2回
2018/12 訪問
品良く仕上がったどじょうを是非とも食べてほしいです
用もないのに浅草参り
その後来たのがこちらの駒形どぜう
皆さん御存知どじょう鍋の名店ですね
どじょう鍋は三種類で注文した姿そのままの「まる鍋」
外には頭を落として開いた「さき鍋」と
調理済みの状態で来る「柳川鍋」があります
江戸時代はテーブルは無くお膳が主流だった事から
入れ込み座敷となっており
座敷に見事な厚みの一枚板が敷かれ
その上に火鉢と鍋が置かれます
傍らには割り下の入れ物に刻みねぎと取り箸
そして唐辛子と山椒入れが木箱に納められています
なべ底が浅いからすぐぐつぐつと
どじょうが煮立ってきたら豆皿にとりわけいただきます
最初は何もしないでそのままいただいてみてください
甘じょっぱい味噌の醤油の砂糖の風味が
渾然一体となって口に広がり
その後に油の抜けた鰻のような味がほんのりするだけ
これほど上品に仕上がったどじょう鍋を
最初はそのまま食べてみてほしいと思います
調味料やねぎ別注文のごぼうのささがきは必要に応じて使ってください
鍋の汁がなくなり
どじょうが焦げないように割り下を足し
鍋の隙間にねぎを入れてくつくつ炊きます
煮えたねぎがまた美味しいのですよ
このねぎは足りなくなると追加してもらえますが
いつまでもねぎばっかり食べるのも大人気ないですから
その辺は心得ておいて下さいね
いつもならもう一枚どじょう鍋を食べるのですが
冬限定のなまず鍋をいただきました
骨付きなまずのぶつ切りが下調理され
焼き豆腐と一緒に盛り付けて出されまます
味噌を使った下茹ではされていない感じ
なまずの種類は分かりません
骨付きの身をしゃぶっていただくと
以前なまずのフライを食べたときに感じる事がなかった
淡水魚ならではの粗野な味が残りますが
山椒を一振りすると気にならない程度でした
豆腐も水切りがしっかりしてあり
箸で持ち上がる硬さがありつつも
口の中ではほろりと崩れてゆく感じ
その後ささがきごぼうを注文して鍋にいれ
刻みねぎも一緒に投入
ごぼうはなまず鍋と相性が良く
互いの持ち味を上手に引き出せました
おさけは常温の徳利と原酒の冷を枡で
いつもながら鍋の味を邪魔しないバランスの良い酒です
最後になりますが
入り口の下足番さんに預かり札をもらい
靴を脱ぎ
花番さんが案内知れくれて
腰を落ち着け注文をし
厨房では板前さんが調理したものを
花番さんが配膳しれくれます
ひとり鍋だと
甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる丁寧さ
最後に会計を頼めば
金庫番さんが計算をして花番さんに金額を教え
支払いを済ませます
今は分かりませんが
昔は燗酒をヤカンで注ぐ
名物のお燗番さんや炭番さんもいました
まさに江戸時代からシステムが一貫して変っていないこのお店
200年以上続く老舗ならではの人を贅沢に使った対応をしてもらえます
人材確保に人件費など楽ではないでしょうが
この姿勢をこれからも続けてもらえたらうれしいです
玄関に出して置いてくれた靴に脚を通そうとすると
下足番さんに靴べらを手渡され
笑顔でお礼され店を後にする
日本のおもてなし文化は素晴らしいと感じたひとときでした
2021/02/08 更新
数年ぶりに鍋をつつきに来た
花番さんは相変わらず元気よく
こちらまで清々しい気持ちになる
桝酒と丸鍋(割いていない鰌を使った鍋)を一枚注文
いくらも立たないうちに桝酒に盛り塩が届く
初めにひとくち舐めるように楽しみ
次は桝の角に塩を置きなめてからもうひとくち呑む
体に良くないとされることだけどw
これがまたうまいw
下焚きされた鰌が鉄鍋に敷き詰められて登場
暫くして
汁がくつくつ言い始めたら煮えたところを頂く
あらかじめ味付けして下茹でしてあるので
箸で持ち上げると鰌が切れそうになるところを
そっと持ち上げ小皿に取りつつく
大ぶりの鰌には子が入っていて食感が楽しい
味は甘じょっぱく鰌本来の味を感じることはほとんどない
そん所そこいらの鰌鍋とは一線を隔した味付
それが食べ慣れない人すら虜にする
人気の秘訣だと思う
鰌を食べ進め鍋が空いたら刻み葱を入れて
鍋汁を足し葱がくたっとなるくらいまで煮る
そこを取り分けてつつくのだが
この甘辛い味と葱のからい風味が入り混じりなんともおいしい肴になる
酒と鍋を楽しみほぼ満足だけど
ここの鍋は汁を味わうことが出来ないから
最後に鰌汁で〆る
まったりとした甘口でどろりとした味噌汁と鰌がまた濃い口で酒にも相性が良い
推奨は刻み葱と七味だけど僕は七味と途中味変に山椒をふってぺろりと平らげた
食べず嫌いの人に対して無理に勧めることはしないけど
それってとってももったいない事だよといってあげたいw
お江戸ならではの風情感じたい人はぜひ楽しんでみてほしい
店舗、接客、料理
三拍子揃った良店
お勧めのお店です
ごちそうさまでした♪