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老舗の三笠会館にて修行後、渡仏。
フランス三ツ星店「ポーマニエール」と二つ星「ジャック・カニャ」で修行を重ねた後
今はなき渋谷の「ネプシス」で料理長を担当された、
そんな凄腕シェフ 佐藤淳一氏が開業されたお店。
そういえば昔ネプシスで修行されていた方が今、QEDにいらっしゃるみたいですね。
QEDはつい先だって参りましたが、とても素敵なお店で私の目下のイチ押しです。
ってことで、こんな…絶対、
普段ならお会いすることが出来ないようなお店の奥の方にいらしたシェフと
気軽にカウンター越しにお話しできてしまうお店
それが新宿の「La Vie」さんです^^
何がすごいって滞在中、二度ほど「場所がわからない」って電話がかかってきました。
みんな求めて探して必死こいてやってきます(笑)。
そしてやってくる人たちは皆、「食」にこだわりを持っていそうな方々ばかり。
既にいらしていたご婦人達は、定期的にお見えになっている様子。。
つまり皆、この味を求めて…という感じです。
みなさん美味しいものに敏感でいらっしゃる!
…ということで、まず一品目はカキのフラン
写真左の「フラン」は私の浅薄な知識の中では
卵を使ってふんわり固めた料理という認識だけれども(違ってたら指摘を)、
この牡蠣のフランと言ったら
カキの余分な場所は全部捨てて「ミルクタンク」のみを使っているとか。
このひと品でかなりの牡蠣が使われているようですが
まったく雑味がなく、甘く優しい味!
そして二品めが真鱈の白子をあぶり焼いてスープ仕立てにしたもの!
なんというか。。ものすごく深い味なので
スタッフの方に内容について伺っていたら厨房から、なんと佐藤シェフが
「これはね。。【水の料理】っていうの。料理から余分なものを一切排除して
素材本来の味を引き出す料理なんですよ」と声掛けが。。
家に帰って調べましたとも!
ベルナール・ロワゾーの提言する「キュイジーヌ・ア・ロー(水の料理)」
と呼ばれるものらしいですが
本当にフレンチなのに素朴で重たさがない感じ。
なんとなくこのまま会席に持ち込んでも良さそうな
「和」に結びついたお料理でした。
そして3品目が干しエビと白菜のアーリオオーリオ
干しエビが峻烈で濃厚な味を醸していて唐辛子以上に味をよく引き締めていました。
ってか、ワインも手伝ってだんだん苦しく…苦笑
そして三品目…こうやって提供されたんだけど。いいのかな?
確認すれば良かった。ソースが手前のような。。
魚は寒鰤(ぶり)
野菜はみぶな、水菜、赤からし水菜、ヤーコン、ポロネギそしてトレヴィス
一品ひと品が本当に丁寧に仕上がっていて強い味が出ていました。
そして!なんとごめんなさい。
メインで写真を撮る前に愚かにも手を付けてしまいましたが
子羊肉です!「じっくりローストした仔羊背肉の香草パン粉焼き」
本当に芸術的なお皿だったのに心底悔やまれます!
奥の野菜の彩がすごかった!
左から、ターサイ、大根、紅しぐれ大根、黒大根、紅芯大根、レディサラダ(三浦大根)、
そして人参、黄人参、京人参(食べちゃって画像にはないですが)
そして同じく食べちゃった「アピオス」に続きます。
野菜10種!そして肉にのっているのは、まこも茸!
すごい手のかかりよう、渾身の一品です!
お肉はもちろん、全然臭みがなくて柔らかくてそれでいて強い味。
正直、ボリュームがあったので量的に苦しかったですが
本当に美味しかったので残すなんてこと自分の脳みそが許さず
最後は舌と脳が胃袋に打ち勝った感じでした(どんな戦い?)
ここでしみじみ。。。
朝食を抜いて来れば良かった。。。orz
もちろん、最後はそれはそれで別腹。
これもすごかったよ!
何がすごいって上のティラミスなんだけど
「紅茶とアーモンドのティラミス」なの。。
抹茶のティラミスはよく聞くけどアールグレイのティラミスは初体験!
そして、これがよく合う!
この紅茶のティラミスは何をおいても食べたい一品!
もちろん洋梨のクラフティ・シャーベットも美味しかったけど
あのティラミスの味は忘れられないかも!
ってかこのお店、私は見逃さなかったよ、カウンターにあった小さな看板を。。
デザートのラインナップが半端ない。((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
この日のラインナップ
シナモン風味のクレームブリュレ バジルアイス添え
レッドグローブのヌガーグラッセ チョコレートとアーモンド入り
マスカルポーネチーズとキャラメルのエクレア
ココナッツプリン クコの実スープ
紅茶とアーモンドのティラミス カルバドス風味
洋ナシのクラフティ
軽いレモンクリームのフィアンティーヌ
ウーアラネージュ カシスとグレープフルーツのスープ
リンゴのパルフェ シブースト仕立て キャラメルシナモン風味
ショコラのババロア グラッサーージュかけ
ココアのキャラメリゼプリン
ジェラートに
バジルアイス マンゴーシャーベット ヨーグルトシャーベット
バニラアイス 白ごまシャーベット ブルーベリーシャーベット
洋ナシのシャーベット ルバーブシャーベット
えっと、私働くんで
是非ティータイム営業設けて(笑)!
…って言いたくなるくらいの厚さ。
ランチの一番軽いコースに
スイーツのワゴンサービスがあれば絶対行くのに!
…って思いました。
もちろんワインも美味しかった!
スパークリングは、Duck de Paris Brut デュック・ド・パリ・ブリュット(ヴァン・ムスー)
白ワインにSaumur Cuvee Vent du Nord
ソミュール・キュベ・ヴァン・デュ・ノール(フランス/ロワール)
最後の赤は仔羊に合わせて
Navaelus ナバエルス(スペイン/ナバーラ)
もうサイコーに贅沢な時間でした!
でも少し思ったのは
「こんな本格的なメニューを
なぜテーブルにクロスもかけない
20席ほどのこぢんまりとしたビストロ的な佇まいで
しかもイタリアンと混在させて提供しているのだろう?」という疑問。
でも、なんとなくシェフがおっしゃった「水の料理」という
言葉が、食べ終わって、すっと自分のお腹に落ちてきました。
たぶん、今まで豪華できらびやかなお店を歴任されたシェフが
敢えて、飾り立てないで素材で勝負する
「水の料理」みたいなお店にしたかったのかな。。
ドレスコードも、小うるさい肩肘張ったマナーも
必要なく、料理の美味しさだけを楽しめるお店。
そう思い返して、最初に並べられていたカトラリーを思い出しました。
お箸が添えてありました。
お年を召した婦人がお箸で嬉しそうにお友達と談笑されながらお食事されていました。
ぐるなびには「お子様、大歓迎」とあります。
フレンチだけれど、お店の神髄はたぶん
「駆け引きのない【もてなし】という和の心」であるような気がしました。
ちょっとじんと来て、
是非、母や家族を連れてきたいな。。って思ってしまいました。
LaVieさん、近く是非また寄らせて頂きたいと思います。
ありがとうございました!