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円卓の個室。幸福な宴が始まります。
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定番なんですね。三輪そうめんをお茶ベースの清湯スープで。
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黄金ピータン。
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上海蟹が詰まったパリッパリの春巻き。
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酔っ払い蟹にうちこ。うちこのなんという甘さ！形は不格好ながらしゃぶりつく旨さ。
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上海蟹の爪の身。
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スダチにコリコリの上質なクラゲ。
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きじのスープに杏仁の香り。ワンタンにきじ肉を包んで。このスープも奥深い。
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唐辛子にコンスターチをつけて揚げたスペアリブ。
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柿と干し梅。
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ほぼ二匹分の上海蟹の身と味噌をせいろで。
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上海蟹としっかりとしたフカヒレ、毛蟹の身。
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フカヒレの出汁でおじや。白トリュフをふんだんにかけて。
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鳩。五香粉の香り。鳩のジューシーさ、皮のパリッとした食感。最高。
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チンタンメンは上海蟹のＸＯ醤。
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リンゴに金木犀のジュレ。
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渋皮入りのお団子、周りがココナッツ、そして栗をすって。
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東京南麻布の大使館公邸を美しくリフォームした中華。
シェフの川田さんは麻布長江と龍吟にて修行されました。
オーナーの林さんも長江で修行。
麻布長江の総帥である長坂松夫さんは
現在は東京を離れ
故郷の香川県高松市に帰ってこられて
長江SORAEというお店を開いています。
そして龍吟のオーナー山本征治さんも高松出身。
もう茶禅華を取り巻くすべての人脈が高松市に繋がっていきます。
川田シェフも高松に3年勤務されていたそうです。
多分私が横溝正史だったなら
少し明かりを落とした円卓で
皆が繋がってゆくルーツの高松に
先祖の怨念とそこに端を発する殺人事件が
まことしやかに語られてもおかしくないシチュエーションですね。
そこで行われた殺人は
腰の強～い太いうどんで絞殺されたというのがドンピシャでしょうね、やはり。
今宵はステキな夜なので
その事件のことは
別の機会に譲ることといたしましょう（ﾆﾔﾘ）
その川田シェフとオーナー林さんの長江時代に
優しく、時に厳しく指導した当時の料理長が
今は岡山の中華・はすのみのオーナーである加藤堅太郎シェフ。
私がとっても懇意にしている料理人さん♪
オープン以来、
絶対にいつか訪問しなければ
私も香川県人として申し開きができない（？）立場であり、
今回、そのはすのみの加藤氏を通して
めちゃくちゃな重圧を掛けて頂いて予約。
念願の初訪問でした。
しかしエラそうに申しあげてしまいますが
京都には実は中華の名店がいくつかありまして
季節ごとにその料理を頂いている私。
やはり最高の中華は京都にあり、
という思いで生きて参りました。
ここ茶禅華で
料理の恐るべき美味しさに
完全にそのプライドを打ち砕かれてしまいました。
この日の川田シェフの料理、
ワタクシにとって生涯最高の中華を経験させて頂きました☆
スゴイ！この完成度！
上海蟹をふんだんに使われたこの夜、
今まで上海蟹はしょっぱかったり、味が濃かったり
ほとんど身が少なかったり、それでいて高いお勘定に卒倒したり。
高級食材でありながら
おいしいと感じたことは例外として京都の中華でしかなく、
でも今回の上海蟹はその美味しさの更に上を行く美味しさでした。
酔っぱらい蟹はしょっぱくもなく、醤油の強さにへきへきすることもなく。
蒸した蟹もモリモリと身が盛られて
せいろに登場した上海蟹は二匹以上使われています。
こんなに使ってくれるのは
よほど先輩の加藤君が恐ろしいのか、と推測したのですが、
今月の料理はこんなもんですからと川田シェフがおっしゃいます。
うーん、凄すぎる。
もちろん、メインの鳩の驚愕のおいしさや
前菜から締めである麺のスープに至るまで
その深みある味わいのひとつひとつに
もう私はボケてしまったのか、というほど恍惚の人と化しました。
そういえば、ここを訪れるにあたり、
マイレビの優しきモラヴィアさんより
二階の個室は円卓となり、
その個室にだけテラスが備えられていて
テラスもゆったりで贅沢なんですよ、
とのアドバイスを頂いたので
そこを貸し切って6人の会。
ただ円卓で殺人事件を語るには
あまりに料理が美味し過ぎたのでお蔵入り。
実際にはお互いを見つめながら
スポットに照らされたテラスを眺めて
みんなでついつい愛を語りあってしまいました。
最初はお互い恥じらいを装う各人でしたが
終わってみれば
やはり6人の愛は深まりましたね。
友情、夫婦愛、そしておっさんずラブ♡
打ち震えるような感動の料理。
その料理を包み込むように
たくさんの愛が円卓を回って
ああ、至福のひととき。
東京の夜は更けゆき、
お互いの愛は一層深まるのでした。
そこで横溝とうさんにより
こっそりと語られた、
高松藩にまつわる古くから唄い継がれた手毬唄。
その歌詞に沿って行われた殺人事件については
おっと、それも別の機会のお話といたしましょう。
いや、もういいかげんにして。