~4回手繰ってで食べ終えて物足りないけどぐっとこらえて
「何も手を施していない」蕎麦湯をつゆと割って飲む
すると一気にだしがぶわっときて
程よい甘味も口に広がるのが分かった
あ~っとひとここち付きたくなる
なんともいえない幸福感にひたる
東北で蕎麦のおいしい所もあるけれど
蕎麦・つゆ・薬味(山葵)・蕎麦湯・雰囲気
全て平均点以上というところはそうめったにあるものではない
僕はそんな理由で蕎麦を食べるなら「江戸に限る」と思っているし
老舗で食べる蕎麦はやはり一味違う
室町砂場もそんなお店のひとつだと思うし
ゆっくり腰をすえてもりそば3枚くらい食べてみたいものだw
P,S,
この日は日本橋三越本店催事場で
僕の大好きな漫画「夜廻り猫」展を観賞した
夜廻りをする猫・遠藤が心を癒す大人気の8コマ漫画よろしかったら読んでみて下さいね
http://www.moae.jp/comic/yomawarineco
2021/12/24 更新
冷たい雨が降る東京
5月末なのにスーツで丁度いい
お店に入ると空席がある
腰を据えて蕎麦前を楽しむことにした
まずはビールで喉を潤す
あては子持ち昆布
久しぶりのボリボリ
焼き鳥はタレで
串は打たないけれど
むね、もも、かわ、きも
色々な部位を楽しめる
ネギが甘辛のタレに絡んで美味しさに花を添える
お出汁が美味しいお店の
具材豊富な茶わん蒸し
プルプルあつあつで味もいい
匙ですくって慎重に食べ進んだ
締めはやはり天盛り
ここのかき揚げと熱い汁でそばを食べると蕎麦はお江戸だなぁ
なんていいたくなったw
ごちそうさまでした♪