4回
2024/11 訪問
深秋の味覚を堪能する — 芦屋『壱』での至福のひととき
兵庫県芦屋市に位置する日本料理店『壱』。
今月の訪問では、季節の食材をふんだんに取り入れたコース料理と厳選された日本酒をおまかせで堪能しました。
まず、最初の一杯は「くどき上手 純米大吟醸」。
一皿目は、蟹の身がたっぷり詰まった餡掛けで、生姜のアクセントが効いた逸品でした。
続いて、箸休めとして河豚の皮が提供され、次の酒「AKABU 純米吟醸」へ。
おしゃれなラベルが印象的です。
八寸では、銀杏のフライや柿、おろしいくら、慈姑(くわい)のフライなど、秋の味覚が彩り豊かに並びました。
次に、北海道産のキンキと蕪の一皿。
キンキの脂が蕪に染み渡り、絶妙な味わいです。
日本酒「日日」とともに、兵庫県産の新鮮なイカが登場。
包丁の入れ方が見事で、甘みが際立ちます。
続いて、穴子の握り寿司が一貫。
口の中でとろける食感に感動しました。
自家製の飛龍頭(ひろうす)は、ふわふわの食感で、白味噌の出汁が絶品。
日本酒「松の司」との相性も抜群です。
さらに、炙ったキャビアを河豚の唐揚げに乗せた一品は、キャビアだけでも酒が進む美味しさ。
河豚の食感も絶妙でした。
『壱』では珍しい飛騨牛の一皿も提供され、肉の旨味をしっかりと感じられました。
続いて、鴨の出汁が効いた全粒粉の素麺。
締めのご飯は、香箱蟹(せこがに)の混ぜご飯で、思わず4回もおかわりしてしまいました。
デザートには、ブラックサンシャインマスカットの大福とキリマンジャロのアイスコーヒーが供され、深秋の訪れを感じる大満足のコースでした。
2024/11/08 更新
白身魚のお造り。
透明感のある身にはほどよい弾力があり、口に入れるとふんわりとした甘みが広がります。
合わせたのは、「黒牛」生酒原酒。
紀州の地酒らしいふくよかな旨みと柔らかな酸が特徴で、淡白な魚の旨味をしっかりと受け止め、引き立ててくれました。
続いて登場したのは、肉厚なとり貝の炙り。すだち?を絞っていただくと、磯の香りがふわりと立ち、噛むごとに旨みがじゅわっと溢れ出す贅沢な一皿でした。塩とわさびが添えられ、好みに合わせて味わいの変化を楽しめる配慮も嬉しいところです。
ネギトロは香ばしい海苔が添えられた一品。自由に手巻き風にして楽しめます。
お椀には、春を代表するアスパラガスと、ふっくらした貝が使われていました。白濁した吸い地は優しく、体に染み渡るような滋味深さ。ここでも旬の素材の力強さを感じました。
揚げ物には、カリッと揚げた白身魚に香り高い花山椒がたっぷりと添えられていました。山椒のほのかな辛味と爽やかな香りが、揚げ物の油をすっきりと流し、あとを引く味わいでした。
肉料理には、絶妙な火入れが施された赤身肉。中心がほんのりレアに仕上げられており、やわらかな食感と肉の旨みが凝縮されています。添えられた春野菜とともに、力強い季節のエネルギーを感じさせる一皿でした。
ご飯ものは、まず筍ご飯。春ならではの滋味深い筍の風味が、ご飯にたっぷりと移っていて、噛みしめるたびに甘みがにじみ出ます。
さらに、桜海老の釜炊きご飯も登場。炊き立ての香ばしい香りと、桜海老の濃厚な旨味が相まって、これぞ贅沢な春の味覚!思わず箸が止まらなくなる美味しさでした。
最後の甘味には、いちご大福。しっとりとした皮と、果実の甘酸っぱさ、控えめな餡の上品な甘さが、コースを締めくくるにふさわしい優しい味わいでした。